めんどくせぇことばかり 本 料理
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『スープでごはん』 みないきぬこ

40年も前のことだ。

ほんの一時期だが、東京の武蔵境駅から15分ほどのアパートに、二つ上の兄と一緒に暮らしていたことがある。二人とも学生で、都内の私立大学に通っていた。勉強するほどに、やることも考えることもめちゃくちゃで、いい気になって、夢と希望をふくらませているという、質の悪い学生だった。

場合によっては返済が免除される当時の育英会奨学金を受け、親からも仕送りされていたが、それでも友人たちと対等に付き合おうとすれば、すぐ底をつく。それでもつらいなんて感じたことはなかった。楽しくて仕方がなかった。

兄が卒業してからは、下北沢から徒歩10分、家賃1万1千円の汚いアパートに移った。一緒に住んでいるときは、兄のことを邪魔に思っていたが、一人になってみると、寂しいってわけじゃないが、二人と一人は大きく違う。

冬の寒い頃、風邪なんかひくと、どうにも心細くなる。もちろん、医者にかかるわけでもない。一晩寝て、汗をかけば直るという信仰があるもんだから、寝袋まで引っ張り出して、ふとんをかぶって寝る。寝る前に、“おっきりこみ”を食っておけば、汗をかくこと間違いなし。それで翌日直っていなければ、すでに打つ手はない。

夕方、雪だるまかというほど重ね着をして、駅前の中華料理屋へ向かう。一世一代の贅沢のつもりで、レバニラ定食とにんにく卵スープを注文する。食べ終わったら、そのエネルギーを夜風に吸い取られないうちに素早くアパートに帰り、ふとんにもぐり込む。これ以上の打つ手は、本当にない。

2年間の一人暮らしの間に、この手は何度か使ったが、失敗した記憶はない。

朝、焼いた鮭がけっこう残ったので、昼飯は鮭チャーハンにした。鮭の他には、ネギ、ピーマン、チンゲンサイを加えた。その場合、スープを何にしようか、いつも迷う。チャーハンの時のスープを考えると、わかめスープしか思い浮かばない。他の中華に合わせるスープなら、適当に鶏の出汁でまとめちゃうんだけど、チャーハンに合わせようとすると、わかめスープしか出てこない。

町中華でチャーハンを頼むと、熱々のラーメンのスープに、刻んだネギをちらしたスープがついてくる。あれじゃ寂しい。だから、わかめ。そこにネギを散らしてもいい。竹の子も面白いかも知れないが、今は冷蔵庫にない。今日は、ニラを試してみた。わかめスープにニラ。これはけっこう美味しかった。

だけど、所詮はわかめスープ。ううん。



『スープでごはん』    みないきぬこ

池田書店  ¥ 1,265

かんたんに作れて、栄養面もボリュームも満足のスープレシピ集
PART1 野菜たっぷり おかずスープ
コラム1 もう一品欲しいときに!かんたん副菜
PART2 肉がっつり おかずスープ
コラム2 なめらかな舌触りが嬉しい!かんたんポタージュ
PART3 シンプルスープ+主役ごはん
コラム3 疲れた、風邪っぽい etc 体調を整えるスープ


スープは、自由だ。

何をあわせてみたって、それほど失敗と言うことがない。素材の味をスープに出して、その味を見て、最後に塩でも、しょうゆでも、味噌でも、薄めから味をつけていけばいい。

素材から出る味だけで、出汁が入らない場合もある。特に、肉や魚のスープなら、出汁なんて入らない。肉や魚を使わない場合、この本で利用している出汁は、チキンスープ、中華スープ、和風だしと言ったところ。

おかしな言い方だが、野菜をそのスープで煮れば、それだけで間違いなく美味しいスープになる。何を入れるか、どの出汁にするか、それ以外も含めて、やはりスープは自由だ。

私は、邪道と知りつつ、カレールウを使うこともある。カレールウは、万能だ。だけど、カレールウまでいくと、少し卑怯かも知れない。

秋は、なんと言っても“きのこ汁”だな。高尾山の、城山や景信山の茶店で、きのこ汁を出している。たかがきのこ汁でそれだけの代金を取るのかと驚いて、ワンゲルの高校生を連れて行ったとき、生徒にはおむすびだけ用意させ、大鍋でどっさりきのこ汁を作って、お昼ごはんにしたことがある。これは大変評判がよかった。

この時、きのこは何でもいいんだけど、もしもマイタケを入れるなら、私は出汁は必要ないように思う。一度、マイタケを含むきのこ類で、しょうゆで味をつけただけのきのこ汁をスープにしたラーメンを作ったことがある。これはとてつもなくうまかった。

スープは、偉い。

なんと言っても控えめだ。おかずスープくらい具だくさんになっても、ごはんを引き立てる。いや、もう、ごはんすらいらない。スープだけで、十分、お腹にもたまる。たとえ、そんな状況であったとしても、ごはんやパン、いつもの主菜をないがしろにはしない。スープだけの食事というのは、あくまでも非日常という態度を崩さないところが偉い。

日頃、取りづらい野菜が、スープならたくさん取れるというところも偉い。食欲がないときでも、食べやすいというところも偉い。私なりの意見だけど、何でもないごはんを、なんかすごいごはんのように演出してくれるところが偉い。なんと言っても、いつもごはんを美味しくしてくれるところが、とっても偉い。


テーマ : 料理の本
ジャンル : 本・雑誌

『六甲かもめ食堂 野菜がおいしい季節の献立』 船橋律子

4連休は、孫のお守りで終わった。

一週間ほど前に連絡があり、4連休は、久し振りに親子4人で来ることになっていた。連れ合いと二人で、事前に買い出しに出かけ、いろいろなものを存分に食わせてやろうと買い出しをしておいた。

ところが、連休前日に、娘が、・・・私の娘、孫の母親、その娘が熱を出したらしい。ここのところ、更年期にはまだ間があると思うが、頭痛や発熱に悩まされることが少なくないようだ。結局、孫二人を爺婆が預かって、娘にゆっくり身体を休めてもらうことにした。

娘が来るのは久し振りのことだったので、大好きな煮ものを作ってやろうと、茄子を買い込んでおいた。半分に切った茄子の背中に、斜めに細い切れ込みを入れ、油で炒めた上で、甘辛い煮汁で煮る。そのまま冷やして食べるんだけど、冷えた煮汁で素麺を食べてもうまい。茄子素麺と呼んでいる。

連休最終日、孫を車で送り返すときに、作っておいて持ってってやろうかと思ったんだけど、孫のお世話で私にはそんな暇はなかった。なにしろげんき盛りの孫たちで、四六時中目を離すことが出来ない。あれじゃあ、娘も疲れ果てるだろう。

ごはんの時間もそうで、おとなしく食べるような玉じゃない。「ごはんの時間にふざける子は、大人になってから、ごはんが食べられなくなるぞ」と脅しつけて、卓に戻して食べさせる。とても余分なことは、していられない。

連れ合いが頑張って、孫たちを寝かしつけてからなにか作ったようで、それを買っておいた肉と一緒に持っていった。

そうか、感染症の流行で苦労してた六甲かもめ食堂も、ようやく、9月に入ってから、イートインを再開したのか。

この本は、『六甲かもめ食堂の野菜がおいしいお弁当』の第2弾。“食堂”が本を出すんなら、“食堂”の献立の方が先に本になりそうなもんなのにね。順番が逆のような気がしないでもないけど、まあ、そんなことはどうでもいいや。

外食ではあっても、自分の家で食べているような、食べ慣れた料理。こだわるのは、“旬の野菜とごくふつうの調味料”って言うのがいいね。

そこで出される定食は、ごはん、汁もの、漬物に、旬の野菜をたっぷり使った7品のお惣菜。組み合わせで気をつけるのは味や素材がかぶらないようにすることだそうで、それだけでもけっこう大変そう。



誠文堂新光社  ¥ 1,540

色とりどりのおいしさが花開く、かもめ食堂の季節ごとの献立
春の献立
夏の献立
秋の献立
冬の献立
おそうざい
メインのおかず
サブのおかず



まずは春夏秋冬の定食に供されている、12の献立。

その中の、汁もの一つ取っても参考になる。

セロリのみそ汁、レタスととろろ昆布のすまし汁、トマトとニラのみそ汁、モロヘイヤのスープ、カボチャとオクラのごまみそ汁、ニラともやしのみそ汁、小松菜と天かすのみそ汁、冬瓜入りコーンスープ、カリフラワーの豆乳ポタージュ、春菊となめこのすまし汁。

なかでも小松菜と天かすのみそ汁には驚いた。血圧を気にしている連れ合いは、ラーメンの汁は飲まない。うどんの汁も残すんだけど、先日、冷やしたぬきそばを昼に出したら、めんつゆのしみた天かすがあまりにもおいしくて、汁まで全部飲み干していた。室のしみた天かすは、たぬきそば、たぬきうどんだけと限る必要はどこにもない。

たとえば、そこで紹介されているのがデミグラスソース風ハンバーグ定食の献立ならば、ハンバーグのアレンジレシピとして、おろしハンバーグや、照り焼き蓮根ハンバーグが紹介されていたりする。

たとえば、そこで紹介されているのがゴーヤの肉巻カレー照り焼き定食の献立で、その副菜にトマトと厚揚げの卵とじがつけられていれば、卵とじのアレンジレシピとして、マイタケの卵とじ、竹の子の卵とじ、なすの卵とじ、白菜の卵とじが紹介されていたりする。

仕事を引退するような歳になって、それでも肉や魚が食べたいけれども、野菜の料理にホッとする思いは、圧倒的に強くなってきた。

買い物の仕方にもよるけど、感染症が流行する中、混雑するスーパーに行く数は減らしたい。夫婦二人暮らしの私のところでは、卵の特売日の火曜日に、スーパーで買い出しをする。その日に農産物直売所も訪ね、目についたものを買い込んでくる。火曜日の買い出しだけで全部まかなえるわけじゃないけど、とりあえずは、その日の買い出しが基本。

旬のものと思えば、似通った野菜を使った料理が続く。せめて、目先は少しずつ変えていきたい。今時の農産物直売所には、なすとオクラがところ狭しと並ぶ。

なすの卵とじ、麻婆なす、なすとトマトのそぼろ煮、なすとトマトの甘酢マヨサラダ、なすの明太子和え、焼きなすと茗荷のエスニックサラダ、蒸しなすの梅しらす和え

ほんの少し、目先を変えるだけで大部違う。

蒸したなすを納豆昆布で和えたらどうだろう。ささみを割いて、なすと一緒に梅肉で和えたらどうだろう。そういう食べ方があってもいいんじゃないかな。そんな風に考えさせてくれる本だな。

とりあえず今朝は、刻んだオクラと納豆昆布を混ぜ合わせて、しょうゆを少し垂らして食べた。これがうまいこと、うまいこと。なんだか朝ごはんから遊んでいるようだけど、ふざけているわけじゃないからね。大きくなってから、ごはんが食べられなくなることはないだろう。


テーマ : 料理の本
ジャンル : 本・雑誌

『ちょこっと、つまみ』

これは、河出書房新社が打ち出している、《おいしい文藝》というシリーズの中の一冊だな。

《おいしい文藝》シリーズは、名前の付け方が上手だね。この『ちょこっと、つまみ』もそうだけど、なんだか、手軽に手を出してしまいそうな、そんなネーミングの本が並ぶ。

『はればれ、お寿司』、『こぽこぽ、珈琲』、『うっとり、チョコレート』、『まるまる、フルーツ』、『こんがり、パン』、『ずっしり、あんこ』、『ひんやりと、甘味』、『ぱっちり、朝ごはん』、『ぐつぐつ、お鍋』、『つやつや、ごはん』、『ずるずる、ラーメン』、『ぷくぷく、お肉』

どうやら、要はリズムだな。

『ちょこっと、つまみ』も、やはり他と同じように、いい調子を持っている。他にいい調子の言葉を“つまみ”に合わせられないかと考えてみたが、それがなかなか見つからない。それもそのはずで、つまみはあらゆる料理が、いや、あらゆる食い物が、それに該当する。あっさり系の言葉でも、こってり系の言葉でもふさわしくない。

人によりけりだけど、大抵は、一仕事終えて、家であろうが、居酒屋であろうが、酒のあるところに駆けつけて、いよいよ酒とともにつまみに向かい合うわけだ。そんなときの私の気持ちは・・・?

「やれやれ、つまみ」、「それじゃあ、つまみ」、「のんびりと、つまみ」、「どれどれ、つまみ」・・・う~、どうにも、こうにも・・・

さて、家で飲むときの話。酒の飲み方、特にどんなつまみと合わせて飲んでるかというのもいろいろで、それなりに人の来し方行く末をさらけ出すようで、どこか恥ずかしいところがある。

もちろん、ごく一般に受け入れられているつまみの取り方というのがあるから、恥ずかしいなんて思うことはない。たとえば、冷や奴。冷や奴で日本酒を飲もうが、ビールを飲もうが、焼酎にしようが、恥ずかしいことなんて何にもない。冷や奴の上に、ネギを乗せようが、茗荷を乗せようが、ショウガ醤油で食おうが、ワサビ醤油にしようが、恥ずかしいことなんてない。

だけど、この豆腐を崩して、「なんかの古漬けを刻んで、崩した豆腐にまぶして食うとうまいんだ」とは、恥ずかしくてなかなか言い出せない。崩した豆腐におからをまぶしておく。それを、なんかの古漬けで巻いて食べるのもおいしいけれど、やはり恥ずかしい。白菜キムチで巻いてもおいしい。私はこれで日本酒を飲むのが、本当に大好き。

チーズだろうが、海苔だろうが、つまみとしてちっとも恥ずかしくない。だけど、「海苔でスライスチーズを挟んで食うと、これがうまいんだ」と言うのも、もしかしたら恥ずかしいことなのかも知れない。連れ合いは、これでワインを飲むのが好き。



河出書房新社  ¥ 1,760

文筆界の「左党」たちによるつまみエッセイを集めたアンソロジー
檀一雄
池波正太郎
阿川佐和子
島田雅彦
種村季弘
田辺聖子
吉田健一
内田百閒
小泉武夫
吉村昭
杉浦日向子
中谷宇吉郎
伊丹十三
川本三郎
福田蘭童
東海林さだお
柳家小満ん
江國香織
佐藤垢石
久住昌之
遠藤周作
平松洋子
角田光代
丸谷才一
牧野伊三夫
山田風太郎
髙橋みどり
宇能鴻一郞
椎名誠
鴨居羊子
古谷三敏
姫野カオルコ
獅子文六
吉行淳之介
辰巳浜子
澁澤龍彦




文豪たちの語る、つまみの話が面白い。

高くてうまいのは当たり前。それを面白がるやつは、最初っからどこかおかしい。文豪たちにしたって、そんなものでは文は書けない。安くてうまいのが最高レベルだけど、そのあたりのランクには、いろいろなケースが出てくる。

高くはないが、安いわけでもない値段でうまい。どうもこれもつまらない。場合によっては、高くてうまいのよりもつまらないかも知れない。その程度の値段でほどほどだと、なんだか損した気分。やはり、つまみを食って面白いのは、安いことだな。安くてうまいを筆頭に、安くてほどほどなら上々だし、安くてまずいも文は書けそう。

意外と面白そうなのは、高くてまずい。・・・どうしてなの?ってところから、話は始まるかもよ。

料理に関するエッセイをたくさん書いている東海林さだおさん。つまみを題材に、何を書いているのかと思ったら、「𠮷飲み」だって。へー、東海林さだおさんが𠮷飲みしてるの?

JR神田駅高架下の𠮷野屋は、1階がそのまま牛丼屋で、2階は平日の5時以降「ちょい飲み」の店に変わるんだそうだ。東海林さん、とりあえず刺身を頼んで周りを見渡し、𠮷野屋で牛丼を食ってる客がいないことに衝撃を受けている。アサッテ君に書くのかな。

獅子文六さんは、“どじょう”じゃなくて、“どぜう”がお好き。店ですき焼き風や柳川も食べるけど、家でも食べるそうだ。家で食べるのは“どぜう汁”。みそ汁だな。その“どぜう汁”から“どぜう”だけをつまみ上げると、「いかにも死骸になりました」っていう“どぜう”の姿がいいという。

獅子文六さんのところでは、つまみの準備は奥さまのお仕事だったそうで、その“死骸”の姿を見て、「女性はあまりいい顔をしない」と言っておきながら、奥さまに“死骸”作りを任せるって言うんだから酷い人だ。

ただ、“死骸”作りの方法は教える。鍋に生きた“どぜう”を入れて、おもむろに日本酒を振りかける。途端に“どぜう”は大騒ぎだ。ふたをしないと飛び出しちゃうくらい。奥さまが驚いて、「“どぜう”が大変、暴れます」と報告に来たそうだ。

私は大抵、自分でつまみを用意する。恥ずかしいつまみを作るのは、あまり時間がかかるものでもない。それに、朝昼の食事の準備は私の仕事なんだけど、その際に、つまみになりそうなものを、多めに作っておくんだ。それを、酒を飲む時間、夕方の5時になったら冷蔵庫から出してくる。

そのせいか、私の家の、特に朝食のおかずは、どこか酒が飲めそうな、おつまみみたいなおかずが多い。ちなみに今朝は、”きゅうりとしめじの白和え”を多めに作って、残りは冷蔵庫の中に入っている。


テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

『冷凍うどんアイデア帖』 伯母直美

農産物直売所に行くと、どうやら今は、茄子とオクラが困っちゃうほど取れているようだ。

東松山の農産物直売所、《いなほてらす》っていう名前がついているんだけど、そこに行くか、鳩山町の農産物直売所に行くかだな。地の野菜では、鳩山の方がちょっといいかな。

私は茄子が好きなんだけど、皮のプキプキ感が苦手。ただみそ汁の具にしたくらいで、茄子の皮が歯にあたると、なんかガラスに詰めの立てたときに似た感覚に捕らわれる。だから、みそ汁に入れるなら、皮むいちゃう。油で揚げちゃうか、炒めちゃうかで、くたくたにしちゃえば良いんだけどね。

そうでなければ、茄子を半分に切って、斜めに、細かく包丁を入れとくんだ。これを、まずサラダ油で炒める。しんなりしたら水をくわえ、砂糖と醤油で甘辛く煮る。これを冷やして食べるとうまい。水の分量は、味を見ながら適当に加減してね。そのつゆで、素麺食べるからね。私の夏の定番。

素麺が食えて、うどんが食えないはずがない。これと同じことは、広範に言える。スパゲッティが食えて、うどんが食えないはずがない。丼が食えて、うどんが食えないはずがない。

うどんのバリエーションは、まさに無限。

そのうどんも、今は冷凍うどんがうまいからね。本当に助かるよね。そう言えば、うどんを打つことが、ずいぶん少なくなったな。冷凍うどんがうまいからだな。

自粛中の5月、そうそう、連休の時だ。孫1号2号が遊びに来たときだ。どこか連れて行くといっても、公園程度だったからね。夕方、うどんを踏ませて、夕ご飯の時にキノコうどんにして出してやった。1号は「うまい、うまい」と食べたけど、2号はキノコが食べられないと言って、パンを食べていた。

せっかく一生懸命踏んだのに、哀れな子だ。



東京書店  ¥ 880

在宅ワークの強い味方、冷凍うどんを美味しくいただくためのネタ帖
アイデア帖の1 温かいおつゆのかけうどん
プリプリなすうどん たけのこと油揚げのうどん ほか
アイデア帖の2 混ぜて・和えて汁なしのうどん
そぼろときざみ薬味うどん タラマヨうどん ほか
アイデア帖の3 手早い・おいしいぶっかけうどん
キャベツの冷製きつねうどん そら豆のかき揚げぶっかけうどん ほか
アイデア帖の4 フライパンで焼きうどん・炒めうどん
牛肉キムチうどん キャベツとアンチョビのうどん ほか


そう言えば、温かいお下地のかけうどんに、《プリプリなすうどん》というのがあった。

これは、皮をむく。そして細切りにする。細切りにした茄子に、片栗粉をまぶして、ゆでる。これを温かいかけうどんの上に乗せるんだな。片栗粉で表面にとろみをまとって、お下地の味が良く絡むわけだな。良いじゃないか。

牛肉を一緒に炒めたきんぴらを上に乗せるというのもあった。ごま油でコクを出して食べたいね。

そうだ。冷凍うどんは素晴らしいけれど、どうしても出来ないうどんがある。《おっきりこみ》が出来ない。

じつは私には、信仰に近い思い入れがある。風邪を引いたときには、うどんを打って、《おっきりこみ》にして食べて、ふとんにもぐり込めば、翌朝にはきっと治っている。おそらく今まで、これでしくじったことはない。

ただ、これも最近は、生うどんというのを売っているから、うどんを打たなくても済む。それでも、自分で打てば、最後、うどんをたたんで切るときに、多めに小麦粉をまぶしておけば、その分が《おっきりこみ》のとろみになる。

子どもの頃に食べた《おっきりこみ》の動物性タンパク質は、たしか、ちくわだった。今の私なら、豚肉か、鶏肉でも入れれば、・・・うおっ、もうたまらない。夏じゃなきゃ、今日にも食べたいくらいだ。・・・そうか、冷凍うどんじゃ、《おっきりこみ》が出来ないな。

今は、いろいろなレトルト食品も売っている。うどん用に売っているわけじゃないけど、たとえば、ご飯にかけるだけの親子丼のレトルトをうどんにかければ、まずいはずはない。ということは、牛丼も、すき焼き丼も、牛カルビ丼も。茄子にこだわるなら、麻婆茄子丼もね。

スパゲッティにかけるだけのレトルトも、いくらでもある。カルボナーラ、ナポリタン、ペペロンチーノ、ワサビ醤油味、・・・もういくらでも。なんだったら、茄子とベーコンのガーリックトマトうどんなんてどうだ。

そんなわけで、冷凍うどんの可能性は、《おっきりこみ》を除いて、無限・・・ということで。


テーマ : 料理の本
ジャンル : 本・雑誌

『たまごかけご飯だって、立派な自炊です。』 白央篤司

小さめのボウルに卵を2個割り落として、菜箸で解きほぐす。

塩をひとつまみ入れ、刻んだネギをたっぷり入れて、混ぜ合わせる。フライパンを火にかけ油を熱し、フライパンが十分に熱くなったところにボウルの卵を流し入れる。へらを使って広がるのを抑えながら、少し厚めにして、なすがままに焼く。卵の裏に焦げ目がついたようなタイミングで、へらを使ってひっくり返す。中まで火が通ったあたりで、できあがり。

もし、ひっくり返すのに失敗したら、そのまま炒り卵にしてね。そんなこと、ちっとも気にしない。だいたい味はおんなじだから。

どうして卵とネギって、こんなに相性が良いんだろう。

もしも、はっきり味をつけるんなら、卵を溶きほぐす段階で、マヨネーズを混ぜる。間違って、フライパンの温度が少し低めでも、間違いなくふんわり仕上がる。ちょっと豪華にするなら、ここにしらすを混ぜる。そのままご飯の上にかけて、丼にしてもいい。

朝ご飯の時、鮭かめざしを焼く。魚がないときは卵を焼く。目玉焼き系か、卵焼き系。今日は、ネギをニラに変えて卵焼きを作った。孫は、チーズの卵焼きが好きだ。

卵は本当にありがたい。

火曜日は卵の特売日。近くのスーまーまーケットの話。もちろん買いに行く。連れ合いも買ってくると20個になる。1日1個ずつ1週間食べると14個。6個残る。だいたいそんな計算で、残る予定の6個をゆで卵にしておく。タルタルソースにしてパンを食べてもいい。

そうそう、ゆで卵のおいしい食べ方。冷蔵庫を探してみて。ウナギのタレが残っていない?それをジプロックに入れて、卵2個入れて、空気を抜いて閉じる。一晩もすれば、うな重味のゆで卵。冷やし中華味のゆで卵も、きっと出来る。

この本に出てくるのは、焼き鳥の缶詰のタレで味付けしたゆで卵。紹介しているのは、ウズラのゆで卵だけど、おそらく普通の卵でも大丈夫。鶏肉ごとジプロックに入れて味をつければ、間違いなく、一食分のおかずになる。その時は、焼いたネギも一緒にジプロックに入れたいな。



家の光協会  ¥ 1,320

「何から始めていいかわからない」…そんな料理未経験者のための自炊本ができました
まずは、たまごかけご飯
焼く・目玉焼き
ゆでる・ゆでたまご
炒める・炒りたまご
アレンジは無限大 たまごでスープ
ボリュームたっぷり たまごでみそ汁
一品で主食 丼もの・チャーハン
たまごを使ったユニーク料理5
自炊し始めの人に知っておいてほしいこと


この本を手にするのは、やっぱり料理慣れしていない人だろうな。

なにしろ、あえて、卵焼きとオムレツを載せていないんだそうだ。おそらく料理をしていない人ほど、卵焼きやオムレツには、形の整った、きれいな色のイメージができあがってしまっているだろう。その、頭の中にあるイメージ通りの卵焼きやオムレツは、最初っから焼けるわけがない。

失敗を繰り返して嫌気がさすより、成功体験で自炊生活をはじめて欲しいという意図があって、卵焼きやオムレツを取り上げていないんだそうだ。なんとも、優しい心遣いだね。

だけど、50ページに登場する“炒り卵”。あれを一旦フライパンの先端に寄せ、フライパンを返して裏面を軽くあぶれば、立派なオムレツだ。フライパンを返せなくても、卵の上に皿をかぶせ、そのままひっくり返して整形してもいい。

最初に書いたけど、失敗したらそのままネギ入り炒り卵、ニラ入り炒り卵にするつもりで挑戦すればいい。

そんなわけで、この本は、料理上手をめざす人向けの本ではない。料理が好きではない。苦手である。出来ればやりたくない。だけど、必要があって自炊しなければならない。あるいは、嫌だったけど、すでに自炊生活をしている。そんな人たちでも、それなりにおいしく、かつ楽に、それなりに楽しく自炊生活を続けられるようにと、そんな考えで作られた本のようだ。

つまり、私向けの本ではない。私向けではないんだけど、自炊初心者向けとはいえ、卵限定の料理本ということになると、無視するわけにもいかない。どこに、どんなすごいアイデアが隠れているか、分かったもんじゃない。

たしかに、基本となる卵の使い方は、ほぼ、やり尽くしている。

だけど、バリエーションには、やはり見るべきものがあった。炒り卵の具にしてみたところで、定番のネギにニラに加え、トマトに三つ葉、キノコにキャベツ。

卵の能力に限界を設けていたのは、私の方だったかも知れない。

明日の朝は、卵かけご飯にしてみよう。これも立派な自炊です。


テーマ : 料理の本
ジャンル : 本・雑誌

『男の「きょうの料理」』 NHK出版編

毎日暑いね。

熱中症で亡くなっている人がたくさんいる。大半が年寄りで、そのうちの多くがエアコンを使ってなかったって、ニュースで言っている。「エアコンなんて、そんなに使うもんじゃない」って、そういう考えが今でも頭の片隅にあるんだよ。

それは昨日のこと。お昼のニュースでそんなことを言っているのを聞きながら、連れ合いと二人でご飯を食べた。さすがに熱くなってきたので、食べる前にエアコンをつけることにして、窓を閉めた。昨日のお昼は、ざるそば。ネギをたくさん刻んで、大根下ろしもたくさん用意した。いかにも涼しそう。

食べ終わって、「やっぱり食べると体温が上がるのかな、暑いね」って言いながらエアコンを見上げると、・・・ついてなかった。つけることにして、窓を閉め切っただけだった。

こんな状態で二人がざるそばを挟んで熱中症で死んでしまったら、ニュースはこの事態を、どう報道するだろう。

「なぜ、閉め切った部屋で二人は熱中症で死んだのか?」

「自殺か?あの暑さの中、窓を閉め切り、エアコンもつけないとは」

「覚悟の熱中症!」

あぶない、あぶない。これからは、窓を閉める前にエアコンをつけよう。

今年還暦を迎えた私だが、東京の大学で学ぶため、18歳で故郷を離れた。3月生まれなので、故郷で過ごした最後の夏は17歳。夏山合宿を終わって、本格的な受験勉強を始めた。私が生まれた家には、その当時、エアコンはなかった。机の下に、遠足で使うようなビニールシートを敷き、たらいに汲んだ水に足を突っ込んで、肩には濡らしたバスタオルを掛けた状態で勉強した。

後に、家にエアコンを設置するようになっても、二階に一台、階下に一台が基本で、夜は使わないっていうのが当たり前だった。昼間だって、一番暑い時間帯だけ使って、あとはなんとかやり過ごす。夜、あんまり寝苦しくて使うとしても、寝入りばなの1時間から2時間くらい。朝まで一晩中使うってことはなかったな。エアコンをあまりつけずに暮らすことが美徳であると、今でも心のどこかで思っている。

そんな季節の昼ごはんは、あまり火を長い時間使いたくないね。ささっと作りたい。そんなときに丼は良いね。食材を準備して、切りそろえて、火をつけたら、ちょっとグツグツさせて、ジャーっとやって、最後にジュッと卵で絡めて、はいできあがり。周りが暑くなる前に作り終わっちゃう。なんとこの本、そんな丼物がたくさん載っている。



NHK出版新書  ¥ 1,100

「きょうの料理」のお墨付き!誰でも簡単プロの味!!珠玉の丼70品
巻頭スペシャル 味を極めた「特選丼」5
第1章 毎日食べたい「定番丼」21
第2章 からだに優しい「ヘルシー丼」16
第3章 本格志向の「贅沢丼」7
第4章 これもイチオシ「個性派丼」21


この間、「キューピー3分クッキング」の料理を取り上げた本を紹介して、今回は「きょうの料理」の本。なんとバランスのとれていること。

この本に取り上げられているのは、初心者でもしっかり作れて、きちんとおいしい丼物。もちろん、「きょうの料理」で紹介された料理で、その中から好評を得た丼物だけを厳選したということ。それが全部で、60丼。十分一夏過ごせそう。

巻頭スペシャルの5丼が、まずすごい。

ふわとろ親子丼。北海道豚丼。江戸っ子丼。なすと牛肉のあっさり中華丼。ごちそう牛丼。

たまらないでしょう。この本の題名に、“男の”とつけられた理由も分かろうというもの。「料理経験の乏しい“男”でも作れる」、「めんどくさがりの“男”でも、最後まで作りきれる」、「“男”っぽく丼にがっついてかき込みたい」ってところかな。・・・おっとっと、女でも料理経験の乏しいのはいるし、めんどくさがりの女もいるし、丼にがっついてかき込みたい女もいるでしょうけどね。

カツ丼も紹介されているけど、カツは市販のものを使えばいいってことになってる。

各章の間に、なにげなく挟まれているコラムがけっこうすごい。「ツヤツヤ、ふっくら、極ウマご飯を炊こう」、「心も体もホッとする本格みそ汁を作る」、「丼のお供にパッとできる早ワザおかず」

いずれも、決して軽くない。やっぱり基本はご飯だし、丼にはみそ汁がないといけないし、箸休めにちょっとしたおかずが欲しい。ただし、手間のかかるのは嫌よ。私は今、お昼ご飯限定でこの本を鑑賞しているからね。みそ汁は朝ごはんの時に、多めに作っておけばいい。箸休めのおかずも同様ね。

それぞれの料理には、そのレシピを番組で紹介した料理家の名前が明記されている。笠原将弘さんの料理がたくさん取り上げられているな。あとは小林まさみさん、きじまりゅうたさんの名前が目立った。手間なく作れて、失敗が少なくて、しかもうまいってつぼを心得てるんだろうな。

それらの中に、ケンタロウさんの名前を見つけた。料理は「たまちく丼」。ちくわとためネギをめんつゆで煮て、卵でとじて丼ご飯に乗っける。最後に三つ葉を散らしてできあがり。

良いじゃないか。簡単じゃないか。うまそうじゃないか。ケンタロウさんの料理ってことになると、ずいぶん前に紹介されたものだろう。いまでも私は、ケンタロウさんの料理本を参考にしているぞ。頑張れよ。

さて、今日のお昼は冷やしたぬきうどんだった。夕ご飯は売れ合いの担当なんだけど、生姜焼きをお願いしてある。暑いのに負けないように、しっかり食うぞー!




テーマ : 料理の本
ジャンル : 本・雑誌

『日本一おいしい煮もの』 3分クッキング

チャララッチャチャッチャッチャ、チャララッチャチャッチャッチャ、チャララッチャチャチャチャチャチャ、チャッチャ
チャラチャッチャッカチャチャン、チャッチャッカチャチャン、チャラチャーチャーチャーチャーチャチャチャチャチャン・・・・・

働いている頃は、NHKの今日の料理と、日本テレビのキューピー3分クッキングは、必ず、予約録画して見てた。やり過ぎだよね。仕事を辞めてからは、なんて言うか、逆にゆっくり構えられるようになって、その気になったときだけ見てる。

料理番組にしろ、料理の本にしろ、紹介されている料理を、紹介された材料を揃えて、紹介された手順で作るということは、まずない。だけど、番組や本で紹介されるからには、そこには何かしら見るべきものがある。そういうのが、頭の中の、どこかの引き出しに入っていて、なんかの時に、「そう言えば!」って、出てくるんだよね。そして、勝手な料理を作る。

まあ、いずれにせよ、キューピー3分クッキングには、若い頃からひとかたならぬお世話になってきたと言うことだ。なにより、冒頭のテーマ曲が良い。今は、音楽に合わせて野菜たちが踊っている。その映像は変わったが、テーマ曲は変わらない。

料理を作るというのは、誰かのためを思う、幸せな行為。その番組が始まる前のテーマ曲を聴くだけで、私は幸せ感に包まれるパブロフの犬。・・・この曲大好き。まったく同じ理由で、《チャッチャカチャカチャカチャッチャッチャー》っていう今日の料理のテーマ曲も好き。

分っかるっかなぁ~。

さて、これは、“煮もの”の本。キューピー3分クッキングで紹介された煮もの料理から、評判のものを厳選した永久保存版シリーズの新たな一冊。番組でおなじみの石原洋子先生、小林まさみ先生、田口成子先生、藤井恵先生の4人の料理家による、ほっとする、やさしい味わいの煮ものを一冊にまとめたものだ。

子どもの頃、小学校から帰る時分には、すでに腹をへらしていた。

「腹減ったー!」って帰るなり叫ぶと、たいがい母は、家の周りでなにがしかの用足し仕事をしてたから、外から「茶箪笥にあるから食って良いよ」なんて声が聞こえてくる。





KADOKAWA  ¥ 1,430

毎日食べたい、繰り返し食べたい、なぜか食卓に1品あるとうれしい“煮もの”
第1章 読者が支持した人気煮もの15選
第2章 素材別絶品煮もの
第3章 季節に一度は作りたい煮もの


そう、冷蔵庫じゃなかったね。

冷蔵庫は、今のもののように大きくなかったしね。野菜室なんてなかったな。野菜は外で保存するもの。冷凍庫だって専用の引き出しがあったわけじゃなく、冷蔵庫の一番上に、霜だらけになった氷を作る場所があったな。じゃあ、冷蔵庫には何が入っていたんだろう。なんだか、冷蔵庫をのぞいた覚えがないな。

なにがしかの食べ物が残っていれば、茶箪笥に入れてあった。前の日の残りだとか、その日の昼の残りだとか、帰ってくる子ども用に母が作っておいたものだとか、いろいろなものが入っているというわけだ。お茶の時間につついた漬け物の残りなんかもあったな。

きんぴらだったり、おからだったり、カボチャだったりって、煮ものでも入ってれば、とても嬉しかった。

夕方、再放送で、《素浪人 花山大吉》っていうのをやってることがあったんだけど、主役の花山大吉が、“おから”が大好物でね。がっついて、むせているシーンがよく出てきた。それをテレビ見ながら、おからを食べていた記憶がある。

かりに、茶箪笥に何もなくても、文句は言えない。「給食、食ったんだんべ。夕ご飯まで我慢しな」って言われれば、それまでのことだからね。

大人になって、私は夕暮れ時から酒を飲むが、冷蔵庫には、なにがしかつまみになるものが入っている。やっぱり、煮ものが入っていると、ホッとするね。その都度、学校から帰って、茶箪笥を開けたときの感覚を思い出す。

いつのことだったか、子どもの頃の自分を、夢で見たことがある。私の方が、ジャガイモの煮付けにになってるんだ。茶箪笥の中に、布巾かなんか掛けられて、しまわれてね。しばらくは、音もなくなった家の、茶箪笥の中で寝てるんだ。私の目を覚ましたのは、走って帰ってくる子どもの足音。

「行ってきました。腹減ったー!」「茶箪笥にイモ煮といたよ」・・・ダッダッダッダッダッダ、近づいてきた。茶箪笥の扉に手がかかる。スタン!「うあ~」

明けられた小さな扉から、嬉しそうなはなたれ小僧の顔が近づいていくる。

夕べ、がんもどきの煮ものを食べた。私のやり方はいい加減。醤油、酒、みりんを、1:1:1。これを出汁か水で割って、甘くするなら砂糖か甘酒を入れる。それを、だいたい、具材ひたひたくらいまで入れて、煮るだけ。いい加減だと思っていたら、石原洋子先生が、それで良いって言ってくれていた。

切り身の魚が安く売ってると、買わなきゃ損みたいな気がして、ついつい買ってしまう。家族二人ってことで、怖じ気づいていると、うまいものを見逃すこともある。魚は、強めの塩水で煮ておく。あとから手を加えても良いし、じつは塩煮にしておくだけでも十分うまい。これは、魚屋に就職した教え子に教わった。

《ぶり大根》や《肉じゃが》、《ひじきの煮物》、《おから》、《イカ里芋》・・・この本には《イカ大根》で紹介されているが、イカの相棒は大根よりも里芋の方が好きだな。あとは、《刻み昆布の煮込み》、《高野豆腐の煮もの》。

これらが食いたくなると、連れ合いに作ってもらう。自分で作るよりも、連れ合いが作った方が、絶対うまい。仕上げは「愛情」ではなく、違うもののような気がするのだが。


テーマ : 料理の本
ジャンル : 本・雑誌

『おかわり!山グルメ』 小雀陣二

武漢発感染症が止まない。

これに関しては、みんないろいろな思いを抱いている。これだけ流行しているのに、エッチなお店に行くのを我慢できない人。お客には来て欲しいけど、感染源になるのを恐れるお店の人。感染者がいない、あるいはごく少ない中で、自分がきっかけになるわけには行かないという思いの強い村人。自分は感染を恐れているのに、会社の事業拡大に逆らえないサラリーマン。感染は怖いはずなのに、いつも通り酔っ払ってくだを巻いちゃう人。

いろいろだね。2月の下旬に大阪で結婚式を挙げた息子夫婦、滋賀県で暮らしているが、4都県は危ないので、帰ってくるなと言ってある。立ち入ったことを知っているわけじゃないが、お嫁さんには妊娠可能性もあるはず。妊婦さんや、妊娠可能性のある若い女性は、いろいろ心配になることもあるだろう。そうだなぁ。いま、そういう立場にある若い夫婦は、どうしているんだろう。

当然、考えるよね。少子化傾向とは関係なく、丙午現象が起こってしまうかも知れない。『人間万事塞翁が丙午』は、青島幸男だったな。

私は仕事してないから、そんなバカなことも言っていられるが、それでも少しは考える。

山に行くのに、いろいろ不都合がある。閉じている山小屋がある。開いている山小屋でも、いつもとは営業状態が変わっている。今シーズンから、久し振りの泊登山を再会しようとしてたんだけど、なかなか思うように行かない。もともと山小屋利用ではなく、テントを使っていたんだけど、山小屋に併設されているテント場は、山小屋が閉じていれば使えないみたい。

それから、公共交通機関を使うのが、はばかられる。GO TO トラベル開始前は、「そろそろ良いかな」って思ってたんだけど、ここのところの感染者の数字を見て、やはり先に延ばすことにした。

結局、車で登山口まで行って、そこに戻る登山になる。私は、お昼くらいまでに一日の行動の目処をつける登山をしているので、いつも、早朝登山開始になる。家を出るのは4時、5時、遅くても6時。それをやってたら疲れちゃったので、ゆっくり出かけて、テントを張るか、車中泊。

考えていた計画も、調整が必要になってめんどくさい。




エイ出版社  ¥ 1,100

手に入りやすく日持ちする食材を使って、簡単な手順で作れる山向きなレシピ
1 炭水化物、乾物、缶詰活用レシピ
2 生食材、調味料活用レシピ


先日、車中泊で霧ヶ峰に行ってきた。

それはブログでも紹介した。その際、この本の料理を作った。「料理を作った」なんて代物でもないんだけど、代物ではない割りに《山グルメ》ならではのポイントがあるものばかりが紹介されている。

実はそんなに新しい本じゃない。2017年の暮れだ。

一時期話題になったけど、《1分パスタ》っていうのは、この本で知って、山パスタではいつも、《1分パスタ》にしている。ジプロックにパスタを入れて、バイの量の水に浸しておくやつ。沸騰したお湯に入れて1分程で色が変わる。そしたらゆで上がり。

もともとの状態のパスタを少ない湯でゆでる。ゆで上がりに湯がなくなる想定。ゆで上がりに合わせてウインナーを入れて、玉ねぎ入れて、ピーマン入れて、ケチャップ入れて、混ぜ合わせてできあがり。お湯を捨てなくて済む。

あとは、意外と卵が使える。卵専用ケースが良いね。卵の賞味期限は短く記載されているが、それは、千に一つ、万に一つ、その期間を過ぎて生で食べたら危ないのが交ざっている可能性がなくもないので、念には念を入れて設定された日付。

実は卵は、常温でも2ヶ月は大丈夫。それでも心配なら、火を通せば間違いない。

ご飯に目玉焼きのっけた朝ごはんはどう?疲れて食欲が進まないときは、卵雑炊にしらどう?ラーメンに卵を落とせばどう?なになに、それだけで文化的。卵焼きの時は、フライパンをしっかり温めてからね。

朝、ラーメンを食べるというのも、一つの手。
朝からインスタントラーメンなんていうと、眉をしかめる人もいるかも知れない。だけど、インスタントラーメンは汁もあって、朝、一汗かいて食べるときなんかは最適。この本では、卵を入れてトロトロに仕上げるテクニックが紹介されている。

先日、霧ヶ峰に行ったときは、アルファー化米にした。出発時にお湯を入れておき、適当な場所で、レトルトのカレーをかけて食べた。朝カレーもまたおいしい。卵トロトロラーメンは、お昼に食べた。

塩昆布は間違いない。ご飯に混ぜるだけ、うどんに混ぜるだけ、パスタに混ぜるだけ。もしもそこにプラスアルファがあれば、それは文化的と言っていいだろう。

やはり車中泊は窮屈。テント泊であれば、さらに時間を取って、焚き火にフライパンを乗っけられるのになあ。文化はその時味わおう。

そうそう、日頃の手抜き料理のヒントにもなるよ。


テーマ : 料理の本
ジャンル : 本・雑誌

『夜9時から飲めるちょいメシ』 サルボ恭子

山に行かない日の、私の一日。

朝4時起床。1時間程度のランニングに出かける。夏場はクールダウンに時間をかける。玄関先の掃き掃除も、クールダウンのうち。5時半頃終了して帰宅。風呂で汗を流して、朝食の下準備にかかるのが6時少し前。

連れ合いが起きてくるのが7時なので、それから準備をして、7時半頃から朝食。シャキシャキ野菜をよく噛んで、時間をかけて食べるのがいいって言われたので、食事には時間をかけるようど努力をしている。・・・が、三ちゃん農業家庭で、母と祖母から、再三、「早く食え」とせっつかれて育った私は、努力もむなしく食べるのが速い。三つ子の魂百まで。

朝食を終えたら、連れ合いが洗濯と掃除にかかる。私は朝食の片付けをして、連れ合いの仕事が一段落付くまで読書。9時にお疲れ様のコーヒーを淹れて・・・、とまあ、ここまでが“朝”って感じだな。

そのあとは、連れ合いや買い物やスイミング、私は買い物か図書館か読書、あるいはブログをまとめて過ごす。11時半過ぎからは、その日のお昼ご飯の手間にあわせ、12時半頃お昼に出来るように準備を始める。

お昼ご飯の片付けを終えたら、私は昼寝。しばらくはうとうとして過ごして、午後2時頃からブログのまとめか読書。4時くらいからは、その日のニュース、特に海外のニュースを確認する。5時、つまみを作って、一杯飲み始める。この時間、1日ではじめてテレビをつける。ニュースを見るか、相撲でもやってれば、もう幸せ。

入浴を済ませて、7時過ぎに夕食。夕食の準備と片付けは、連れ合いの出番。私に特定の食べたいものがあれば私がやるが、1週間に1回程度。夕食後も、録画したテレビの番組を見て過ごす。8時を過ぎる頃には、そろそろ起きているのか寝ているのか、自分でもはっきりしない。

9時前、促されて寝床に入る。その頃には、ほぼ意識はない。

「それじゃあ、この本、必要ないじゃないか!」




家の光協会  ¥ 1,430

晩ごはんを食べる時間もない。でも、食べたい。ちょっとでいいから晩酌も
玉ねぎ×鶏もも肉   もやし×豚ひき肉   にんじん×豚バラ肉
キャベツ×ソーセージ じゃがいも×手羽先  ブロッコリー×牛切り落とし肉
大根×サーモン    なす×鶏胸肉     ピーマン×合い挽き肉
トマト×たこ     きゅうり×ツナ    小松菜×厚揚げ
きのこ×豆腐     アスパラガス×アサリ パプリカ×手羽先
白菜×豚薄切り肉   長いも×まぐろ    かぶ×鯛
れんこん×さば    アボガド×えび    
火を使わない簡単おつまみ
野菜1つでもできる、簡単レシピ


たしかに、午後9時以降に起きていることは、まず、ない。

なにしろ仕事をしてないから、食べたいものを、食べたいときに、食べたい分だけ食べている。そんな私からすると。忙しく仕事をしていて、食べたいときに食べられない現役世代が気の毒になる。

中でも、「仕事を終わったら、外は真っ暗」なんて、なんて気の毒な。疲れと空腹を抱えて家路につく人を、食事を準備して待っててくれる家族がいれば良いんだけどなぁ。もし、そうじゃないとしたら、可哀想すぎる。

もし私がそうだったら、まず、絶対、飲みに行っちゃうな。私の場合、一杯じゃ済まないからな。毎晩、飲み過ぎて、時期に身体を壊すな。

そう、それじゃ困ります。一人だとしても、家に帰るのが一番。

家に帰って、“のんびりお酒を片手にご飯をささっと作れたら・・・、それは頑張っている私へのごほうび、明日が機嫌よく過ごせそう。”

そんな、「ちょいメシ」レシピを揃えたのが、この本。特徴は、《とにかく簡単》、《お酒にもご飯にも合う》、《主材料は二つ》、《同じ二食材で三つの料理》、《特別な道具は使わない》、《野菜たっぷり》ということ。

分かるでしょ。私の“おつまみ”にピッタリ。

それにね。この本に紹介されている「ちょいメシ」の大半は、そのままご飯に乗っければ、毎日のお昼ご飯に早変わり。

たとえば表紙にあるのは、にんじんと豚バラのフライパン重ね蒸し。

フライパンににんじんを並べ、豚バラを重ね、塩を振って、ローリエの葉を散らす。その上ににんじんを並べ、豚バラを重ね、塩を振って、ローリエの葉を散らす。水を入れ、ふたをして、蒸し煮にする。

これを皿に盛ったご飯の上にのっけたら、とてもいいお昼になるような気がしませんか。



テーマ : 料理の本
ジャンル : 本・雑誌

『最後の料理人』 徳岡孝二

埼玉県の小川町は、関東平野の西の果て。

町の西側には奥武蔵の山が立ち上がり、東秩父村の谷間を縫うようにして流れてきた槻川が、小川町の真ん中を流れている。山の恵みは一旦ここに集まり、古くから小川和紙、小川絹、それに加えて建具、酒造といった伝統産業で栄えた来た。

中でも手漉き和紙は1300年の歴史を持ち、「細川紙」の技術は、国の重要無形文化財に指定され、ユネスコ無形文化遺産に登録された。

私の生まれた家は、山を越えた奥、秩父の影森にあるが、武甲山の裾野から山に入り、横瀬との間の丘陵部を通って、高篠から定峰峠を越え、東秩父を経て小川町に至る。

かつては馬を持っていて、和紙の原料となる楮を山で集め、馬で小川に運んだそうだ。帰りには、馬の背に米を乗せたと聞いたことがある。

今では全国展開をしている《ヤオコー》や《しまむら》は小川町から起こった企業であるように、古くから起業家精神旺盛な土地として知られた。江戸から川越を抜け、秩父に至る往還を考えれば、秩父に入る者はここで宿を取り、秩父から戻る者もここで宿を取ることになる。つまり街道の町としても重要性が高く、六斎市が立つなど商業が栄えた。

町の中心には割烹旅館や料亭が建ち並び、大変賑やかなことであったようだ。そんな賑わいは今はないが、いくつかの割烹旅館や料亭が、今でも営業を続けている。

そんな料亭の一つに、自分のクラスの生徒を勤めさせたことがある。もちろん、アルバイトなんかじゃなく、料理人として。1学期の終わり際、彼は母親を亡くした。彼は就職希望だったが、母親を亡くしたことが、進路に関する考え方にも影響したようだ。

「手に職をつけたいが、専門学校に行くような余裕はない」ということだった。そんなわけで、しっかりした老舗料亭の料理人の道を進むことになった。

実は、たまたま、そこの息子さんを知っていた。縁があったんだろうと思った。ちょうど1年ほどした頃、同じクラスだった女の子が交通事故で亡くなった。その葬儀の際にあったが、「もう、包丁を握らせてもらってる。どこかの工場に勤めるより、こういう場所で働けて良かった」と言っていた。

しかし、彼がそこにいたのは、たしか3年間だった。他の料亭に写ったわけではない。どこかの工場で働いていた。


『最後の料理人』    徳岡孝二


飛鳥新社  ¥ 1,650

料理一筋65年。普段は決してしゃべらない達人が、平成の終わりに初めて秘話を明かす
第一章 修業の時代
第二章 師匠はお客様
第三章 四季の料理
第四章 世界の名物、日本料理



料理人は、しゃべらないもんだそうだ。

ものを言うと、つばが飛ぶ。板場でつばを飛ばすなんてもってのほかのことだから、本当は料理人はしゃべらないんだそうだ。テレビの料理番組に出てくる料理人は、よくしゃべる。しゃべらないと番組にならないからね。徳岡孝二さんは《最後の料理人》を自称するくらいの人だから、そのあたり、簡単に譲るようなことはない。もちろん、その方が気持ちいい。

時代が変わってしまったと言うことはある。かつてはごく一部の成功した人だけが“料亭”なんてところを利用していた。料理人も含めて、その料理を口にする者も、先人たちが築き上げた日本の文化をしっかり受け継いでいく義務があった。

作り手が料理を取り巻くあらゆることに心を砕けば、料亭自体のたたずまいにしろ、玄関に焚いた香にしろ、部屋のしつらえにしろ、花や軸にしろ、料理を盛り付ける器にしろ、客はそれに応えてくれたそうだ。そこには古くから日本人が大切にしてきた、人と自然の関わり、人と人との関わりの、一つの完成された形が守られていた。

そんな客がめっきり減ってしまったことを徳岡孝二さんは嘆いている。「平成に入った頃から少しずつ」と言ってるから、1990年頃、つまりバブルの時代だな。

そりゃ、よく分かる。嫌らしい時代だったからな。平気で人の魂のよりどころである山を削ってゴルフ場を作り、無理やり宅地を開発し、川は暗渠になってブロックで塞がれた。バブルに浮かれて金に目の色を変え、一番大切な自然を儲けに変えていったような成金さんたちじゃね。

そういう人たちが徳岡さんの吉兆にも行ったんだな。

日本料理には、日本人が大事にしてきた人と自然の関わり、人と人との関わりの、一つの完成された形としての粋がある。根底にある人と自然の関わり、人と人との関わりを取り戻していかないと、日本文化の粋たる日本料理も、本当に失われちゃうことにもなりかねない。

口うるさい小言にも聞こえるが、かつての料理人がこういうものであったと知っておくのも、おそらく重要なことだろう。



テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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水害に苦しむ日本。
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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本




















































































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