めんどくせぇことばかり 敗因-人事 (覚書)『ゼロ戦と日本刀』 百田尚樹・渡部昇一
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敗因-人事 (覚書)『ゼロ戦と日本刀』 百田尚樹・渡部昇一

陸海軍人事
大東亜戦争は石油を確保するための戦争である。だから石油にこだわるべきだった。対日石油禁輸により干上がる運命の日本は、蘭領インドシナの油田地帯の制圧を目ざした。インドシナの油田を確保し日本への石油の輸送の障害となるアメリカ太平洋艦隊を叩いておこうという作戦が真珠湾攻撃だった。 そこにはアメリカ太平洋艦隊の生命線である石油タンクもあった。

真珠湾攻撃の際、南雲忠一を第一航空艦隊の司令長官にすえたのは吉田善吾海軍大臣と山本五十六連合艦隊司令長官だった。決定要因は年功序列。第一次、第二次攻撃で軍艦を沈めた第一航空艦隊は、南雲の判断により、第三次攻撃を仕掛けずに作戦を終了した。空母は逃したとしても、石油タンクと海軍工廠を無傷のまま、みすみす見逃した。二ミッツは「石油タンクを壊されていたら、アメリカ艦隊は半年くらい動けなかった」と振り返っているという。実際、ハワイに石油を運ぶタンカーを潜水艦の標的にすれば、その期間は半年以上にかかったと予測できる。

真珠湾に続いてミッドウェー海戦でも判断ミスによって空母四隻と熟練搭乗員を失いながら、南雲忠一がその責任を問われることはなかった。ガダルカナルにおいても、第一次ソロモン海戦の巡洋艦隊は敵巡洋艦隊を壊滅させておきながら、三川軍一司令長官は大輸送艦隊を前に艦隊に撤退を命じて最大の好機を逃したが何にもなし。マリアナ海戦直前に抗日ゲリラにつかまり重要書類を敵に奪われる失態をおかした連合艦隊参謀長福留繁中将は、その後司令長官に昇進した。陸軍でも、ノモンハン事件で稚拙な策戦により味方に大量の戦死者を出した辻政信作戦参謀も、インパール作戦で三万人の兵士を餓死させた牟田口廉也中将も、公式には責任を取らされていない。

真珠湾攻撃を許したアメリカ太平洋艦隊司令長官キンメルは解任され、ニミッツは少将から中将を飛ばして大将に昇進し、二十八人ごぼう抜きで司令長官に抜擢された。



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(2013/12/12)
百田 尚樹、渡部 昇一 他

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美しさに潜む「失敗の本質」

ああ、この陸海軍の流れって、そのまま現在の官僚組織に流れ込んでるんだな。“こんなやり方じゃだめに決まってる”って、現場じゃ分かり切ってるのに上の都合で下にしわ寄せされる。下がどんだけ汗水かいて埋め合わせようと思っても、上の無能はどうにもならない。どれだけ無駄な金が垂れ流されていることか。

しかも戦争中は、無駄に垂れ流されるのが金どころじゃなく、人の命だったんだからね。戦争に勝つってことを何より第一のはずなのに、組織の保存を至上命題として、下の命を無駄にして平然としているのが上にふんぞり返ってたら、どうやったって勝てるわけないよね。今の日本も同じだったりして。




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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本












































































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