『トレッキング実践学』 髙橋庄太郎
二十数年ぶりに山に登り始めたもんで、山登りの様子も、若いころとはずいぶん変わっているようだ。私はもともと、シンプルな登山者だったので、登れればそれだけで、あまり文句はないんだけどね。ただ、実際には、還暦寸前の、いい年寄りだからね。過去に経験があるだけ、たちが悪いといわれる、直球ど真ん中。
私が高校に入り、家族の反対を押し切って山岳部に入るとき、祖母が言ってた。「遭難するんなら、わかりやすく死ぬんだで」って。ひでぇことを言うでしょう。でも、遭難したら、捜索で身上がつぶれるって言いましたからね。
そこまでいかないまでも、若気の至りなら勘弁してもらえても、年寄りの冷や水はみっともない。自己責任は当然としても、しっかり勉強し直して、・・・。ということで、ちょっと前の本なんだけど、“この人の書いたものなら”と思って購入しました。
驚いたのは、装備の改良が進んだことですね。なかでも軽量化はすごい。ザック一つとっても、荷物云々の前に、ザックそのものが重かったもんね。しかも、背負ってみたら、本当、いろいろ工夫されていて、まあ、パッキング技術が不必要ってわけじゃないけど、かなりの部分補ってくれてるよね。
素晴らしい世の中になったもんだ。・・・でも、山に登るのは、生身の体だけどね。

「じっくり読みました」っていうか、日々、手元に置いて、ながめています。“山に登る”ってこと自体、何にも変わっていないと思う。でも、装備は便利になったね。お金さえ出せば、山でもとても快適な思いができるようになってるね。昔もそうだったのかもしれないけど、そういったところは、私の目に入ってこなかった。私は“山岳部出”なので、いかにお金をかけないで山に登るかが勝負どころみたいなところがあったからね。結局、高校の時は、山行の半分近くがバイト込みみたいなところがあって、大学に入ってからもその傾向が続いた。
全然、後悔はしていないけど、“楽しむ”ってことを大前提とした山行。山を楽しむためにどうするかって発想から成り立ったのが、今の“山に登る”ってことなんだね。
還暦が近い私としても、だからこそ、そういった立ち位置で、“山に登る”ってことを考えていくべきだ。
私の持ってるテントは、だから30年前のさかいやオリジナルで、8人用。ほとんどベースキャンプみたいなものを背負って縦走してたんだからね。とにかく早出、早歩きで、テント場に先駆けないと、尾根筋ではすぐ張れなくなっちゃうからね。人数が少なくても、大は小を兼ねるくらいの考えで大きなスペースを独占するんだから迷惑な話だ。
この本では、そんな巨大テント一つも紹介してない。1~2人用の軽量テントばっかり。一緒に山に行っても、“テントは別”っていうのも、新しい考えだよね。それはそれで、快適だろう。なにも同じテントで、無理に不快を共有する必要はない。
さかいやオリジナルはそれとして、私も小さいテントを手に入れよう。
この間登った、埼玉は毛呂山町の山。
まずは、毛呂駅近くのパーキングに車を入れて、桂木峠まで登る。せっかくだから、峠まで行く。少し戻って車道を進み、名公山の尾根筋を下るルート。
この山は、《奥武蔵登山詳細図》で見つけた。道標なし、熟達者向けコースで、熟達者向けといっても、山自体小さいし、道を失っても、必ずどこかに出られるところだからね。
中の写真の奥では、製材場が作ってあって、木こりのおじさんがお茶を飲んでた。名公山への道を聞くと、すぐに教えてくれた。途中右手に下る道があるとも教えてくれた。右手に下る道は“詳細図”にも出てない道で、途中、確かに存在した。
ちょうど、下ったあたりに、《おたか》っていううどん屋があって、ゆずうどんで有名。休みの日には大賑わい。ここのうどんはおいしいよ。

一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
私が高校に入り、家族の反対を押し切って山岳部に入るとき、祖母が言ってた。「遭難するんなら、わかりやすく死ぬんだで」って。ひでぇことを言うでしょう。でも、遭難したら、捜索で身上がつぶれるって言いましたからね。
そこまでいかないまでも、若気の至りなら勘弁してもらえても、年寄りの冷や水はみっともない。自己責任は当然としても、しっかり勉強し直して、・・・。ということで、ちょっと前の本なんだけど、“この人の書いたものなら”と思って購入しました。
驚いたのは、装備の改良が進んだことですね。なかでも軽量化はすごい。ザック一つとっても、荷物云々の前に、ザックそのものが重かったもんね。しかも、背負ってみたら、本当、いろいろ工夫されていて、まあ、パッキング技術が不必要ってわけじゃないけど、かなりの部分補ってくれてるよね。
素晴らしい世の中になったもんだ。・・・でも、山に登るのは、生身の体だけどね。
『トレッキング実践学』 髙橋庄太郎 枻出版社 ¥ 1,512 トレッキングは一種の趣味レーションゲーム 里山から秘境まで、山は最高の遊び場だ |
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全然、後悔はしていないけど、“楽しむ”ってことを大前提とした山行。山を楽しむためにどうするかって発想から成り立ったのが、今の“山に登る”ってことなんだね。
還暦が近い私としても、だからこそ、そういった立ち位置で、“山に登る”ってことを考えていくべきだ。
私の持ってるテントは、だから30年前のさかいやオリジナルで、8人用。ほとんどベースキャンプみたいなものを背負って縦走してたんだからね。とにかく早出、早歩きで、テント場に先駆けないと、尾根筋ではすぐ張れなくなっちゃうからね。人数が少なくても、大は小を兼ねるくらいの考えで大きなスペースを独占するんだから迷惑な話だ。
この本では、そんな巨大テント一つも紹介してない。1~2人用の軽量テントばっかり。一緒に山に行っても、“テントは別”っていうのも、新しい考えだよね。それはそれで、快適だろう。なにも同じテントで、無理に不快を共有する必要はない。
さかいやオリジナルはそれとして、私も小さいテントを手に入れよう。
この間登った、埼玉は毛呂山町の山。

まずは、毛呂駅近くのパーキングに車を入れて、桂木峠まで登る。せっかくだから、峠まで行く。少し戻って車道を進み、名公山の尾根筋を下るルート。
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ちょうど、下ったあたりに、《おたか》っていううどん屋があって、ゆずうどんで有名。休みの日には大賑わい。ここのうどんはおいしいよ。


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