めんどくせぇことばかり 本 近現代世界

『誰が第二次世界大戦を起こしたのか』 渡辺惣樹

この本を材料に、すでに何回か書いているのに、「いまさら」って言わないでね。読んでいるうちに、ついつい、その都度書き残しておきたくなってしまってね。でも、ちゃんとこの本の紹介はしてなかった。・・・と、言うことで。

フーバーは、真珠湾攻撃の段階で、ルーズベルト大統領が何かやらかしたということを直感したらしい。FDRは、ニューディールによる経済政策の失敗に直面していた。この失敗は致命的なもので、埋め合わせるためには戦争しかない状況だった。しかし、大統領選挙の公約により、ヨーロッパの戦争には参加できない。

ベルサイユ条約のゆがみを取り戻そうとするドイツを東進させることは、英にとって暗黙の了解事だった。ところが、ドイツがポーランド回廊とダンツィヒを要求した時点で、ドイツの圧力に対抗すべくもないポーランドがなぜか突っ張ってきた。背景にはFDRの圧力があった。圧力は英仏にもかかっていた。これが第二次世界大戦の原因である。

1940年11月、FDRはアメリカ史上初の大統領三選を果たした。「アメリカの若者を船上には送らない」という嘘の公約を引っ提げての快挙だった。大統領選を前にして、FDRは必死に国民に訴えた。「ドイツがやってくる。ドイツはアメリカ大陸にやってくる」と国民にドイツへの恐怖を植え付けようとした。「参戦しなければ民主主義はこの世から消える」と国民にドイツとの対決の決意を求めた。

それでもアメリカ国民は、ヨーロッパの戦争には参加しないことを求めた。投票日を前にして、FDRは以下のように演説したという。
《今私の話を聴いている父や母の皆さんに、もう一度はっきり申し上げる。私はこれまでも述べてきたように、そしてこれからも何度でも繰り返すが、あなた方の子供たちが外国の地での戦争に送り込まれることは決してない》



草思社  ¥ 1,836

ヒトラー、チャーチル、ルーズベルト… 悲劇の元凶はいったい誰だったのか?
第一章 ハーバート・フーバーの生い立ち
第二章 『裏切られた自由』を読み解くー共産主義の拡散とヨーロッパ大陸の情勢
第三章 『裏切られた自由』を読み解くーチェンバレンの「世紀の過ち」とルーズベルトの干渉
第四章 『裏切られた自由』を読み解くールーズベルトの戦争準備
第五章 連合国首脳はなにを協議したのか

そんなFDRの次善の策が、武器貸与法だった。「アメリカ防衛に役立つと考えられる場合は、外国政府に、旧式新式を問わずあらゆる武器を、ほぼ無制限で供給できる権限を大統領に与える」ものであった。この法律の成立で、アメリカから武器貸与を受けた大口国家は、イギリスとロシアである。

アメリカに圧力をかけられてドイツと戦う羽目になったものの、前任のチェンバレンはベルサイユ条約のゆがみを取り戻すドイツが、東へ向かう限り、それを容認していた。そのドイツと戦う羽目になって退陣し、あとをチャーチルに譲った。しかし、FDRと同様、チャーチルも狂っている。

《ソ連が犯した過去の罪、愚かな行為とそれが生み出した悲劇。こんなものは水に流す。いまロシアの兵士が、太古の昔から祖先が耕してきた大地を必死に守っている。そして兵士の母や妻が祈りをささげている。愛する者が無事に帰ってくるように、家族を守る稼ぎ手が傷つかないように祈っている。ナチスの支配と戦う人々、あるいはそれと戦う国を、わが英国は惜しみなく支援する。いかなる国家いかなる人間も、ヒトラーと手を携える限り我が国の敵である》

これじゃあ、フーバーの言う通り、ただ「敵の敵は味方」というだけのことだ。

そして武器隊予報という次善の策を成立させるのと並行して、FDRはもう一つの手を打っていた。フーバーはその動きに懸念を持っていた。だからこそ、真珠湾攻撃の段階で、FDRが何かやらかしたということを直感したのだ。しかし、その段階のフーバーは、FDR政権が日本をそんなにも追い詰めていること、最終的には最後通牒であるハル・ノートを付きつけつ日本を追い込んだことを知らない。

“知らない”が、そこにFDRの陰湿な関与を感じ取ったフーバーは、その後、FDR外交の実態を明らかにするための長い戦いを始めた。その作業は20年にわたり、最終原稿を完成させ、出版を目前にして、1964年にフーバーは亡くなった。その本がようやく出版にこぎつけたのは2011年。その日本語版が今年出た『裏切られた自由』である。

この本は、『裏切られた自由』を紹介するために書かれたものであり、同時に『裏切られた自由』のガイドでもある。・・・そういう位置付けて書いたと著者が言っている。ちなみにその著者である渡辺惣樹さんこそが、『裏切られた自由』日本語版の訳者であるそうだ。渡辺さん、本当に大活躍だな。




にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。

続きを読む

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

開戦『誰が第二次世界大戦を起こしたのか』 渡辺惣樹

《1939/3/31 チェンバレンのポーランド独立保障宣言》
私は今、議会に次のように報告しなければなりません。ポーランドの独立を脅かす行動があり、ポーランド政府が抵抗せざるを得ないと決めたときに、わがイギリス政府は、ポーランド政府を全面的に支援する義務があります。ポーランド政府にはそのように伝えてあります。フランス政府も同様の立場であることを付言しておきます。同政府は、私がこの場でこのように発言することを承知しております。
んんん、こういう歴史のしっかりした資料を、丹念に当たっておくことが肝心なんだな。日本の世界史の教科書なんかじゃ、この辺は「ドイツが悪い」とイメージだけを先行させて、内容のないものになってしまっている。

東京書籍《世界史B》
ドイツは、1938年3月にオーストリアを併合し、さらにチェコスロバキア内のドイツ人居住地区ズデーテン地方の割譲を要求した。チェコスロバキアはこれを拒否したが、イギリス首相ネヴィル・チェンバレンは38年9月、フランス首相とともにヒトラー、ムッソリーニとミュンヘン会談を行って、ドイツの要求に譲歩した。この英・仏宥和政策に乗じて、ドイツは翌年39年3月、チェコスロバキアを解体し、イタリアも4月にはアルバニアを併合した。

ドイツはさらに、ポーランドにダンツィヒ市(現グダニスク)の返還とポーランド回廊を横断する陸上交通路を要求した。東西の二正面作戦を避けたいドイツは、39年8月独ソ不可侵条約を結んで、世界を驚かせた。こうしてドイツ軍は、39年9月1日、ポーランドに侵攻した。宥和政策の失敗を悟った英・仏は、9月3日にドイツに宣戦し、第二次世界大戦がはじまった。
この世界史の教科書の書き方では、本当のことが書かれていないことになる


草思社  ¥ 1,836

ヒトラー、チャーチル、ルーズベルト… 悲劇の元凶はいったい誰だったのか?
第一章 ハーバート・フーバーの生い立ち
第二章 『裏切られた自由』を読み解くー共産主義の拡散とヨーロッパ大陸の情勢
第三章 『裏切られた自由』を読み解くーチェンバレンの「世紀の過ち」とルーズベルトの干渉
第四章 『裏切られた自由』を読み解くールーズベルトの戦争準備
第五章 連合国首脳はなにを協議したのか

ハーバート・フーバー元米大統領は、1938年3月22日に英首相ネヴィル・チェンバレンと会談した。その時、チェンバレンは《ヒトラーは東へ向かい、スターリンと衝突する》というフーバーの考えに同意していたという。つまり、この段階で、ドイツがのちにズデーテン地方を要求して東に向かうことは既定の路線であり、ミュンヘン会談も予定通りの決定であったわけだ。

その既定路線が変わったのは、F・D・Rによる圧力だった。F・D・Rは、駐英大使ジョゼフ・P・ケネディに、チェンバレンへの圧力をかけさせていた。F・D・Rがチェンバレンに対ポーランド独立保障を出させることに成功すると、今度はウィリアム・ブリット駐仏大使を通して、ポーランドに対ドイツ強硬策を取らせた。そうすることで、ダンツィヒ、ポーランド回廊問題を、ヒトラーとの外交交渉によって解決する道を閉ざしたのだ。

英仏によるポーランド独立保障によってヒトラーがポーランドに対する要求を貫徹すれば、西部戦線において英仏との戦いが発生する。ヒトラーはポーランドに対する要求を貫徹すると同時に、スターリンとの間に協定を結び、東部戦線での戦いを回避する必要が出てきた。

これはスターリンにとって願ってもない状況だった。スターリンは英仏の側にも、ヒトラーの側にも、どちらにも与することができる立場に立った。戦うか戦わないかも選択できた。ヨーロッパのパワーバランスは、一気にソ連に傾いた。これもF・D・Rのおかげであった。

ロシアの要求を英仏は蹴った。フィンランド・バルト三国・東プロシア・ベッサラビア・ブコビナすべての併合を、ソ連に許すわけにはいかないからだ。英仏との決裂と同時に、ヒトラーとスターリンが握手した。

しかし、不可侵条約成立後もヒトラーは、ポーランドとの交渉によって領土問題を解決しようと努力した。ヒトラーはネヴィル・ヘンダーソオン駐ベルリン英国大使に接触し、以下のことを伝えている。
ドイツの要求はダンツィヒ回復とポーランド回廊問題の解決で十分である。英国との戦いは望んでおらず、旧ドイツ領の回復は、“交渉の継続”でかまわない。

8月31日、ドイツ軍がポーランド国境に布陣している中でも、ヒトラーはポーランドに交渉を持ちかけている。英仏の独立保障と米国による厚い支援の約束を背景に動きの鈍いポーランドに対し、ドイツは9月1日に侵攻を開始する。

世界史の教科書は、そう書いてほしい。




にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。

続きを読む

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

労働観『住んでみたドイツ 8勝2敗で日本の勝ち』 川口マーン惠美

方向性は違うけど、たしかにドイツ人というのは真面目な人たちなんだな。理屈にあった社会をきちんと作ろうとする姿勢には、頭の下がる思いまで湧いてくる。日本人は、そのへんの理屈っていうのが苦手・・・というか、嫌いだからね。

休暇のとり方なんて、その違いを如実に表している。有給休暇っていうのは自分のために使うべき休暇だよね。ドイツ人は、風邪引いたら、しっかり病休をとるって。風邪引いて有給使う人はいないってさ。逆に、日本人なら、風邪程度で病休取る人は、私のまわりにはいないな。よっぽどじゃなければ休みさえしないからね。まあ、休んだ場合、自分であとから埋め合わせるか、誰かに背負い込んでもらうことになるからね。

ドイツは有給が30日あって、まず残す人はいないって。それも、10日とか20日とかまとめて取って、リフレッシュしてるって。ただ、ドイツ人は真面目すぎて、その休暇を無駄なくギリギリまで使うため、ヘトヘト状態で休暇明けを迎える場合も少なくないらしい。そして休暇が開ければ、次の休暇に向かって準備を始め、休暇におわれるはめになる人もいるらしい。

だけどドイツでは、みんながそれだけ休んでも、仕事が回るようなシステムづくりをしてあるらしいね。働く人の権利が、しっかり回るようなシステムも整備するあたりは、偉いもんだな。理屈が通ってるよね。日本なんか、形だけ“労働者の権利”を取り入れたって、もしみんながみんな、それを行使しようとしたら、たちまち仕事が回らなくなるもんね。「まあまあ、そのへんは・・・」で終わっちゃってるんだよね。

医者もそうなんだって。うちの近所では、小児科の先生は休みが少ないな。逆に、耳鼻科の先生は盆暮れ正月に春秋の長期休暇は欠かさない。一週間は平気で休みにするから、かかっている人はけっこう困ったりする。それがドイツでは、医者も夏にはたいていニ~三週間いなくなるって。ただ、知らずに電話すると、留守電が代行の医者を教えてくれるって。

なんにしろ、ドイツはいつでも誰かが休暇中で、それを前提とした代行システムができているということだ。



講談社プラスα新書  ¥ 905

宣伝が下手。そのせいで、日本は、実態のほうがイメージよろも良い、唯一の国
  • 第1章 日本の尖閣諸島、ドイツのアルザス地方
  • 第2章 日本のフクシマ、ドイツの脱原発
  • 第3章 休暇がストレスのドイツ人、有休をとらない日本人
  • 第4章 ホームレスが岩波新書を読む日本、チャンスは二度だけのドイツ
  • 第5章 不便を愛するドイツ、サービス大国の日本
  • 終 章 EUのドイツはアジアの日本の反面教師

お互い敗戦国。そして、戦後のなにもないところから世界トップの経済大国にのし上がった点も同じ。でも、大きく違う点があるとマーンさんは指摘している。

日本人が自分たちで必死で働いて軌跡の復興を成し遂げたのに比べて、ドイツは人手不足が始まった早い段階で外国人労働者を導入したんだそうだ。1955年にイタリア、1060年にはギリシャとスペイン、61年にトルコ、63年にモロッコ、64年にポルトガル、65年にチュニジア、68年に旧ユーゴと言うように、次々に各国政府と労働者受け入れの協定を結んだ。

国際市場に競争力のある製品を送り込むためには、低価格は大きな武器であり、企業は安い労働力を求め、政府はそれに応じた。1970年代には出稼ぎの単純労働者の数は300万人に迫ったそうだ。これがドイツ経済発展の原動力だったんだな。

ところがドイツの経済発展は、そこをピークにして止まる。失業した外国人労働者は、意に反して自国に帰ろうとしなかった。彼らの国は、依然として貧しかった。仕事のないドイツの方が、まだましな生活が遅れるなら、自国に帰る意味はなかった。社会保障費を支えてくれるはずだった外国人労働者が、今度は社会保障費を食いつぶす存在に変わったんだそうだ。

実際に食いつぶされるかどうかはともかくとして、入ってきたのは大量の単純労働力だったから、そこに自然とドイツ人労働者の仕事と外国人労働者の仕事の区分ができちゃったんだな。

どこを見ても、単純な作業労働に従事するのは外国人労働者で、高度な技術を有する仕事や知能労働はドイツ人ということなるわけだ。一つの国の中でそういう区分が出来上がることは、決して好ましいことじゃない。そこから突発的に発生する事件もあるだろうし、長い時間をかけて堆積するさまざまな感情も、いつか必ず目に見える形で問題となってくるだろう。

マーンさんの言う通り、日本は外国人労働力に頼らずに高度経済成長を成し遂げた。ありとあらゆる仕事において、それを遂行することで社会に貢献してきたのは、基本的に日本人だ。

日本人にとって、自分の仕事に一所懸命になるってことは、いわば仏道と同じ。たしか、鈴木正三がそう言ってたような。ならば、職業に貴賎なんて、あるはずもない。そう思えることはありがたいことだな。

いま、少子高齢化の進行とともに社会が変わろうとしているが、そのへん、もう一度よく考えていった方がいいな。




にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

『住んでみたドイツ 8勝2敗で日本の勝ち』 川口マーン惠美

本を読んでいても胸がときめかない時がある。そんなときに無理やり本を読んでいると、それなりの時間が過ぎたあと、ただ単に無駄な時間を過ごしたことに無性にイライラしてくる。

幾つかの要因が考えられる。本がつまらない。私の知識が足りない。体調が悪い。心配事がある。その他いろいろ。理由を考えても仕方がない。理由が何であれ、そんなときは仕方がない。本のせいにして、眠ってもらう。

リフレッシュ❢ ・・・で、違う本を読む。

と思ったら、読む本がない。・・・でも大丈夫。ほらほら、眠らしている本がある。ということで、押し入れに頭を突っ込んで、ガサゴゾガサゴソやって、今回はこの本。

レレレ、川口マーンさんの本じゃん。こりゃ間違いなく本のせいではなくて、自分がなんらかの理由でおかしくなってたんだな。この本が面白くないはずない。いや~、良かった、良かった。

2013年の本。やはり、東日本大震災にこだわっている。・・・あれ、最初の方だけじゃなく真ん中辺まで読んでる。ずいぶん読んでる。途中でなんかあって、放り出して眠らすことになったらしい。



講談社プラスα新書  ¥ 905

宣伝が下手。そのせいで、日本は、実態のほうがイメージよろも良い、唯一の国
  • 第1章 日本の尖閣諸島、ドイツのアルザス地方
  • 第2章 日本のフクシマ、ドイツの脱原発
  • 第3章 休暇がストレスのドイツ人、有休をとらない日本人
  • 第4章 ホームレスが岩波新書を読む日本、チャンスは二度だけのドイツ
  • 第5章 不便を愛するドイツ、サービス大国の日本
  • 終 章 EUのドイツはアジアの日本の反面教師

ドイツに住んで30年の川口マーンさんの日本人論。8勝2敗の2敗がなんであったのか気にはなるが、まあ、大きく勝ち越せたことを喜んでおこう。しかも、勝ち越した相手がドイツ人ということなら、なおのこと上々だ。言ってる端から、私もドイツになんらかの固定観念があるらしい。あるには違いないのだが、なにが“ドイツ人ということなら”なのか、手のひらに乗せて見せることができるわけじゃない。

この本が、ドイツ人を鏡とした日本人なら、その日本人を通してドイツ人も見えることになる。そのへんから、なにが“ドイツ人ということなら”なのか、はっきりさせたいもんだと思う。

さて、さっきの2敗だけど、“まえがき”にすでに日本人の欠点が指摘されている。その一つが論理性の欠如。著者は、「ドイツ人は哲学的指向が好きで、思考の過程を愛しているが、日本人は・・・議論などさしおいて一足飛びに結論を出すほうが好きだ」といっているが、まったくその通り。“なぜそうなるのか”という過程を蔑ろにするから、同じ失敗を繰り返したりする。

もう一つ著者があげているのが、広報活動の稚拙さ。だから、「世界の多くの国がイメージのほうが実態よりも良い中で、日本は実態のほうがイメージよりも良い唯一の国」と著者は言う。そのへん、日本に60年近く住み続けている私にはよくわからない。どうして宣伝なんかしなきゃいけないのかもわからない。

普仏戦争に負けたフランスは、ドイツとの国境にあったアルザス地方を失った。アルザスの学校ではフランス語を教えてはならないことになり、最後の授業が行われる。フランス語の先生は、やがて悲しみで言葉が途切れ、黒板に「Viva la France!」と書いて授業を終える。母国語を奪われたフランス人の怒りと悲哀が伝わってくる『最後の授業』という話。この本でも紹介されているのだが、これ、私も覚えている。

以下、本書に教えてもらったことだけど、アルザス地方は紀元前1世紀にゲルマン人が住み着き、忠誠からは神聖ローマ帝国に属した。住民のアルザス人はドイツ系で、フランス語を話したことはない。17世紀、三十年戦争でぼろぼろになったドイツに代わりフランス王の領有となるが、住民の話したアルザス語はドイツ語の方言。それは、あのルイ14世の時代でも変わらなかった。フランス革命が発生し、ナポレオン・ボナパルトにかき乱されたヨーロッパの秩序を取り戻すためウィーン会議が開かれる。アルザスはフランス領にとどまるが、住民がアルザス語を使っていたのは変わりない。ただ学校では、単なる一科目としてフランス語の授業が行われた。そしてそれから50年ほど経って普仏戦争となる。

『最後の授業』に、私も心を掻き立てられた口。だけど、このお話、上のような状況を考えれば、なんかおかしい。最初から、政治的意図のプンプンする話ということになる。

その後のアルザスは、第一次世界大戦後のヴェルサイユ条約によりフランス領有になるが、ヒトラーが取り戻す。第二次世界大戦においては、フランスそのものがドイツに占領され、戦争中の大半を敗戦国として過ごしたフランス。ところが、最後の瞬間だけ戦勝国となったフランスがアルザスを取り戻す。

マーンさんの言う、“イメージのほうが実態よりも良い”国っていうのは、まずはフランスってことかな。




にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

『誰が第二次世界大戦を起こしたのか』 渡辺惣樹

《日米戦争の原因は、ポーランドの頑なで、稚拙な対ドイツ外交にあった》

ちょっと前なら、私はこの言葉の意味を理解できなかったな。日本とアメリカの戦争は、対外戦争不干渉をうたっていたフランクリン・ディラノ・ルーズベルトが、日本から手を出させるためにさまざまな圧力をかけて追いつけたことから始まったことは理解していたけどね。でも、それよりも2年も早く始まっていたヨーロッパの戦争が日米戦争の原因となっているということは、残念ながら意識の外にあった。

そう、その《ポーランドの頑なで稚拙な外交》の裏で糸を引いていたのがルーズベルトであるということは、少し前まで想像もしてなかった。
右の本は、チャールズ・A・ビアードの書いた『ルーズベルトの責任』という上下巻の本。2011年に出た本だな。だけど、もとは1948年に出されたのに禁書同然の扱いを受け、もちろん、占領下の日本では翻訳もされなかった。
「世界恐慌に無策のフーバー大統領に代わってアメリカの経済を復活させた大統領」という世界史の教科書のような認識しかない人が圧倒的に多いと思うんだけど、これを読んでもらえば認識が変わると思う。
こちらはハミルトン・フィッシュの『ルーズベルトの開戦責任』。これもすごい。今年に入って文庫版が出たんだな。私は2014年に単行本で読んだ。だけどアメリカでは1976年に出てる。

ハミルトン・フィッシュはアメリカを参戦に導いたF・D・Rの手口をこう言っている。「天使も涙するほどの手口」

どうだろう。ハミルトン・フィッシュの言う「天使も涙するほどの手口」を、知ってみたいと思いませんか。


草思社  ¥ 1,836

ヒトラー、チャーチル、ルーズベルト… 悲劇の元凶はいったい誰だったのか?
第一章 ハーバート・フーバーの生い立ち
第二章 『裏切られた自由』を読み解くー共産主義の拡散とヨーロッパ大陸の情勢
第三章 『裏切られた自由』を読み解くーチェンバレンの「世紀の過ち」とルーズベルトの干渉
第四章 『裏切られた自由』を読み解くールーズベルトの戦争準備
第五章 連合国首脳はなにを協議したのか

時代が生み出したものだろうが、この時代には多くの化け物が生まれている。レーニン、ヒトラー、スターリン、金日成、毛沢東・・・、だけど一番の化け物はルーズベルトじゃないかな。たしかにあの戦争で一番得をしたのは、あるいは多くの人を政治死に追い込んだのは共産主義者たちだけど、化け物は人類を第二次世界大戦に追い込んだ。

ヒトラーのオーストリア併合、それに続くチェコスロバキアへのズデーテン地方要求は、ある意味で、ベルサイユ条約のゆがみを正す既定路線だったといっていい。もとからパリ講和会議におけるチェコスロバキアの要求自体がひどかった。ここぞとばかり敗戦国をいたぶる会議にあっても、異様と言えるほどの領土を要求したらしい。

ロイド・ジョージ英国首相が疑問を呈すと、チェコスロバキアは抱え込むことになる少数民族への配慮を約束したという。民族独自の教育、信教の自由、人口に比例した議員数など、約束したことを、チェコスロバキアは何一つ守らなかったそうだ。
チェコ系   650万人
ドイツ系   325万人
ソロバク系  300万人
ハンガリー系   70万人
ウクライナ系   50万人
ポーランド系     6万人
左はチェコスロバキアの民族分布。
すごく無理のある構成だね。チェコは無理を通して、自分の首を絞めることになる。
ヒトラーのもとで目覚ましい経済成長を遂げるドイツ。同じドイツ系のオーストリア併合を見たチェコスロバキアのドイツ系はほとんどがズデーテン地方に住んでいた。少数民族の悲哀をかみしめさせられている彼らに、ドイツ帰属を求める動きが現れるのは当たり前だった。

ミュンヘン会談で英首相のチェンバレンがヒトラーの要求をのんだのは、既定の路線だった。その後のチェコ解体は、チェコの自壊であり、兵を一人たりとも動かしたわけではない。そしてドイツはソ連に向かう。その途中にポーランド回廊とダンチヒがある。

ところがそこで、チェンバレンが豹変する。ポーランドが最悪の外交に終始する。その背景に、ルーズベルトという世紀の化け物がいたわけだ。




にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

湯川さん・後藤さん『ブラック・フラッグス』 ジョビー・ウォリック

2015年初頭でしたね。「イスラム国」に拉致された治安・警備コンサルタントの湯川遥菜さんと救出に向かい囚われの身となったジャーナリストの後藤健二さんが、あの濃いオレンジ色の囚人服みたいのを着せられて、身代金を要求するビデオのためにカメラの前でポーズを取らされていた。

繰り返し繰り返し、二人を引き出してなぶった上に、ジハーディ・ジョンがカメラに向けていたあのナイフは、最後には二人ののどを切り裂いた。

二人は日本人。他の犠牲者たちと違い、まったく異なる世界の出身。ムスリムの数も少なく、その少ないムスリムも差別のない国と称賛する日本人だった。中東の罪もない人々を救うための支援をしたことはあっても、植民地主義的介入をしたことはない。中東の軍事作戦に武器や軍隊を提供したこともない。そんな国から来た二人の日本人ののどを、「イスラム国」のナイフは切り裂いた。

・・・この本の冒頭、《日本語版への序文》で、著者がそのことに触れているのだ。

自衛隊のイラク復興支援が始まった2003年11月、復興支援開始を翌月に控えて現地入りしていた二人の日本人外交官が殺された。奥克彦駐英参事官と井ノ上正盛駐イラク三等書記官である。さらに、イラク復興支援から1年が経とうとしていた2004年10月、日本から来たバックパッカーの青年香田証生さんが殺された。

いずれも、アブー・ムサブ・ア-ザカルウィをリーダーとするテロリスト集団の犯行らしい。その組織は、その後の成り行きで指導者も編成もかわり、名称も「イスラム国」と名のるようになった。「イスラム国」が湯川さんと後藤さんを人質にして要求したのは、イラクの難民救済のための日本の財政支援をやめさせることだった。基本姿勢は同じで、アメリカの孤立を狙うものだ。2004年、香田証生さんの事件の時、総理の小泉さんからは及び腰なところが感じられたが、2015年の安倍さんの態度には多少の変化が感じられた。国民の意識を背景にしたものだろう。

著者は、「イスラム国」を“ザカルウィの常軌を逸した子孫”と呼ぶ。


『ブラック・フラッグス』    ジョビー・ウォリック

白水社  ¥ 2,484

「イラクのアル・カイーダ」の創設者ザカルウィから、イスラム国の指導者バグダディまで
プロローグ─ヨルダンの首都アンマン 二〇一五年二月三日
第1部 ザルカウィの台頭
 1 「目だけで人を動かすことができる男」
 2 「これぞリーダーという姿だった」
 3 「厄介者は必ず戻ってくる」
 4 「訓練のときは終わった」
 5 「アル=カーイダとザルカウィのために」
 6 「必ず戦争になるぞ」
 7 「名声はアラブ中に轟くことになる」
第2部 イラク
 8 「もはや勝利ではない」
 9 「武装反乱が起きていると言いたいんだな?」
 10 「胸くそ悪い戦い、それがわれらのねらいだ」
 11 「アル=カーイダのどんな仕業も及ばない」
 12 虐殺者たちの長老

まだ、上巻の読みはじめなんだけど、冒頭の《日本語版への序文》で湯川さん、後藤さんの名前を見て、あの時の思いがよみがえった。さらに、香田証生さんや奥克彦駐英参事官と井ノ上正盛駐イラク三等書記官の名前に触れて、いたたまれない思いで書き始めてしまった。

2003年、2004年の、香田証生さんや奥克彦駐英参事官と井ノ上正盛駐イラク三等書記官殺害の背景には、間違いなくザカルウィを指導者とするテロリスト集団が存在するようだ。

2001年のアメリカ同時多発テロに端を発して、アメリカはアフガニスタンへ、イラクへと積極介入していった。それだけ考えても、失策に失策を上塗りしてきたアメリカの対イスラム策であったが、同時多発テロをまねいたこと自体が失策によるものであり、さらに失策はその後も続き、オバマ政権で頂点に達した感がある。

そのたびに、アメリカは新たな敵対者を生み出してきた。ウサマ・ビンラディン、ザカルウィ、バグダディと続く系譜。以前、『倒壊する巨塔』と言う長編のルポルタージュで、ウサマ・ビンラディンの登場の背景を知ることができた。この『ブラック・フラッグス』では、さらにザカルウィ、バグダディ登場の背景を知ることができそうだ。

《日本語版への序文》だけで興奮している場合じゃないね。

あっ、そうそう。ジハーディ・ジョンに殺された後藤さんは、「なぜ取材のために尋常ではない、極端に危ういことまでするのか」と問われて、次のように答えたそうだ。

「面と向かって話をしなければならないからです。そうする必要があると私は思っています」




にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

『こうして歴史問題は捏造される』 有馬哲夫

ルーズベルトは、戦争を必要としていた。だから日本を追い込んだ。ハル・ノートも突きつけた。このことで日本から仕掛けてくるだろうことは、時間の問題だった。陸軍長官のスチムソンは1941年11月27日の日記に、ハル・ノートを日本に手交したあとハルの発言を、以下のように書いている。

「私の仕事はこれで終わった 。後は君 と ノックス ( 海軍長官 ) 、 陸軍と海軍にまかせるよ。」

日本が真珠湾攻撃に及んだことは、ルーズベルトの思うがままだった。・・・悔しいけど。だけど、アメリカ人の中にもルーズベルトの動きに疑問を持つものもいた。ミッドウェーで形成が逆転し、ガダルカナルの攻防で戦争の成り行きに見切りをつけたルーズベルトは、証拠の隠滅にかかる。要は、物言う日本を消滅させればいいのだ。

日本は、この戦争の集結を、戦闘の優劣をつけた上での講和条約と考えていた。もちろん、日本優勢のうちに講和条約を結んで戦争を集結させようと考えていた。それは、かりにアメリカ優勢による講和条約であったとしても、ルーズベルトには都合が悪い。どちらにせよ、ルーズベルトが仕組んだ戦争であることが明らかになるからだ。だから、日本を完全に叩き潰すことが必要だった。

この本の中で、カイロ会談の重要性が強調されていた。ソ連の参戦を招いたヤルタ秘密協定に触れる人は多いが、カイロ会談に触れる人はあまり多くない。でも、これはとても重要。会談のあとの会見で、ルーズベルトは日独伊に対して“無条件降伏”を要求しているのだ。どうやら、チャーチルにも了承を取っていなかったらしい。そこまで強引に無条件降伏にこだわった理由は一つ。この戦争が、ルーズベルトが仕組んだ戦争であることを隠すためだ。



新潮社  ¥ 864

プロパガンダに与せず、イデオロギーに偏らず、謙虚に歴史を見つめる作法を提示
序章  歴史問題はなぜ終わらないのか
第一章  歴史論議とは反証可能でなければならない
第二章  「南京事件」「慰安婦問題」の論議を冷静に検討する
第三章  反証を無視すれば捏造になる
第四章  中国と韓国が反証不可能な論議をするのには理由がある
第五章  歴史修正主義とは何か
第六章  歴史研究に右も左も国境もない

悔しいけど、歴史の修正は本当にむずかしい。戦争への道筋は、用意された単純なストーリーに決着している。そしてそれは、日本と戦ったすべての国に侵略されていた国も含めて、日本と戦ったすべての国にとって都合のいいストーリーである。もう一つ含めるのを忘れた。当時は日本であった韓国も含める。

それだけでも、その単純なストーリーに物申すことがいかに難しいか、想像がつく。さらに、・・・面倒だから著者の言葉をお借りする。
日本人相手に日本語で議論するときでさえ、複雑な内容を主張すると不利になります。ましてや外国語で外国人相手となると、「先に戦争を仕掛けたのか、仕掛けなかったのか」「支配地域の外なのか内なのか」「支配地域を広げたのか、広げなかったのか」と単純化され、不利な立場に追い込まれます。

戦争は二つあった。その戦争の一つはある部分で攻撃的だが、ある部分では防衛的であったと主張すると、当事国はもとより、第三国の人々の耳にも言い訳をしているように聞こえます。そこに中国、ロシア、韓国、アメリカが「それは歴史修正主義だ」と口を挟んでくると、いよいよ窮地に陥る事になります。情けないことに日本の一部メディアまでがこれに付和雷同するので、もはや目も当てられない状況になります。
本書p192

・・・と、笑い話のような状況だ。

それでも、いずれ好機は来ると信じる。著者の言うとおり、一次資料に基づく反論可能な歴史論議を重ねてイデオロギーやプロパガンダから自由な歴史感を築き上げ、一生懸命、誠実に働いて国力を高め、困難な国に手を差し伸べて良好な国際関係に貢献していくうちに、必ず好機が来ると、・・・来るといいなあ。




にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

あいつです『誰が第二次世界大戦を起こしたのか』 渡辺惣樹

1928年の大統領選に出て、1929年に大統領に就任。就任後7カ月の1929年10月末、ニューヨーク株式市場が暴落する。世界恐慌の始まりである。この時のアメリカは本当に大変だったみたいね。ずいぶん前になるけど、《シービスケット》という競馬の映画を見た。たしか、熊谷の映画館で娘と一緒に見たんだ。懐かしいな。

映画の中でも30年代のアメリカのたいへんな様子が描かれていた。その時の大統領がハーバート・フーバーということだ。

ちょっと、世界史の教科書から、フーバー大統領とF・D・ルーズベルトの書かれ方を並べてみるね。左がフーバーで、右がルーズベルトね。
1929年10月、ニューヨーク株式取引所で株価が大暴落して、大恐慌が始まった。物が売れなくなり、企業が倒産し、失業者が街にあふれた。合衆国は海外に投資していた資本を引き上げ、輸入を縮小したので、その影響はたちまち各国に波及して、世界恐慌となった。合衆国大統領フーヴァーは賠償と対米戦債の支払いの1年間停止(フーヴァー・モラトリアム)を実施したが、状況は好転しなかった。

恐慌は、折からの農業不況と重なり、各国に重大な影響をもたらした。失業者の数は、世界全体で3500~5000万人に上り、空前の大量失業時代となった。各国は輸出を奨励し、また勢力下にある諸国を経済ブロックに囲い込み、その域外からの輸入に高関税をかけて、この危機を打開しようとした。しかし、経済基盤が弱いドイツやイタリア、日本などでは、危機は一層深刻なものとなった。これらの諸国は、この危機を軍需産業の振興や対外侵略、国内統制の強化などによって切り抜けようとした。

こうして各国で経済ナショナリズムが強まり、大戦後の国際協調の機運は消え去った。自国の利害のためには他国を顧みない自国中心主義の風潮の中で、国際対立は激化して、世界は再び世界戦争に突入することになる。
アメリカ合衆国では、民主党のフランクリン・ローズベルトが1933年に大統領に就任し、ニューディールと呼ばれる大規模な対策を推進した。

彼は農業調整法(AAA)によって農産物の生産調整と価格の安定を図り、全国産業復興法(NIRA)により企業間の競争の制限などを認めた。また、テネシー川流域開発公社など大公共事業をおこして雇用の拡大を図った。こうした産業の統制は独占資本の強化をもたらし、これに対する労働者の不満が高まると、ローズベルトは1935年に労働者の団結権と団体交渉権を保障したワグナー法と、社会保障制度を制定した。このため労働運動も発展し、1928年には産業別組織会議が誕生した。

ローズベルトは対外面では、長い間承認を拒んできたソ連を1933年に承認した。ラテンアメリカ諸国に対しても、従来の高圧的なカリブ海政策を改めて、善隣外交を展開し通商の拡大に努め、1934年にはキューバの独立を承認した。こうした政策の結果、景気が回復したが、1937年に再び恐慌に見舞われると、彼は財政支出による有効需要拡大策をとり、軍需産業の拡大にも乗り出した。国家が積極的に経済に介入して景気回復を図る動きは、今日に至る修正資本主義政策の端緒となった。自由放任の経済に変わるこのような動きは、イギリスの経済学者ケインズによって理論化された。

なんか、対照的だね。フーバー暗いね。その暗さに、日本も加担させられてるのが嫌だな。それに比べてルーズベルトは明るいよね。なんか素晴らしいことばっかりしてるみたいな書かれ方。労働運動も促進するし、ソ連やキューバを承認するしね。・・・素晴らしい。

え~。なんかおかしい。いったんは経済まで回復したことになってる。たしかあの時、年金支給かなんかがあって、一時的に購買力が向上しただけじゃなかったっけ。本当のアメリカの景気回復は、日本との戦争が始まってからだよね。だから、ニューディール程度の中途半端な財政出動じゃどうにもならなかったわけでしょ。

どうしてフーバーとルーズベルトの書かれ方に、こんなイメージの開きが生まれるか。この本を読んでよ~くわかった。


草思社  ¥ 1,836

ヒトラー、チャーチル、ルーズベルト… 悲劇の元凶はいったい誰だったのか?
第一章 ハーバート・フーバーの生い立ち
第二章 『裏切られた自由』を読み解くー共産主義の拡散とヨーロッパ大陸の情勢
第三章 『裏切られた自由』を読み解くーチェンバレンの「世紀の過ち」とルーズベルトの干渉
第四章 『裏切られた自由』を読み解くールーズベルトの戦争準備
第五章 連合国首脳はなにを協議したのか


ルーズベルトには、戦争が必要だった。だから日本に手を出させるように追い詰めた。日本はルーズベルトの思惑通り、先に手を出した。そしてアメリカは“やむを得ない”ふりをして、戦争を始めた。

アメリカの太平洋方面の戦いで命を落とした若者は、中国国民党を救うために死んだはずだった。しかし、日本の降伏からわずか四年で中国共産党が国民党を追い出した。アメリカの若者は中国共産党のために死んだのだった。

著者がそういってるんだけど、その通りだよね。しかも、東と西からソ連の力をおさえてた日本とドイツをやっつけちゃってさ。東ヨーロッパは軒並み共産化。シナも共産化。朝鮮戦争なんて、本当は起こるはずもなかった戦争で大きな被害を出してさ。今、北朝鮮が騒いでるけど、そんなことあり得るはずもなかった。

著者はすごいことを言っている。 《第二次世界大戦の若者の犠牲は“犬死”だった》

そのすべての火元がアメリカだったとは、「どうしても言えまっせん」ということのようだ。そこで、すべての責任を日本とドイツにひっかぶせて、世界制覇をもくろむ危険な国に仕立て上げ、アメリカが叩き潰さなかったら世界はとんでもないことになっていたと思い込ませる工作が必要だった。

それでも、真実に気づいて異議を唱えようとするものが出てくれば、「歴史修正主義者」というレッテルを張って、その評判を貶める。

めちゃくちゃだった過去を日本のせいにして歴史の体裁を整えたシナや韓国が、「歴史修正主義者が過去の歴史を捻じ曲げようとしているぞ」と騒ぐのも、実は捏造にはアメリカがいてくれるから。

だけど、「修正主義」こそが本来の姿。真実を追い求める姿勢は「修正主義」にこそある。その時、参考にすべきは、フーバーの残した記録。・・・ということかな。





にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』 江崎道朗

長谷川慶太郎さんが前世紀を、《戦争と革命の20世紀》と呼んでいた。21世紀に入って17年。20世紀の17年目にはロシア革命が発生し、年が明けて18年目には第一次世界大戦が終わった。このあたりから、ほぼ70年間、世界は共産主義に振り回される。20世紀のキーワードは、“共産主義”だ。

その悪夢、実はまだ終わってない。本書“はじめに”に、アメリカの保守派リーダーで評論家フィリス・シュラフリー女史が著者に語ったという言葉がある。
なぜわれわれは、中国共産党政府の軍事台頭に苦しまなければならないのか。なぜわれわれは、北朝鮮の核に苦しまなければならないのか。こうした共産主義国家がアジアに誕生したもの、元はと言えば民主党のルーズヴェルト大統領がヤルタ会談でスターリンと秘密協定を結んだことに端を発している。よってルーズヴェルトの責任を追求することが、アメリカの対アジア外交を立て直す上で必要なのだ。
本書p5
貧富の差がなくなって万人の平等が実現されるだのと、共産主義の理想など、習近平だ、金正恩だを待つまでもなく、レーニン、スターリンの段階でお題目に過ぎなかった。ただ、それを命をかけてありがたがる人が多かったから、お題目だとしても、こんな使いでのあるお題目もなかったろう。「私と一緒に万人の平等を目指そう」と言えば、命まで投げ出すやつが、たくさんいたんだからね。

「資本家は人を犠牲にして利益を独占している」・・・だから殺していい。『共産主義黒書』は共産主義体制のもとに命を失った人がどれだけいたかを紹介している。
ソ連      2000万
中国      6500万
ヴェトナム     100万
北朝鮮      200万
カンボジア    200万
東欧       100万
ラテンアメリカ    15万
アフリカ     170万
アフガニスタン 150万
(いずれも死者)
ちょっと少なく見積もってるようなところもあるけど、ざっと1億人。第二次世帯大戦の死者が多くて8000万って言われてるから、恐ろしいのは共産主義の方ってことになる。その第二次世界大戦自体が、共産主義の暗躍で起こされたわけだから、共産主義は20世紀において2億人近くの人を死なせているわけだ。


PHP新書  ¥ 1,058

ロシア革命が成功した後、レーニンは世界革命を遂行すべく「コミンテルン」を創った
はじめに コミンテルンの謀略をタブー視するな
第1章 ロシア革命とコミンテルンの謀略――戦前の日本もスパイ天国だった
第2章 「二つに断裂した日本」と無用な敵を作り出した言論弾圧
第3章 日本の軍部に対するコミンテルンの浸透工作
第4章 昭和の「国家革新」運動を背後から操ったコミンテルン
第5章 「保守自由主義」VS「右翼全体主義」「左翼全体主義」
第6章 尾崎・ゾルゲの対日工作と、政府への浸透
おわりに 近衛文麿という謎

本当のことに向き合うことは、簡単ではない。本当のことに向き合うことは、けっこう辛い。「いつか来た道」とは、どんな道なのか。ルーズヴェルトが教えたくれた“道”のことを言っているのか。それでいいのか。東京裁判で、いったんは決着したことであるから、そういうことにしておいたほうが楽なのか。だけど残念ながら、そのルーズヴェルトの業績について、またはチャーチルの業績について、国外での検証が行われている。

戦後日本を始動してきたマスコミ、教育界のリベラルの人たちが立てたはしごで二階に上がっても、はしごは外の世界から外されてしまうかもしれない。

「一部の軍国主義者が戦争を引き起こした」という戦勝国史観が、最近はリベラルの方面から見直されている。「いやいや、日本人は戦争を望んでいた」って言う方向に。なんて韓国人や“中国人”が喜びそうなご意見なんだ。

そんな単純な話じゃない。むずかしいことであっても、辛いことであるとしても、もう一度、その時代を検証しなければならない。もちろん、コミンテルンにすべての責任を押し付けて済むことでもない。ルーズヴェルトは醜悪であっても、全てが彼の責任ではない。だからこの本は、明治維新にも目を向ける。

この本は、あの戦争に関わる“もっと深い真実”の一つ、《コミンテルンの謀略》を正面から扱った本。勉強になることが多い。




にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

テーゼ『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』 江崎道朗

コミンテルンこと共産主義インターナショナルの規約
第一条
新たな国際労働者協会は、資本主義を打倒し、階級の完全な廃止と共産主義者会の第1段階たる社会主義の実現のために、プロレタリアートの執権と国際ソヴェト共和国とを樹立するという単一の目的を追求する様々な国々のプロレタリアの共同行動を組織するために設立される。

第九条
執行委員会は、共産主義インタナショナルに所属するすべての党と組織に対し、全体を拘束する指針を与える。共産主義インタナショナル執行委員会は、加盟諸党に対して、国際的規律にい違反したグループや個人を排除することを要求する権利、また世界大会の諸決定に違反した党を共産主義インタナショナルから排除する権利を持つ。
《資本主義の打倒》、《階級の完全な廃止》っていうのが何を意味するのか。それを考えると恐ろしいばかりだな。それまで長い年月駆けて積み重ねられてきた人の営みを、そこで完全に断ち切るんだ。そんなことって、皆殺し以外の方法では、絶対に達成できないし、レーニンはそうしたもんね。


PHP新書  ¥ 1,058

ロシア革命が成功した後、レーニンは世界革命を遂行すべく「コミンテルン」を創った
はじめに コミンテルンの謀略をタブー視するな
第1章 ロシア革命とコミンテルンの謀略――戦前の日本もスパイ天国だった
第2章 「二つに断裂した日本」と無用な敵を作り出した言論弾圧
第3章 日本の軍部に対するコミンテルンの浸透工作
第4章 昭和の「国家革新」運動を背後から操ったコミンテルン
第5章 「保守自由主義」VS「右翼全体主義」「左翼全体主義」
第6章 尾崎・ゾルゲの対日工作と、政府への浸透
おわりに 近衛文麿という謎
共産主義インタナショナルへの加入条件についてのテーゼ
第一条
日常の宣伝と扇動は、真に共産主義的な性格を持ち、第三インターナショナルの香料及びすべての決定に合致していなければならない。・・・定期不定期の出版物とすべての党出版所は、・・・完全に党中央委員会に従属させられなければならない。出版所がその自治を悪用して、党の政策に十分合致しない政策を実行することは許されない。

第二条
共産主義インタナショナルに所属することを希望するすべての組織は、労働運動内のいくぶんとも責任ある部署・・・から、計画的、統計的に改良主義者や「中央派」の支持者を排除して、信頼できる共産主義者と置き換える義務がある。

第三条
ヨーロッパとアメリカのほとんどすべての国で、階級闘争は内乱の局面に入ろうとしている。こういう条件のもとでは、共産主義者はブルジョワ的合法性に信頼を寄せるわけにはいかない。・・・戒厳状態または例外法のために共産主義者がその全活動を合法的に行うことのできないすべての国で、合法活動と非合法活動を結合することが、無条件に必要である。

第四条
共産主義思想を広めるという責務には、軍隊内で粘り強い、系統的な宣伝を行うことが特に必要だということが含まれている。・・・

第六条
第三インタナショナルに所属することを希望するすべての党は、露骨な社会愛国主義だけでなく、社会平和主義の偽りと偽善をも暴露する義務がある。

第七条
共産主義インタナショナルに所属することを希望する党は、改良主義や「中央派」の政策と完全に、絶対的に絶縁する必要があることを承認し、この絶縁を最も広範囲の党員の間で宣伝する義務がある。これなしには、首尾一貫した共産主義的政策は不可能である。

第九条
共産主義インタナショナルに所属することを希望するすべての党は、労働組合、・・・その他の労働者大衆組織の内部で、継投で気に、粘り強く共産主義的活動を行う義務がある。これらの組織内には共産党の細胞を作ることが必要である。細胞は、長期にわたる、粘り強い活動によって、その労働組合等々を共産主義の事業の味方に獲得しなければならない。・・・

第一二条
共産主義インタナショナルに所属する党は、民主的中央集権制の原則に基づいて建設されなければならない。現在のような激しい内乱の時期には、党が最も中央集権的に組織され、党内に軍事的規律に近い鉄の規律が行われ、党中央部が、広範な全権を持ち、全党員の信頼を得た、権能ある、権威ある機関である場合にだけ、共産党は自分の責務を果たすことができるであろう。

第一三条
共産主義者が合法的にその活動を行っている国々の共産党は、不可避的に党に潜り込んでくる小ブルジョワ分子を党が系統的に清掃するため、党組織の人的構成の定期的粛清(再登録)を行わなければならない。

第一四条
共産主義インタナショナルに所属することを希望するすべての党は、反革命勢力に対する各ソヴェト共和国の闘争を全幅的に支持する義務がある。・・・

第二一条
共産主義インタナショナルが提示した条件やテーゼを原則的に拒否する党員は、党から排除されなければならない。・・・
《日常の宣伝と先導こそが何よりも重要である。そのための出版活動は、すべて党の管理下に置かれる》
《改良主義者や「中央派」の支持者を排除には手段を選ぶ必要はない》
《共産党は非合法な活動を前提としている》
《軍の内部に潜り込み、軍を乗っ取る》
《愛国心は共産主義的恒久平和の障害である。共産党が認める平和は世界の共産化によってもたらされるプロレタリア独裁による平和である》
《社会民主主義者と絶縁しなければコミンテルンに加盟できない》
《共産主義者は様々な組織に内部穿孔し、内部から組織を作り変える努力をしなければならない》
《党中央が党全体を絶対的に支配し、言論の自由を認めず、鉄の規律を維持する》
《常に粛正すべき小ブルジョワ分子に目を光らせよ》
《コミンテルンに加盟を希望する組織はソ連に忠誠を誓え》
《コミンテルンの指示に従わない者は粛正する》
ただ、並べてみた。その方が恐ろしさが伝わる。




にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

ありがとうございました



「《めんどくせぇことばかり》は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。」
よくお越し下さいました

イーグルス16

Author:イーグルス16

息も絶え絶えです、ぜひ応援してください
人気ブログランキングへ にほんブログ村 政治ブログへ


言葉は人の心をあらわします。
「歌は世につれ世は歌につれ」と言いますが、言葉についても同じことが言えるでしょう。
これから出る本








































直近3ヶ月当ブログ内人気図書 






















































カウンター
カテゴリ
ブロとも一覧
アジシオ次郎の時事原論
はりこのはやしや 
ハシビロコウ
素足のアイドル達
うさぎ屋の四方山話
わくわく株式投資
プロモデラー林哲平のジャンクロボット創作ブログ『ケルバーダイン』
大好き!グラビアアイドル!
伊織のブログ
Re:BAD TASTE♥
QWERT 5w1h
「伝わる技術」オトデザイナーズ・坂本真一
歌と知恵でハッピーライフ^^
こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本












































検索フォーム
リンク
RSSリンクの表示
最新記事
応援して下さい