めんどくせぇことばかり 本 近現代日本

安倍政権『日本の難題』 長谷川慶太郎

《森友学園問題》、《加計学園問題》、《陸上自衛隊日報問題》

時間を使ってるだけで、どれもこれも「そんな気がする」だけの問題ですね。「そんな気がする」だけで、野党の方々はこの1年を無為に過ごしたことになる。「人の女房を国会に引きずり出せ」なんてことをテレビカメラの前で声高に叫ぶ彼ら、彼女らを見るにつけ、ああやはり、かつてあの人たちに政権を渡していた日々を思い出して、背筋に嫌な汗がタラ~リ、タラリ。

結局、政権を追い込めない彼ら、彼女らを見て、一部には次のような声も聞こえるんです。「また日本は政権を追い込めない。隣の国は、国民が大統領を引きずり下ろし、監獄に送ったっていうのに」

ゾッとするにも程があります。私にそう語った方は、韓国の政治環境を“民主主義的”と讃えておりました。

人の女房を国会に引きずり出すことを求める彼ら、彼女らに話を戻します。自分たちの姿を見て人が背中に嫌な汗を感じていることに、彼ら、彼女らは、実はまったく気がついていないのです。彼ら、彼女らの特質とも言えるでしょう。韓国と同じように、権力の座にある者を引きずり降ろそうとする自分の姿をもい浮かべるだけで、おそらく彼ら、彼女らは快楽に突き抜けてしまっているのではないでしょうか。

過ぎ去った日のことではありますが、そういった彼ら、彼女らのトップに立っていたのが、ルーピー鳩山由紀夫ちゃんという、もうなにがなんだかさっぱり分けのわからない状況になっていた時期がありました。恐ろしいにも程がある。わけの分からなさだけ取り上げれば、テロリスト級。


『日本の難題』    長谷川慶太郎

徳間書店  ¥ 1,512

『長谷川慶太郎の大局を読む』の緊急版 アメリカ1年、日本2年好況続く
第一部 日本の難題
1 オリンピック後の日本
2 日本の株価
3 憲法改正
4 核保有
5 天皇制
6 安倍一強
7 製造業の行方
8 EVシフト
9 銀行業界
10 AI時代
11 朝鮮半島
第二部 これからの世界の政治と経済
アメリカ
中国
ヨーロッパ


2017年10月22日に投開票が行われた衆議院解散総選挙。長谷川慶太郎さんはこの本の中で、その総選挙の本質を語っています。

たしかに異様な選挙でした。結果を見れば、自民党284、立憲民主党55、希望の党50、公明党29、共産党12、日本維新の会11、社民党2、日本のこころ0、無所属22という配分になっていました。

安倍首相が9月28日に衆議院を解散した時点では影も形もなかった立憲民主党が自民党に次ぐ議席を得たのに対して、本来その立場にあるはずの民進党が姿を消してしまいました。始まりは、民進党両院議員総会で、代表の前原誠が提案した小池百合子東京都知事が代表を務める希望の党への合流が了承されたことでした。

ところが、合流先の希望の党の小池百合子代表が、憲法改正に否定的で安保関連法を容認しない民進党左派の合流を拒否したんですね。拒否された民進党左派の衆議院議員たちによって立ち上げられたのが立憲民主党ということになりました。

もともと彼ら、彼女らを支持する勢力は国民の中にもいたわけです。彼らが民進党の左派と呼ばれていたわけです。共産党が9議席減らしたのは、立憲民主党がその分を食ってしまったからですね。

つまり、立憲民主党がの根底にはマルクス主義のイデオロギーがあるということですね。共産党はその名前の通りですから、行き着く先はマルクス、エンゲルス、レーニン、スターリン、毛沢東ですね。社民党も同じ。ただ少し、性格に難がある団体。立憲民主党は、かつて民進党の中で分かりにくかったものが、あぶり出されて分かりやすくなったということですね。そう考えると、その数がこれ以上に増えることは考えにくいですね。

なんだかんだと問題が指摘される安倍政権ですが、それでも野党は安倍政権を追い詰めきれません。朝日新聞が最大限の後方支援をおこなっているにもかかわらず、・・・です。選挙の強さも含めて、それを支えてるのは、国民が現在の日本を取り巻く政治状況をしっかり理解しているからですね。そして、マリー・アントワネットやアレクサンドラ・ヒョードロブナを引きずりだして血祭りに上げようなんてやり方には、日本人はどうしても慣れないわけですよ。




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『小学生でもわかる 国を守るお仕事 そもそも事典』 佐藤正久

登場人物はヒゲの隊長こと参議院議員の佐藤正久さんと小学校三年生の秋田奈々ちゃん。奈々ちゃんが隊長に、自衛隊のいろいろなことを聞いて、それに隊長が答えるという形で、自衛隊に対するいろいろな疑問を解消していく本ですね。

えっ?子供だまし?・・・そんなことありませんよ。非常に興味深いことも数多く扱われています。

東日本大震災の時に話題になりましたけど、震災救助に関してのルールの中に、「被災者の前で食事をとらない」とか、「水を節約するため携帯のレトルト食品は温めない」とか、「隊員の携帯食料は被災者に差し上げてはならない」ってのがあるんですね。よく考えられていて感心しました。でも、あの時、お腹をすかせたお子さんに隊員が自分の食糧を分けてあげたってこともありましたよね。どうも自衛隊は、“現場の判断”っていうのが、けっこう重んじられているようですね。

2章のQ09には「自衛隊は強いの?弱いの?」って質問があるんですが、これも難しいですよね。軍事力の規模そのものから言えば、日本はチャイナに遠く及びませんからね。だけど、“軍”の強さってそれだけじゃあないじゃないですか。それももちろん重要な要素ではありますけどね。隊長は技術力、稼働率、練度の重要性を上げているけど、背景にあるのは国民の性質そのものですよね。

それから3章では憲法第9条と自衛隊のかかわりに触れています。純粋な少年少女には最も大きな問題ですよね。

日本国憲法がアメリカの作文に過ぎないことは明らか。憲法前文に《平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、 われらの安全と生存を保持しようと決意した》とあるけれども、チャイニーズが公正からほど遠く、信義からかけ離れた人々であることを日本人は知っていた。アメリカ人はおそらくこの段階では知らなかった。北にしろ南にしろ、朝鮮人が国家を運営する能力にさえ欠けていることを、日本人はよく知っていた。アメリカ人は知っているものもいたが、民主党の人々は知らなかった。ソ連が信用できない国であることは、日本人はよく知っていた。アメリカ人もけっこう知ってる人が多かった。ただし、ルーズベルトとその周辺はベタベタだった。

少年少女にこの本を読んでもらうとともに、大人もこのあたりの歴史を見直しておかないとね。



C&R研究所  ¥ 1,652

大災害時に駆けつけ、外敵の侵入を防ぎ、国民の命を守る自衛隊の任務
第1章 大地震などで活躍するあのヒーローたちは誰?
第2章 そもそも自衛隊ってなに?
第3章 なぜ憲法第9条があるのに自衛隊が必要なの?
第4章 自衛隊を支えるのはどんなに人たち?
第5章 平和のために私たちにできることはある?


ずいぶん前の話になるんですが、高山正之さんの『日本よ、カダフィ大佐に学べ』で、ルワンダ難民救援のために派遣された陸上自衛隊の話を読みました。その時にブログに書いた記事を紹介させてもらいます。
ルワンダ難民救助のため、平成六年九月二十一日から十二月十八日までの間、陸上自衛隊ルワンダ難民救援隊二百六十名が隣国ザイールのゴマ(現在はコンゴ)に派遣された。武装ゲリラの出没、エイズの蔓延などで西欧諸国も尻込みする中、米国から自衛隊の派遣を要請された。

当時、外務省は国連安保理常任理事国入りを強力に推し進めており、米国からの要請もそんな日本の希望を見越しての事だった。日本は自衛隊を、警備用の小火器六四式小銃と、 機関銃の一丁のみ、装甲車ではなく、指揮通信車ニ両の他は、一般車両に限ると厳しく制限のついた軽装備で送り出した。社会党村山富市政権時代です。

自衛隊は立派に任務を果たしただけじゃなかった。日本のNGOであるアジア医師連絡協議会(AMDA)のトラックがルワンダ難民に奪われ、武装した自衛隊ルワンダ救援隊が緊急出動して救出した。それについて朝日新聞はこう書いている。

《ルワンダ難民救援の実施計画では、宿営地外での警備や邦人の救出は任務に入っておらず、論議を呼びそうだ。(植村隆、飯島武彦)》

これ書いているの植村隆。「慰安婦」支援団体の会長を務める女の義理の息子で、“慰安婦問題”火付け役の張本人。こんなところにまで顔を出していた。部隊を指揮した神本光伸は、NHKスペシャルで「自国民を救助して批判されたのが辛かった。」と発言しているという。
さらにはその帰路の話。高山正之さんの『日本人よ、カダフィ大佐に学べ』からそのまま抜き出します。
外務省には期待はずれだった。お前らは死ねばいいのに、なに勝手をやるのか。共同も朝日新聞も自国民救出など自衛隊の越権行為だと非難した

期待に背いたことの報復は陰険だった。任務終了後、帰国には民間機を利用し、その際は制服の着用は仰々しいので認めない。各自私服で帰れと。

お前らは目立つことはないという意味だ。

誰もましな着替えなど持っていない。年の押し詰まった12月27日、ロンドンから日航機に搭乗したとき周囲の乗客はひどい身なりの集団にちょっと驚いた。

それが異郷の地で頑張り抜いた自衛隊員と知るのは機が公海上に出てからの機長アナウンスでだった。

「このたびは任務を終え帰国される自衛隊員の皆様、お国のために誠に有難うございました。国民になり代わり機長より厚く御礼申し上げます。当機は一路日本に向かっております。皆さま故国でよいお年を迎えられますよう」

異形の集団を包むように客席から拍手が沸き、その輪がやがて機内一杯に広がって行った。

機長は乗客リストを見て自衛隊員の帰国を知り「日本人として当然のことをしただけ」と語る。

成田に着いたあと65人の隊員はコックピットの見える通路に整列し機長に向かって敬礼した。
ちなみに、高山正之さんの『日本人よ、カダフィ大佐に学べ』は、2月28日に文庫で出ましたので、ぜひそちらをお読み下さい。そう言えば、カダフィが殺されたときヒラリー・クリントンは大喜びしてましたね。




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『100万人が笑った「世界のジョーク集」傑作選』 早坂隆

今、久しぶりに出されたシリーズ本の『新・世界の日本人ジョーク集』を読んでるんです。面白いこと、面白いこと。抱腹絶倒です。読み終わったら記事にします。

経のところはその予告版。前に書いた記事ね。

東日本大震災が発生し、日本中が歯を食いしばっていた2011年。『100万人が笑った「世界のジョーク集」傑作選』が出版されました。以下の記事は、その時のものです。
著者がこれまでに出した「世界の紛争地ジョーク集」「世界反米ジョーク集」「世界の日本人ジョーク集」「続 世界の日本人ジョーク集」「世界のイスラムジョーク集」「日本の戦時下ジョーク集 満州事変・日中戦争篇」「日本の戦時下ジョーク集 太平洋戦争篇」からの傑作選。

傑作選ともなれば、それこそ立派な文化人類学。 しかもこれだけ笑いながら読める本は他には絶対存在しない。

この傑作選を出すことになったきっかけは、東日本大震災にあるらしい。 人間はどんなときでも笑おうとする。 それが明日を生きる糧になることを知ってるんだな。



中央公論新社  ¥ 821

今こそ笑いの力を。腹の底から笑って、不安な気持ちを吹き飛ばそう。
紛争地で笑え!
誰が助かった? 誘拐事件 結婚の決め手 ほか
アメリカを笑え!
野蛮の定義 本屋にて 世界最強の軍隊 ほか
日本人を笑え!
不良品 青いキリン サウナにて ほか

2000年7月に開催された沖縄サミットで森総理は当時のアメリカ大統領、ビル・クリントン氏と会話する必要があった。

しかし、森元総理は英語がとても苦手だったので、部下に頼んで英語の指導をしてもらった。

「まずは挨拶です。クリントン大統領をお目にかかったらまずは『ハウアーユー?(How are you?)』と言ってくださいね、そしたら、クリントン氏は総理に『Fine,and you?』とお伺いすると思うのでそれに対しては『ミートゥー(Me,too)』と答えてください。これで挨拶の掴みはOKなのであとは我々におまかせを!」

沖縄サミット当日、森総理はクリントン大統領を見た瞬間に駆け寄っていって相手が話す前に挨拶をした。

「Who are you?」


一瞬ひるんだクリントン大統領だったが、ジョークだと思いクリントン大統領はこう返した。


「I’m Hillary’s Husband.」(私はヒラリーの夫ですよ)※ヒラリーとはクリントン大統領の奥さんヒラリー・クリントンである。


しかし、せっかくのジョークを台無しにした森総理の最後の一言は


「Mee too !!」(俺もだよ!)


満面の笑みを浮かべる森喜朗氏に対し、クリントン大統領の顔は硬直していたそうだ。

ほとんど都市伝説化している森元首相ネタだけど、たしかに面白い。だけど元ネタでは韓国の政治家だったとか。
 イタリア人男性100人に聞きました。「あなたはセックスの後、何をしますか?」
 5% → テレビを見る
 5% → タバコを吸う
 5% → 読書をする
 5% → 寝る
そして、残りの80% → 家に帰る
いいですねぇ。エスニックジョーク。でも、『続・世界の日本人ジョーク集』が出てから10年たってますからね。

比較文化的にとらえた日本人の存在感もだいぶ様変わりしてきたかも。
そのうち、“ネタばれ”込みで紹介します。楽しみにしててください。



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『トランプウソつかない 変見自在』 髙山正之

この間、この本のネタを使ってフィリピンのことを書いちゃいましたけど、いつもながらの《変見自在》シリーズです。『週刊新潮』のコラム《変見自在》の一年分ですね。『週刊新潮』は悪いけど読んでないので、いつもいつも新鮮な気持ちで読ませてもらってます。

『週刊新潮』に掲載されたのが2016年7月~2017年7月ということです。2016年の7月と言えば、やはりアメリカ大統領選でトランプがあれよあれよと共和党候補に躍り上がる時期かな。大統領選挙が11月8日。11月9日に開票でしたよね。

私、よ~く覚えてるんですよ。ちょうど足の手術を受けた時期に重なるんです。10月25日に入院して、27日に手術を受けて、11月14日に退院したんですね。手術直後は痛くてね。でも、大統領選の頃は懸命に歩行練習をしているところでした。

もちろん、その間、ブログは休止。ニュースには触れてませんでした。歩行訓練の途中、たまたま談話室のテレビで開票途中のニュースを見ました。私は、トランプを応援するというよりも、ヒラリー・クリントン米大統領は絶対勘弁してほしいという思いでおりましたので、トランプの当選がほぼ決まったときは、万歳を三唱しました。・・・心の中で。

そして年が明けて、ドナルド・トランプが本当に大統領に就任してすったもんだが始まるわけですから、高山さんの《変見自在》でも、トランプが主役を務めるのは当たり前ですね。



新潮社  ¥ 1,512

暴言大統領と思ったら大間違い 彼の言動にアメリカ人の黒い本音が潜んでいる
第一章  朝日の断末魔が聞こえる
第二章  世界が認める日本人の凄さ
第三章  正しい歴史を知れば怖いものなし
第四章  今日も朝日にウソが載る
第五章  「フェイクニュース」の元祖はどこか  

さすがに高山さんは、トランプ大統領登場の歴史的意味を、的確につかんでますね。
ヒスパニックは国境を勝手に出入りし、移民も欧州からだけではなく中東や中国からも入ってきた。「だって米国は移民の国じゃないか」

そこで「俺たちの言う移民にお前たちは入ってない」とトランプが言った。大方の米国人はそれに賛同した。今回の大統領選の結果がそれを示している。
本書p157
「本来のアメリカに戻す」ということだ。

この間、養老孟司さんの『遺言』という本を読んで、その紹介をさせてもらった。それに関してなんだけど、今週、仕事でいやな思いをした。

もはや仕事に意味を求められて疲れ切ってる私ですが、それでもグレーゾーンを設定して“本来のあるべき仕事”をしていたわけです。そしたらどうも、そのグレーゾーンを「許可するのか」と、上司に詰め寄ったやつがいたらしい。困った上司が、逆に私のところへ相談に来た。周りの状況を考えて、上司に鎌をかけてみたら、人物がほぼ特定できた。70年安保世代に5歳くらい足らない年齢の方が、年下に直接文句を言えないので上司に告げ口ですからね。翌日の朝、「あの件ではとてもご心配をおかけしました」とご挨拶をしておきました。・・・世代ってものが、あるんでしょうか。きっと朝日新聞を読んでるんだろうと思います。・・・聞いたことないけど。
産経ニュース 2016/01/16
百田尚樹さんの「売国新聞を支える読者も日本の敵」ツイートに朝日新聞広報「差別的な発言に強く抗議します」
http://www.sankei.com/politics/news/180116/plt1801160015-n1.html
(抜粋)
作家の百田尚樹さん(61)が12日に自身のツイッターに朝日新聞の読者を指して「売国新聞を支えている朝日の読者も日本の敵だ」と投稿し、朝日新聞広報部は15日までに「特定の新聞の読者を敵視するような差別的な発言に強く抗議します」などとするツイートを朝日新聞広報部名で行った。百田さんは15日、これに再反論した。
(続きを読む)に全文

平昌オリンピックを目前に、この時期になって朝鮮南北会談が開かれて、北が参加してくることになった。これをめぐる北の動き、韓国の動き、チャイナの動き、ロシアの動き。本当に面白いね。

つくづく、民族性ってのは変わらないんだなって思う。特に韓国、文在寅には笑わせられますね。笑わせられるけど、笑ってばかりいられない。半島人てのは、その宿命から絶対逃れることができないんだね。対応は、降りかかる火の粉を振り払う以外は極力関わらないこと。それしかないですね。・・・高山さんがこれをどう書くか、一年後の『・・・変見自在』が楽しみですね。

《変見自在》を読むと、常々思うんですけど、やっぱり「知っている」ってことは大事なことですね。いや、逆に「知らない」ということの恐ろしさを感じてしまいます。




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フィリピン『トランプウソつかない 変見自在』 髙山正之

日本軍の攻撃でマッカーサーがフィリピンを逃げ出した後、フィリピン人のラウレルが自治政府を作り、英雄アギナルドが政府顧問に就任した。それから3年、マッカーサーと20万の米軍がマニラにせまった。その時日本軍は、保護していた欧米民間人3700人を米軍に引き渡し、市内には日本軍1万とフィリピン人70万が残ったそうだ。翌日から米軍によるマニラ無差別爆撃が始まり、フィリピン人10万人がそれで殺された。

アメリカ軍再上陸の時に起こったことは、それ以上でも、それ以下でもないわけですね。

2年前、天皇皇后両陛下が戦争で亡くなった方々の慰霊のために、フィリピンを訪問された。その時のテレビの報道を見て書いたのが、以下の記事です。
折角の日曜日なのに、朝から気分が悪い。

つまらないワイドショーを見てしまった。たしか中山秀征という人がやってるやつ。ロクな番組ではないことはわかっているが、サッカー、リオ五輪最終予選、韓国戦で、若い連中が逆転勝ちで優勝を勝ち取ったニュースを探しているうちに、そのワイドショーが天皇皇后両陛下のフィリピンの旅を取り上げているのを見てしまった。

元NHK職員の中田整一は、キリノは妻と三人の子どもを日本軍に惨殺された。末の娘は放り上げられ銃剣で刺された。それでも大統領は残る戦犯特赦にサインした、いい人だという番組を作ったという。

両陛下のフィリピン訪問が慰霊の旅であるのはそのとおり。なくなった日本兵だけではなく、敵であった米兵、さらに巻き込まれるかたちとなった多くのフィリピン人を慰霊する旅であった。しかし、たしかに日本は市街地を戦場にさせてしまったが、無差別の空爆を行ったのはアメリカだよ。そんなさなかに、日本兵にフィリピンの女子供を狙いをつけて殺すようなゆとりがあったと思うかい。大半は空爆のはず。

出どころは共同通信系の「マニラ新聞」か? キリノ大統領の姪のミラグロス・パシスさん(八〇歳)? だいたいこの人たちはアジア系の人じゃないね。キリノの家族のことも実際に見たわけじゃないし、勝者アメリカからは一銭も引き出すことができない以上、日本から掠め取る算段をしたんだろう。

《NHKの放り上げられて刺す》って酷いよね。それ、第一次世界大戦でドイツ兵がやったって、ベルギーがいかさま言ってアメリカの参戦を引き出そうとしたプロパガンダだぞ。そのまま使うのやめろよ。

新潮社  ¥ 1,512

暴言大統領と思ったら大間違い 彼の言動にアメリカ人の黒い本音が潜んでいる
第一章  朝日の断末魔が聞こえる
第二章  世界が認める日本人の凄さ
第三章  正しい歴史を知れば怖いものなし
第四章  今日も朝日にウソが載る
第五章  「フェイクニュース」の元祖はどこか  

これは、髙山正之さんの《変見自在》シリーズの中でも、一番新しいやつです。いつもながら面白い。同じネタが何度も使われるのはいつものことですね。面白いですよ。そのたびに、新たな出来事に対してそのネタが使われていて、問題となるのは“新たな出来事”の方ですからね。以前もシリーズの中で紹介された“キリノ”ネタが、この本でも使われてました。
キリノは戦後、米傀儡政権の大統領に就いた。フィリピン人の血が入らない華僑とスペイン人の混血だが、性格は華僑の地が濃かった。残忍で、就任祝いにモンテンルパにつながれていたBC級戦犯3人を吊るした。

吊るす口実は「日本軍に祭祀を殺された」だった。・・・対日賠償交渉では80億ドルという途方もない金額を要求した。日本が難色を示すと、彼はモンテンルパのBC級戦犯14人を一晩で吊るした。要求を呑むまで残り六十余人の死刑囚を順繰りに吊るすという恐喝処刑だった。

米国務長官ダレスはキリノを怒鳴りつけ、死刑は止まり、賠償額は5億ドルに落ち着いた。まもなくキリノはBC級戦犯105人を釈放した。賠償金が確定したからだ。
本書p135

そういうことをちゃんと知っておきましょう。そうすれば、次のようなバカなことは起こらないはず
産経ニュース 2016/06/18
戦犯恩赦した元比大統領の功績、後世に 顕彰碑で除幕式
http://www.sankei.com/world/news/160618/wor1606180045-n1.html
(全文)
1953年、フィリピンの刑務所に服役していた日本人戦犯105人を恩赦で釈放し、後の国交正常化に寄与した故キリノ元大統領(在任48~53年)の顕彰碑の除幕式が18日、東京・日比谷公園で行われた。

今年で国交正常化から60年。フィリピン側はキリノ氏の孫やロペス駐日大使ら、日本側は高村正彦元外相らが出席。

キリノ氏は太平洋戦争中、日本軍に妻子を殺害された。しかし「子や国民に、われわれの友となる日本人への憎悪の念を残さないため」として53年、首都マニラ郊外モンテンルパの刑務所の戦犯105人を釈放。両国は56年に国交回復した。

同刑務所に収容中の戦犯が作詞作曲した「ああモンテンルパの夜は更けて」を、歌手の故渡辺はま子さんが52年に発表し大ヒット。刑務所を訪れて歌で戦犯を癒やしたほか、メロディーを奏でるオルゴールを贈られたキリノ氏が心を動かされ、恩赦に傾いたとのエピソードもある。





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『世界が食いつくす日本経済』 大村大次郎

しつこく、『世界が食い尽くす日本経済』って本について書きます。特にアメリカに進出した日本企業は、トヨタのブレーキペダルの件以前にも、何度となくアメリカから因縁をつけられて、煮え湯を飲まされてきた。
1996年。米政府機関の雇用機会均等委員会(EEOC)が、イリノイ州の三菱自動車工業について、「三菱の工場では男性従業員が同僚の女性の乳房を揉み、股間をまさぐる」「被害は700人の女性従業員全てに及ぶ」という報告をした。報告はさらに、「女性従業員が三菱に改善を求めると解雇され、男性にはもっとセクハラをやれと促した」「背景には日本の女性蔑視の風土がある。ゆえに米政府が集団訴訟を起こす」と続く。

三菱は反論した。みんなでセクハラしたなんて身に覚えのない嫌疑をかけられた従業員たち2600人もシカゴのポール・イガサキの事務所前で抗議のデモをした。企業労働者が企業のために立ち上がる。米国では聞いたことがない光景が展開された。しかし事態は逆に悪化する。米紙がそろって黄色い日本人が不遜にも米政府に盾突き、やらせデモまで演出したと嘘で応じた。

かくて三菱は膝を屈してポールに50億円を払った。これに続き黒人が就職できなかったと人種差別で三菱を訴えて10億円を取った。不採用になった身障者も同じく因縁をつけて訴え、同額を強請り取った。

これは上に紹介した本からの抜粋で、2014年に当ブログで紹介したものです。

「日本企業なら、強請りとっていい」・・・アメリカはどうも、そう思ってるようですね。・・・正義面してね。



ビジネス社  ¥ 1,404

貿易黒字に固執した日本の敗因とはなにか? 今の日本に必要なのは・・・
第1章  東芝はアメリカに嵌められた
第2章  国策としての原発輸出
第3章  日本メーカー最大の過ちは「技術流出」
第4章  トヨタ、タカタもアメリカに嵌められた
第5章  “貿易黒字至上主義"の誤算
第6章  今の日本に必要なのは“経済成長"ではなく“経済循環"

ただ、そう言ってあきらめて、同じことを繰り返しているだけじゃあ、いかにも芸がない。アメリカ人の人間としての質に問題があるにしても、それはそれとして、なんとか対策しないとどうしようもないじゃないですか。

じつは、この本の本当に訴えたいところはそこなんですね。東芝、トヨタ、タカタの、いずれも被害から言えば三菱自工の件も吹っ飛ぶような事例が紹介されているんですが、そのような事態を招いた背景に、日本の経済政策の不手際があったことを訴えているわけです。

三菱自工もトヨタも自動車メーカーだし、タカタも自動車関連会社ですよね。自動車産業という、かつてのアメリカの誇りとする産業において、日本はアメリカを叩きのめしたわけですね。貿易摩擦と言われて久しいけど、その対立を、日本は現地生産することで乗り切った。だけど、いくらアメリカ人の職業を保証したところで、アメリカを叩きのめしたことに変わりないんですね。日本の貿易黒字は増え続けてるんですから。

東芝は電力だ。アメリカの電力業界で、まさに一人勝ち状態を構築しようとしていた。日本政府が、自国の電力産業を他国の企業に100%委ねようとしたら、国民はその政府を許容するでしょうか。・・・しない・・・ですよね。

しかも、その経済政策は、経済学の基本から言っても誤っており、それこそ場合によっては世界経済を危機に陥れかねない危険をはらんでいる。・・・それは、

と、この本はそういう本です。




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東芝・トヨタ・タカタ『世界が食いつくす日本経済』 大村大次郎

原子力ルネサンスの掛け声につられて、東芝がアメリカの原子力事業に進出

ウェスチングハウス社を通じて東芝がアメリカの原子力建設を独占

2011/3/11 東日本大震災が起き、予想以上に安全性の審査が厳しいものとなる

工期が大幅に遅れて、巨額の損失が発生

アメリカの電力会社は損失の負担をほとんどせず、東芝だけが巨額の損失のほとんどを背負わされる
これが東芝の原子力事業失敗の経緯である。

もともと原発事業には、アメリカ行政の手厚い保護があった。その当時と事情が変化せず、しかも、東芝がアメリカの企業であれば、東芝が存続の危機に陥るようなことは、まずありえなかったろう。だけど、東芝の知らないところでアメリカの原子力事業は変わりつつあったのであり、何よりも東芝はアメリカの貿易赤字の相手国である日本の企業だったということだ。
アメリカはもう原発をつくるつもりはないのかもしれない。そうであれば、アメリカは安全基準強化を理由にたびたび工期を遅延させるのではなく、原発建設の中止を命じるべきだろう。なぜアメリカは、正式に原発建設を中止させないのか。それは、正規の手段を取らずに、建設側を追い込むことで原発建設を中止させるほうが、アメリカ政府とアメリカ国民にとってはるかに得だからである。
本書p49


ビジネス社  ¥ 1,404

貿易黒字に固執した日本の敗因とはなにか? 今の日本に必要なのは・・・
第1章  東芝はアメリカに嵌められた
第2章  国策としての原発輸出
第3章  日本メーカー最大の過ちは「技術流出」
第4章  トヨタ、タカタもアメリカに嵌められた
第5章  “貿易黒字至上主義"の誤算
第6章  今の日本に必要なのは“経済成長"ではなく“経済循環"
再度、東芝がはめられたケースを紹介したけど、ここんところのわずかな期間に、この東芝の他、トヨタやタカタもアメリカではとんでもない目に合わされている。タカタはそのおかげで破綻。チャイナ系資本のもとで再建を目指すことになる。

トヨタのアメリカでの大量リコール問題の概要
2009/11
運転席のフロアマットが正しく固定されていない場合、アクセルペダルがフロアマットに引っかかり戻らなくなる不具合で426万台のペダル無償交換を発表
2010/1
ペダル無償交換に、さらに109万台追加
アクセルペダルの可動部分が結露等で膨張した場合、ペダルが戻りきらなくなる不具合で230万台リコール
2010/2
凍結した路面などで、一定の条件のときにブレーキの効きが瞬間的に悪くなる不具合で43万台のリコール
北米工場での操業停止
豊田章男社長、アメリカの公聴会に呼び出される
2012/2
アメリカのトヨタオーナーの集団訴訟で、トヨタは和解金11億ドル(当時のレートで約940億円)の支払いに同意
2014/3
トヨタはアメリカ司法省に12億ドル(当時のレートで約1200億円)の制裁金
アメリカ運輸省交通安全局の調査でトヨタに責任がないことが明らかになった。トヨタ車に構造的な欠陥がなかったことが、アメリカの技術者達によって認められた。トヨタが一連の出来事で支払った巨額の和解金や制裁金は、トヨタがアメリカで商売をしていくためのショバ代という意味を持つ。事実、経営破綻したゼネラル・モーターズはアメリカ政府の支援を受けて、V字回復を成し遂げた。

タカタのアメリカでの大量リコール問題の経緯
2013/4
タカタの取引先の各自動車メーカーにエアバッグの不具合を通知し、各メーカーはリコールを届け出る。ガス発生剤の加圧力不足と高湿度により、エアバッグ作動時に金属片が飛び散るおそれがある、という内容
2013/6
同じ原因によるリコールが追加された。これを受けて、アメリカ運輸省交通安全局は各自動車メーカーに自主回収調査を要請
2013~2014
アメリカでエアバッグの暴発によるものとされる事故が頻発。事故時のことであり、事故の原因がエアバッグの欠陥によるものと判明したケースはない。
2014/6以降
アメリカ運輸省交通安全局はタカタに2014年6月以降、全米でのリコールに応じるよう再三求める
2015/5
タカタは全米3400万台のリコールに踏み切る
2015/11
アメリカ運輸省は、タカタに対し「何年にもわたって欠陥を認めるのを拒み、情報を提供しなかった」とし、最大2億ドルの制裁金を科すと発表。アメリカ運輸省交通安全局とタカタは、同意指令に合意した。同意指令の内容は「エアバッグを爆発させる火薬に、今後、硝酸アンモニウムは使用しない」というもの。硝酸アンモニウムは湿気に弱く、経年劣化による爆発が起きやすいという指摘がされていた。エアバッグの大手の中では、唯一タカタだけが使用している。
2016/6
タカタは事実上の経営破綻。負債総額は約1兆7000億ドルに登る
ちなみに、タカタのエアバッグが原因で死んだとされているのは昨年7月までで12人。全部アメリカ。日本ではもちろん0。・・・とてもわかり易いですね。




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東芝『世界が食いつくす日本経済』 大村大次郎

産経ニュース 2017/11/01
東芝が「サザエさん」を降板 CM提供48年、来年3月末にも
http://www.sankei.com/economy/news/171101/ecn1711010012-n1.html
(抜粋)
東芝が国民的アニメ「サザエさん」の番組スポンサーを降板する方向で調整に入ったことが31日、分かった。昭和44年10月の放送開始から約48年間CMを提供してきたが、綱渡りが続く経営状況から合理化が避けられないと判断し広告大手の電通に申し入れた。
(続きを読む)に全文
・・・何かが終わった感じがするな。一兆円越えの巨額損失を抱えて東芝は一気に経営危機に陥った。先日亡くなった妻の父親も、ずっと東芝に勤めていた人だった。それが誇りだった。そういう人は多い。いや日本人の多くが、東芝という企業が日本にあることに誇りと安心感を感じてきた。“サザエさん”は、その象徴だったと言っていいだろう。

“隠ぺい体質”、“粉飾決済” と、いろいろな問題が上げられているが、その多くは東芝の経営のあり方を問うものだった。たしかにそういう問題もあったのだろうけど、どうして報道は核心に触れないのか。粉飾決済があったからって、それが東芝存立の危機を招いたわけじゃない。隠ぺい体質に関しても同じ。それらは別の機会に追及されるべき問題であって、今それが取り上げられると、焦点がぶれる。

核心は何か。


東芝は、アメリカに嵌められた。・・・そういうことのようだ。



ビジネス社  ¥ 1,404

貿易黒字に固執した日本の敗因とはなにか? 今の日本に必要なのは・・・
第1章  東芝はアメリカに嵌められた
第2章  国策としての原発輸出
第3章  日本メーカー最大の過ちは「技術流出」
第4章  トヨタ、タカタもアメリカに嵌められた
第5章  “貿易黒字至上主義"の誤算
第6章  今の日本に必要なのは“経済成長"ではなく“経済循環"


東芝の巨額損失は、たった一つの取引によって生じている。アメリカのS&W(ストーン・&・ウェブスター)社を買収したことで生じた損失だ。それも東芝が直接買収したものではなく、東芝の子会社となっていたアメリカのWH(ウェスチングハウス)社が買収したものである。

東芝はS&W社がこれほど大きな負債を抱えているとは知らずに、買収してしまった。アメリカは国全体の原子力事業での巨額の負債をS&W社に背負わせ、それを巧妙に隠して東芝に押し付けた。

一義的に問題とされるべきは、“アメリカの悪意”である。

アメリカでとんでもない目に合されている日本企業は多い。その多くを、日本のマスコミは誠実に報道しない。日本政府も本気で取り組まない。だから何度も繰り返される。舐められているのがよくわかる。みんな、くやしいだろうな~。目から血が噴き出すような思いをした人もいただろうな~。

だけど、舐められるだけのことがあるのが、日本の企業なんだよね。残念でならないよ。

東芝は、もう今までの東芝ではあり得ないだろう。“サザエさん”と共に去りぬといったところか。せめてこれを他山の石として、他の日本企業がまた嵌められるようなことがありませんように・・・。

それにしても、“他山の石”も積み重なって山になりそうだね。




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『民族問題』 佐藤優

この間、この本から沖縄について書かれた部分を取り上げて“琉球”って題名で一つ記事を書いたとき、失礼にも《佐藤さんは、少し原理原則に縛られすぎるきらいがある》って書いた。私はいい加減な人間だから、“時と場合”っていつものらりくらりしているんだけど、のらりくらりしているうちに原理原則を見失うことが良くあることは確かだな。

佐藤さんは、外務官僚としてきびしい環境で仕事をしている時期に、膨大な仕事量と複雑かつ理不尽な内容を扱いながら、常に自分を見失わないためにも原理原則に立ち返ることで自分を戒めてきたんじゃないかな。・・・などと、私なんかがおもんばかろうとすること自体おこがましいことだろうけどさ。

それにしても、佐藤さんが立ち返ろうとする原理原則ってのも半端じゃない。そんなところまで立ち返らなくてもよさそうじゃないかって、私なんかは思ってしまうところだけど、いやいや、やることが徹底している。

関係する書籍には、おそらく可能な限り全部目を通しているんだろうな。それが役に立つか立たないかは関係なくね。私なんかは、面白くなければ文章を読む気になれないんだけど、佐藤さんは必要ならどんな文章でも読めるんだな。いや、官僚ってのは、先ずそれがすごい。つまらないことでも、必要ならば頭に収める。やはりすごい。

だけど、面白いか、つまらないかは佐藤さんが感じることで、佐藤さんは面白く感じているのかもね。その必要なことをさ。私は、自分が“つまらない”と感じる部分を佐藤さんがやってくれることで、世界のことを“おもしろく”理解できるんだから、佐藤さんの本には本当に助けられていることになる。

『民族問題』    佐藤優

文春新書  ¥ 896

佐藤優の集中講座 「民族と国家は現代日本人の必修科目だ」
第一講 なぜ日本人は民族問題がわからないのか
応用問題 スコットランド独立運動を沖縄の目で見る
第二講 民族問題の専門家スターリン
第三講 「民族」は作られるか
補講 シュライエルマッハー ナショナリズムと目に見えない世界
第四講 ゲルナー『民族とナショナリズム』の核心
応用問題 ヘイト本の構造
第五講 民族理論でウクライナ問題を読み解く
応用問題 エスノクレンジング
第六講 民族理論で沖縄問題を読み解く

この『民族問題』という本は、私が勝手にこの題名に抱いていた印象とは、かなりかけ離れた本だった。私が勝手に“民族問題”という題名に抱いてしまう印象というのは、例えば、チベット民族であり、ウイグル民族であり、チェチェン人であり、カタロニア人であり、スコットランド人であり、ロヒンギャ人であり、・・・そう言ったここの民族の抱えるそれぞれの“問題”である。

それらの“民族問題”の背景になにがあるか。特にその歴史性を解明して、民族問題発生の歴史的背景を明らかにし、解決の糸口を見つけることができればって思ってこの本を買った。

だけど、佐藤さんが書いているのはチベット民族問題ではなく、ウイグル民族問題ではなく、ロヒンギャ民族問題でもない。“民族問題”そのものなのだ。“民族問題”という原理原則を徹底して見つめ直すことで、民族問題がどう発生し、どう“問題”となり、どのような弊害を生み出すか。佐藤さんはそのこと自体を問題にしているみたい。

第3講で扱われているベネディクト・アンダーソンの『想像の共同体』や、第4講で扱われているアーネスト・ゲルナーの『民族とナショナリズム』といった本は、正直、私には読み切れない。少なくとも、ワクワクしながら面白く読めはしないだろう。

その部分を佐藤さんがやって、しかも解説して、実例まで上げてくれるっていうんだから、「ありがたい」ったらないってことになるわけだ。第5講《民族理論でウクライナ問題を読み解く》読んでみれば、私の気持ちを分かってもらえるに違いない。

第6講《民族理論で沖縄を読み解く》に関してはこの間書いた。その中に“「埼玉人」はエトニ―か?”って話が出てくる。埼玉人というエトニ―は成立しない。可能性があるとすれば、“秩父人”の方だな。




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『みみずくの夜メール』 五木寛之

昨日、『マンガ家たちの戦争 引き揚げの悲劇』を紹介しながら、いたたまれずに、以前書いた“引き揚げ”にに関するものから五木寛之さんの『みみずくの夜メール』の記事を紹介します。記事を書いたのは2014年だけど、本が出たのは2003年ですね。
基本的には新しい本を紹介してるわけなんだけど、最近押入れを引っかき回す機会があって・・・。これを始めると大変。ものであるれる納戸の押入れに、身体半分入った状態で、「あれっ、こんな本が・・・」ってペラペラページをめくると・・・、あっという間に三十分・・・、一時間・・・、気がつけば日は西に傾いて・・・。

間をつなぐつもりで読んだエッセイ集に、今更引っかからなくても良さそうなもんなんだけど、ペラペラと、たまたま開いたページが著者、五木寛之さんの出自に関わるエッセイで・・・。


『みみずくの夜メール』 五木寛之『みみずくの夜メール』 五木寛之
(2003/11/14)
五木 寛之

商品詳細を見る
正直言って、なんとも言いようのない世の中だ



五木寛之さんのご一家は平壌からの“引き揚げ”だったって。
当時、ソ連軍の管理下にあった地区を脱出し、開城の難民キャンプに収容されたのち、仁川から米軍の軍用船で博多にたどり着いたグループだ。

博多港外で検疫のため長いあいだ待たされたあと、ようやく上陸が許された。

まず、まっ白な粉を頭から浴びせかけられる。それがDDTという強力な殺虫剤であることは、あとで知った。

そのあと、四つん這いになって肛門に検査の棒をさしこまれる。男はそれで済んだが、女性たちは婦人相談室という部屋で相談を受ける人と、その必要がない人たちがいた。かたちの上では相談だが、実際は調査である。

その調査、もしくは面接は、子どもと、ひと目で高齢者と分かる女性は、はぶかれた。その理由を書くきにはなれない。

要するに敗戦の混乱の中で、レイプやその他の被害を受けた日本人女性が数多くいたということだ。
敗戦時、軍民あわせて六六〇万人ほどが外地に居り、引き揚げ対象者となった。一九四六年末までに五〇〇万人ほどが引き上げたと言うが、敗戦という過酷な状況の中、ものすごい民族移動ということになる。

ずいぶん前に読んだ本なんだけど、副題が「引き揚げ女性中絶の歴史」という。

“引き揚げ”とはいったいどういうことなのか。私はこの本で知った。

五木寛之さんは、この過程を体験してきた。この本の後半に、彼自身がトラックに積み込まれて平壌のソ連軍管理地域を脱出する時の様子が紹介されている。
ともかく地獄の沙汰も金次第。トラックに積み込まれて、深夜、南下するうちに、ソ連軍の検問にぶつかってしまった。金を出せば通す、というお定まりの話である。全員、ヘソクリを出して、運転手に渡す。やっと通過したと思ったら、また別の検問に引っかかった。

金はない、と伝えると、女を出せ、と要求していると運転手が言う。それも三人出せとの話。グループのリーダーたちが何やら相談した結果、三人の女が指名された。娘さんと、人妻と、子連れの母親と、高齢夫人は省くと決めたらしい。

指名された三人は全員の視線に追いつめられたように、トラックの荷台の隅に身をよせあって顔をひきつらせていた。

「みんなのためだ、頼むよ」
ずいぶん前の本だし、いまさら本文をそのまま紹介したところで、何の罰も当たらないだろうと思ったんだけど、ダメだ。これ以上、書けない。

五木さんはその章の冒頭で、『戦争ほどいやなものはない。しかし、もっと大変なのは戦後の方だと思う』と書いている。気持ちは分かる。でも、本当は“もっと大変なのは戦争に負けるということだ”というべきじゃないかな。

もう一度あの戦争を、みんなで言い合ってさ。あの戦争がなんだったのかロシア人と語り合おうよ。支那人とも、韓国人とも、アメリカ人とも、ヨーロッパの方の人ともさ。・・・なんか、熱くなっちゃった。

これを書いた時も、心が熱くなってしまったみたいで、さらに翌日、以下のような記事を書いている。

なんで昨日みたいな記事書いちゃったかなぁ。『みみずくの夜メール』で五木寛之さんの“引き揚げ”の話を読んじゃったのが原因なのはわかってるけど・・・。それにしても、それを読んだ状況が良くなかった。前に読んだ本を探そうと、物があふれて足の踏み場のない納戸で、半身を押入れの下段に突っ込んで、崩れ落ちてくるトイレットペーパーやティッシュの箱に抵抗しつつ読んだ。もともとが閉所恐怖症気味なのに、この状況は良くなかった。

にもかかわらず、時間を忘れて読みふけってしまった。特に、五木寛之さんの書いたものが好きだってわけでもないんだけど、なんだかいやに“懐かしさ”を感じてしまって・・・。

なんだか今は話題にもならないけど、子供の頃は世間のあちこちに戦争の名残があった。祭りで賑わう街角で、傷痍軍人がアコーディオン引いてたり、大人の会話の端々に“戦争未亡人”だの何だの聞こえてきたり、父の親友はが“特攻くずれ”だったりね。
祖母の妹は満州からの“引き揚げ”で、子どもを向こうにおいてきた。「見つけに行って、連れてきた」って話は、いつだったか、祖母から聞いた。その人が働く中華料理屋でラーメン食わせてもらいながら。

都はるみさんが、五木さんとの対談で、「父は慶州から来たんです」ってさり気なくつけ加えたなんて話が、それこそさり気なく書かれている。だけどみんなそうだったんじゃないかな。あれだけの戦争をして、あれだけ負けた国なんだもの。右を見ても、左を見ても、み~んないろいろなものを引きずっていた。でも、凧の尻尾とおんなじで、多少は引きずってたほうが良さそうね。バランス失って、きりもみ状態で墜落してる人が、最近は多いような気がする。

 

私にとっての五木寛之さんの本は、なんといっても『青春の門』。おそらく、兄の買った本を、布団の中でこっそり読んだ。あの甘美な“罪悪感”。できることならもう一度体験したい。かと言って、いま、筑豊編を布団の中で読んでみてもなぁ。バカみたいだしなぁ。

分かった。五木寛之さんの文章に触れて、私はきっと何か感じちゃったんだ。足の踏み場もない納戸の押入れの下段に半身を突っ込んで・・・、という状況の中で、あの時の甘美な“罪悪感”に近い感覚を感じちゃったんだな。だから頭がいつも以上に反応しちゃったんだ。

昨日、紹介した『マンガ家たちの戦争 引き揚げの悲劇』。12月になって義父と叔父が亡くなるということがなければ、おそらく読んでなかった。もう、その世代のことを語れるのは、私たちの世代だけになったんだろうな。まあ、語るのは苦手な私ですが、ブログなら、しつこく死ぬまで書いてやろう。


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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本


















































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