めんどくせぇことばかり 本 世界史

『地政学入門 改版』 曽村保信

子供の頃から人に教わるのが苦手だった。何かを始めるときは、見よう見まねで、人に隠れて練習して、なんとか人より先にある程度の段階までは進む。だけど、いったん壁にぶつかると、その始まりの部分、基礎の基礎の部分で人に教わってないから、なかなか乗り越えられない。人に教わって、「ちまちまやりながら」って言うと語弊があるが、まあ段取りを踏みながら成長したやつは、それまでもそうだったように、壁を壁とも認識せずに先に進んでいく。

私はと言えば、悔しくて、悔しくて、いまさらながら入門書なんか隠れて読んで、こんなことなら奴らと一緒に教えてもらっておけばよかったなんて、やり直しが効いたとしても絶対やらないことを考えながら、なんとか乗り越えられればいいけど、乗り越えられずにやめてしまったことも、いくらでもある。・・・その筆頭は、テニスだな。

なにを言ってるのかって思われるでしょうが、それはこの本が『地政学入門』という本で、いまでこそ《地政学》がもてはやされているものの、ちょっと前なら《地政学》と言えば避けては通れない本。・・・というか、これしかなかった本。

なにしろ1984年初版の本。2016年までに28版を数え、今年7月に改版として、読みやすくなって再登場。それだけでも、どれだけの本か分かってもらえると思う。


『地政学入門』    曽村保信

中公新書  ¥ 799

中公新書のロング&ベストセラーが読みやすく生まれ変わった 地球規模で考えるために
序 章 地球儀を片手に
第一章 マッキンダーの発見
  1 地政学の起こりと古典       2 英国の海上権の衰退 
  3 西欧シー・パワーの起源と由来 4 ハートランドの動向   
  5 ヨーロッパ半島の運命       6 自由社会の処方箋
  7 最後の論文
第二章 ハウスホーファーの世界
  1 ハウスホーファーと日本 2 生活圏の哲学       
  3 広域の思想         4 太平洋の地政学      
  5 大東亜共栄圏との関連  6 悲劇の結末
第三章 アメリカの地政学
  1 モンロー主義の発展過程  2 西半球防衛の展望 
  3 汎米主義と二つのアメリカ  4 アルフレッド・マハンの遺産
終 章 核宇宙時代の地政学
  1 ソ連と地政学 2 アフリカおよび中近東の地政学 
  3 危機の弧    4 インド洋―世界の地中海

内容は、目次でわかるように、地政学の大御所であるH・J・マッキンダー、カール・ハウスホーファー、アルフレッド・マハンの思索を追って、s第二次世界大戦までの地政学がなにを求めてきたか。どう移り変わってきたかを明らかにし、米ソ冷戦下の地政学を、“新しい時代の地政学”ととらえて紹介している。

地政学は、イコール軍事学ではない。しかし、地政学は、軍事的考察を進めていくときに、欠くべからざる学問である。その領域は地理学、政治学、国際政治学、社会学、歴史学に及び、現実に即して無駄な知識は退けられる。

言わば、知識と思考の総合体みたいなもんで、100%に必要を満たした地政学など、到底ありえない。だから、きわめて即時的に合目的的な必要に対して、地政学は常に不十分で、ほぼ間違いなく失敗する。

その点、あとから考えて、「ああ、この視点が欠けていた」と反省するのが地政学かも知れない。

ふと気がつけば、地政学の定義付けがこの本にある。
地政学とは地球全体を一つの単位と見て、その動向をリアルタイムで掴み、そこから現在の政策に必要な判断の材料を引き出そうとする学問である。

“反省する学問”と言うのは、怒られちゃうかな。でも、私と同じ。反省しないよりはまし。それじゃいけないかな。



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『日本人が知らない最先端の世界史2』 福井義高

不戦条約
第一条
締約国は国際紛争解決の為、戦争に訴ふることを非とし、且つその相互関係において国家の政策の手段としての戦争を抛棄することを其の各自の人民の名において厳粛に宣す
第二条
締約国は相互間に起こることあるべき一切の紛争、又は紛議は、その性質、又は起因の如何を問わず、平和的手段に依るの外、之が処理、又は解決を求めざることを約す

この本の中でも言ってるけど、《日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する》っていう日本国憲法第九条一項のモデルだね。

ケロッグ・ブリアン協定とも呼ばれるのは、アメリカの国務長官フランク・ケロッグと、フランスの外務大臣アリスティード・ブリアンの尽力によって締結にこぎつけたものであったから。そのケロッグは、公園で次のように言う。 《・・・いかなる意味においても自衛権を制限し、損なうものは存在しない。この権利は主権国家に固有のものであり、すべての条約に暗に含まれている。すべての国家は攻撃又は侵入からその領土を守る自由があり、状況が自衛のために戦争に訴えることを必要としているか否かを決定する権限は、個々の国にだけある》と言っている。

その上で本書は、《不戦条約とは、極論すれば、戦間期でもっとも国際関係が安定していた状況のもと、英米本意の現状維持を承認した上での、世論向けPフォーマンスに過ぎなかった》と言う。



祥伝社  ¥ 1,728

歴史を学ぶことは重要である。しかし、都合よく利用しようとすれば、手痛いしっぺ返しを食う
序章 「反グローバリスト」は「極右」なのか
Ⅰ  満洲におけるソ連情報機関と日本
Ⅱ  「スペイン内戦」の不都合な真実
Ⅲ  「憲法フェティシズム」の果て
Ⅳ  「欧州共同体」という大いなる幻想
Ⅴ  「不戦条約」と日本の運命

不戦条約は有名無実。なにしろ、自衛戦争であるか、戦略戦争であるかの判断権は戦争を行っている当事国にあるというのだから。

たしかに有名無実であるが、それは戦間期の国際関係をリードした英米にとって、有名無実であるということ。ソ連がフィンランドに攻め込んだことを英米は侵略と判断した。イタリアがエチオピアに攻め込んだのは、イタリアをドイツに接近させたくない英米のの都合によって、侵略ではないことになった。

不戦条約は、たしかに締結されたのだ。締結されたことによって、しっかり意味を持った。ただ、戦間期の国際関係をリードした英米だけは、その適応対象外になったということだ。

なにしろ、国際世論というものが、英米指導層の判断に大きく左右されていたことを考えれば、法的に無効な条約ではあっても、英米には極めて都合の良い政治的武器となる。法的拘束力がない以上、自らの武力行使は常に正当化できる一方、気に食わない国の武力行使は、国際世論を誘導して、法的にはともかく道徳的非難に値すると糾弾して、その国を国際社会から孤立させ、追い詰めることができる。

戦間期に、そうして孤立し、追い詰められていった国を、私、知ってるよ。

この本でずいぶんブログの記事を稼がせてもらっちゃった。ネタバレでごめんなさい。でもね。言い訳じみてるけど、ここに書かれている「最先端の世界史」は、実は、ずいぶん前から言われていることばかりだよね。それが「最先端」なのは、ようやくそれが世の中に顔をだすことができるようになったから。

歴史修正主義。安倍晋三首相がチャイナや韓国、さらにアメリアからも、そう罵られることがある。歴史修正主義者というのは侮蔑の言葉なんだな。でも、少し雰囲気が変わりつつある。歴史は、修正されるべきだ。

お願い。誰か、私のことも、歴史修正主義者と読んで・・・。     ・・・マゾじゃないよ。




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ゲルニカ『日本人が知らない最先端の世界史2』 福井義高

ゲルニカフランシスコ・フランコ将軍率いる国民軍との内戦下、スペイン人民戦線政府は、支持者であるパブロ・ピカソに、1937年にパリで開かれる万国博覧会に、作品の出品を依頼していた。

それを受けたピカソは、衝撃を受けた、フランコを支援するドイツ空軍が1937年4月26日に行ったゲルニカ爆撃の非人道性を訴えるため、壁画『ゲルニカ』を完成させた。
ピカソの最高傑作の一つと言われるその作品は、スペイン北部のバスク地方にある小さな町の名前を、世界中に知らしめた。


祥伝社  ¥ 1,728

歴史を学ぶことは重要である。しかし、都合よく利用しようとすれば、手痛いしっぺ返しを食う
序章 「反グローバリスト」は「極右」なのか
Ⅰ  満洲におけるソ連情報機関と日本
Ⅱ  「スペイン内戦」の不都合な真実
Ⅲ  「憲法フェティシズム」の果て
Ⅳ  「欧州共同体」という大いなる幻想
Ⅴ  「不戦条約」と日本の運命
西ドイツ軍戦史部のクラウス・マイヤー少佐が著した『ゲルニカ 1937年4月26日』には、ゲルニカ爆撃の真実の様子が書かれている。
  1. ドイツ空軍によるゲルニカ空爆は、一般市民をターゲットにする無差別爆撃ではなく、明確な軍事目標を狙った作戦であった。
  2. 一般市民に犠牲が出たとしても、それはそのこと自体を目的にしたことではなく、他の軍事目標を狙った攻撃の付随的損害であった。
当時、国民派の攻勢により退却中の人民戦線部隊にとって、ゲルニカは退却の途上にある一都市であり、人民戦線の部隊が駐留し、軍事工場も存在する拠点の一つであった。

地上の国民軍を支援する独伊空軍部隊は、人民戦線軍の退却を妨害するため、軍事目標である橋などを狙った爆撃を行った。その際、視界不良の中投下された爆弾が市街地を直撃し、一般市民に犠牲が出た。犠牲者は、これまで1654人とされてきたが、スペインの戦史家ヘスス・サラス・ララサバルの研究によれば、120人というのが真相に近いという。

ゲルニカ爆撃は、一般市民を狙った無差別爆撃ではなく、地上軍と連携した空軍が敵の退却を妨害するために行う「航空阻止攻撃」であった。

ピカソの《ゲルニカ》を、効果的に政治的プロパガンダに利用したのがスターリンであった。第二次大戦中、パリに住んでいたピカソは、連合国軍によるパリ解放後、フランス共産党に入党し、1950年にスターリン平和賞を受賞した、向こう側から見た立派な人だった。




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『日本人が知らない最先端の世界史2』 福井義高

費用がかかりすぎる、非現実的だと批判されながらも、全長3000キロ以上の米・メキシコ国境に頑強な壁を設置するという提案を主張し続けている。合法移民の削減も提唱し、不法移民の強制送還を延期するオバマ大統領の大統領令を取り消すと表明。さらに、米国内で暮らす不法移民を削減するため、対策強化を主張する。米国内に住む1100万人以上の不法移民を強制送還するという公約や、すべてのイスラム教徒の入国を一時的に禁止するという公約は、あまり口にしなくなったものの、撤回はしていない。
これは、トランプ大統領の公約ね。
移民の継続は深刻な問題をもたらす。合法、不法とも、移民をストップしなければならない。
これは、トランプじゃないよ。誰かと言うと、冷戦期のヨーロッパにおける左翼の大立者、ジョルジュ・マルシュフランス共産党書記長の、1981年の発言。
不法移民流入を阻止せねばならない。この目的を達するため、国境警備要員を増やさなければならない。合法移民に関する法律も、合衆国が移民のの数と質をもっとコントロールできるように改正せねばならない。
難民の受け入れに関しては、まず、合衆国は、無責任な他国内政への干渉によって難民が生じることにもっと用心しなければならない。本当に難民かどうか、より確実に難民申請を審査せねばならない。
国はアメリカっぽいよね。だけど、トランプじゃない。1968年予備選でリンドン・ジョンソン大統領を再選断念に追い込んだリベラルの雄、ユージン・マッカッシー民主党上院議員が1992年に刊行した『世界の植民地 今日の合衆国』の中の一節だそうだ。

つまり、ヨーロッパでもアメリカでも、かつて左翼・リベラル勢力は移民反対勢力だった。そりゃそうだ。自分の国の労働者にとってみれば、移民流入は労働供給増を意味するのであって、賃金の低下や失業をにつながる出来事なのだから。弱者の側に立つ左翼・リベラル勢力とすれば、移民に反対しなければならない。・・・そういう立場のはずだ。

流れが変わったのは、冷戦の終了だという。それと前後してグローバル化や多文化主義がエリートのドグマとなり、左翼・リベラル勢力が移民賛成論に転じる。・・・この本では、アメリカ合衆国労働組合のナショナルセンターであるAFLやCIOが、2000年に移民政策を転換して移民拡大を組織の方針としたことが、それを象徴する出来事だったとしている。

こうして、移民推進が政治・経済・言論エリートのコンセンサスとなり、移民反対を唱える者には“極右”のレッテルが張られることになった。 


祥伝社  ¥ 1,728

歴史を学ぶことは重要である。しかし、都合よく利用しようとすれば、手痛いしっぺ返しを食う
序章 「反グローバリスト」は「極右」なのか
Ⅰ  満洲におけるソ連情報機関と日本
Ⅱ  「スペイン内戦」の不都合な真実
Ⅲ  「憲法フェティシズム」の果て
Ⅳ  「欧州共同体」という大いなる幻想
Ⅴ  「不戦条約」と日本の運命

利益第一の経営陣にとって、移民すなわち安価な労働力は望ましい。表面的には、社会的敗者を犠牲にして経済成長をもたらす。だから経営者や経済成長市場論者、それを代弁する政治家や知識人は一貫して移民賛成論を唱える。1990年以降は、ここに学問や報道のエリートたちが合流してくる。

この本にも登場するハーバード大学のジョージ・ボーハスという教授がいて、子どもの頃に、キューバから難民としてやってきた人なんだそうだ。そのボーハス教授は、「政治的に正しい物語は間違っている。移民は全員にとって良いわけではない」と言う。

経営陣には高い労働力に代わって、安い労働力が手に入る。流入移民は、故郷で求められなかった仕事にありつける。この二者が勝者である。そして敗者は、流入移民に仕事を奪われる先進国の大衆である。

それでも彼らは、移民がもたらす賃金低下などの負の効果などを否定するため、不可解な仮定を設定し、データを操作することをやめない。
まさに遠い昔のハバナの革命学校におけるマルクス・レーニン主義者の教師たちを思い出させる。彼らは信じていた。残された成すべきことは、他のすべての人々も同様に信じるよう強いることであった。

さすがは社会主義国家から亡命してきたボーハス先生、わかってらっしゃる。ソ連崩壊で敗れた社会主義者の夢は、こんなところで社会に呪いをかけていた。人種や民族の個性を失わせ、国家の意味を消滅させて、人を単なる労働力として管理する。まさに、彼らの理想がそこにある。
ペラペラ~とめくっていて、序章読んだだけで、おもしろくって、ついつい使わせてもらっちゃった。移民賛成論者が何を言おうと、この国の本家本元は、英国プロテスタント文化のもとに人々を同化・統合してきた社会、WASPの作り上げたアメリカなのだ。それを、“アメリカ合衆国の民意”という。

脱国家的エリートらが、「極右」、「ポピュリスト」とトランプ大統領を攻撃している。そうして彼が葬り去られたとき、次にどんな時代が来るのだろう。





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『1493 入門世界史』チャールズ・C・マン

今年、25歳になる息子がアメリカのテレビドラマ『刑事コロンボ』が好きで、DVDをセットで買って全部見た。コロンボはイタリア系の移民だよね。そのコロンボをスペイン語するとコロン、ラテン語でコロンブス、英語ではコロンバスになるんだそうだ。

イタリア系の移民は生活が苦しくて、中には結束を固めてマフィアを構成する者もあり、ボクシングで一旗揚げたロッキー・バルボアもいる。コロンボは、“かみさん”のでかい尻に敷かれて、ポンコツな車に乗って現場に駆けつける凶悪犯罪専門のデカさん。しかも、着古しの、ヨレヨレのコートがトレードマークって、どうにもうだつが上がらない。

そんなコロンボ刑事が、アメリカでも上流の生活を送る者たちの犯した殺人を、しかも、いずれも巧妙に仕立て上げられた犯罪を暴き立てていく。上流の紳士淑女が、日頃は見下しているイタリア系移民の刑事コロンボに、巧妙な仕掛けを一つ一つ解き明かされて追い詰められて、最後はその軍門にくだらざるを得なくなる。・・・「これは人種問題なのだ」なんていい始めると、全く面白くなくなるので、気をつけよう。

彼をコロンブスと呼ぶからには、その存在と業績は、ローマ教会も公式に認定したものということになるのだろう。だけど、ここのところ、コロンブス個人に対する評価は芳しくない。この本の著者もそう言っているが、コロンブスによって引き起こされた“アメリカ人”の悲劇が、あまりにも大きすぎることにもよるのだろう。虐げられた人々に光を当てるのは悪いことじゃない。ただ、それに便乗する勢力があることも・・・。今はそれはやめよう。

そして、コロンブスに対する個人的評価も、ここでは置いておく。しかし、否定的側面が強かろうがどうだろうが、彼の業績が世界史に決定的な影響を与えたことは間違いのないことであるし、それは現在も進行中である。

『1493 入門世界史』   チャールズ・C・マン

あすなろ書房  ¥ 1,728

コロンブルから始まるグローバル社会 《1493》は“コロンブス後”ということか
はじめに コロンブス交換が現在の世界を作った
第1部  世界は再びつながった
第2部  大西洋を越えて
第3部  太平洋を渡って
第4部  変貌を遂げるヨーロッパ
第5部  真実のアフリカ
おわりに 生命の営み   

《コロンブス交換》と作者が呼ぶのは、人や植物や動物、時には病原菌までが、新大陸と旧大陸間で混ざりあっていくこと。長年隔絶されてきた生態系と生態系が突然出会い、混ざり合って、想像もできなかった事態を引き起こした。そして、今も引き起こしつつある。
NHK WEB NEWS 2017/8/2
ヒアリの調査 対象の港を68か所に拡大
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170802/k10011084581000.html?utm_int=word_contents_list-items_002&word_result=ヒアリ
(抜粋)
強い毒を持つ南米原産のヒアリが全国の港などで相次いで見つかっていることを受けて、環境省などはヒアリがいないか確認する調査を2日から横浜港など全国の68か所に増やして始めました。

(続きを読む)に全文
これなんか、《コロンブス交換》の本の一コマでしかない。西洋タンポポが蔓延って、日本タンポポは急激に数を減らしているとか、ブラックバスに固有種が食い荒らされているとか、日本ミツバチはもはや稀少価値とか、日本人は、日本の固有種が外来種に駆逐される話ばかりを聞かされて、「どうも日本の固有種は、総じて生命力が弱い。まるで、遠慮がちで、諸外国から付け込まれることの多い日本人と同じ」とかって思ったりする。

外来種の侵入によって固有の種が影響を受け、生態系が変わってしまうのは、日本だけじゃない。日本のわかめが、外国では外来種としてあちこちの国を困らせている。雑草のクズは、駆除することがほとんど不可能な、侵略的外来種ワースト100に入る力強さ。

実は日本人も、歴史の中でけっこうあちこちに根を下ろしていたりする。しかし、比較的淡泊なのは確かなようで、こだわらないからそれとは分からないだけのこと。

人にしようが、動物にしようが、植物にしようが、病原菌にしようが、新たな出会いは混乱を生む。白人がまき散らかしたような、不必要な混乱は勘弁してもらいたいが、混乱そのものは必然的なものであろう。

個々のケースを考えれば、“悲劇”ではある。そういった側面もあった。だけど、そういった一面的な評価を下しても、これまでに起こったことをもとに戻すことはできないし、同様のことはこれからもあり得る。かつてあった白人の行為による有色人の悲劇は今後起こってはならないが、それは違うところで十分反省してもらいたい問題だ。

要は、その先に少しでもマイナスを小さくし、プラスを大きくする努力だろう。




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新大陸の作物『1493 入門世界史』チャールズ・C・マン

やっぱり、今も昔も、良かれ悪しかれ、シナが関わることで大きく動く。“コロンブス交換”。その姿を解き明かすことこそが、本書の目指すところであり、キーワード。

南米原産の食材がシナに持ち込まれて、それが人口爆発を起こした様子が書かれていて、ちょっと触れておきたい。お亡くなりになった岡田英弘さんが書いた本で、人口爆発のことを読んだけど、ほぼ同様のことが書かれていた。やっぱり、岡田先生って偉大だな。

《水を制する者が天下を制す》・・・五帝の時代から、治水は天かを左右する事業。長江下流の稲作地帯、小麦の主産地である黄河流域の華北平原にどう水を送るか。はたまた壊滅的な洪水にも見舞われやすい地形であるからこそ、治水は歴代王朝の命運に直接かかわっていた。

広大な大地にもかかわらず、適当な耕作地は意外と少ない。漢王朝時代で6000万。基本的にこれが頂点ですよね。以後これを上回ることなく歴史は推移した。ところが清王朝の時代に、シナの人口は、一気に6000万を突破した。突破したどころか、康熙帝、雍正帝、乾隆帝の絶頂期を越えて、道光帝の時代には4億に近づいた。

安定を言うなら、過去にも安定はあった。それでも6000万を上回れなかった人口が、一気に4億だ。なにが変わったのか。

そこで出てくるのが、“コロンブス交換”ということになる。旧世界にもたらされた新世界の作物。


サツマイモ、トウモロコシ、落花生、唐辛子、パイナップル、カシューナッツ。それらの作物が、ガレオン貿易に沸き返る福建省に持ち込まれた。


『1493 入門世界史』   チャールズ・C・マン

あすなろ書房  ¥ 1,728

コロンブルから始まるグローバル社会 《1493》は“コロンブス後”ということか
はじめに コロンブス交換が現在の世界を作った
第1部  世界は再びつながった
第2部  大西洋を越えて
第3部  太平洋を渡って
第4部  変貌を遂げるヨーロッパ
第5部  真実のアフリカ
おわりに 生命の営み   

それまでの2000年近く、・・・この本の著者は「中国の人口増加はずっとゆるやかだった」と言っているが、実際には王朝の盛衰に合わせて激しく増減した。ただしいくら増えても、漢王朝時代の6000万人を上回ることはなかったということだ。

それが清による征服後、一変した。アメリカ大陸産の作物の到来と清王朝による社会改革の相乗効果で、人口が爆発した。軽視されるか、無視されてしまうことが多いが、清王朝の社会改革は見逃せない。天然痘の予防接種を広く実施し、食糧貯蔵庫を全国に設けて余剰穀物を買い上げ、不足時に低い法定価格で放出した。

それまでのシナの王朝ではあり得ないな。征服王朝だからどうのとか、違うからどうのとかいうことはないな。だいたい、漢族なんて三国時代以降の動乱で死に絶えているし、結局、シナというのも“場”でしかないんだな。だから、征服民だろうが、違おうが、少しでも質のいい奴らが治めた方がいいというだけのことだ。

でも、清王朝の社会変革だけでも、あそこまで爆発的に人口が増えることはなかったな。まあ、アメリカ大陸原産の作物が果たした役割は、やはりとても大きいよ。

ただし、シナ人ってのは、絶対それじゃあ終わらないんだ。増加した人口を養うために、彼らは山にもトウモロコシを植えた。山を利用した耕作地の急激な増加は、思いがけない災いをもたらした。木を失った山の急斜面から雨水が激流となって駆け下り、土中の養分を洗い流した。シナの農民は階段状に畝を建てることを知らず、斜面に沿って縦に畝を切った。新たに開墾された山の畑は、たちまち疲弊した。

森林伐採はふもとの平地に洪水の害も与えた。洪水は長江下流の水田や黄河下流の小麦地帯を襲い、シナを代表する穀倉地帯が深刻な被害を受けた。洪水の頻発は、そのたびに飢饉をまねき、社会不安を醸成した。国の資源は被害の回復のために費消されていった。アメリカ大陸さんの作物は、ぐらついた清王朝の土台に、致命的な蹴りを入れた。

「災い転じて福となす」という言葉がある。ところが、シナ人の手にかかると、アメリカから荒地でも豊かに実る新たな作物がもたらされるという幸運も、それが転じて国を亡ぼすということになる。・・・なんのこっちゃ?

習近平を少しは応援してやりたくなる。




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『アダムのリンゴ』 小泉牧夫

混沌たるカオスから生まれた大地ガイア。ガイアは自らの力で天空ウラノスを生み、ウラノスと交わってティタン族を生んだ。ティタンは英語でタイタンと発音するが、日本語ではチタンともいう。原子番号22で原子記号はTi。軽いわりに強度が強く、産業でも先端分野で重宝されているという。

話題になった「進撃の巨人」、英語のタイトルは“Attack on Titan”。そんな最近の話題を出さなくても、…私には十分に最近…1911年に大氷山に衝突して沈没した豪華客船は“the Titanic”だった。
あ~、こんな話を読んでると、なんだかとても頭が良くなったような気がして気持ちいい。・・・そんなわけで、とっても気持ちのいい本の紹介です。

題名にもなっている“アダムのリンゴ”とは〈のどぼとけ〉のこと。イブに進められてリンゴを口にしたところを天使に見とがめられ、慌てて飲み込もうとしたら、のどに引っかかっちゃったんだよね。そんな、創世記や、上に書いたギリシャ神話の話から始まって、歴史の成り行きの中から生まれた、英語の面白い言いまわしや言葉の数々を一挙に紹介した本。

神話や歴史の中の話が、思いもよらない言葉を生み出しているのも面白い。上で紹介した大地の女神ガイア。Gaiaは、ラテン語や英語ではGaeaと書かれ、またの名を「Ge」と書いてゲーともいう。geology「地質学」、geography「地理学」、geopolitics「地政学」なんてところに使われてくる。

ギリシャ神話の中でも人気の話の一つのクピドとプシュケの物語。このプシュケはpsycheと書くが、古代ギリシャのもともとの意味は「息・呼吸」で、派生して「命・心・魂」。ここから、「心・魂」に関連する語にプシュケが使われる。psychologu「心理学」、psychiatry「精神医学」、psychic「精神的な」、psycho「精神病患者」。こうなってくると、プシュケもびっくり。



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のどちんこにはリンゴが詰まっている 歴史から生まれた世にも面白い英語
〈古代ギリシア編〉
〈古代ローマ編〉
〈中世編〉
〈近世前編〉
〈大航海編〉
〈近世後編〉
〈アメリカ大陸編〉
〈近代編〉
〈2つの世界大戦編〉
〈戦後・21世紀編〉

近代、現代、そして今も、次々と新しい言葉って作り出されてるんですね。それは英語だけじゃなくて、どんな言葉でも同じこと。もちろん日本語もね。ただ、日本語で心配なのは、かつて外来の言葉が入ってきたとき、知恵を絞って新しい日本語を創造していったのに、最近は、それをカタカナ言葉のまま使っているだけ。向こうの言葉でその概念をつかめる人はいいけど、そうでない奴は置いてけぼり。“つかめる人”と、“つかめない人”の二種類に人種が、日本人内部に作り出されつつあるように感じる。

その点、日本にもトランプが必要か?

おもしろかったのは、英語とフランス語の関係。牛はoxでも、皿に乗るとbeef。羊はsheepでも、皿に乗るとmutton。豚はpigでも、皿に乗るとpork。

この本に関してはずいぶん書いてしまった。このくらいにしておこう。
おそらく、欧米人以上に、日本人の方がこういう本をおもしろがっているだろう。

言葉には力がある。“アブラカダブラ”は魔法の言葉。「私の言ったとおりになれ」って呪文が意味を持つ世の中が、かつては世界に広がっていた。一神教の神様が“魔”の世界のすべてを屈服させていっても、言葉は残った。言葉には思いもよらない意味があって、知ってか知らずか、それを口にするたびに、・・・“アブラカダブラ”、言葉に隠されたその意味が、きっとそのうち目を覚ます。

わずかに、いまだにそんなことを信じている人もいる。実は、私もその一人。すでに二人の子供は独立しておりますが、とにかく汚い言葉は使わないように言い聞かせました。





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出歯亀『アダムのリンゴ』 小泉牧夫

《もしあなたが公園で愛の交歓を行うのならば、痴漢にのぞかれることを覚悟しておいてほしい。覚悟の上で、のぞいている人々が感動してしまうようなSEXができたら、あなたはもう性の達人である》

・・・なんか、・・・感動的だ。

昔、女の子と一緒に、夜の新宿中央公園に言ったことがある。・・・止むに止まれず。・・・もちろん、その娘は今の連れ合いですが。その時も、“ピーピング・トム”君がいました。いや、日本人ですから、“出歯亀”と、正しく呼びましょう。

《明治末期、池田亀太郎という植木職人がいて、女湯を覗くなど変態的なことをして逮捕された。その男が“出っ歯の亀太郎”だったために「出歯亀」と呼ばれるようになった》・・・ということだ。

それは、私が止むに止まれぬ行動に及ぼうとしたその時、斜め前の植え込みに興奮に割れを抑えられなくなったやつがいて、大きく動揺した。植え込みの動揺に石を投げ込むと、「痛えじゃねえか」と抗議の声。

逆に大きく動揺した私たちは、そそくさとその場を立ち去ったのでした。

そんな私たちですから、その頃はもちろん、その後も、“性の達人”の道は、遠く険しいものとなったのでした。



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のどちんこにはリンゴが詰まっている 歴史から生まれた世にも面白い英語
〈古代ギリシア編〉
〈古代ローマ編〉
〈中世編〉
〈近世前編〉
〈大航海編〉
〈近世後編〉
〈アメリカ大陸編〉
〈近代編〉
〈2つの世界大戦編〉
〈戦後・21世紀編〉

ピーピング・トムの語源は、少し趣が違う。
イングランドのほぼ中央にコヴェントリーという町がある。この地で起こったあるできごとによって“誕生”した表現にpeeping Tom がある。

時の領主レオフリックが重税を課していたために、住民は苦しみに喘いでいた。それを見かねた妻のGodiva「ゴダイヴァ」が、夫に「税金を軽減して欲しい」と頼むと、「もしお前が裸で馬に乗って町中を回れば税金を安くしよう」と答えた。妻は、町中の人に家のドアを締めて窓に覆いをすることを約束させて、これを実行に移した。

だが、仕立て屋のTomだけが、誘惑に負けてゴダイヴァの姿を覗いてしまった。その罪でTomは目を潰されたという。それから、「性的興味で覗き見をする人」をpeeping Tom と呼ぶようになった。
本書p76

亀太郎さんも、警察に逮捕されて、罪を償う羽目になったわけだけど、まあ、どんな罰をくださ得れたか知らないけど、“目を潰される”ことはなかったでしょう。Tom の目を潰すことを決めたのは、一体誰だったんだろう。

領主ということは、まずないだろう。妻の裸を見られたのが悔しいなら、最初から裸で馬に乗れなんて言わなければいい。妻がそんなことをするわけがないと思って言っちゃったけど、いざやることになると、覗いたやつが許せないということはあるかもしれない。

領主の妻。これはあるかもしれない。「みんなのために、恥を忍んでやったのに」ってね。だけど、税の軽減のために、みずからの恥を忍ぼうという女が、「Tom の目をつぶして」というのも考えづらい。

いずれにせよ、領主か、領主の妻が「Tom の目を潰せ」と言ったのなら、二人とも“性の達人”からはほど遠い人間だっただろう。

住民が、「みんなのために恥を買って出てくれた奥方様の裸を覗くとは・・・」と、Tom の目をつぶしたというのがだとうなところか。

Godiva は、フランス語読みでは「ゴディヴァ」。そう、ベルギーのチョコレート屋さんだな。「裸で馬にまたがる長い髪の女」はゴディヴァのチョコレートのイラストに使われているんだそうだ。

・・・この本、面白すぎる。




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『ホモ・サピエンスの秘密』 インフォビジュアル研究所

猿はいろいろな種類がいるのに、人間は、ホモ・サピエンス一種類しかいない。ずい分前には他の種類もいたらしいけど、みんな死に絶えた。4万5千年前の氷期真っ最中、ホモ・サピエンスはネアンデルタール人とユーラシアで同居していた。その彼らも、いつしか死に絶えた。

1万7千年前まで、インドネシアに、ホモ・フロレシエンシスというホビットがいたという話もあるが、この本の中では問題にされていない。ちょっと、興味あるんだけどな。・・・とにかく、他の人類はみんな死に絶えて、ホモ・サピエンスは、唯一の“種”になった。

《特別な存在》・・・なのかな。そうだとしても、そうじゃないとしても、・・・腹はへる。飯を食う。排泄する。欲情する。

そのうち、明日の飯の心配もする。できればうまいものが食いたい。そう、好きな女と、話ししながら食いたい。一緒に快適な時間を過ごして、楽しいことしたい。自分の子供を産ませたい。できるだけ多く産ませたい。できれば他の女にも産ませたい。一族を増やして、将来に向けて発展していって欲しい。

そのためにホモ・サピエンスは、他の人類にはなかった機能を持った脳を手に入れた。アトランダムにインプットされた情報が、ホモ・サピエンスの脳の中では見事にネットワーク化され、新たな知性を獲得することが可能になった。これを、“認知革命”と呼ぶんだそうだ。

『ホモ・サピエンスの秘密』    インフォビジュアル研究所

太田出版  ¥ 1,296

図解でわかる 最新知見を下に紐解く、おどろきの人類700万年史
はじめに  生命の進化を激変させたホモ・サピエンス。
        20万年の道のりの先に幸せはあるのか?
1  私たちはどこから来たのか
2  ネアンデルタール vs ホモ・サピエンス
3  獲得した思考の力
4  豊かな狩猟採集生活
5  農業革命の光と影
6  宗教という想像世界の始まり
7  想像世界の秩序「ヒエラルキー」
8  想像世界の秩序「貨幣」
9  想像世界の秩序「国家」
10  想像世界の拡大「帝国」
11  帝国システムの道具「数」
12  帝国システムの道具「法律」
13  帝国システムの道具「硬貨」
14  ヨーロッパ世界拡大の武器「信用創造」
15  ヨーロッパ世界拡大の武器「資本」
16  ヨーロッパ世界拡大の武器「法人」
17  ヨーロッパ世界拡大の武器「略奪」
18  ヨーロッパ世界拡大の武器「株式会社」
19  ホモ・サピエンスの20世紀
20  人類の幸福とは
あとがき  人々にとっての、次の「幸福」とはなにか
       その答えは、脳が持っている

その上で、・・・あとは目次を見てもらったとおり。かつて、人間だって捕食される側だった。その記憶はDNAに刻み込まれているみたいで、わけも分からず暗闇に恐怖するし、広ーいところに投げ出されると、ついつい身を隠す場所を探してしまう。だけど、やがてホモ・サピエンスは認知能力を発揮して、捕食者を遠ざけていった。

そのように働きかけて、無作為の自然状態を改造していったのだ。そして、うまいもの食って、いい女に自分の子供を産ませて、一族を増やし、将来の発展を期す。

そうしようと思うと、自然に対する働きかけは増える。・・・どこかで、黙示録が脳裏をかすめるが、・・・まあ、気にしないことだ。

ヨーロッパに時代になると、その勢いは加速される。加速されるものの、地球上で共生できる生命体の量には限りがある。それを超えれば、なんらかの働きで、その数が調整される。シナの歴史を見ると、その様子がよくわかる。

ところが、認知能力の高いホモ・サピエンスは、地球上に過去に存在した生命体にまで手を出した。化石燃料だ。ホモ・サピエンスの数は、それまでの限界を超えて増え始めた。・・・また黙示録が頭をかすめる。

考えてみれば、最後の審判が語られて時点で、ホモ・サピエンスの活動の拡大の限界を認識していたんだろうな。黙示録にとらわれる連中は、自らの所業に恐れおののいて、迷惑なことに、優生論に走ったりする。

自らの所業に恐れおののくのはけっこうだ。大いにおののいて、自然の前にぬかづけばいい。ただし、戒めるべきは自らの所業であって、その責任を他者に取らせようとするのは、あまりにもお門違いだ。・・・さて、この本は、そのへんをどう語るのか。





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閏年生まれの彼『アダムのリンゴ』 小泉牧夫

そうそう、《西向く侍》ね。侍を“士”と書いて、《にしむく士》は二月、四月、六月、九月、十一月。いわゆる、“小さい月”に当たる月ね。それが二月、四月、六月と偶数月でいって、突然八月が“大きい月”になるもんだからこんがらがってしまう。ここから“小さい月”は奇数月に変わって九月、十一月と続くわけ。

“西向く侍”の他にも、左手のゲンコを握って、指の付け根の出っ張りが“大きい月”。人差し指の付け根から始まって、一、ニ、三、四、五、六、七と小指の付け根に至る。今度は右手のゲンコ。人差し指の付け根から、八、九、十、十一、十二は薬指の付け根で終わる。

私はゲンコの山と谷で“大きい月”と“小さい月”を認識した。

しかし、まだ問題が残る。二月だ。なんで二八日しかないんだ。影森小学校、影森中学校と一緒に過ごした黒澤誠くん。“マコちゃん”は、本当は、四年に一度しか巡ってこない二月二九日生まれ。同級生が十二歳当時、彼だけは三歳だった。彼は、便宜上、二八日生まれと、生まれながらの嘘つき人生を送ることになった。

なんでこんなことになってしまったのか。責任者、出てこーい❢



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のどちんこにはリンゴが詰まっている 歴史から生まれた世にも面白い英語
〈古代ギリシア編〉
〈古代ローマ編〉
〈中世編〉
〈近世前編〉
〈大航海編〉
〈近世後編〉
〈アメリカ大陸編〉
〈近代編〉
〈2つの世界大戦編〉
〈戦後・21世紀編〉

な~んてこと云ってたら、すごい責任者が出てきてしまった。なにしろ、カエサルとオクタヴィアヌス。King of Kinguこと、Emperor。ラテン語でImperatorのご登場ですからね。とはいえ、私だって、怯んでいる訳にはいきません。なにしろこれには、“マコちゃん”の名誉がかかってますからね。

古代ローマの暦では一年は十カ月だったらしい。農作業に適さない寒期にあたるニか月間、おそらくは冬至から春分くらいの間でしょ。その間は暦から除かれていたんだって。だから一年の始めは、今でいう三月、March。もとはMartiusで戦いの神「マルス」Marsの月。後から割り込んだ形の一月は、ローマ独自の双面神の「ヤヌス」Janus。英語にすると「ジェイナス」Janus。一つの顔が去りゆく年を、もう一つの顔が来るべき年を向いているということらしい。二月は、ローマが罪を償い、戦死者の霊を慰めるお祭りにちなんで名づけられたらしい。その時祀ったのが、贖罪の神Februus。英語の「フェブラリー」Februaryはここからきているという。

英語のSeptember「九月」は、マーチから数えると七番目の月。ラテン語のseptemは「七」をあらわす言葉。そういえば、八本足のオクトパスのように、octoがあらわす数字は「八」。つまり、「七」をあらわすSeptemberは九月となり、「八」をあらわすOctoberは十月になっちゃった。つまり、みんなにカ月ずれちゃった。

一年を三六五日。カエサルが、四年に一度の閏年を設けたユリウス暦を定めたのは紀元前四六年。この時に自分が生まれた七月を自分の名前“Julius”「ユリウス」に変えてしまった。この“Julius”が、英語の“Juiy”「ジュライ」の由来。「どうせずれちゃってるんだから、・・・」ってのは名前を変えやすい理由になったかもしれないけど、「だったら俺も・・・」って悪のりしたのがオクタヴィアヌス。

アウグストゥスって呼ばれた彼は、ユリウス暦を改暦したときに八月を自分の名前のAugustusに変えちゃった。これが英語で「オーガスト」Augustになるわけだ。

もともと七月は「五」をあらわす「クインテリス」Quintilis、八月は「六」をあらわす「セクスティリス」Sextilisだったって。

オクタヴィアヌスが悪乗りしすぎたのは、アウグストゥスこと、行程たる自分の名前を冠した月が“小さい月”だったことを不満に思い、これを変えちゃったこと。かといってカエサルの七月を減らすわけにもいかず、連続で“大きい月”にしちゃったこと。んんん、めんどくさいことになったのは、オクタヴィアヌスの責任か。しかも、八月に増やした分を、遠く離れた二月から持ってきたもんだから、二月は閏の月でやっと二九日。その他は二八日になっちゃった。

“マコちゃん”、悪いのはオクタヴィアヌスだったよ。「嘘つきマコちゃん」じゃなかったよ。・・・誰がそんなこと言ってるかって?・・・そういや、私以外にはいなかったかも。





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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本












































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