めんどくせぇことばかり 本 世界 思想

『世界の名前』 岩波書店 辞典編集部

お正月ということで、なんかふさわしい話でもないかと思って、前に読んだ本に埋もれてみました。こういう場合、大抵埋もれっぱなして終わることが多いんだけど、今回は、「これなんかどうかな」ってのがあってね。

「これなんかどうかな」って思ったのは、『世界の名前』って本。ずい分前に紹介した本なんだけど、そのときには触れなかった話題が幾つかあってね。

例えば国の名前。もうずいぶん前の本だから、中身をそのまま紹介するね。正月の、酒飲みばなしの話題にどうだろう。
カザフスタン
「自由の民・流浪の民」を意味する“カザク+スタン”で、「流浪の民の国」

ジョージア(Georgia)
・・・2015年グルジアからジョージアへ
キリスト教の聖人、聖ゲオルギオス(St.Georgius)から

イラン
「アーリア人の国」の意。アーリアはサンスクリット語で「高貴」を意味するアリアナから。
aryana→ariana→Irani→Iranでイランになった。

イラク
古代都市国家「ウルク」が由来。すごいね。メソポタミア文明の正当な後継国家って感じ。

クウェート
16世紀にポルトガル人が貿易の基地として港を建設。外敵の襲来に備えて高い城壁で囲ったことから、アラビア語で「囲い込み」を意味するアル・クウェートと呼ばれた。

オーストリア
ドイツ語発音なら「オステルライヒ」。オストは英語のイーストで東。ライヒは国。東の国。

オーストラリア
伝説の大陸、テラ・アウストラリスに由来。テラは大陸。アウストラリスは南を意味するラテン語。つまり、南の国。

ドイツ
「民衆の国」を表すデイウチラントがドイッチェランドになった。

デンマーク
ユトランド半島のデーン人との“境界線=マーク”でデンマーク。

フランス
もちろん、フランク族から。フランクは、フランカと呼ばれた投槍のことで、これを使う部族を、ローマ人がフランク族と呼んだ。

イタリア
牛を表すウィトゥルスに国を表すiaがついて、ウィテリア。牛を放牧していた地方。

バチカン
ラテン語で預言を意味する“vaticinori”に由来して、モンス・ガチカヌスと呼ばれた。「信託の丘」の意。

スイス
スイス中部のシュヴィーツ州に由来。シュヴィーツは酪農場のこと。

ベルギー
ローマ時代にここに住んだケルト系ベルガエ人に由来。

アイルランド
アイルはケルト語で西側。イギリスから見て西側の国

スペイン 
スベイン語ではエスパーニャ。ローマ時代に呼ばれていた「日が沈む国」という意味のヒスパニアから

ポルトガル
古代ラテン語で“港”を意味するポルトゥス+“温暖”を意味するカレでポルトカレ。

アルジェリア
Alger+iaでアルジェ市の国

ナイジェリア
Niger+iaでニジェール川沿いの国

パラグアイ
“大きな”を意味するパラ+“川”を意味するグアイで“大きな川”

ウルグアイ
“蛇行する”を意味するウル+グアイで“蛇行する川”

*日本だけの呼び名
オランダ(ネーデルランド)
16世紀にオランダで盛況だった小国家ホラントに由来。これを戦国時代に来日したポルトガル人がホランダと紹介した。
ネーデルランドは、オランダ語ならニーダーランデン。ニーダーは“低い”+土地。

『世界の名前』    岩波書店 辞典編集部
岩波新書  ¥ 864

世界の地域、言語、神話、物語について、名前の仕組みや込められた意味を・・・
1 古代のひとびと
2 名前の仕組みと形
3 姓はどこから?
4 歴史を遡る
5 名付けの想い
6 いくつもの名前、変わる名前
7 歴史の中の名前
8 多言語社会では
9 名前にまつわる習俗

10 神話・伝承の中の名前



“名前”のついでに、世界史に関連して出てきそうな名前シリーズね。


チャンドラグプタ=月(チャンドラ)に守られた(グプタ)者

アショーカ=苦しみ(ショーカ)のない者

シヴァ=吉祥な(シヴァ)な者

シヴァの妃パールヴァティー
=《山(パルヴァタ)に属する》の女形で「山の娘」の意。通常、“山”はヒマラヤをあらわす

シッダールタ=達成された(シッダ)目的(アルタ)をもつ=目的を達成した者

ブッダ=目覚めた(ブドゥ)者

ジャイナ教=勝利者(ジナ)の教え

ヴァルダマーナ=増大しつつある(ヴァルドゥ)者

マハーヴィーラ=偉大な(マハー)勇者(ヴィーラ)

スーリヤヴァルマン二世[アンコール・ワット造営]=太陽(スーリヤ)を鎧(ヴァルマン)に持つ者

シャイレーンドラ朝[ボロブドゥール寺院造営]=岩山(シャイラ)の首長(インドラ)=ヒマラヤ

アメンホテプ=アムン神は満足しておられる

アクエンアテン=アテンにとって有益なもの

アテン=円盤=太陽=神

アケトアテン=アテンの地平線

トゥトアンクアテン=アテン神の偶像

トゥトアンクアメン=アムン神の偶像

ギリシャ(エリニキ・ディモクラティア)
古代ローマ時代のギリシャの地方名グラエキアに由来。これをポルトガル人がグレシアと紹介した。




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勇者テセウス(覚書)『ギリシャ神話の森』 丹羽隆子

「大晦日には孫が来るかな」なんて思ってたら、29日にやってきて、二人して年寄りを引きずり回す。・・・そんなわけで、使い回しの話になりますが・・・

そうかあ、やっぱり男よりも女の方がいいのか。・・・というのはSEXの快感の話。強姦なんて屁でもない。近親相姦あり、獣姦ありのギリシャ神話の世界。きっと、もっともっと、ウッフーンな話や、アッハーンな話が出てくるだろうと思っていたら、やっぱり出てきた。男と女、どっちが快感?・・・”続きを読む”に入れといたから、後で読んでね。

今日は、英雄テセウスの話。パシパエはそんな風にして、牛と・・・
アテネ王アイゲウスの子テセウスは、まずは旅人を困らす山賊を退治して勇者となる。アイゲウス王はテセウスの勇気を見込んで、マラトン付近を荒らしまわる暴れ牛の退治を命じる。

この牛にはいわくがある。かつてフェニキア王女エウロペを見染めたゼウスは、牡牛になってエウロペをクレタ島に連れ去り、その地で結ばれた。エウロペはゼウスの子ミノスとラダマンテュスを生む。エウロペは、そのままクレタ島で王アステリオンと結婚した。アステリオンがなくなると、ミノスはゼウスの血をひく自分こそ王位を継ぐにふさわしいと主張し、ゼウスの血をひくことを証明するために、ポセイドンに美しい牡牛を送ってくれるよう頼んだ。こうしてミノスは、クレタ王となった。

玉座についたら、牡牛をいけにえにしてポセイドンにささげるという約束があった。しかしミノス王は、美しい牡牛を惜しんで約束を守らなかった。ポセイドンは罰を下した。ミノス王の妻パシパエ狂わせ、牛に欲情させた。パシパエは牛に恋い焦がれ、名工ダイダロスに牝牛の張り子を作らせ、その中に入って牡牛と交わった。そして生まれたのが半身半牛の怪物ミノタウロスである。美しい牡牛はポセイドンの呪いで凶暴になり、一度はヘラクレスに、もう一度はテレウスに成敗された。
彩流社  ¥ 2,916

ホメロスの二大叙事詩の大樹は大地に深く根を張り、天空をついて聳え立つ


それ以前、ミノス王の子アンドロゲオスがアテネに滞在したとき、アイゲウス王から、クレタ島から渡ってきた牛の退治を依頼されたことがある。しかし、アンドロゲオスは凶暴な牛の角に突かれて死んだ。ミノス王はアイゲウス王に賠償を請求した。それは、9年に1度、7人の少年と7人の少女をミノタウロスに捧げよというものであった。

ミノス王は、名工ダイダロスに迷宮ラビリンスを作らせ、そこにミノタウロスを閉じ込めていた。ミノタウロスは9年に1度アテネから送られてくる若くて柔らかい人肉を食べて、ラビリンスの中で生きていた。9年目の年、この悲劇を知ったテセウスは、自分がその中の1人となって、ミノタウロスを退治しようと決意した。アイゲウス王はテセウスの成功を信じ、成功の暁には黒い喪の帆を、勝利の白い帆に代えて、遠くから吉報を知らせるようにと念を押し、テセウスに頼んだ。

クレタ島に到着しミノス王の前に引き出された人質の中のテセウスのりりしい姿に、ミノス王の娘アリアドネは一目で心を奪われた。しかし、名工ダイダロスの作ったラビリンスに入ったら、もう出口はない。テセウスを助けたい一心のアリアドネがダイダロスに脱出方法を聞くと、糸玉の端を入り口に結びつけてはいるといいと教えてくれた。アドリはアネはラビリンスに向かうテセウスに糸玉を持たせた。テセウスは、おびえる13人を入り口に待たせ、糸玉をほどきながら進んだ。ミノタウロスはラビリンスの奥深くにいた。今まで抵抗一つされたことがないのか、悠然と構えていた。テセウスは一気に襲いかかり、こぶしを脳天に振り下ろしてミノタウロスを殺した。

その後は、予定通り、糸を手繰ってラビリンスを脱出。テセウスはアリアドネを伴ってクレタ島を離れた。しかし、なぜかアリアドネはナクソス島に置き去りにされている。テセウス達を乗せた船がアテネに近づいた。喜びに沸きたつ一行は、帆を黒から白へ帰るのを忘れていた。アテネの巣に恩岬の突端で、黒い帆を見つけたアイゲウス王は、絶望して断崖から身を投げた。その海は、「アイゲウスの海Aegean Sea」、すなわちエーゲ海と呼ばれた。

王の死を知ったテセウスは、約束を忘れた自分を責めた。しかし、アテネ市民はその知恵と勇気をたたえた。その望みに応えて、若きテセウスが、アテネの王座に就いた。




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一神教『世界の裏側がわかる宗教集中講座』 井沢元彦

まずは、ユダヤ・キリスト・イスラムの一神教三兄弟。だんご、だんご、だんご、だんご、だんご3兄弟、だんご❢

人の言動の背景には宗教がある。それが井沢さんの心情で、宗教を理解することなく歴史を理解することはできないという姿勢には確固たるものがある。いろいろな機会に、いろいろな本の中でその姿勢が貫かれるが、その度その度、角度を変え、材料をいろいろに工夫して話を展開していく。だから内容が重なっても面白く読めますね。

ただし、この間書いたけど、この本は前に一度読んだ本だったんでね。ハハハ。

それでも、「前に読んだときに、書いてあったっけかな」って、書いてあったに決まってるんだけどね。そんなことも少なくなかった。

一神教の神は、英語で《The Creater》って表すんだってね。造物主。すべてを造った神様ってことだけど、そうなると、人間もただの《作品》に過ぎない。だから、作品をどうしようが《The Creater》の勝手。・・・だから、ヨブ記みたいな話が生まれるのか。

ユダヤ人を表すのにいくつかの他の言葉があるよね。例えばイスラエル。これはアブラハムの孫のヤコブの別名だよね。神とプロレスかなんかやって強かったんで、神から与えられた名前。「神に勝つ者」の意。

それから、ヘブライ。問題はこっち。この本に載ってたんだけど、《向こう岸の人々》って言う意味なんだって。偶像崇拝の多神教徒の中にあって、唯一、偶像崇拝を戒める一神教とのユダヤ人。つまり、多神教徒にしてみれば、みんなが太陽だの、月だの、雲だの、風だのといった豊かな自然に恵まれたさまざまな神々をいただく世界に住んでいるのに、ただユダヤ人だけが彼らを戒めるばかりの面白みのない唯一の神とやらを信仰している。

「自分たちとは違う世界に住んでいる」という意味で《向こう岸の人々》、つまりヘブライ人と呼ばれたんだ。

それから、マリアという名前。これはキリスト教圏だけでなく、イスラム教圏でも人気があるんだって。まあ、イスラム教では、キリスト教みたいに、マリアまで神格化して信仰の対象にしたりしていないと言うだけで、人気はあるみたいね。背景には、古代の大地母神信仰みたいなものをもとにした女神崇拝みたいなものがあるんだと思うんだけどな。

ちなみにマリアは、ヨーロッパ語圏だけでもマーリア、マリーア、マリー、メアリー、モイラ、マライヤ、マリカと変化する。アラビア語ではマリアン、バトゥール、アズラも、元を正せばマリアのことだって。

そう言えば、真理亜ちゃんみたいに、日本でも最近、キリスト教徒がどんどん増えているみたいだ。



徳間文庫  ¥ 972

世界の人間は宗教で動いている 宗教を知らずしては、国際親善も相互理解もあり得ない
第1章 ユダヤ・キリスト・イスラム 一神教の世界はこうなっている
第2章 ユダヤ・キリスト・イスラム 一神教それぞれの言い分
第3章 仏教集中講座 日本における仏教の変容
第4章 神道集中講座 「和」と「穢れ」と「言霊」と―神道の無自覚な信徒たる日本人
第5章 儒教集中講座 「儒教の毒」と儒教の国「中国・韓国・北朝鮮」

第一部の一神教三兄弟の後半に、《それぞれの言い分》として、井沢さんと各宗教の代弁者との対談が掲載されている。・・・前に読んだ時、これあったかな~?

ちょっと、興味深く感じられた部分がある。とりあえず、キリスト教の言い分は、相変わらず押し付けがましい。

宗教という物自体、特に一神教は本質的に、一番基本的なところに大きな嘘を抱えているから、そこに触れようとすれば、結局理解不能に落ち入る。ユダヤ教の言い分も、イスラム教の言い分も、???ってところがある。だけど、その“言い分”にとても興味深いことがあった。

ユダヤ教の代弁者の発言に以下のようなものがある。
神道は日本の伝統です。それはあなた方の話し方、行動の仕方、どういう服を着るか、なにをどう食べるかなど、生き方、行動、思考、生活すべての根底を流れているものです。この事自体、非常にユダヤ的です。ユダヤ的な伝統と言ってもいい。

キリスト教は宗教です。しかしユダヤ教は、ユダヤ教というよりは、むしろユダヤ道なのです。(中略)神道とユダヤ道は非常によく似ている。

ユダヤ教は、苦難の歴史の中で、独特の民族思想をまとっていくことになるが、宗教としての根源的な部分で、神道となりたちを同じくする部分があるのかもしれない。

イスラム教の代弁者の発言にも、とても興味深いものがあった。
もし神が、すべてイスラム教になるべきだと考えているならば、そうなっているはずで、そうなっていないということは、それが神様の思し召しである。

宗教はもとは一つで、人は生まれつき信仰を持っている。いずれはそれを自分で見つけ出すから、信仰を強制してはいけない。その人が自分の宗教を実行できる環境を整え、命、財産、教育、節操、貞節、モラルがきちんとしている。それこそがイスラム国家なのです。

このイスラムの代弁者の言っているところは、日本を指しているように思えるんだけどな。



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『世界の裏側がわかる宗教集中講座』 井沢元彦

じつは、わたしこの本読んでた。《出た。見た。買った》の衝動買いパターンだった。その時、前に読んだ本が思い浮かばなかったわけじゃない。だけど、それよりも、「井沢さんが、また宗教に関する新しい本を出した」と思い込んでしまった。だけど、ちゃんと後ろの方に書いてありました。

《この作品は徳間書店より2006年11月に刊行された『ユダヤ・キリスト・イスラム集中講座』と、2007年3月に刊行された『仏教・神道・儒教集中講座』を合本し、加筆・修正したものです》

2冊とも読んでいる。段ボールに入れて、眠っているかと思いきや、・・・なんと、本棚の見える位置に仲良く並んでいる。くっ、悔しい。

と、言うことで、この文庫本はずいぶん前に買ったにもかかわらず、私の心の中では、〈買ってない〉ことになっていた本なわけだ。

そんな本を、なぜ私は再び手にしたのか。じつは、この間紹介した『住んでみたドイツ・・・』っていう本。なんかの都合で途中まで読んで、押し入れ行きにしてあったんだけど、恥ずかしながら、読んだ部分も、読んだと思い出さずに面白く読んでしまった。ああ、なんてことだろう。

そんなわけで、罪のないこの本を手にすることになったわけだ。そして、・・・面白かったんです。



徳間文庫  ¥ 972

世界の人間は宗教で動いている 宗教を知らずしては、国際親善も相互理解もあり得ない
第1章 ユダヤ・キリスト・イスラム 一神教の世界はこうなっている
第2章 ユダヤ・キリスト・イスラム 一神教それぞれの言い分
第3章 仏教集中講座 日本における仏教の変容
第4章 神道集中講座 「和」と「穢れ」と「言霊」と―神道の無自覚な信徒たる日本人
第5章 儒教集中講座 「儒教の毒」と儒教の国「中国・韓国・北朝鮮」
この本は宗教に特化した本だけど、ちょっと前に読んだ井沢さんの『逆説の世界史2』でも、一神教を取り扱ってた。過去記事だけど、これも面白かった。
「キリスト教徒は21億人で、イスラム教徒は12億人」だって。・・・ユダヤ教徒を加えて、人類の半分近くが一神教徒か。始末におえな・・・、いやいや、ずいぶんたくさんいるんだね。なにしろ、“一神教”についてはこの間書いたけど、《ただでは済まない一神教徒》だからね。

物事、袋小路にから抜け出せなくなって、煮詰まっちゃった時には、一度原点に立ち返れば、本質を見つめ直せば、なにか話を展開させる糸口がつかめるもの。だけど、一神教だけはだめ。そんなことになれば、イスラム教徒が立ち返る先は7世紀のオリエント。グローバル化に巻き込まれてかつての秩序は失われ、ムハンマドは人々に強力な力を持つ神への道を示した。

ユダヤ教なら、出エジプトか。モーゼは神との契約と約束の地を示した。でも、教義の中に連帯が生まれるのはバビロン捕囚後かな。あるいは紀元の頃のオリエント。一番“ユダヤ”が意識されるのは、やはりユダヤ戦争?だったら、ユダヤの人々は、そこで行き場を失ったはず。

キリスト教徒なら紀元ころのオリエント。グローバル化の波にさらされ行き場を失った人々に、イエスは・・・、イエスはともかく、イエスを担ぎ上げた連中は、イエスの十字架と復活という輝く道を示した。

そんなところに変えられでもした日には、神の本質を捻じ曲げる輩はもちろん、自称多神教徒なんか、許しておくわけには行かなくなって、正義の味方桃太郎侍に退治されてしまう。


小学館  ¥ 1,782

一神教のタブーと民族差別
序章  一神教の起源
第一章  ユダヤ教徒『旧約聖書』の謎
第一話  ユダヤ民族が体験した二大奇蹟
第二話  聖地エルサレムをめぐるローマ帝国との攻防
第二章  キリスト教徒『新約聖書』の謎
第一話  民主主義社会における「平等化推進体」
第二話  『新約聖書』で読み解くイエスの生涯とその復活
第三章  イスラム教徒『コーラン』の謎
第一話  メッカで布教を開始した使徒ムハンマドと聖戦
第二話  誰がムスリムのリーダーを決めるのか
第四章  十字軍遠征と聖地エルサレム
第五章  オスマン帝国の崩壊と中東戦争
第一話  近代資本主義社会の成立を阻むもの
第二話  中東和平をこじらせる最大の障害

歴史は、私たち現代人がどう生きるべきかを考える“鏡”として勉強する。・・・うっ、まるで、言い方が支那人みたい。まあ、支那人が好んで鏡とする歴史は、こう言っちゃあ何だけど、彼の国の歴史っていうのはいかさまって相場が決まってるからね。

そんなことはともかく、なかでも、宗教は人の生き方に極めて大きな影響を与える。いや、人は神によって生かされる。それが一神教なら、もう逃げ場はない。一神教徒で人類の半分、それに支那人とインド人を合わせれば、おおよそ60億人。それがひしめき合ってきた時間を歴史と呼ぶのか。ああ、なんてことだろう。・・・、考えないようにしよう。とにかくそんな風にして、今の世の中は成っている。

「これからの時代を、私たちはどう生きていくべきか。」・・・、井沢さんの書く歴史は、その本質を、けっして踏み外さない。だから、読み応えがあるんだな。

この本を読んで、一つの確信を持った。現代の捉え方なんだけど、その捉え方の一つとして、「オスマン帝国なき後の世界」という捉え方は、やはり成立する。オスマン帝国はそれだけ巨大だった。その力によって、さまざまな問題を押さえてきた。バルカンの問題、人種間の問題、そして宗教の問題。オスマン帝国は、それらの対立を、けっして先鋭化させなかった。

やがてオスマン帝国は力を落とし、代わって西ヨーロッパがその地に張り出した。オスマン帝国が押さえてきた諸問題は先鋭化し、西ヨーロッパは搾取を通して火に油を注いだ。

現代世界が直面し、解決しようにも、なかなか糸口もつかめない問題がある。最たるものがパレスチナ問題だろう。井沢さんは、パレスチナ問題にも挑戦を試みた。

あとは、読んでみてね。




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『まんがで学ぶ 世界の宗教』 相澤理

ホテルに就職して4年目の上川ちとせが、このまんがの主人公。病気で入院した父に代わり、実家の旅館、“ひつじ屋”に帰ることになる。ひつじ屋では、父親が始めた英語のHPの影響か、外国人の客が増えていた。

そんな設定で、海外からのお客様へのおもてなしに追われるちとせは、おもてなしのためにも、お客様たちの宗教にも、正面から向かい合うことの必要を感じるようになる。そんな中、インドネシアから、イスラム教を信仰するご家族のお客様が・・・。そして、他のお客様からは、それを不安に思う声も・・・。

こんな調子で、いろいろな宗教の本質、習慣、禁忌、ものの考え方が、非常にコンパクトにまとめられている。《世界の宗教》と銘打って、同様の紹介本がいくつもあるけど、それらのなかで比べても、質が高い本だと思う。

いろいろな宗教と向かい合いながら、ちとせが、実際には、自分自身と向かい合っていく様子に、とても好感が持てる。お姉ちゃんが、かわいいしね。


あさ出版  ¥ 1,200

イスラム教は怖い?キリスト教・ユダヤ教・イスラム教の神様は同じ!? 日本人は無宗教?
第1章  イスラム教は怖くない?
第2章  日本人は無宗教!?
第3章  南無阿弥陀仏の意味
第4章  日本には神様がいっぱい
第5章  宗教はなんのためにあるのか
エピローグ
一話一話の話のたびに、そこで取り扱われている宗教について、まんがだけでは描ききれない、ちょっとした解説がついている。さらに、“エピローグ”のあとにはプラスアルファの解説もついている。

啓示宗教であれば、第5章のように「宗教はなんのためにあるのか」という疑問は、通常であれば表に出ない。それを提示したのは、イギリスの雑貨商のショーンさん。イギリスの雑貨商のショーンさんもクリスチャンらしいけど、どんな宗教でも、宗教がために殺し合いをするほど馬鹿馬鹿しいことはないからね。

本編のまんがで扱われているのは、イスラム教、キリスト教、仏教、神道。200ページ弱の本で、しかも、まんがだから、これだけで宗教を理解できるわけじゃない。それは最初から当然として、あとは自分で勉強すべきことだろう。ただ、この5章「宗教はなんのためにあるのか」があることは、この本の内容を分厚いものにしている。

日本人は無宗教じゃない。そりゃ、啓示宗教なんかと比べれば、日本人の信仰心は宗教とは呼べないものになってしまうが、神様がいて、経典があってってだけが宗教じゃないでしょ。人を超越する何らかの存在を前提に、それは人と人の関係をつないだり、人と物、人と自然の関係をつなぐ。考え方や生き方そのものに大きな影響を与える。

そういうものの前で、あるいは、そういうものの前ではなくても、そういうものの存在を前提に、常に真摯であろうとし、言行を慎もうとする精神なら、おそらく日本人は、十分に持っている。

ただ、時々調子に乗って、山を削ってゴルフ場を作ったりする。・・・ゴルフ好きな皆さん、ごめんなさい。私の住んでいるところは、右を見ても、左を見ても、馬鹿と阿呆の絡み合い。ちょっと、あまりにも多すぎて




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『たとえ世界が終わっても その先の日本を生きる君たちへ』 橋本治

あれ~? 橋本治さんって、こういうものを書く人だったんだ。・・・そんなこと言ってみたものの、もとから私はこの人のことは、知らないも同然。たしかに、この人の書いたものを読んだことはある。『桃尻娘』。強いインパクトを受けているはずなんだけど、記憶にはない。橋本治さんの執筆活動をどこかで意識しながら、横目でちらちら見ながら通り過ぎてしまった感じかな。

そんな橋本さんの本に、はじめて正面から触れる機会だっていうのに、せっかくこっちはその気になったのに、「喋れば手っ取り早く本になる」ってことで、喋った本。とんだ肩透かし。肩透かしには肩透かしで返して、ななめ読みでいいか。そうは思ったものの、読み始めると、喋ったないように引き込まれた。

なにしろ、話は、アレキサンダー大王から始まるのだ。ローマで、トゥール・ポワチエで、シャルルマーニュなのだ。私が引き込まれないはずがない。この人が、こういうふうに世界をとらえることができる人だということに驚かされるとともに、確実に今につながってくる。この人の口を突いて出てくる話は、単なる歴史上のできごとじゃない。これは地政学的考察だ。

《喋り》の動機は、イギリスがEUの離脱を選択したこと。そこに彼は、《世界の終わり》を感じ取った。感じ取ったというよりも、確信したという方がいい。それは、橋本さんの中に、長く疑問符付きで蓄積されてきたものが、あふれだすように“確信”に変わった瞬間だったろう。

『たとえ世界が終わっても その先の日本を生きる君たちへ』 橋本治

集英社新書  ¥ 821

崩壊に近づくEU、トランプ、云々総理 「世界がばかになっている」時代に染まらないために
序章  イギリスのEU離脱を見ながら考えた
第一章  バブルになるとどうなるのか
第二章  「ヨーロッパ」という謎を解く
第三章  経済は飽和したら終わるものだ
第四章  バブルを経て「社会」が消えた
第五章  なにを言ってもㇺダな人たち
第六章  世界が終わった後に
終章  不思議な王子様のモノローグ


そういう言い方はしていないけど、ヨーロッパというのは半島だ。地政学的に考えて、半島は、その根元をおさえられると窒息してしまう。しかも、その根元というのはオリエント世界なのだ。東欧から、ロシア、シベリアへと続く領域は通路ではあっても、その先に世界は広がらない。ヨーロッパ人にとって外に広がる世界は、オリエントの先にあるのだ。しかも、地中海のはるかな対岸をおさえたイスラム勢は、ジブラルタルを超えてイベリア半島までも、ヨーロッパから奪い取った。

ヨーロッパという半島は、そうして締め上げられた。

しかし、15世紀以降、半島の蓋は、思わぬところから開き、1000年ころから圧縮されてきたヨーロッパが、シェイクシェイクされたコーラのように、世界にあふれだした。

世界が多様であることを知らない者はいない。古くから影響を与え合って来た。しかし、長らく根元をふさがれ、頭を押さえつけられてきたヨーロッパがあふれ出してきたとき、彼らは多様な世界から何かを受け取ろうとはしなかった。

彼らは自分の望むすべてを手に入れようとしただけだ。そして、実際そうしてきた。日本も、そんな流れの中に巻き込まれてきたのだ。

EUは、ヨーロッパが相対的な力の低下を免れなくなったとき、何とか今まで通りの拡大の道を進みたいととった苦肉の策。イギリスのEU離脱は、それにさえ疲れ果てたイギリス国民の選択であった。

橋本さんは、イギリスのEU離脱を、さらにはアメリカ国民のトランプ選択を、大きな歴史の変わり目、《世界の終わり》として捕まえているようだ。それはそれ、そういう認識の中に身を置くのも一つの見解だと思う。

題名は『・・・その先を生きる君たちへ』だが、橋本さんは、本当に若い連中を頭に、この本を書いたのだろうか。なんか、どうも、終わる世界と運命をともにする私たちに向けて書かれているような気がしてね。それはそれでいいんだけど、わけの分からない新しきものに腹を立てながら朽ちていくのは、なんとしても口惜しい。そこは日本人。どうせ散るなら、いっそ潔く、せえの❢ってね。




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『世界のへんな肉』 白石あづさ

二児の母となった娘の生きる領域は、十二分に良識の範囲内であった。そんな娘に対しても、かつて私は、「一体何を考えているのか」と疑いを持った。「ちょっと、インドに行ってくる」とか、「職人になるので弟子入りする」とか・・・。しかし、その程度の行動なら、「私の血を引いているから」という一点だけで説明できる。明らかに、著者とは違う。

全編を通して予測不能の行動に、なかなか自分との接点を見つけられなかった。後半に至って、ようやく、少しだけ、「著者を捕まえられるかもしれない」と感じた部分があった。著者がかつて、北アルプスの山小屋でアルバイトをしていた時、「雷鳥を捕まえて食おう」と仲間たちとはしゃいだという部分だ。

結局、著者はその希望をスウェーデンで果たすことになるのだが、私事ながら、若かりし日に山小屋に入り浸っていたことがあり、そこに著者のようなとらえどころのない女性がいた。けっこうな美人さんだったので、最初はウキウキした気分でその姿を追ったのだが・・・。

発電機が故障して、しばらく風呂も入れない生活にも顔色一つ変えず、食には人一倍の好奇心を持ち、男を男とも思わず、小屋の親父の無理難題もそれなりにこなす。制御装置のネジが三つ四つ緩んでいて、とても私なぞが太刀打ちできる女性ではなかった。なにしろ、ある日、腐った肉を食った私は腹を下し、彼女は平然としていた。

著者もおそらくそうだ。まあ、いい。しょせん器が違う。推し量ろうとせず、受け入れることに専念しよう。

『世界のへんな肉』    白石あづさ

新潮社  ¥ 1,296

“かわいい”と思っていたレストランのメニューに・・・、もしかしたら、すごくおいしいのかも
ユーラシア篇
アフリカ篇
中南米篇
ヨーロッパ篇
アジア篇
日本篇


インド人のおっさんたちとともに牛を食い、イラン人の少女の勧めに従って羊の脳髄をすすり、スーダンのお父さんには、ラクダを結納金代わりに贈られそうになる。いったい何をやっているのか。そのうち、ふと気づく。どこに行っても、そこの食い物を食える奴は強い。第一、間違いなく喜ばれる。この娘は、喜ばれ上手なのだ。

ケニアのサバンナで観光用のジープに乗り込んだ彼女は、サバンナの天使インパラに近づく。しかも、近くの茂みに隠れていたチーターが観光客の前で、インパラを追いかけ始める。「いや~、逃げて~」と、彼女はいきなりインパラに感情移入。

ところが、同じジープの中から、違う意味で興奮した声が湧きおこる。「ひゃっほー、いけー、いけー❢」と、完全にチーターに感情移入するフランス人の一団。その間、わずか10秒、逃げ遅れたインパラのお尻にがぶりとかみつくチーター。「やったー❢」という歓声を上げるフランス人。

やはり、これは肉食民族と草食民族の違いなのか。著者は、ここで、もう一つの面白い体験談を披露している。イタリアで、人を襲うゾンビの映画を見ていたら、まわりの観客は、人間じゃなく、ゾンビに感情移入しているというのだ。

「そりゃあ、言い過ぎやで。そんなわけあるかい。お前、腕上げたやないかい」という、大木こだまのセリフが聞こえてきそうな話。

ちなみに、この後、彼女はおいしくインパラのお肉をいただいたというおちがつく。

いや、おもしろい。この本おもしろい。おもしろい上に、ちゃんと、“食”を通して、世界の様子を紹介している。いろいろな肉を食って生きている人間が、いろいろな生活をしてるってことを紹介している。

私のような、つまらない常識人は、「文化人類学的な価値がある」などと、取ってつけたような褒め言葉で、この本を理解したような事を言うのだ。でも違う。著者は、この小娘は、本当に、いろいろな世界の、動物の肉が食いたいだけなのだ。そのための小遣い稼ぎ。おそらく、それがこの本なのだ。

どうだ、買ったぞ。おもしろかったぞ。もっと、おもしろい話を聞かせてくれ。




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『マンガでわかる 西洋絵画の見方』 池上英洋監修

絵画?・・・もう、あきらめた。

神話をモチーフにした絵の謎解きとかは、とても面白くて好きだけど、なかなか興味の対象が、そこから膨らんでいかないんだよね。だから、興味の対象は、ルネサンス期の作品が中心。時間をかけて、しっかり踏み込んでいけば、面白いに違いないんだけど、そのための気力と体力を絵画鑑賞に割こうって気持ちに、今はなれない。そういうことだな。

それから、この手の本を読んでいて、結局、最初の3分の1くらいで飽きてしまう。すると、ちょうどルネサンス期が終わったあたりなんだよね。だから、ルネサンス絵画ばかりに詳しくなって、なぜかそこから先へ進むとさっぱりという、わけのわからない状況になっている。

しかし、そんな私にも例外がある。汲めども尽きぬ泉のように、その手の作品については興味がどんどん湧いてくる。それに関しては、ルネサンス期も何も関係ない。若い頃から、・・・中学、高校生の頃からそうだったけど、その頃はそんなことおくびにも出せずにいた。・・・何かって? ・・・女の裸。・・・文句あっか❢



誠文堂新光社  ¥ 1,728

絵画は意外とおしゃべり、名画が発するメッセージを楽しむちょっとしたコツ
第1章  ルネサンス
第2章  バロックとロココ
第3章  新古典主義とロマン主義
第4章  写実主義から印象派へ
第5章  世紀末芸術
第6章  20世紀の美術
ウルビーノのヴィーナス左はティツィアーノの『ウルビーノのヴィーナス』に、右はジョルジョーネの『眠れるヴィーナス』。いいですね。二人とも、ベネチアの人ですよね。眠れるヴィーナス
当時のベネチアは、皇帝に対しても、教皇に対しても、突っ張るだけの力を持っていた。そんな地域性が背景にある、・・・何てこと、私にはどうでもいいんです。
バロック? 大歓迎ですよ。狙いすぎているのが多くて、いかがなものかと思いますけどね。だけど、ベラスケスの『鏡の前のヴィーナス』は最高ですね。キューピッドの存在でヴィーナスにかこつけてるけど、あくまでも狙いは性愛にありますよね。鏡の前のヴィーナス
スペインはカトリックの盟主を名のる国だからね。大変だったろうね。そんな中で、こんなHな絵を書いてくれたんだからね。そういう意味で、大好きだ。

そのあたりの時代から、その辺のハードルをどんどん乗り越えていくよね。《オダリスク》や、《マハ》だって、相当な状況で書かれたんだろうけど、ありがたい話です。現代に生きる私は、十分すぎるほどの恩恵にあずかってます。

そのあとの時代も含めて、女の裸を追っていくだけでも、それなりの美術史になりますね。

すみませんね。こんな絵画鑑賞しかできなくて・・・。でも、この本は、それだけの本じゃありませんからね。1ページ、1ページ、マンガで絵画鑑賞の“ツボ”が分かりやすく書かれています。だけど、導入だけで、《そこからさらに一歩》ってのは自分で、・・・ですね。




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『誰も知らない世界のことわざ』 エラ・フランシス・サンダース

“世界のことわざ”

とは言ったものの、紹介されているのはたったの51個。だけど、その一つ一つがすごい。ん~、説明しにくい。・・・たとえば、ポルトガルの《ロバにスポンジケーキ》ということわざ。

どう?・・・なんか、思い浮かぶことわざがない?・・・そう、《豚に真珠》、それから、《猫に小判》ですよね。そのものの価値や本来の扱い方を分かっていない人、それを得るに値しない人に何かを与えることの無意味さを表すことわざですね。それが、ポルトガルでは、《ロバ》であり、《スポンジケーキ》なんですね。なぜ、《ロバ》なのか。なぜ、《スポンジケーキ》なのか。そこには、そのまま、ポルトガルという国の歴史社会が存在しているわけですね。

これを読んだ時、なんか、昔、同じような感覚、ワクワクするような感じを抱いたような気がしたんだ。なんだっけな~って、しばらく考えて思い出した。はじめて、『民族ジョーク』の本を読んだ時の感覚だ。あの時の、「もっと読みたい」、「もっと知りたい」って感じ。おそらく、いや、まちがいなく、《世界のことわざ》にも、《民族ジョーク》並の奥深さ、ディープな世界が広がっているに違いない。

『誰も知らない世界のことわざ』   エラ・フランシス・サンダース
創元社  ¥ 1,728

文化によって食べるものや着ている服が違うように、ことわざだって違うのです


それにしてもな~。《ガレージにいるタコのような気分》って言われてもな~。私はいったいどうしたらいいんでしょう。な~んて思ってたら、英語では、To feel like a fish out of water.・・・つまり、「水の外にいる魚みたいな気分」ってことで、そういうことなら日本だって、《陸に上がった河童》って、立派なことわざがあるじゃないですか。

肌の色や、話す言葉が変わっても、けっこう考えることは、おんなじなんでしょうかね。なんて思っていると、イタリアには《頭のなかにコオロギがいっぱい》という言い回しがあるそうで、・・・どうしたらいいんでしょう。これは難しい。「ナンセンスと呼ぶのにふさわしいもので頭が一杯だ」ということだということなんだけど、・・・困りましたね。

だけど、なんだか、全否定ではないみたいね。だって、コオロギだもんね。とりとめは、・・・全く無いかもしれないけど、だけど、そこから誰も考えつかなかった、素晴らしいものが生まれるのかもしれない。

ラトビアの嘘つきは、口から小さなアヒルを吹き出す。ドイツ人は死ぬとラディッシュを下から見ることになるらしい。スウェーデンの上流階級はエビサンドにのったような人生を過ごす。気分のいいアイルランド人は豚の背中に乗ったような気分。イタリア人はオオカミの口の中に入るつもりで頑張るらしい。

いずれも、背景にとてつもない時間の流れと、もしかしたらとてつもなく馬鹿馬鹿しい歴史が眠っているのかもしれない。

日本もね。ほら、本当は悪いことを考えているのに、それをさとられないようにしようとしている人は、変なものをかぶったりするじゃないですか。他所の国の人からすれば、「なんだそりゃ?」ってことになると思うよ。

ヘブライ語のことわざに「目から遠ざかれば心からも」というのがあるそうです。英語なら、Out of sight,out of mind. 日本なら、「去る者は日々に疎し」・・・やっぱり通ずるところもありますね。

この本、装丁も素敵だし、“本”として、とても素晴らしいと思います。




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『新 怖い絵』 中野京子

その絵に隠された歴史的、社会的、そして文化的背景。画家はどんな思いを、その絵にかけたのか。発注者はどんな思いを、画家に託したのか。人の心を動かすのは、生きること、そして死ぬことをめぐる葛藤。当然、絵が描かれた背景にもそれが関連していることが多い。

しかし、多くの場合、表立って訴えられないだけに巧妙に隠されている。

そうでなくても、かつての切実な事情は、時間とともに忘れ去られる。そんな状況では、切実な事情が分かるからこそ鑑賞された絵は、訴える力を失ってしまう。

この本の中には、かつて何処かで、何かの機会に見たものも少なくない。でも、私は事情も知らず、絵柄の斬新さと研ぎ澄まされた筆致に感嘆のため息を漏らすだけで、わずかに記憶にとどめたに過ぎない。
さて、『怖い絵』のシリーズも4冊目。表紙のオフィーリアから、胸のドキドキが止まらない。

『新 怖い絵』    中野京子
角川書店  ¥ 1,944

コンセプトは「絵を読む」こと そして作品のはらむ怖さに気づいたとき
ヴァイオリン弾き
眠るエンディミオン
ブナの森の修道院
オフィーリア
ローマのペスト
落穂拾い
鰯の埋葬
折れた背骨
自画像
思いがけなく
パウルス三世と孫たち
ダンテとウェルギリウス
懐かしい我が家での最後の日
テルモピュライのレオニダス
あなたの子供を受け取ってください旦那さま
世の栄光の終わり
ルシファー
ぶらんこ
死の床のカミーユ
洗礼者ヨハネの斬首
 
ba.jpgシャガールの『ヴァイオリン弾き』

不気味でね。顔が緑で。とりあえずは屋根の上のヴァイオリン弾きか。シャガールはロシア。圧政に耐える不屈の魂、それとも不安定はユダヤ人の立場そのものを現すか。

・・・屋根の上のヴァイオリン弾きでロシア。・・・なんだ、この絵の衝動は“ポグロム”か。そう言えば、向こうの方にいる人は、明らかに何かから逃げてる。この絵のなかで殺戮が行われていたんだ。

この人の緑色の顔。この人、死人なんじゃないかな。

殺した相手と一緒に写真を取ったというポグロム。昨日まで挨拶を交わした隣人が、今日は棍棒や鋤鍬で襲い掛かってくるポグロム。雪の上に残る足跡は、ユダヤ人の家から出てくると、血の赤い色に変わる。

やはり、二・三の背景を教えてもらっただけで、絵の見方が変わる。・・・さて、ルシファーは、・・・オフィーリアは・・・



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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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