めんどくせぇことばかり 本 近現代世界

『2018年長谷川慶太郎の大局を読む』

風邪を引いてしまった。仕事の上で、どうしても同席しなければならない男が風邪を引いていた。あいつに移されたことは明白だ。その翌日、ええと31日に、仕事を休んで山に行った。越生の低山だけど、まだ西斜面には1月23日の雪がべったり残っていて、しかも平日とあって誰もいない。そこは踏み跡もなかった。心ゆくまで楽しんだ。

発熱は、翌日の朝。これでは誰が考えても、「いい年こいて、山で雪遊びして風邪を引いた」ということにしかならない。2月1日は必須の仕事を片付けた。昨日、2月2日、この日も必須の仕事を昼までに片付けたところで、気力の糸がプツンと切れた。

今日は節分ですね。・・・まだだるい体を引きずりながら起き出して、いまパソコンに向かってます。
二度の世界大戦や世界恐慌を経験しながら、それらを阻止するには自由貿易体制が有効であることを悟ったのが20世紀。「その流れに逆らってアメリカ大統領になったのはドナルド・トランプ」というのが、長谷川さんのトランプ観です。私は、トランプにはそうとも言いきれない側面があると感じてるんですけど、現状、彼に貼られてるレッテルはその通り。ここでもとりあえず、それで進めます。

まあ、長谷川さんは、「トランプは時代の大きな流れに逆行している」と言うわけです。同じく、“時代の流れに逆らってる”のがロシアのプーチン大統領。これは間違いないですね。たしかにプーチンは、零戦がロシアの敗北に終わったことを、まだ認識できていない。

もう一人問題になる指導者が、華夷思想を発展させたほとんど意味不明の中国共産党思想で世界を塗り替えようとする習近平ことくまのプーさん。・・・こういう場合、くまのプーさんこと習近平って言うのか?

この三人の時勢に逆らった判断で、暫くの間、世界は不安定に推移するというのが、長谷川さんの予想です。



徳間書店  ¥ 1,728

老いてますますその分析力に磨きがかかる著者が2018年の世界の動きを的確に予測
第一章  沈没寸前のトランプ丸の進路が見えた
第二章  安倍政権の命運を占う
第三章  拡大する「金融&分裂」危機の欧州
第四章  毛沢東になって習近平はなにをめざす

チャイナに関する長谷川さんの見解は、残念ながら間違ってはいないものの、確実に言い当てていたとも言えないだろう。報道の統制された国のことだから、事態がどういう状況にあるのか判断できないけど、北京政府は瀋陽軍区を掌握することはできないというのが、かつての長谷川さんの予想だったと思う。軍の改編の話があったけど、今それは、どんな状況になってることやら。

いずれにせよ、《習近平一強体制は中国崩壊の一里塚》と、長谷川さんは言う。鄧小平の改革開放で資本主義の甘美な味を覚えた人々は、共産主義による統制経済を受け入れなくなるし、政治的統制も、いずれ受け入れなくなる。

その点で興味深いのが、香港だ。香港の若い人たちが中国共産党の統制強化に対する反対の声を上げている。この取扱の如何によっては、香港の事態が北京や上海に飛び火することもあるかもしれない。
もう一つ、大きな問題が提示されている。

日本がかつてのように、世界のメインプレイヤーの一国となって、世界情勢に積極的な責任を果たしていこうということについてである。

現状における日本はバイプレイヤーであるから、なんだかんだ言っても、世界情勢に責任を取れないのだ。責任を取れないのだから、基本的に日本の意見は、無視していいのだ。

《日本が国際社会で発言力を持つためには重い負担に耐える必要がある。その重要性を日本人は理解し、自衛隊員の犠牲も自国の果たすべき責任として受け止めなければならない》と長谷川さんは言う。・・・ちょっと時間が掛かるかな。




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米朝戦争『2018年長谷川慶太郎の大局を読む』

まったく、日本っていうのは、本当に厄介な国だな。いや、失礼しました。なにも日本が厄介なわけじゃないんですよね。周りが厄介な国ばっかりなんだよね。

日本の周辺国ってのは、韓国、北朝鮮、チャイナ、ロシア、太平洋の向こうにアメリカってことですからね。いずれの国も、例外なく厄介。厄介率100%。

そんな中でも、今の日本人にとって一番の関心事は、やっぱり何と言っても北朝鮮の核開発問題ですよね。ちょっとその辺、長谷川慶太郎さんがなんと言っているか。見ておきますね。もちろん、この本が出たのが10月ってことを承知の上でね。
まずは基本的な認識。
NPT(核拡散防止条約)は1963年に国連で採択された。そのとき核兵器を保有していたのはアメリカ、ソ連(ロシア)、イギリス、フランス、チャイナの五カ国。1970年から発効し、現在、191カ国が加盟している。この191には、北朝鮮も含まれている。加盟していないのはインド、パキスタン、イスラエル、南スーダンで、インド、パキスタン、イスラエルは核を保有している。

北朝鮮は1993年に脱退するといい出して撤回したが、2003年にまた脱退を表明した。以来、北朝鮮は脱退した気でいるが、NPTは北朝鮮の脱退を承認していない。承認していない以上、北朝鮮の核開発と保有はNPT違反であり、制裁は当然である。

北朝鮮の核開発と保有はNPT以前の問題である。北朝鮮は非民主的な独裁国家である。さらに核開発に関しても、北朝鮮は、かつてそれをやめる代わりに軽水炉二機と年間50万トンの重油を提供するという約束を国際社会と結んだにも関わらず、その約束を踏みにじった。平然と嘘をつく国だということだ。
北の望みは何か。国民の平穏か?・・・残念ながらあの国にはそんな当たり前の願望はない。国民を犠牲にしても核開発に邁進するのは、ひとえに体制温存のためである。核保有国として米国と対等に渡り合うことにより、現在の支配体制を温存するために、総力を上げてアメリカに届く核兵器を開発している。

言わずと知れた事だけど、北に一番の影響力を持つのは“血の盟約”の間柄のチャイナ。チャイナは、北が潰れれば、韓国に駐留する米軍と直接向かい合うことになる。それを避けるためには北朝鮮を温存するしかない。しかし、北が核開発を続ける以上、アメリカは北との対決を選択せざるを得ない。オバマや、クリントンでない限り。

アメリカの本気度を測って、チャイナは本気で北に核開発をやめるよう働きかけている。



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第一章  沈没寸前のトランプ丸の進路が見えた
第二章  安倍政権の命運を占う
第三章  拡大する「金融&分裂」危機の欧州
第四章  毛沢東になって習近平はなにをめざす

9月3日、北朝鮮は「水爆実験に成功」と発表。9月4日、アメリカは国連安保理の緊急会合で制裁決議採択を目指す意向を示し、9月11日に採択。通常ならチャイナやロシアへの工作に2ヶ月前後かけるところ、わずか1週間で採択ですからね。チャイナやロシアが、北の水爆実験に危機感を抱いたからですね。

それでも、その後も、ことあるごとにチャイナは“両者に”冷静を呼びかけている。チャイナ以上にロシアは、アメリカの“行動”に釘を差そうと躍起に見えます。

だけど、対北朝鮮の経済制裁は、実際にかなり聞いているようですね。1月に入り、平昌オリンピックを目前にして、北が韓国をうまく使って平和攻勢に出たのも、だいぶ苦しい状況だからでしょうね。

たしかに、北朝鮮問題を巡っては、プレイヤーは北朝鮮とアメリカ、バイプレイヤーがチャイナとロシアで、日本はいつも通り埒外ですよね。ごく常識的な捉え方ですが、長谷川慶太郎さんも同様ですね。

だけど、世界中が北朝鮮の条約違反と、嘘つきであること、さらには追いつめられた今、なんでもやりかねないことを認識している。金正男を殺したことは、やはりまずかったですね。

この状況なら、“埒外”の日本にもできることがある。安倍首相や河野外相が、あちこちか駆け回って制裁の徹底を訴え、制裁逃れの穴を塞いで回ってる。地味ではあるが、北朝鮮の暴君を追い詰めるには効果があるでしょうね。うまく追い詰めることだな。

ただし、大きなリスクを背負ってることも確か。アメリカが、アメリカの安全のために行動を起こすこともあるのは疑いの余地もない。その局面を巡っての北の暴発は可能性としては、決して排除できませんよね。

そうそう、韓国の文在寅政権のあんなことやこんなことですが、長谷川慶太郎さんは放っておけってさ。




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習近平『2018年長谷川慶太郎の大局を読む』

“毛沢東思想”が党規約に明記されたのは1945年の第7回大会の時で、これによって毛沢東は政治面だけでなく思想面でも最高指導者となり、1949年には国民党との内戦に勝利して中華人民共和国を建国した。このあと毛沢東が1976年に死ぬまで、“毛沢東思想”は共産党と全国民を支配するイデオロギーとして機能したんだそうです。

党規約には、過去の主要な最高指導者の名前のついた思想が明記されていて、“毛沢東思想”、“鄧小平理論”、“「三つの代表」の重要思想(江沢民)”、“科学的発展観(胡錦濤)”とあるんだそうです。見た通り、思想に指導者の名前のついたものは“毛沢東思想”と“鄧小平理論”で、“理論”よりも“思想”の方が格上の概念なんだそうです。

だから、“習近平思想”が党規約に明記されれば、中国共産党にとって習近平は毛沢東と肩を並べる存在になるということらしい。

・・・習近平って、なにをやったんでしたっけ。なにもやってないんですよね。毛沢東がやったこと、鄧小平が成し遂げたこと、これはいずれも大きなことです。周辺にはとてつもなく迷惑なことではありますが、きわめて大きなことを成し遂げたことは事実です。それに匹敵することなく格付けだけ毛沢東並みにしてみたところで、その地盤はグズグスのままってことですよね。じゃあ、習近平はなにを成し遂げるんでしょう。

今習近平がやっているのは、《①東シナ海での軍事的拡大と支配、②一帯一致路貿易圏の構築、③AIIBによる対外進出》ですね。・・・どれも、難しそうですね。



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第一章  沈没寸前のトランプ丸の進路が見えた
第二章  安倍政権の命運を占う
第三章  拡大する「金融&分裂」危機の欧州
第四章  毛沢東になって習近平はなにをめざす


この本は10月31日第一刷の本だから、9月くらいまでに書き上げているんでしょう。今は1月の22日で、降りしきる雪を見ながらこれを書いているんだけど、第四章で「習近平思想」の話題が書かれていたんだけど、さっき、ネットのニュースで「習近平思想が憲法に明記される」ってことが流れてた。
 ロイター 2017/10/24 
「習近平氏思想」規約に明記、中国共産党大会閉幕
https://jp.reuters.com/article/china-congress-idJPKBN1CT0FC
(抜粋)
中国共産党大会は24日、党の最高規則に当たる党規約に、習近平総書記(国家主席)の名前を冠した政治思想「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想」を盛り込む改正案を承認し、閉幕した。

「毛沢東思想」や「鄧小平理論」として名前が盛り込まれている過去の指導者と並ぶ権威を、習氏が得たことが示された。
(続きを読む)に全文

ってことでね。党規約に明記されました。(続きを読む)の方には、長谷川さんがこの本で解説している、“その意味”がしっかり書かれていたんで、どうぞそちらもご覧ください。

今、1月22日の昼過ぎ、降りしきる雪を見ながらこれを書いているんだけど、さっきネットのニュースで、習近平思想を憲法にも明記することが確認されたというニュースを見た。
ロイター 2018/01/22
中国共産党の2中全会閉幕、「習近平思想」の憲法明記を確認
https://jp.reuters.com/article/china-politics-idJPKBN1FB02X
(全文)
中国共産党の第19期中央委員会第2回全体会議(2中全会)が19日、2日間の日程を終えて閉幕し、昨秋の党大会で党規約に盛り込まれた習近平総書記(国家主席)の政治思想「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想」を憲法に明記することを確認した。国営メディアが伝えた。
(続きを読む)に全文
ということで、長谷川慶太郎さんのおっしゃる通りことは進んでいます。

だけど今のチャイニーズは、世界のいろいろな国の人の中でも、アメリカと並んで飛び抜けて資本主義の恩恵を受け、そこから生まれる便利さ求めて先頭を走ろうとしている。毛沢東も鄧小平は、その時の時代の動きを的確に捉えた。それだからこそ、それなりの存在になり得た。習近平が彼らと同じような存在になろうとするなら、そういった時代の動きをこそつかむべきなのだ。

しかし、習近平のやろうとしていることは違う。国有企業に対する共産党の影響力を強めようとしており、その力を外国企業にまで及ぼそうとしている。

長谷川慶太郎さんは、まさに成し遂げられつつある習近平一強体制こそ“中国崩壊の一里塚”と言っているが、さて、どんなもんでしょうね。楽しみですね。



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暗闘『日本は誰と戦ったのか』 江崎道朗

アメリカは、すでに戦争中からフランクリン・D・ルーズベルトの戦争政策に疑問を持っていたんですね。戦争が終わる前にルーズベルトが死んで、戦争が終わってからは、さっそくそれを検証する立場からの本も出ていました。

チャールズ・ビーアドの『ルーズベルトの責任』は1948年に出た本。日本版は2011年。読ませてもらって、強い衝撃を受けました。ハミルトン・フィッシュの『ルーズベルトの開戦責任』は1976年。日本版は2014年。フーヴァー大統領の『裏切られた自由』は2011年。日本版は2017年。


あまりにも単純すぎる話だけど、喧嘩ってのは、一人じゃできないんですよね。《喧嘩両成敗》って言葉があるように、どっちかに全責任があるなんて、そんな喧嘩はあり得ないわけです。分かり切ったことです。

でも、戦後のGHQによる支配でWar Guilt Information Program(WGIP)を徹底され、加えて公職追放で戦後日本の教育、言論の世界で重きをなした利得者たちは、自らにその地位を与えた思想を・・・WGIPで日本人が植え付けられた思想を、再生産していたわけですね。
《戦犯裁判の実施と免責》
戦後、連合国はドイツと日本に対する軍事裁判を実施し、「平和に対する罪(A級)」「通例の戦争犯罪(B級)」「人道に対する罪(C級)」を裁いた。日本のA級戦犯を裁く極東国際軍事裁判は48年に判決を下し、A級戦犯25人全員を有罪とした(うち東条英機など7名が死刑)。また日本軍が侵攻した現地の人々や捕虜に対する虐待などを裁くBC級戦犯裁判は、横浜やアジア・太平洋諸地域でひらかれ、約1000人が死刑となった。日本人だけでなく、日本の軍人・軍属として動員された朝鮮人・台湾人が裁かれ、死刑となるケースもあった。

東京裁判では、天皇は不起訴とされ、日本軍による毒ガス船や731部隊などによる人体実験・細菌戦・植民地支配も裁かれなかった。

また、中華人民共和国成立後に中国で実施された戦犯裁判で寛大な判決を受けた戦犯たちは、帰国後に平和運動を展開するようになった。

これ、なんだと思います。・・・高校生が勉強する日本史の教科書の記述ですよ。学校の先生ってのは、基本的にまじめですからね。こういうので勉強して、大学で戦後の歴史学を受け継ぐ人たちの薫陶を受けて、歴史の先生になって、こういう教科書を使って高校生に歴史を教えるわけですね。

上記のような本は、読まないんじゃないんでしょうか。だって、本当のことを知ってると、教科書通り教えられなくなりますよね。・・・どうするんでしょうね。



KKベストセラーズ  ¥ 1,250

戦後の常識が全てひっくりかえる 衝撃!米保守派の最新歴史研究…日本は?
序 章  日米開戦はスターリンの工作だった
第一章  日米を開戦に追い込んだゾルゲ
第二章  「雪」作戦発動
第三章  オーウェン・ラティモアの暗躍
第四章  乗っ取られたホワイトハウス
第五章  ヤルタ会議を仕切ったアルジャー・ヒス
第六章  握り潰された「反ソ」報告書
第七章  ソ連の対日参戦まで日本を降伏させるな
第八章  ソ連の対米秘密工作は隠蔽されてきた

そんなことを言ってる私も、この本で紹介されている『暗闘 スターリン、トルーマンと日本降伏』という本は読んでいませんでした。アメリカのカリフォルニア大学の長谷川毅教授が書いた本だそうです。“中央公論新社、2006年”ってことですからずいぶん前ですよね。

その本にこうあるんだそうです。
スターリンはさらに、日本がソ連参戦の前に降伏してしまうかもしれないことを危惧した。だからこそ、ソ連が対日戦争の準備をするまで日本が戦争を続けるように、アメリカが無条件降伏の要求をつらぬくことを奨励した。同時に、日本がソ連参戦を防止することができると信じるよう日本を欺こうとした。

“無条件降伏”って点は、注目に値しますよね。それは、相手を滅ぼすまでやるという宣言。それをアメリカが言えば、思い起こさせるのはインディアンを根絶やしにしてきたアメリカのことです。実際、第一次世界大戦あたりまでは、インディアンに対して根絶やし作戦を実行しているアメリカですからね。それを連想するのは当たり前です。男は殺されるか、奴隷にされ、女は慰み者にされるわけです。アメリカ人はほんの少し前までそうしていたわけです。

だから、徹底して戦わざるを得ないと考えるのが当たり前です。1943年1月のカサブランカ怪談で、ルーズベルトは無条件降伏まで戦うと宣言し、1943年11月のカイロ会談では米英中の間で確認されているわけです。

でも、世界に戦争を振りまいたルーズベルトが死んで、トルーマンになったわけです。その本の中に、トルーマンの二つのジレンマというのが紹介されています。
《ソ連参戦は、日本を降伏させるには必要だが、できれば阻止したい》
《日本には無条件降伏を押し付けたいが、終戦を早めるためには天皇制を存続させる必要がある》


しかし、ポツダム会談を前にして、《ソ連の参戦なしに日本を降伏させられる》、《天皇制存続には国務省・米軍幹部も同意している》と、トルーマンのジレンマは解消されていたのだそうです。ところが、大統領の“側近たち”に阻まれて、その重要情報がトルーマン大統領には伝わらなかったというのです。
“側近たち”こそが、ソ連の対日参戦をまねき、アメリカによる原爆投下を誘発した張本人たちということですね。この本にも、その名前が書かれていました。

そんな本があったことすら知らなかった。

・・・ったく、教科書書いている人、罪、重いよ!



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ウクライナから北方領土『民族問題』 佐藤優

ソ連の崩壊で東ヨーロッパという外堀が埋められちゃったからね。独立したとはいえ、いや独立したからこそ、“ロシア”にとってウクライナの重要性は、いよいよ高まったわけだな。東欧諸国が西向きになって、バルト三国は基本的にロシア嫌いってことになれば、何が何でも手放すわけにいかないのがベラルーシとウクライナということになる。

ベラルーシって言う国は、昔は“白ロシア”と習った。モンゴル人に支配された時代でも、モンゴル人の乗る馬は湿地帯の広がる、後の“白ロシア”には入っていけなかった。ロシアがモンゴル人の血でけがされていっても、それらの地域では白人の純血が守られた。俺たちは黄色人種後に汚されたロシアの連中とは違うってことで“白ロシア”を名乗るって、嫌な連中だな。

それに対してウクライナの語源はというと、「クライ」は囲い。「ウ」は傍。ウクライナで囲いの傍。なんとなく「向こうの方」ってような意味なんだな。つまりは、“田舎”、あるいは“辺境”ってこと。

人口5300万の内、ロシア人が1100万人もいる。もちろんロシア国境のウクライナ東部に多い。その地域では、住民のほとんどはロシア語を喋っていて、自分がウクライナ人であるかロシア人であるか意識する必要もない状況だったという。

ただ、ウクライナ人には、ロシア人とは違う歴史観がある。

ソ連時代、ロシアに組み込まれたウクライナ東部は農業集団化でのうちを取り上げられ、その抵抗に対するスターリンの嫌がらせで飢餓が400万人を超える状態となった。1930年代のウクライナの肉屋の店先には人間の肉がぶら下げられていたという。そこにヒトラーのドイツ軍が入ってきて、ウクライナ人部隊が結成される。その数30万。だけどソ連軍には200万人のウクライナ人がいて、ウクライナ人同士の戦いもあったらしい。戦後は西ウクライナにもソ連軍が入ってくる。最後までソ連に下ることを良しとしない人々は、カナダに移民したという。

2014年、ソチ五輪のさなか、ウクライナ民族派が武力クーデターに出て権力を握る。五輪期間中なら、ロシアと言えども介入はできないだろうと踏んでのことだった。権力を握った民族派はロシア語を公用語から外すと宣言した。翌日には撤回されるのだが、この宣言がウクライナ内戦の引き金になった。ロシア語が公用語から外されれば、東ウクライナでロシア語しかしゃべれない公務員はみんな解雇されることになるからだ。

東ウクライナの反発に、民族派のトゥルチノフ大統領代行は「行政機関を占拠しているのはテロリスト」と決めつけて、事もあろうに空爆をかけた。東ウクライナの人々は、これを持って武装を始めた。手を貸したのはロシアである。ロシア軍も協力した。しかし、全員が義勇兵という形を取らせていた。


『民族問題』    佐藤優

文春新書  ¥ 896

佐藤優の集中講座 「民族と国家は現代日本人の必修科目だ」
第一講 なぜ日本人は民族問題がわからないのか
応用問題 スコットランド独立運動を沖縄の目で見る
第二講 民族問題の専門家スターリン
第三講 「民族」は作られるか
補講 シュライエルマッハー ナショナリズムと目に見えない世界
第四講 ゲルナー『民族とナショナリズム』の核心
応用問題 ヘイト本の構造
第五講 民族理論でウクライナ問題を読み解く
応用問題 エスノクレンジング
第六講 民族理論で沖縄問題を読み解く

そうか。ロシアは国境線が長いのか。北側は北極海に面しているとは言っても、アジアからヨーロッパまで、ほぼ、ユーラシア大陸を縦断する国境線を持ってるんだから、長すぎるよね。まったく、遠慮ってものがない。

そういう遠慮のない国だから、国境線の向こう側の国と、当たり前に行けば仲良くなれるはずがない。遠慮のない国だから、それを自分のせいとは思わない。だから、国境の向こうの国とは永遠に仲良くなれない。ロシアにとって外国とは、敵か、支配下国かのいずれかということになる。

ロシアとしても、のべつ幕なし国境争いをしているわけにもいかないから、出来得る限り、国境線の向こう側には支配下国を衛星化しておきたい。ウクライナ問題ってのも、本質的にはその辺に原因がある。

北方領土問題を考える時、この認識は極めて重要だと、著者の佐藤さんはいう。

歯舞・色丹・国後の三島返還論はそういう意味があったのか。面積で分けるっていうのは日本人なら受け入れやすいけど、そうすると択捉島に国境線が引かれることになるわけで、国境線の向こうに敵を抱えることを嫌がるロシア相手にはより困難な解決法ということになる。陸上の国境をロシアと共有しないことは、日本の安全保障から言っても重要かもね。




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琉球『民族問題』 佐藤優

2010年の9月、尖閣諸島の周辺海域をパトロールしていた巡視船が、チャイナの漁船に体当りされたことがあった。海上保安庁は、その漁船の船長のシナ人を公務執行妨害で逮捕し石垣島へ連行した。中国共産党政権は北京駐在の丹羽宇一郎大使を呼び出し厳重抗議した。相変わらずの分けの分からないやり方に多くの日本人が憤った。

北京駐在大使にしてもそうだけど、総理大臣は菅直人。外務大臣の前原はともかく、官房長官が仙谷由人と、今考えると背筋がゾッとするようなメンバー。

この人たちは、なんと中共政権からの容疑者釈放要求を受けると、まずは船員や漁船を帰してしまった。さらに中共政権から報復を含む強行措置を受けると、ビビって逮捕した船長まで返してしまった。あんときは本当にびっくりしたなー。

当たり前だけど、みんな怒ったよね。

その後も中共政府は図に乗って、なおも日本に謝罪を要求してきた。本当にシナ人というのは一歩譲ると、どこまでもつけあがる。国会では、衝突の際の映像を明らかにするように政府に要求したが、なにが都合悪いのか、菅直人や仙谷由人はのらりくらり。本当に、あいつら中共の手下かと思ったよね。

しばらくしてから、海上保安庁が保管してた映像の核心部分がYouTube上に流出した。流したのは悔しさに耐えかねた海上保安官だった。保安官は退職願を提出し受理された。国家公務員法守秘義務違反容疑は不問。だって、シナ人の船長だって返しちゃって、保安官だけ裁くわけにいかないよね。


この時、この本の著者の佐藤さんは、この保安官を起訴しなかったことを批判したんだよね。たしか、1932年の五・一五事件を引き合いに出していた。あのクーデターは犬養毅首相を殺害しておきながら、政財界の腐敗に義憤を抱いた青年将校たちの義挙として同情を集め、判決は世論に流された。それが二・二六事件の誘引となったのも確か。だから、実力組織である海上保安庁の一員なら、より服務規程に厳格でなければならない。それが佐藤さんの理屈。

私もあの映像が流出して、それが海上保安官が流出させたということを知った時、ちょっとそれを考えた。だけど、状況が違う。自らの服務規程に忠実であることが、日本国民の安全に大きな不安をもたらす可能性が高い状況だった。それでも服務規程に忠実であるべきだよ。だから、それをやぶった彼は海上保安庁を退職した。私は、彼が受ける社会的制裁は、それくらいでいいと思う。

『民族問題』    佐藤優

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佐藤優の集中講座 「民族と国家は現代日本人の必修科目だ」
第一講 なぜ日本人は民族問題がわからないのか
応用問題 スコットランド独立運動を沖縄の目で見る
第二講 民族問題の専門家スターリン
第三講 「民族」は作られるか
補講 シュライエルマッハー ナショナリズムと目に見えない世界
第四講 ゲルナー『民族とナショナリズム』の核心
応用問題 ヘイト本の構造
第五講 民族理論でウクライナ問題を読み解く
応用問題 エスノクレンジング
第六講 民族理論で沖縄問題を読み解く


以前から思ってたんだけど、佐藤さんは、少し原理原則に縛られすぎるきらいがある。特に、上記の出来事のときにはそう感じた。

第一章のおまけに《スコットランド独立運動を沖縄の目で見る》という“応用問題”が付いている。2014年のスコットランド独立に関する住民投票に関して、日本の新聞は、これをナショナリズムの問題ではなく経済格差の問題ととらえ、英政府の格差是正策によって沈静化していくものととらえていたという。

そんな中、琉球新報だけが、逆の捉え方をしていたらしい。住民投票の自治権拡大の約束の結果が独立賛成45%、反対55%という数字だから、上澄みのほんの数%が動いた結果にすぎないということらしい。「現状+αならばイギリスにとどまる」という判断をした人たちが、決定権を握っていたということだ。なら、今後の動き次第で、賛成派が勢いを持つ状況も、たしかにあり得るね。

佐藤さんは、そのスコットランドと沖縄を関連付ける。《「大多数の日本人」は問題の本質を理解できていないと思います》と佐藤さんは言うんだけど、「大多数の日本人」は沖縄の抱える問題に心を痛めていると、私は思う。佐藤さんの言うように、《スコットランドで起きていることは、すぐに沖縄で起きてもおかしくはない》と言うが、私はそうは思わない。

ここでも、すこし杓子定規にとらえ過ぎじゃないかな。それが私の認識不足で、もしもそこまで沖縄が独立を願っているなら、仕方がないと思う。




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『ニュースの“なぜ?”は世界史に学べ2』 茂木誠

私の一日は国際ニュースのチェックから始まる。まあ、主なニュースだけだけどね。新聞はめんどくさいから、全部ネットニュース。テレビのニュース番組はあんまりにもひどいからね。だけど、ネットの世界は嘘ニュースばっかりがあふれかえってるような状態だよね。だから、無難なところしか手を出さない。この無難なところが偏ってるんだから、今のニュースは受け取ってからしばらく様子を見て判断するくらいの気持ちが必要。・・・これ、絶対必要。

国際ニュースの中でも、国際関係、政治の動きの背景には、必ずお金の動きがある。国際関係や政治の動きはよくニュースになるけど、お金の動きはあまりニュースにならない。地味だし、人の関心を引きにくいしね。それにチャイナをはじめとして、発表される数字がすでに誤魔化されているから、やっぱりこれも、受け取ってからしばらく様子を見る必要がある。だけど、これをチェックしておくと、あとからジワジワ生きてくる。

あとは、継続してみていくことかな。

そうそう、もう一つ必要なことがある。この本みたいな、国際関係や世界史に通じた人の本を読む。だったら最初っからそれらの人の本を読めばいいかと言うと、そういうことにはならない。

いろいろな角度からニュースを受け取って、熟成させて、偽物を見極めていく。そういうことを継続していると、私なんかが言うのもおこがましいが、それなりの判断基準が生まれてくる。そういう状態でこういう本を読むと、もちろん、「え~?」ってこともあるけど、理解が深まるような気がする。そういう意味で、この本、とても面白く読ませてもらった。



SB新書  ¥ 820

人気シリーズ第二弾!  日本の生き残りに関心を持つすべての人に本書を薦める
第1章 閉じこもる斜陽の超大国、アメリカ
第2章 イギリスのEU離脱と、ヨーロッパの暗い未来
第3章 朝鮮半島クライシスと中国、そして日本


他国との間の領土問題は、現在、相手国が実質支配している場合、戦争をして奪い取るか、相手国が崩壊、またはそれに近い状況になったときに、相手の弱みに付け込んで取り戻すしかない。

だから、北方領土は取り戻せない。戦争をするなら、日本も核武装をして、やりあう覚悟が必要になる。それならロシアの再崩壊を待つ方が現実的に思える。

竹島も取り戻せない。近代に入ってあの民族と戦争をしたことはないが、ないことをあるかのように言い立てる彼らのことを考えると嫌になる。・・・すごい。民族性だけで、戦争の抑止力になっている。恐ろしい人たちだ。北朝鮮崩壊は遠くないだろうから、その時の難民流出を阻止するために、逆李承晩ラインを設定して、竹島を抱え込むか。

ここのところ相次いでいる、北の木造船漂着を考えると、難民流出は現実味を帯びてくる。漂流木造船の中には、人目につかないうちに上陸しているなんてケースもあるのではと心配になる。

どうせ海上封鎖線を敷くなら、竹島は取り込もう。やられたことの万分の一をお返しするくらいいいだろう。

北朝鮮にしてもそうだけど、追い詰められた国ほど声がでかい。動きが目立つ。いま、国際ニュースを見ていて、毎日話題を提供しているのが、実は北朝鮮以上にチャイナなんだよね。

あの国、だいぶ追い詰められているんだろうと思う。この本でも、同様のとらえ方をしているみたい。




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『ニュースの“なぜ?”は世界史に学べ2』 茂木誠

ソ連が崩壊した時、そりゃ私も「ざまぁねえな」とかって思ったけど、あのあとのロシアは、社会主義から自由主義に変わって、ずいぶん可愛そうなことになってたらしい。新生ロシアの初代大統領がエリツィン。その時、グローバリズムの波が一気に押し寄せ、石油や天然ガスなどのロシアの地下資源が買い叩かれた。やったのはもちろん、国際金融資本。国営企業の民営化で大規模なリストラが行われ、年金制度も破綻して、ロシア国民は惨めな境遇に落とされた。

あの時なら、間違いなく北方領土も買い戻すことができたろうな。それはロシア人のためでもあったと思うよ。だって、国際金融資本っていうのは、ああいう場合、ハイエナよりもたちが悪いよ。

プーチンは、国際金融資本に対して強権を発動し、脱税などの容疑で脅しをかけて、奪われたロシアの資産を取り戻していった。時代に逆行して外資を締め出し、資源輸出で稼いだ金を国民に還元した。

ロシア国民は、プーチンのお陰で誇りを取り戻した。
時事ドットコム 2017/12/06
ロシア選手団の派遣認めず=IOC、個人資格には道-平昌冬季五輪
https://admin.blog.fc2.com/control.php?mode=editor&process=load&eno=5178
(冒頭)
【ローザンヌ(スイス)時事】国際オリンピック委員会(IOC)は5日、スイスのローザンヌで理事会を開き、組織的ドーピングによりロシア・オリンピック委員会(ROC)を資格停止とし、来年2月の平昌冬季五輪への選手団派遣を認めないことを決めた。 
(続きを読む)に全文  
国際金融資本によって踏みにじられたロシア人の誇りは、なんとしても取り戻さなければならなかった。

私はこの出来事を、そういうふうに理解しているんだけど。



SB新書  ¥ 820

人気シリーズ第二弾!  日本の生き残りに関心を持つすべての人に本書を薦める
第1章 閉じこもる斜陽の超大国、アメリカ
第2章 イギリスのEU離脱と、ヨーロッパの暗い未来
第3章 朝鮮半島クライシスと中国、そして日本

プーチンは、国際金融資本をロシアから締め出した。国際金融資本にしてみれば、なんとしても引きずり下ろしたい相手だけど、ロシアでの人気は絶大。プーチンは反グローバリズム、すなわちローカルの旗手。究極のローカルの立場にあるのがイスラム。オバマ政権がイスラム世界に火種を持ち込んで燃え上がらせたアラブの春。ヒラリー・クリントンが大きな役割を果たした。

国際金融資本は、ニューヨークのウォール街を拠点とする金融機関。ユダヤ人がどうのこうのと言われるが、「紙に書かれた契約を頼りに金で勝負」っていうのは、なにもユダヤ人だけじゃない。世界からお金をかき集めるために、「国境線はいらない」というのが基本的なスタンスで、だからオバマ政権時代に日本にもTPPを仕掛けてきて、日本のローカル路線を取っ払い、グローバル・スタンダードを受け入れさせようとした。

グローバル・スタンダードの原点は国際連盟で、ウッドロー・ウィルソン民主党大統領が働きかけた。国境を越えて世界政府を作ろうとした。モンロー主義の伝統に立つ共和党の反対で、国際連盟は成立したものの、アメリカは加わらなかった。ウィルソンの次の民主党大統領がフランクリン・ルーズベルトで、国際連盟を国際連合に改組した。

最近、国連に関係した国際機関が、やたらと世界に国際基準を押し付ける。なんか、とても鬱陶しく感じる。とにかく、そんなわけで、国際金融資本と米民主党というのは肌が合う。グローバリズム推進ということでは、完全に利害が一致している。戦後においても、日本は民主党政権に何度も煮え湯を飲まされた。

そんな民主党を叩いて登場したのが、ドナルド・トランプ。トランプは反グローバルの旗を掲げた。米メディアのトランプ攻撃には凄まじいものがあるが、そのメディアを行事るのは豊富な資金を広告費に投じる国際金融資本。国際金融資本、民主党、メディアは親和しやすい。もちろん、トランプ政権は国際金融資本ともうまく付き合っていくんだろうが。

日本は・・・?って考えると、「世界でも唯一」、「世界でも日本だけが」って国だから、グローバル・スタンダードはとても受け入れられない。第一、クジラが食えなくなる。ローカルって意味では、イスラム並み。




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『経済は地理から学べ』

「日本にとって重要な国・地域はどこだ?」なんて、考えてるだけじゃ観念論に紛れ込むだけ。一回迷い込んだら、その迷路から脱出するのはけっこう大変なんだよね。そのまま一生を過ごすやつもいくらでもいるしね。だけど、こういうものを突きつけられれば、絶対にそっちの迷路に入らずに済む。

たとえば・・・

《日本の原油輸入相手国》
サウジアラビア、アラブ首長国連邦、ロシア、カタール、クウェート、インドネシア、イラク、メキシコ、ベトナム
太平洋戦争直前の1935年の最大輸入国はアメリカ合衆国。輸入量420万4000kl中274万9000klで、65.4%。
現在の日本は、OPECへの依存度が84.9%(2015)と非常に高い。近年はロシアからの輸入が増えていて、10%に近づいている。

《日本の石炭輸入相手国》
オーストラリア、インドネシア、ロシア、カナダ、アメリカ合衆国、中国
オーストラリアからの輸入は輸入量の65%を占めていて、日本にとって欠かせない資源供給国。近年は、インドネシアからの輸入が増えていて、1990年には93万5000トンだったものが、2015年には3263万2000トンに増えている。

《日本の液化天然ガス輸入相手国》
オーストラリア、マレーシア、カタール、ロシア、インドネシア、アラブ首長国連邦
2010年のLNG輸入量が約7000万トンだったものが、2014年には8851万トンへと26%増加した。なかでもロシアからの輸入が603万トンから845万トンへと増えている。

《日本の鉄鉱石輸入相手国》
オーストラリア、ブラジル、南アフリカ共和国、カナダ、インド、ロシア、ウクライナ

日本の資源輸入相手国を考えてみると、東南アジアとオーストラリアの重要性が見えてくる。鉄鉱石や石炭、天然ガスなど、日本はオーストラリアから多くの資源を輸入している。

資源は、商品としては、付加価値がほとんどないことから、本来価格が安い。問題となるのは輸送費である。そのため、価格の安い船舶による輸送に頼ることになる。オーストリアからの輸送となると、当然、東南アジアは日本にとって重要なシーレーンということになる。

一方、原油や天然ガスに関しては、ロシアへの資源依存が急速に進んでいる。


ダイヤモンド社  ¥ 1,620

著者は予備校で人気の先生 地理は「地球上の理」を指針に現代世界の疑問を解き明かす

序章  経済をつかむ「地理の視点」
第1章  立地 地の利で読み解く経済戦略
第2章  資源 資源大国は声が大きい
第3章  貿易 世界中で行われている「駆け引き」とは?
第4章  人口 未来予測の最強ファクター
第5章  文化 衣食住の地域性はなぜ成り立つのか?
おわりに 地理とは、いったい何を学ぶ科目なのか?



インドにおける近代産業の発展を引っ張るのはIT産業である。カースト制度はインドの近代化の足を引っ張っているのは確かなことであるが、IT産業はカースト制度には規定のない職業であったことが大きい。

グローバルの背景にはローカルがある。

《資源戦争 チャイナV.S.オーストラリア・ブラジル》
鉄鋼業は、製鉄部門、製鋼部門、圧延部門の総称である。製鉄部門は“鉄鉱石”を溶かして“銑鉄”を製造する。製鋼部門は、“銑鉄”から炭素を取り除いて“鉄鋼”を製造する。この段階では加工する前なので“粗鋼”と呼ばれる。圧延部門は、“鉄鋼”を圧延して“鋼板”、“鋼管”などの“鋼材”に加工する。

チャイナの高度成長を支えた産業の一つが鉄鋼業であるが、それは粗鋼を生産するまでの製鉄部門・製鋼部門であった。2003年には粗鋼生産量で日本を上回り、世界最大の粗鋼生産国になった。

ところが、2013年、チャイナの経済成長に陰りが見え始める。もともとチャイナ産の鉄鉱石は鉄含有量が少なく、その分採掘コストが相対的に高い。そこへ、成長鈍化による鉄鉱石需要の縮小が重なって、採掘コストの高い国産鉄鉱石が嫌われ、外国産の鉄鉱石への指向が高まる。

2014年、ついに粗鋼生産量は34年ぶりに前年を下回った。鉄鉱石余りの減少は顕著となり、鉄鉱石の価格が低下する。にもかかわらず、オーストラリアやブラジルは鉄鉱石を増産した。・・・何が起こっていたのか。

チャイナとは逆に、オーストラリアやブラジルの鉄鉱石は鉄含有量が多く、採掘コストが安い。そこで価格の下落というリスクを取りながら増産することにより、チャイナの鉄鉱石を市場から締め出している。増産により価格を低下させることで、社会市場におけるシェアを増大させようとしているのだ。そのようにして鉄鉱石の寡占化を進めることが、背景にある。

価格の低下にもかかわらず、サウジアラビアが原油を増産することで、アメリカのシェールオイル業者を市場から退場させたのと同じ構図だ。

チャイナに関していえば、中国共産党大会が2017年秋に行われる。そこで支配の基盤強化を狙う習近平は、経済の破綻を表面化させない手段の一つとしてインフラ整備を加速させた。それにより鉄鉱石の再増産が始まったが、それは市場の需要に促されたものではなく、あくまでも政治的な都合によるものであった。当然、鉄鉱石はだぶつき、輸出に回され、世界の鉄鉱石価格や鋼材価格を低下させ、世界経済の悪影響を与えた。




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『誰が第二次世界大戦を起こしたのか』 渡辺惣樹

この本を材料に、すでに何回か書いているのに、「いまさら」って言わないでね。読んでいるうちに、ついつい、その都度書き残しておきたくなってしまってね。でも、ちゃんとこの本の紹介はしてなかった。・・・と、言うことで。

フーバーは、真珠湾攻撃の段階で、ルーズベルト大統領が何かやらかしたということを直感したらしい。FDRは、ニューディールによる経済政策の失敗に直面していた。この失敗は致命的なもので、埋め合わせるためには戦争しかない状況だった。しかし、大統領選挙の公約により、ヨーロッパの戦争には参加できない。

ベルサイユ条約のゆがみを取り戻そうとするドイツを東進させることは、英にとって暗黙の了解事だった。ところが、ドイツがポーランド回廊とダンツィヒを要求した時点で、ドイツの圧力に対抗すべくもないポーランドがなぜか突っ張ってきた。背景にはFDRの圧力があった。圧力は英仏にもかかっていた。これが第二次世界大戦の原因である。

1940年11月、FDRはアメリカ史上初の大統領三選を果たした。「アメリカの若者を船上には送らない」という嘘の公約を引っ提げての快挙だった。大統領選を前にして、FDRは必死に国民に訴えた。「ドイツがやってくる。ドイツはアメリカ大陸にやってくる」と国民にドイツへの恐怖を植え付けようとした。「参戦しなければ民主主義はこの世から消える」と国民にドイツとの対決の決意を求めた。

それでもアメリカ国民は、ヨーロッパの戦争には参加しないことを求めた。投票日を前にして、FDRは以下のように演説したという。
《今私の話を聴いている父や母の皆さんに、もう一度はっきり申し上げる。私はこれまでも述べてきたように、そしてこれからも何度でも繰り返すが、あなた方の子供たちが外国の地での戦争に送り込まれることは決してない》



草思社  ¥ 1,836

ヒトラー、チャーチル、ルーズベルト… 悲劇の元凶はいったい誰だったのか?
第一章 ハーバート・フーバーの生い立ち
第二章 『裏切られた自由』を読み解くー共産主義の拡散とヨーロッパ大陸の情勢
第三章 『裏切られた自由』を読み解くーチェンバレンの「世紀の過ち」とルーズベルトの干渉
第四章 『裏切られた自由』を読み解くールーズベルトの戦争準備
第五章 連合国首脳はなにを協議したのか

そんなFDRの次善の策が、武器貸与法だった。「アメリカ防衛に役立つと考えられる場合は、外国政府に、旧式新式を問わずあらゆる武器を、ほぼ無制限で供給できる権限を大統領に与える」ものであった。この法律の成立で、アメリカから武器貸与を受けた大口国家は、イギリスとロシアである。

アメリカに圧力をかけられてドイツと戦う羽目になったものの、前任のチェンバレンはベルサイユ条約のゆがみを取り戻すドイツが、東へ向かう限り、それを容認していた。そのドイツと戦う羽目になって退陣し、あとをチャーチルに譲った。しかし、FDRと同様、チャーチルも狂っている。

《ソ連が犯した過去の罪、愚かな行為とそれが生み出した悲劇。こんなものは水に流す。いまロシアの兵士が、太古の昔から祖先が耕してきた大地を必死に守っている。そして兵士の母や妻が祈りをささげている。愛する者が無事に帰ってくるように、家族を守る稼ぎ手が傷つかないように祈っている。ナチスの支配と戦う人々、あるいはそれと戦う国を、わが英国は惜しみなく支援する。いかなる国家いかなる人間も、ヒトラーと手を携える限り我が国の敵である》

これじゃあ、フーバーの言う通り、ただ「敵の敵は味方」というだけのことだ。

そして武器隊予報という次善の策を成立させるのと並行して、FDRはもう一つの手を打っていた。フーバーはその動きに懸念を持っていた。だからこそ、真珠湾攻撃の段階で、FDRが何かやらかしたということを直感したのだ。しかし、その段階のフーバーは、FDR政権が日本をそんなにも追い詰めていること、最終的には最後通牒であるハル・ノートを付きつけつ日本を追い込んだことを知らない。

“知らない”が、そこにFDRの陰湿な関与を感じ取ったフーバーは、その後、FDR外交の実態を明らかにするための長い戦いを始めた。その作業は20年にわたり、最終原稿を完成させ、出版を目前にして、1964年にフーバーは亡くなった。その本がようやく出版にこぎつけたのは2011年。その日本語版が今年出た『裏切られた自由』である。

この本は、『裏切られた自由』を紹介するために書かれたものであり、同時に『裏切られた自由』のガイドでもある。・・・そういう位置付けて書いたと著者が言っている。ちなみにその著者である渡辺惣樹さんこそが、『裏切られた自由』日本語版の訳者であるそうだ。渡辺さん、本当に大活躍だな。




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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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