『問答無用』 櫻井よしこ
ああ、いや、もともとチベットの方の生きものだから、返さなくてもいいか。でも、ああいう国は後で何を言うか分かったものじゃないですから、もういい加減、パンダで「可愛い!」とか騒ぐのはやめましょう。最初に日本に送られたパンダのカンカンは、三遊亭円生と同じ日に死んでいます。
翌日の新聞の扱い、すごかったですね。円生のことはいったいどこに書いてあったでしょう。もちろん一面ぶち抜きで《カンカン死す!》でしたね。 |
これじゃあ、付け込まれない筈がないでしょう。うちの連れ合いだって、「“中国”は、本当に怖い」とかって言ってるのに、シャンシャンを見に行きたくて、観覧申し込みの抽選に一生懸命応募してました。
後で何言うか分かったもんじゃないっていうのは、韓国も同じですね。慰安婦と呼ばれる売春制度の話もありますが、一度、オリンピックで“独島”がどうのこうのって政治アピールをしたサッカー選手が、大きな問題になったじゃないですか。あの人たちは、自分が攻められると、逆に変な攻撃材料を持ち出して、相対化しようとするんですね。あの時持ち出したのが、旭日旗のことでした。
さらに、今では一歩進んで徴用工の問題でしょ。なにもなかったところに、次から次へとゆすりのためを生み出していくんですから、その道にかけては天才です。
その天才に情報提供しているのが東大名誉教授の和田春樹さんや津田塾大名誉教授の高崎宗司さんたちですね。もともと、日韓請求権協定で、文在寅の師匠にあたる、あの廬武鉉でさえあきらめた個人請求権です。それを文在寅は、日韓併合を違法とし、違法体制下の戦時動員も違法であるから、日本は改めて保証する必要があると言う、わけの分からない理屈なんですね。
どうやら、それを韓国側に吹き込んだのが、和田春樹さんや高崎宗司さんたちみたいです。それに連なるのが、新井献さん、石田雄さん、板垣雄三さん、姜尚中さん、小森陽一さん、坂本義和さん、外村大さん、宮地正人さん等だそうです。みんなえらい先生方ばかりじゃないですね。
姜尚中さんもいますね。聖学院大学に引き抜かれて、学長を任されたのにね。たった一年で辞めちゃいましたよね。諸般の事情ということだったようですが、いったいなんでしょうね。一年で、「ハイ、それま~で~よ」ってことですが。
『問答無用』 櫻井よしこ 新潮社 ¥ 1,728 世界の大激変を前に、国家として「自らの力で自らを守る」ための決断は待ったなし |
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“中国”が習近平体制で、周辺への圧力をさらに強めています。かつて、世界の覇権国家であったイギリスに、コテンパンに叩きのめされて、三流国に落ちた“中国”が、ここに来て、考えられるありとあらゆる方法を、もちろん汚い方法も含めて、それらを利用して、力をつけてきています。
その習近平体制の“中国”の目指すものは、かつての覇権国家イギリスに傷つけられたメンツを、覇権国家に成りあがることで取り戻すことでしょう。そのためには、アメリカに勝つ必要があります。イギリスに傷つけられたメンツを、アメリカに勝つことで取り戻そうというわけです。
そのためなら、何でもやる。実際に何でもやってきたわけです。
上にあげた本ですが、《中国製造二〇二五》は、それに向けての大仕事だったわけですが、これがアメリカを警戒に走らせました。今、米中貿易戦争なんて言われてますが、これは貿易戦争ではありませんね。櫻井さんのおっしゃる通り、価値観の戦いです。
アメリカがもし、その旗を降ろすようなことがあれば、アメリカは間違いなく覇権国家の地位を奪われます。もちろん、日本だってただではすみません。なんとしてもアメリカを支え続ける必要があります。
かたや“中国”も正念場です。今、“中国”は全人代の真っ最中ですが、その中で、報道が習近平の孤立を伝えています。経済の減速に、アメリカとの確執が拍車をかけているはずです。習近平の個人崇拝も、体制内でも批判的な目が向けられているそうです。軍事費と共に増え続ける国内の治安維持費。
だからこそ、櫻井さんは、「問答無用」とおっしゃるわけですが、とにかく日本は国力を決して落とさない、今の東アジアにおいて、有効な実力をつける必要があります。
とりあえず、パンダは返しましょう。・・・連れ合いには、このブログは見せないようにします。
