めんどくせぇことばかり
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『習近平の真意』 長谷川慶太郎

農村戸籍と都市戸籍の別っていうのは、明らかな差別ですよね。都市の労働者は様々な社会保障制度によって手厚い保護を受ける一方で、農村の農民は自給自足を原則として、社会保障制度の対象から外されているわけです。 工業は国営化され、労働者は国営企業の従業員ですから準公務員としての扱いを受けます。それに対して農民たちは人民公社に組織されるわけです。

ところが、人民公社は出だしの大躍進運動で4000万人の餓死者を出して、あとズルズル行って改革開放政策の中でいつの間にか解体されて、あとは農民はほっぽり放し。都市経済が活性化してくれば、出稼ぎに出るのは当たり前ですね。だけど最初から、所属母体を分けられちゃいましたから、農村に籍を置く者たちは、都市に居場所はないわけです。コソコソして生きてかなきゃいけないわけですね。その足元を見て、いくらでも安く使えたわけですね。

その農村戸籍の出稼ぎ労働者、農民工と呼ばれる人たちが“中国”の経済発展を支えたわけです。農村戸籍が9億7000万人、都市戸籍が4億2000万人ということですから、使いでがありますね。いい仕事はみんなとし戸籍の人たちのもので、農民工の仕事はかつて日本で3Kと呼ばれたような仕事だけ。ただ、戸籍アパルトヘイトと呼ぶ人もいるという話ですので、爆発が心配ですね。

農民工も第2世代で、彼らはそれなりに権利意識が高いらしいんです。最近の労働争議や、その結果としての賃金上昇っていうのは、農民工第2世代が主体になってのことのようです。

中国共産党は、いよいよこの戸籍問題に着手する腹を固めたようです。その怒りが共産党に向いたら、中国共産党が潰されますからね。ただそれって、農民工に支えられた経済発展を棒に振ることにつながるはずです。

『習近平の真意』っていう題名の本です。長谷川慶太郎さんは、それを《中国崩壊を防ぐために共産主義を捨て資本主義自由経済へと進む》ことにあるって言うんですが、・・・どんなもんでしょうね。


『習近平の真意』    長谷川慶太郎

徳間書店  ¥ 1,620

風雲急を告げる東アジア情勢を巡る日・米・中・朝・韓国及び、習近平に焦点を当てて分析
第1章 習近平との賭けに勝ったトランプ
第2章 中国が抱える難問
第3章 軍事と経済の対外戦略
第4章 習近平一強体制の出現
第5章 イノベーション重視の国家構想
第6章 ITによる国家統制の強化
第7章 共産主義から資本主義自由経済へ


そう、これまで、資本主義自由経済の前提には民主化が必要であるとされてきました。“中国”は共産党一党独裁の国ですからね。そんな非民主的な国で、習近平というかつての毛沢東並の権力を手にしようとしている男は、資本主義自由経済の実現を目指しているということです。

長谷川さんは、「可能かもしれない」と言います。そうですね。長谷川さんの言う通り、「民主化を前提にしないと資本主義自由経済はうまくいかない」という常識は、歴史的に厳しく検証されてきたことはないですね。

しかも今、“中国”人は、国家によって完全にプライバシー情報を管理されてます。モバイル決済を通じて国民の消費データのすべてを把握することを、習近平はめざしています。個人の資産の動きも、国家によって完全に把握されるようになります。

“中国”は戸籍差別を解消する方向へ動いていきますので、これまで発展を支えてきた経済構造が大きく変化します。資本主義自由経済を思考するわけですから、ゾンビ化した国営企業はすべて倒産します。シャドーバンキングの抱える負債も表面化するはずです。

どこかで騒乱が抑えきれなくなったとき、民族問題が混乱に拍車をかけるはずです。それらのすべてを、IT化による国家統制の強化によって乗り切ろうというのが、《習近平の真意》ということのようです。

「可能かもしれない」という長谷川さんの悪いジョークはともかく、《共産党一党独裁の崩壊の向こうに始まる民主化》まで、習近平は見据えているとおっしゃるんですが、いかがなもんでしょうか。
そうそう、《天津大爆発事故》。あれ、禁句らしいですよ。探ろうとすると、かえって来れなくなっちゃいますよ。




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『第二次世界大戦 アメリカの敗北』 渡辺惣樹

産経ニュース 2018/08/17
日本、慰安婦指摘に反論 「性奴隷は事実に反する」と主張 国連差別委員会 委員から謝罪要求の声も
(全文)
【ジュネーブ=三井美奈】国連人種差別撤廃委員会の対日審査は17日、2日目の会合が行われた。日本政府代表の外務省の大鷹正人・国連担当大使は、慰安婦問題をめぐって会合中に委員から「性奴隷」という表現が使われたとして、「事実に反し、不適切」だと抗議した。

これに対し、鄭(チョン)鎮星(ジンソン)委員(韓国)は「性奴隷という言葉は1990年代から国連機関で使われている」と反論した。

日本側は、アジア女性基金を通じて元慰安婦への償い金支給や福祉支援を行ってきたと説明したが、鄭委員は「基金は徹底的な調査なしに設立された。償い金受け取りの拒否は難しかった」と述べた。

また、2015年の日韓合意で両国が「最終的かつ不可逆的な解決」を確認したとする日本の主張に対し、ガイ・マクドゥーガル委員(米国)は「政府間の合意で、個人の要求を消すことはできない」と発言。慰安婦への謝罪が必要だと主張した。マルク・ボシュイ委員(ベルギー)も「政府間の合意で解決はできない」と述べた。

大鷹大使は、女性を強制連行したとする吉田清治氏(故人)の偽証を朝日新聞が報じたことで、慰安婦問題が世界的に広がったことに言及。不正確な情報が流布したことで「不幸な側面があった。この新聞はすでに謝罪した」と述べ、委員に客観的評価を求めた。

会合では人種差別的なヘイトスピーチへの対策、アイヌの人々の権利保護を求める声も出た。

委員会は今回の審査を踏まえ、30日に日本への勧告を公表する。

大鷹正人国連担当大使の言う通り、「性奴隷」なんていう表現は《事実に反し、不適切》ですね。まったく韓国人というのは、国としての約束も守れない。あまつさえ、金だけ受け取っておいて「償い金の拒否は難しかった」ですからね。あれは、“償い金”なんかじゃないよ。

まあ、韓国人はどこまでいっても治りません。それでこそ韓国人なんですから仕方がありません。国の成り立ちというより、韓国人の成り立ちが反日なんですから。

ここで取り上げるのは、国連人種差別撤廃委員会でガイ・マクドゥーガルというアメリカ人の委員が韓国よりの意見を述べていることについてです。



文春新書  ¥ 1,188

ハル・ノート、ヤルタ会談、国際連合、ブレトンウッズ体制、全てソヴィエトスパイが操った
第1章 モーゲンソープランの非道
第2章 ソビエトに最も貢献したスパイ
第3章 アルジャー・ヒス ヤルタ会談の黒幕にして国連を作った男
第4章 露見したスパイ網
第5章 ルーズベルト・トルーマン体制の破綻
第6章 ワシントン議会が暴いたソビエトスパイ
終章 「戦勝国」アメリカの敗北


本書で、《桂・タフト協定》のことが扱われてます。これ、けっこう大事なことだと思ってるんです。

アメリカの太平洋進出に関しては、どうしたって日本が邪魔になるんです。ハワイのときもそうでした。ハワイの乗っ取りに出たアメリカに対して日本は巡洋艦二隻を派遣して圧力を加えてるんです。日本は、最終的には、アメリカのハワイ乗っ取りに立ちはだかることはなかったんですが、太平洋では勝手は出来ないと、アメリカに思わせました。

そのあと、「リメンバー・メイン」(・・・どこかで聞いたことがあるような)を合言葉にキューバを支配するスペインに喧嘩をふっかけて、グアム、フィリピンをスペインから取り上げます。

このスペインから取り上げたフィリピンの支配っていうのが、いわばアメリカにとっての試金石だったんですね。無理のしどころ。アーサー・マッカーサーを派遣して、無理を通して道理を引っ込め、フィリピンを力で押しつぶし始めたわけです。

ただし、このとき邪魔になるのが、・・・アメリカがそう勝手に思ってるのが、日本なわけです。そこで、桂・タフト協定です。アメリカはフィリピンの統治に専念するためにも、朝鮮の支配を日本に任せたわけです。日本が朝鮮に深入りした背景には、アメリカのそうした思惑があったわけです。

それが、この協定から40年ほどがたった1943年、そのアメリカの大統領であるフランクリン・D・ルーズベルトは、カイロ会談の決定を次のようにまとめます。

《三国(米英中)は、奴隷状態に置かれている朝鮮の人々を憂い、時機を見た上で、朝鮮は自由となり独立すべきであると考える》

日本に朝鮮を押し付けて、アメリカは何をやったかって言うと、アーサー・マッカーサーにフィリピン人を大量虐殺させてました。

おお、またかよ。アメリカ人!




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『萩原編集長の山塾』 萩原浩司

『山と渓谷』の編集長が山の入門書を書いちゃあさあ、そりゃあ、ほかの入門書が売れなくなっちゃうんじゃないでしょうか。いいですねぇ、この題名。それに、この表紙。表銀座でしょ。裏表紙は後ろ姿なんですよ。

本当に、山ブームですね。NHKの『にっぽん百名山』は、山ブームに便乗して始まったもののようですが、けっこう相乗効果で、この山ブームに貢献しているんじゃないかと思います。

その『にっぽん百名山』のVTRをもとにして、実際に登山をする際に役立つテクニックを紹介するのが『実践!にっぽん百名山』という番組で、その番組で“山の指導者”役をしているのが編集長こと、萩原浩司さんということになります。

なにせ、『山と渓谷』の編集長ですからね。番組の中で“編集長”と呼ばれるようになって、すっかりそれが定着して、“編集長”の技術指導のコーナーは「ヤマ塾」ですから、それはこの本そのものということですね。

私は“編集長”と同じ年の生まれ。『山と渓谷』にはずいぶんとお世話になりました。だけど、一番、読んでいた時期はやっぱり、高校、大学の時。“編集長”が本当に編集長の仕事をしていたときのものは読んでないと思います。それでも“編集長”には、本当にお世話になったって思いがあるんです。

2016年の10月に足の手術をしたんですが、その前の数年間は足の痛みが徐々に強くなっていった時期なんです。思いっきり走れたものがそうはいかなくなり、ジョギングぐらい出来たものがそうはいかなくなり、ウォーキングくらいできたものがそうはいかなくなり、自転車くらいこげたものがそうはいかなくなっていった時期なんです。痛み止めも、だんだん強いものになって、使用頻度が増していって、最後は少なくとも一日に二度は座薬を使っていました。

『にっぽん百名山』を始めとする山を扱ったTV番組は、そんな時期の私の何よりの励みでした。そういった番組の多くに“編集長”が出てましたからね。“編集長”見ると、「私も・・・」って思います。


『萩原編集長の山塾』    萩原浩司

山と渓谷社  ¥ 1,728

萩原編集長が,豊富な経験をもとに登山テクニックを書き下ろした登山技術読本

第1章  登山計画
第2章  登山用具
第3章  歩行技術
第4章  生活技術
第5章  危機管理
第6章  山の楽しみ
第7章  ガイド

「編集長のヤマ塾」は150回にわたる『実践!にっぽん百名山』の中で、“編集長”のいろいろな山での経験をもとにした登山技術が伝えられてきたわけです。でも、やはり一冊にまとめられると、違いますね。しっかり、学び直そうという気持ちにしてくれます。

30代なかばで山をやめるまでは、若さや体力で押し通すような山登りもしてしまっていたので、今の私なんかは、どうしたってこういう本を読んでおく必要があると思います。装備なんかもね。いい加減でしたよ。「シュラフがない」とか、「テントがない」とか。・・・いくらなんでも、そりゃひどすぎるでしょ。

そんなレベルの話じゃなくて、この本は、登山靴、ザック、今はバックパックっていうのか。登山用のウェア。これはずいぶん変わりましたね。ストック、ファーストエイドキット、水筒、などなどなど。それから、ちょっとした小物ね。これがすごい。テント泊用、山小屋用と、たしかにこれは便利だなってものが、いろいろと紹介されています。

他の本にはあまりないこともあるけど、“歩行技術”なんかも必要なんですよね。山岳部からはじめた人は、いろいろなことを上の人から仕込まれるけど、そうでもないと“歩行技術”なんて習いませんよね。「右足、次は左足」ってな感じですよね。パッキングなんかもそう。昔は高等技術だったですよ。今はザックがいいから背中に当たるなんてことはないでしょうけど、長く歩くにはやはり大事なことだと思います。“生活技術”、この項目もいいですねぇ。ちょっとした“編集長の知恵”がありがたいです。

何より“危機管理”。もっと、ここにページ割いてもいいところだけど、まあ、一冊の本のバランスというものがありますからね。

そういうところを考えると、“編集長”も大変です。テレビの番組で、山に興味を持つ人も多いと思います。そういう人が登山用品を買えば、お店もメーカーも儲かります。だけど、たくさんの人が山に行けば、それだけ危険に遭遇する人も増えます。山は危ないですからね。“編集長”の仕事は増える一方です。頑張ってくださいね。

平日の山はいいですよ。本当に・・・。



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“蚊”『旅先のオバケ』 椎名誠

武田さんの本に書いてあったけど、マラリアも克服できるはずだったって。今でも年間42万忍以上が命を落としているっていうんだから、ものすごい病気ですよね。

マラリアはマラリア原虫という寄生虫によって引き起こされる病気で、マラリア原虫をもった蚊に刺されることで感染するんですって。マラリア原虫を持っているメスの羽斑蚊が産卵のため人の体を刺して吸血するときに、マラリア原虫が体内に侵入するんですね。

日本にもあったらしいです。《マラリアNoMorejapan》によれば、平清盛はマラリアらしいですよ。そう言えば、高熱に苦しんだんですよね。そんな昔じゃなくても、明治から昭和初期には全国で大流行して、年間の死者が2万人を超えた年もあるとか。完全に克服されたのは1950年代だそうです。

東南アジアやアフリカでもマラリア克服寸前まで行ったのは、DDTの使用による成果だったんですね。すごい効果ですよ。例えばスリランカでは、1948年から1962年までDDTの定期散布を行ない、それまで年間250万を数えたマラリア患者の数を31人にまで激減させることに成功したっていうんですから。

ところが、環境汚染物質と騒がれて、製造されなくなっちゃったんですね。レイチェル・カーソンの「沈黙の春」で取り上げられたことの効果が大きかったみたいです。DDT禁止後には、僅か5年足らずで年間250万に逆戻りしちゃうんです。

使い方次第なのにね。マラリアが克服されてれば、年間42万人も死ななくて済んでるのに。

おかしな方に話が言ってしまいましたけど、椎名誠さんの旅のエピソードの中に、“蚊”にまつわる話が結構出てくるんです。やっぱり、“蚊”って恐ろしいんですね。


集英社  ¥ 1,404

椎名誠が泊ってきた「宿」を振り返る。地球を股にかけた、オドロキのエピソードが満載! 
第1章 あとになってフルエルような恐ろし宿体験 
第2章 土地に残る「記憶」を感じる旅 
第3章 アジア離島宿いろいろ 
第4章 シベリア・モンゴル・北極圏 宿泊は時にタタカイだ 
第5章 世界のあちこちでこんな宿に泊まってきた 

この話、以前なんかの本で読んだことがあります。この話っていうのは、カナダ北極圏でのテント泊の話なんだけど、短い夏の間のお話ね。

《カナダ北極圏の短い夏のお話》なんていうと、涼しくて、雄大で、羨ましく感じてしまうところなんだけど、これはじつはとんでもない話なんです。北極圏の短い夏の間に生殖を遂げようとする“蚊”が大発生するらしいんです。夕方になると、そいつらがあらゆる生きとし生けるものを襲い始まるらしいんです。

なにしろ、そこはグリズリーとか、シロクマくんの世界。グリズリーやシロクマの、あの剛毛でおおわれた皮膚にも針を立てるような“蚊”数千匹が、渦を巻くようにして飛び回り、獲物に狙いを定めて襲いかかってくるんです。

安全なのはテントの中だけ。テントに飛び込んで入り口を閉めることで、数千匹の“蚊”を外に置き去りにするものの、数百匹は一緒にテントの中に入ってくるというんです。それからおよそ30分を、“蚊”の殺戮のために費やすと。

数千匹を置き去りにしたとは言え、グリズリーの剛毛でおおわれた皮膚に針を立てるような連中が外からテントに針を立ててくるらしいんです。・・・恐ろしい。

しかし、テントに逃げ込んだと言っても、生理現象は容赦なく湧き上がります。服を着込んで、皮膚を露出するところには虫除けスプレーをまんべんなく噴霧するんですが、これがまた恐ろしい。

“蚊”もただ者ではありません。なにしろあのグリズリーの剛毛・・・、もういいか。

そのスプレー、日本で売ってるような、かわいい子供の顔が書かれてるようなものとは違うんです。そこに書かれているのはドクロにバッテン。つまり、毒物ですね。それくらいじゃないと役に立たないんです。

それを噴霧して、短時間に生理現象を放出しようとパンツをおろした瞬間。そこにはドクロにバッテンを噴霧してなかったので、数千匹の“蚊”が一気に放出口に襲いかかってきたと言うんです。

ギャー

ああ、ちっとも本の紹介になってない。・・・とりあえず、そんな話がいっぱいです。本に関しては、またあらためて!




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北朝鮮『習近平の真意』 長谷川慶太郎

“お盆協奏曲”も最終楽章。お休みは、もう終わりました?お仕事は週明けからですか?まだまだ残暑が厳しいものの、お盆が終わると、虫の声がはっきり意識されてきます。えっ、もう鳴いてますか。子供の頃、かやの中にスイッチョンが入ってきて、うるさかった~。

「スイーイッチョン、スイーイッチョン」って、後ろの“イ”の部分にアクセントが来るんですよね。いつも、下の兄と二人で寝てたんだけど、眠くて眠くて身体が動かないのに、兄が私に、「早く外に出して」っていうんです。ああ・・・

さて、この本は6月30日第1刷で、“まえがき”は5月に書かれています。米朝会談が6月12日ですから、まずまず、リアルタイムと言っていいでしょう。この本が出された頃のマスコミによる米朝会談に対する論調は、長谷川さんの分析とは大きく異なってます。

マスコミは、特に日本のマスコミは、《金正恩の完全勝利》と言い切るところさえありました。核実験場の廃棄なんて言う痛くも痒くもないことを代償に、なんの言質も取られずに、“中国”を味方につけることで、経済制裁緩和への糸口を見つけていったということでしょう。

「朝鮮半島の非核化」では、確かに言質を取られたことになりません。金正恩が習近平を立てたことで、習近平も面目を施した格好で、制裁緩和をトランプ大統領に働きかけているように見えます。

そのあたり、長谷川慶太郎さんの分析は、米朝会談以前のものになりますが、まったく違うものになってます。

そのあたり、まあ、とりあえず、この本の《第1章 習近平との賭けに勝ったトランプ》に見られる、長谷川慶太郎さんの北朝鮮に対する分析を見ておきましょう。

『習近平の真意』    長谷川慶太郎

徳間書店  ¥ 1,620

風雲急を告げる東アジア情勢を巡る日・米・中・朝・韓国及び、習近平に焦点を当てて分析
第1章 習近平との賭けに勝ったトランプ
第2章 中国が抱える難問
第3章 軍事と経済の対外戦略
第4章 習近平一強体制の出現
第5章 イノベーション重視の国家構想
第6章 ITによる国家統制の強化
第7章 共産主義から資本主義自由経済へ


まずは、北朝鮮を巡るアメリカと“中国”のやり取りの中で、“中国”は北朝鮮を《見捨てた》ということです。“中国”はアメリカの要求に従って、北朝鮮経済封鎖の包囲網に完全に組み込まれました。

これを受けて金正恩は、新年の辞のなかで、平昌オリンピックへの選手の派遣と南北閣僚級会談を申し入れ、実妹の金与正をその席に送り出しました。さらに金与正は2月10日に青瓦台で文在寅大統領に会い、「私が特使です」と切り出して金正恩の親書を手渡しました。絶対に後戻りできない一歩を踏み出したわけです。

そして3月5日、金正恩は平壌で、文在寅が派遣した特使と会談し、4月末に板門店で南北首脳会談を行うことと、非核化の意思表明を行いました。さらに、3月8日には、北朝鮮を訪問した韓国の特使団がワシントンを訪ねてトランプ大統領と面会しています。この場で、特使団から大統領に、早期の米朝首脳会談を金正恩が望んでいることを伝え、史上初の米朝首脳会談が決定した。

ここまでの状況で、すでに趨勢は決したというのが長谷川慶太郎さんの考えで、基本的には私もそういうことだろうと思います。

金正恩はその後、二度ほど“中国”を訪れていますが、しっかりと体裁を整えるための訪問と考えるべきなんでしょう。“中国”は、アメリカにて期待する北朝鮮は見捨てましたが、非核化を決意した北朝鮮に手を貸すことはできるわけです。そうすることで“中国”の存在感を示すことは、“中国”の望むところでもあります。

非核化の受け入れを決した金正恩は、北朝鮮の指導者の地位を維持するためにやらなければならないことは多いでしょう。まずは朝鮮戦争の休戦協定を平和協定にしていくことを求められることになりますが、そのためには、戦争の行われた意味を確定し、勝敗を明らかにしなければならないと長谷川さんは言ってます。

たしかにそうですね。あの闘いは、金日成が一方的な半島統一を夢見て、戦線の布告もしないで韓国に攻め込んだわけです。少なこともそれを受け入れなければ、平和協定にはならないでしょう。

その上で非核化を実施し、IAEA当たりの実証を受けなければならなくなります。「小型化した核はどこにでも隠せるから、非核化は実際には無理」なんてことを言ってる人もいるけど、もう金正恩は後戻りできない一歩を踏み出しているわけです。

金正恩にとっての危険は、今やアメリカでも“中国”でもなく、国内の勢力になっているはずですね。・・・そうそう、北朝鮮はいま、食糧不足にあえいでいるみたいですね。・・・そう長い時間は、残されてないみたいですね。




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『今、心配されている環境問題は、実は心配いらないという本当の話』 武田邦彦

本書の中で、二〇一六年三月に問題になった大阪市立中学校の校長の発言が取り上げられています。
“今から日本の将来にとって、とても大事な話をします。特に女子の人は、まず顔を上げて良く聴いてください。女性にとって最も大切なことは、こどもを二人以上生むことです。これは仕事でキャリアを積むこと以上に価値があります。

なぜなら、こどもが生まれなくなると、日本の国がなくなってしまうからです。しかも、女性しか、こどもを産むことができません。男性には不可能なことです。

「女性が、こどもを二人以上産み、育て上げると、無料で国立大学の望む学部を能力に応じて入学し、卒業できる権利を与えたら良い」と言った人がいますが、私も賛成です。子育てのあと、大学で学び医師や弁護士、学校の先生、看護師などの専門職に就けば良いのです。子育ては、それ程価値のあることなのです。

もし、体の具合で、こどもに恵まれない人、結婚しない人も、親に恵まれないこどもを里親になって育てることはできます。

次に男子の人も特に良く聴いてください。子育ては、必ず夫婦で助け合いながらするものです。女性だけの仕事ではありません。

人として育ててもらった以上、何らかの形で子育てをすることが、親に対する恩返しです。

子育てをしたら、それで終わりではありません。その後、勉強をいつでも再開できるよう、中学生の間にしっかり勉強しておくことです。少子化を防ぐことは、日本の未来を左右します。

やっぱり結論は、「今しっかり勉強しなさい」ということになります。以上です。
その後、匿名の電話で市の教育委員会に訴えがあったそうです。教育委員会はこれを問題として処分を検討し、三月いっぱいで退職させることになりました。

「公務員が個人の生き方を指図する権利はない」
「老害」
「この人の発言を正論だって言う人たちが少なからずいる現実が辛いな」
「人生の大切な選択を他人に決められるべきではないと思う」
ほか、いろいろな意見があったようですね。
でも、子供を生んで育てるってのは、女にとってだけじゃなくて、男にとっても《人生で最大の仕事であり、その他のことは、出産・子育てに比べれば、何分の一しか価値はないだろう》と言っているのは著者の武田さん。残念ながら、私もそう思います。


『今、心配されている環境問題は、実は心配いらないという本当の話』
                                          武田邦彦
山と渓谷社  ¥ 1,404
環境問題の第1人者、武田邦彦教授が、近未来の環境に関する真実と未来を語る。
第一章 環境の基礎:人口と温暖化
第二章 無駄な環境の税金
第三章 無駄な医療の医療費 
第四章 全体のお金の環境 
第五章 男女環境・家庭環境
第六章 寿命と環境
第七章 新しい環境の概念 


リサイクルのイカサマ、温暖化対策の金儲け、ダイオキシンの嘘八百、環境ホルモンの知らんぷり。

大事なのは何でしょうね。

バイオエタノール騒動のときはひどかったですね。温暖化温暖化の大合唱の中の出来事でした。バイオエタノールこそ二酸化炭素の排出に歯止めをかけ、温暖化対策の切り札の一つになると。

だけどそれって、石油に代わって農作物からエタノールを採って、それで自動車を動かすってことでした。そしてお金持ちは、あんまり寒かったのでとうもろこしを暖炉にくべて燃やして温まりました。貧乏人は窓の外から暖炉でとうもろこしが燃えるのを見ながら、腹を減らして死んでいきました。

DDTは昆虫駆除の特効薬でした。しかも、人間には何の外もない理想の駆除剤でした。アメリカではヘリコプターで大量散布されるようになっても、そのために影響を受ける動物はありませんでした。ところが、一〇年ほどして、鳥が減るという現象が起きたそうです。原因を調べると、減ったのは昆虫を餌にしていた動物だったそうです。

DDTは排斥対象となりました。ただ、散布の仕方を変えれば問題はなかったはずが、《環境に悪い》という観念だけが先走りしたんですね。ダイオキシンもそうだったし、タバコに対してもヒステリックですよね。

DDTはなくなって、満足した人もいたかもしれません。だけど、発展途上国ではハマダラ蚊を一掃する寸前までいってたのに、DDTが使われなくなって元の木阿弥だそうです。いまでも、何千万人という人が、マラリアで命を落としているそうです。

本質的なことは何でしょう。

出来うるならば、所帯を持って、子供を二人以上生み、大事に育てる。

環境にうるさい人は、怖いもんですね。・・・って、武田さんがいってましたよ。

おお、卑怯な締めくくり方。




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《七ッ石山》

どうもいけませんね。

少し前から走り始めました。朝です。定年を間近に控えても、なかなか思いが定まらず、かえって混乱するばかりのこの頃です。走ってるとものを考えずに済むのでいいですね。だいたい私は、ものを深く考えるように出来てないのかもしれないです。

先日、連れ合いを日光に誘ったのですが、プールがお盆休みに入る前はしっかり泳いでおきたいみたいで体よく断られ、一人で行くことに。

一人で行くんなら日光まで足を伸ばすこともないと、奥多摩の地図を取り出す。こういうふうにして行き場所決めるのは、あまり良くありませんね。大岳山でもいってこようかと思ったんですけど、どうも気が乗らない。《奥日光なら涼しい》って気持ちがあったもんですから・・・。
地図3じゃあ、奥多摩の地図じゃあ、だいぶ上まで行かないとですよね。

ということで、雲取に目が惹きつけられちゃいました。

まあ、上まで行けば涼しいかもしれないけど、・・・そこまでは
どうしようかな~。行くとなれば、朝5時には出ないとだし、どうしようかな。・・・眠いな。zzz

年寄りの朝は早い。山のことが気にかかってることもあって、3時に目が覚めました。「どうしようかな」なんて思いながら、ザックに荷物詰め込んで・・・。「どうしようかな」なんて思いながらなもんだから、なんかいい加減な準備になってしまって・・・。ブログの写真の整理をするうちに、もうすぐ5時。とりあえず出かけるかって、寝てる連れ合いに声をかけて、出発。

奥多摩湖の先、鴨沢から少し上がった所、小袖乗越に車を置く予定。実は、奥多摩から雲取に登ったことはないんです。初体験。でも、本当に雲取まで行けるでしょうか。あっ、そう言えば、食い物の準備が足りない。そうそう、いい加減な準備だったから、ラーメン一個しか持ってきてない。行動食が足りない。非常食なんかない。
七ツ石山 (1)鴨沢から山に入って行きますが、舗装されてますが、すれ違いも難しい道です。10分ほど行った所にこの駐車場があります。この日は平日ですが、土日は車があふれることもあるそうです。

7時出発です。もう日が昇っちゃった。
七ツ石山 (2)すでに暑い。

しばらく舗装道路を歩いて、ここから山道です。鴨沢から上がってくるとき、登山届を出しましたが、その際、行き先を七ツ石山に変更しました。


七ツ石山 (3)七ツ石山 (4)
七ツ石山に目的地を変更したとは言え、雲取に向かう道。秩父からしか雲取に登ったことはないけど、雰囲気はよく似てる感じがするけど、こっちの方が明るい気がする。右は堂所当たりの標識だけど、ここまで1時間半歩いて、ちょっと汗を書きすぎかな。もちろん補給はしているけど・・・。
地図堂所から先1時間の登りはきつかったです。ときどき、足が止まりました。暑くて、汗を書きすぎている状況もあると思いますが、翌日の筋肉痛を考えると、そのペースで歩くだけの筋力がないってことですね。

七ツ石山をパスする巻道で向こうに回り込んで、向こう側から七ツ石山に登ることにしました。
七ツ石山 (5)七ツ石山 (7)
巻道の分岐からすぐの所に、滝が登山道に落ちてるところがあります。もう、気持ちがいいのなんのって。この日一番の興奮でした。秩父側よりも水に恵まれているのも、大きな特徴ですね。
七ツ石山 (9)七ツ石山 (10)
ブナダワ、巻道の終点です。向こうに、雲取に向かう道が続いています。マルバダケブキの群生沿いに道が続いています。だいぶ上がってきたので、登りはじめのような暑さはありません。
地図2ブナダワから先は、今の私なら1時間半弱かな。ここまで来て9時40分だから、時間的には雲取まで行っても十分余裕があるんだけど、汗をかき過ぎてるのが自分でもわかります。

これ以上は、年寄りの冷や水ですね。次回、近い内に、4時出発で再挑戦しましょう。
七ツ石山 (11)七ツ石山 (12)
七ツ石山 (13)山頂の標識は、なんか、慰霊碑みたいでした。上に来たら途端にガスがまいてきて真っ白。涼しいから山頂で昼寝でもして帰ろうと思ったんだけど、ラーメン食って、早々に下山します。 バイバイ、トンボくん
七ツ石小屋付近の水場、じゃんじゃん流れてました。本当に水が豊富な道中ですね。

そのまま下りて、駐車場には12時10分には着いちゃいました。いや、暑いこと、暑いこと。そう言えば、山に来ると思いが定まりますね。基本的にはそういう生活、晴遊雨読がいいですね。




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テーマ : 登山
ジャンル : スポーツ

『キャンプ完全ガイド』 木村東吉

子供はもう成人して、娘はお母さんになったし、息子は滋賀県の企業に就職をして家を出ました。子供の頃に何度かキャンプに連れて行きました。連れ合いがそんなにアウトドアが好きな方じゃないし、私も子供を山に連れて行こうとは思ってなかったので、行っていた頃でも年に一度でしたね。そのうち、親よりも子供に都合ができて、いつの間にか行かなくなりました。

それなりに楽しかったですよ。そうそう、湯の丸のスキー場にテント張ったら、連れ合いはたった標高2000mで高山病になってました。すぐに鹿沢まで下りて、1300mにテントを張り直しました。小梨平のキャンプ場で作ったお手製のみたらし団子は、子どもたちに評判が良かったです。夜、たぬきが出て、朝ごはんのハムを取られるなんてこともありました。今考えれば、なんだか懐かしいばっかりですね。子どもたちは、忘れてるんじゃないかな。

これはその頃に使っていた本ってわけじゃないんです。当時はそれこそ、キャンプを勉強していこうなんて考えてもいませんでした。かといって、ただ昔を懐かしんで買ったわけじゃありません。今度は、一人で行きます。そのために・・・。

じつは私、あまりキャンプの知恵がありません。かつてテント張って泊まってたのは、あくまでも山での縦走用ですから。アクティビティとか、快適に過ごすとか、リラックスしたいとか、料理にこだわるとかって、実は考えたこともないんです。山では常に食当でしたけど、こだわるのは制限された食材をいかに美味しく食べるかってことでからね。

だから、一人で、十分に時間を使って愉しむキャンプを、それも私らしいやり方を作り上げていこうかと思って、こういう本を買ってみました。おそらく、今後、こういう本をたくさん購入することになると思います。なにしろ、何でもかんでも、新しいことは、本から学ぼうとする几帳面な質なもんですから。



西東社  ¥ 1,296

初心者からベテランまで、キャンプがもっと楽しめる キャンプ通が教える便利ワザが満載
キャンプスタイルガイド
PART1  道具をそろえよう
PART2  キャンプに行こう
PART3  野外料理を楽しもう
PART4  もっとキャンプを楽しもう


・・・案外、めんどくさいな。ちょっと、思い描いているものと違うかな。

ああ、車ですね。車でキャンプに行くなら、こういうやり方ができるんですね。便利なものをどんどんつぎ込んで、快適なキャンプができそうですね。そういうのもいいですね。子どもを連れて行くキャンプならそうかも知れませんね。

冬はスキーのゲレンデになるようなひろーい所なら、そういうのもいいかもしれませんね。他にテントがあっても、ひろーい所にぽつんとテントが張れればね。夏場に一月くらいゆっくりして、その間に誰か知り合いが酒持って訪ねてくれるようなら、もっと楽しそうです。戸隠のキャンプ場も広かったな。奥日光もあまり人がいなかった。

でも、今、私が考えているのは、持っていく荷物は、ザックに入るだけのもの。背負って歩けるだけのものです。そう考えると、ちょっとこの本はむいてなかったかな。

でもね。この本、後半、ほとんど料理の本へと変わっていくんです。私は、キャンプにダッチオーブンを持っていく予定はないし、クーラーボックスで氷を持っていくつもりもありません。だけど、料理の年季だけは入ってますからね。キャンプにあうご飯を十分参考にさせてもらいます。

そして、キャンプ料理に続いて、いよいよ焚き火です。火は、いいですよね。子供の頃は、なんにでも日をつけていた私ですからね。誤解しないでくださいね。放火じゃありませんよ。すべて、合法の範囲です。

今は焚き火も大変みたいですからね。いろいろ勉強しておかなくちゃ。「まったくもう、なんにでも火をつけて!」・・・この歳になってそんなことを言われたら困りますからね。

そんなことを言ってくれる女は、・・・もう絶対いません!




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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

シーア派『シーア派とスンニ派』 池内恵

高校の時の世界史では、ムハンマド時代、正統カリフ時代、ウマイヤ朝時代、アッバース朝時代っていう時代区分と勢力範囲、それぞれの時代の特徴当たりを習うくらいでしたでしょうか。中でも正統カリフ時代は、非常に能力の高いカリフのもとで、教団としての組織を固め、コーランを編纂して教義を統一し、勢力範囲を急激に拡大していったという印象が強い。

著者の池内恵さんが、「一般に宗教団体というものは、創設者が亡くなったときに最大の危機に直面する」って書いてるんだけど、そのとおりでしょうね。イスラム教もご多分に漏れず、ムハンマドの死は、教団としての大きな危機だったようです。

その危機から生まれたのが、イスラム教の分裂なんですね。つまり、ムハンマドの死が、イスラム教がシーア派とスンニ派に分裂するきっかけとなったということです。

スンニ派は、ムハンマドの死後に、歴史上に実際に行われた権力の継承を、全面的に肯定するグループです。つまり、主流派ですね。これに対するシーア派は、逆に反主流派。つまり、その権力の継承を否定する立場ということです。シーア派は、イスラム史初期の権力の継承を、本来はあってはならない不正義であり、権力の簒奪であったと捉えているということです。

ずいぶん真正面からぶつかり合っているんですね。教義上、ここまでぶつかりあうと大変ですね。でも、反主流派のシーア派は少数派で、全イスラム教徒の一割か一割五分程度だそうだから、揉め事になるような数字じゃないか。

・・・なんて思ったあなた。・・・あなたは甘い。

大丈夫。ついさっきまで、私も甘ちゃんでしたから。

確かに少数派のシーア派は、東南アジアや南アジア、つまり巨大イスラム教地帯であるインドネシアやインドにはいないらしいんです。さらにはエジプトやモロッコ・エルジェリアといったマグリブ諸国にもいない。となると、・・・そうなんです。そこを除いた中東に、シーア派は集中しているのです。中東だけをとってみれば、シーア派は少数派だからなんて見くびれるような存在じゃないということです。



新潮社  ¥ 1,080

ますます深まる混乱と亀裂 やはり、両派の対立が、その原因なのか
第1章  中東問題は宗派対立なのか?
第2章  シーア派とはなにか
第3章  それはイラン革命から始まった
第4章  イラク戦争が解き放った宗派対立
第5章  レバノンー宗派主義体制のモデル
第6章  「アラブの春」と「まだら状の秩序」

さて、最大の危機であるムハンマドの死の直後、一体何が起こったのか。

イスラム教のリーダーの地位は、その時点における最大権力者に委ねられました。“ムスリムの合意により”と教科書に書かれていますが、実際には有力者の談合で決まりました。一般ムスリムが、それに逆らえるはずもありません。そのようにして、“四代正統カリフ”に、リーダーの地位は引き継がれました。

アブー・バクル、ウマル、ウスマーン、アリーの四人ですね。これをそのまま正統であると認めたのがスンニ派です。そう言えばイスラム国でカリフを名乗ったバグダディも、“アブー・バクル・アル・バグダディ”って名乗ってましたね。スンニ派ですからね。

そして、シーア派は、この権力継承を認めないわけです。ムハンマドのあとは、その直系の子孫にこそ教団国家を指導する権限が継承されるべきという立場を取るのがシーア派です。ムハンマドには、最初の妻ハディージャとの間にファーティマという娘がいました。ファーティマは、ムハンマドの腹心の部下で、従弟でもあるアリーと結婚していた。ムハンマドの従弟にして娘婿であるアリーこそ、ムハンマドの後継者としてふさわしいと考えていたわけですね。

ムハンマドは、イスラム教徒らしく多くの妻を娶ったらしい。中でも晩年、一番愛したのがアーイシャで、これがムハンマドと同族のクライッシュ族の有力者アブー・バクルの娘だったわけです。すでにアーイシャが六歳の頃に婚約したんだそうです。ムハンマドは四十歳以上年上というから、このときで四十六歳以上ですね。・・・イスラム教徒らしくですか?

この辺、イスラム教徒という問題じゃなく、いまでも、“名誉殺人”なんてことが問題になったりしますが、イスラム教以前からの部族の風習だったんでしょう。一夫多妻をイスラム教に根拠を求めたりしますが、それは違うでしょう。未だに遠く過ぎ去ったはずの過去の風習から自由になれないということでしょう。まあ、いいや。

六三二年にムハンマドが死んでから四五年間。ムハンマドの言行録であるハディースの多くは、この間にアーイシャが語り継いだものだそうですね。このアーイシャとアリーが、ものすごく仲が悪かったらしいんです。

アーイシャには不倫疑惑があって、遠征中に行方不明になったアーイシャが、若い男のラクダで帰ってきたんです。大問題になったんだけど、神様がムハンマドにアーイシャを無実とする啓示を、都合よく下してくださったらしいんです。そのため、アーイシャを不倫で訴えた奴らが殺されてるんですね。この神の啓示が都合よく下される前、まだ不倫騒動真っ只中に、アーイシャを離婚することを進めたのがアリーだったんです。

巡り巡って四代目の正統カリフになったものの、アリーは暗殺され、アブー・バクルやウマルが重用したメッカの有力家系のムアーウィア・ウマイヤが権力を掌握します。ウマイヤ朝の始まりですね。このとき、アリーにて期待する勢力の中に、アーイシャの影が見え隠れするらしいんです。・・・なんてことでしょう。

その後、アリーの次男が反乱のリーダーに担ぎ上げられて、結果的には惨殺されます。シーア派は、指導者をイマームと呼びます。初代イマームがアリー、二代が長男のハサン、三代がフサインです。その後、その血統から十二名のイマームが生まれたとするのが十二イマーム派という、シーア派の主流ですね。

やっぱり46歳を過ぎて、いかに事情があったとは言え、6歳の娘と婚約ってのは、・・・ねぇ。それだけ、ムハンマドもアブー・バクルの力を手に入れたかったってことでしょうか。それとも本当に6歳の娘の方を手に入れたかったんでしょうか。・・・



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テーマ : 読んだ本
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『私たちは中国が世界で一番幸せな国だと思っていた』 石平✖矢板明夫

この本は、石平さんと、産経新聞外信部次長の矢板明夫さんの対談もの。石平さんが天安門事件をきっかけに共産党の支配する“中国”を捨てて、日本に帰化したことは良く知られるところです。だけど、矢板明夫さんも“中国”生まれだったんですね。残留日本人孤児二世だそうです。

もともと、日本から“中国”に渡ったのは矢板さんのおじいさんだったそうで、北京で電気関連の工場を経営されてたんだそうです。それが、戦争末期に日本軍に徴用され、ソ連によってシベリアに抑留されて、そのまんま亡くなってしまったんです。おばあさんは1942年に生まれた矢板さんのお父さんやそのお姉さんを養うために、電気工場の元従業員と再婚したんだそうです。矢板さんのお父さんは、のちに“中国”の女性と結婚して、生まれたのが矢板さんと言うことですね。

矢板さんは1972年の生まれですから、文化大革命の真っただ中ですね。だから、おそらく幼い記憶に残るのは、改革開放の“中国”でしょうか。それ以前に日本のスパイみたいに言われて肩身の狭い思いをしていたご家族は、そこからは日本に縁者がいるということで、とても大事にされたんだそうです。15歳で日本に引き揚げたということなので、1987年ですか。今度はバブル真っただ中ですね。

石平さんの初来日は1988年だそうだから、前後して日本にやってきたわけですね。

それにしても、毛沢東っていうのは本当に恐ろしい。私の毛沢東初体験は、小学校のころに地元の宝屋というデパートがあって、何だか子どものころのことで、まったく背景が分からないんだけど、毛沢東物産展と言うのをやってたことでした。大した記憶じゃないんだけど、半分禿げあがった毛沢東の写真と、使いづらそうなぶっとい万年筆が並んでたのを覚えています。

1960年生まれの私の小学生時代の思い出ですので、やはり文革のころのものでしょう。日本では、左寄りの人たちを中心に高く評価されてたんですね。毛沢東の写真は、今でも天安門広場の象徴となってますよね。

劉暁波さんの自伝に、毛沢東に関わる一節があるそうです。それによれば毛沢東は、誰の心の中にも住んでいる“悪魔”を利用することの天才だったってことなんです。その“悪魔”を利用して、それを助長して、文化大革命を仕組んだと。紅衛兵という程度の低い学生やごろつきの劣等感や憎しみに正当性を与えて、地位や富のある人への攻撃に向かわせ、造反派に仕立て上げる。そうして毛沢東は、彼らを高級幹部や金持ちの家に向かわせたわけです。

本当に、おそろしい。

*劉暁波さんですが、彼は天安門事件のあと、どうして“中国”を出なかったのか。直接彼に取材した矢板さんの話が、この本に載ってました。


ビジネス社  ¥ 1,404

中国人エリート、残留孤児二世だったから分かる 独裁者習近平は毛沢東が作った
第一章  暗黒の少年時代
第二章  毛沢東がつくった恐怖の二七年
第三章  日中が蜜月だった八〇年代
第四章  人生の転機、アイデンティティの克服
第五章  反日と愛国の源流
第六章  王岐山を支配下においた習近平が狙うのは太子党
第七章  強権政治の裏にある指導者たちの不安
第八章  成長なき経済の悲劇
第九章  習近平最大のばくち、台湾併合


“中国”にとって、日本は北京ダックのようなもんだったらしいです。そういわれても、・・・実は北京ダックを食ったことのない私は困ってしまいます。

え~と、なになに? 北京ダックっていうのは、《まず皮を薄く切って餅皮で包んで食べる。次に残ったお肉はもやしなどの野菜と炒めて食べる。最後に残った骨でスープをいただく》と言うことのようです。・・・無駄なく、喰い尽すということですね。・・・えー

中国共産党が政権を取ったのは、日中戦争があったおかげで、日本との戦いで国民党が弱体化しなければ、国民党との内戦には絶対に勝てなかった。つまり、中国共産党が勝利し、中華人民共和国と言う国が生まれたのは日本のおかげということですね。

続いて、文革が終わって、鄧小平が改革開放を始めたとき、資金も技術も経済も、すべてを“中国”に提供したのは日本でしたね。なかでも、その範を示したのが松下幸之助の松下電器で、1978年には“中国”に進出しています。さらに松下幸之助は「21世紀は日本や中国などの繁栄の時代。大きな視野で、中国の近代化に協力しなければならない」と、各界に積極的に働きかけたそうです。

最後に、“中国”が日本を超えるために、徹底した愛国反日教育を行って、国民を一つに束ねたということなんですね。・・・反日デモではパナソニックも襲撃されてましたね。

これで、“中国”は、日本を十分食べつくしたということのようです。歪んでますね、とっても・・・。




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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本


















































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