めんどくせぇことばかり 本 近現代世界

『池上彰の世界の見方 中東』 池上彰

パレスチナ問題という中東混乱の根本は、しっかりおさえている。そのへんが池上彰さんの抜け目なさ。

だけど、そことつながりつつ、現在の中東問題と言えば、やはり《ISIS》。《ISIS》と言えば“Islamic State of Iraq and Syria”、つまり、「イラクとシリアのイスラム国」。今焦点になっているのは、イラクとシリア。その始まりは、ソ連のアフガン侵攻にある。

と言うことで、先日は、現在の《イスラム国》の問題が、実は、ソ連のアフガン侵攻からきているという部分を、“覚書”として、まとめさせてもらった。

内容は、ちっとも難しくない。私の頭にだって、そのくらいは入っている。だけど、この本のように、しっかり順序立てて、文章としてまとめておくっていうのは、理解しているかどうかということとは別問題。しかも、それはそれで、高度な技術と鍛錬を必要とすることなんだよね。

池上さんは、それをしっかりと持ってらっしゃる。



小学館  ¥ 1,512

受験生、就活生、学び直しの社会人に最適 中東の根本がよくわかる
第1章 「混乱の始まり」から見る中東
第2章 「戦争とテロ」から見る中東
第3章 「地理・民族・歴史」から見る中東
第4章 「イスラム教」から見る中東
第5章 「石油利権」から見る中東
第6章 「難民大発生」から見る中東


第3章以降では、近代における中東混乱の根っこであるサイクス・ピコ条約はじめ、イギリスの三枚舌外交もしっかり抑えている。しかも、第4章では、イスラム教の起こりにまで言及する慎重さ。スンナ派とシーア派の、イスラム教内派閥争いまで紹介している。

この本では詳しく触れられていないが、おそらくこれは、イエメンをめぐるサウジとイランの対立あたりに関わる本でも書こうとしているんじゃないかと思わせる。いや、おそらくそうだろう。

そこから、さらに派生して発生した難民問題。もともと問題があったところに、イスラム国がらみの混乱で付け加わった難民問題は、もはや民族移動。テロの発生と相まって社会に亀裂を生み、亀裂は“EU”にも入った。さらにアメリカにも伝播してトランプ大統領という変わり種を生み出した。

やはり、背景にあったのは石油をめぐる利権なんだよね。もちろん、池上さんのそつのなさが、そのへんをおざなりにするはずがない。

あんまりそつがなさ過ぎて、流れるように一冊が終わる。

最後に池上さんは、若者たちに向かって、こう期待を述べて終わる。

私たちにどんな国際貢献ができるのか。なにも皆さんに難民キャンプに行ってくださいとか、支援をしてくださいとか言っているわけではありません。それぞれの人が、それぞれのやり方で、さまざまな国際貢献をすることができるのではないでしょうか。そういう柔軟さと優しさを以って、世界の人々と触れ合ってほしいと思います。
本書p226

それって、本当に目を向けなければならない問題から、若い人たちを遠ざけることになりゃしないかが心配になる。



にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

アフガン紛争『池上彰の世界の見方 中東』 池上彰

第二次世界大戦で2700万人の死者を出したソ連の大戦後の一大戦略は、仮想敵国との間に緩衝地帯を置くことだった。西ヨーロッパ諸国との間に東ヨーロッパというソ連の衛生国家を、アメリカ軍の駐留する韓国との間に北朝鮮が存在したのは、ソ連がそうしたからだ。

ロシアになった今も、そう。戦後70年以上たっても解決できずにいる北方領土問題。日本とアメリカの間に安全保障条約がある以上、歯舞、色丹を返還すれば、何か問題が生じたとき、そこにアメリカ軍がやってくる。それは、ソ連にとっては避けたい事態なんだな。

ソ連時代、アフガニスタンは国境を接していたが、ソ連にとっての脅威ではなかった。さらにその南西にあるイランとはあまり友好的関係ではなかったこともあって、ソ連にとっては、無害なアフガニスタンであってくれればそれでよかった。

しかし、イスラム教の王国であったアフガニスタンにクーデターが発生し、幾度となく政権が変わる不安定な状態になった。ソ連はアフガニスタンを自分の影響下に置くことを模索し、1979年にアフガニスタンに侵攻した。まもなくソ連はアフガニスタンに傀儡政権を樹立し、アフガニスタンを統治した。

現在の中東イスラム諸国の混乱は、このソ連のアフガニスタン侵攻に始まる混乱である。



小学館  ¥ 1,512

受験生、就活生、学び直しの社会人に最適 中東の根本がよくわかる
第1章 「混乱の始まり」から見る中東
第2章 「戦争とテロ」から見る中東
第3章 「地理・民族・歴史」から見る中東
第4章 「イスラム教」から見る中東
第5章 「石油利権」から見る中東
第6章 「難民大発生」から見る中東

ソ連の支配に猛反発する人たちの戦いが始まった。アフガニスタンはイスラム教徒の国で、国外のイスラム教徒もアフガニスタンの人々を支援した。

「イスラムの教えを守るための心の中の戦い」という定義を、以前読んだことがある。池上さんは、「ジハードとは、イスラムの教えを守る努力」だという。 まあいいや。そのジハードを遂行するイスラムの聖戦士を《ムジャヒディン》という。アフガニスタンの周辺から、多くのムジャヒディンがアフガニスタンに集結した。

東西冷戦でソ連と敵対していたアメリカは、これをソ連を叩くための好機と定め、アフガニスタンの反政府勢力であるムジャヒディンを支援した。アメリカは、パキスタンの軍統合情報局を使ってムジャヒディンに軍事支援を流した。ムジャヒディンに流れたのはスティンガーミサイルだった。

ソ連のハインドヘリコプターの攻撃になすすべなかったムジャヒディンは、このスティンガーミサイルで劣勢を挽回した。ヘリコプターの方角に向けてスイッチを押せば、発射されたミサイルは熱感知によってハインドヘリコプターを撃ち落とした。ソ連軍のヘリコプターは次々に撃ち落とされ、ソ連軍はぼろぼろになって撤退した。

しかし、ソ連軍を撤退させたことで、アメリカはアフガニスタンへの興味を失った。ムジャヒディンもそれぞれの国に帰った。そして、アフガニスタンには内戦が始まる。主要民族の主導権争いは、激しさを増す一方であった。アフガニスタン難民が大量に発生し、国境を接するパキスタンにはたくさんの難民キャンプができていた。その難民キャンプで、パキスタンのイスラム教原理主義思想をもつ者たちが、難民キャンプの子供たちを教育しようと、いくつもの神学校が作られていた。

アメリカの支援をパキスタンに横流ししつつ、同時に私腹を肥やしたパキスタン軍統合情報局は、この神学校を使ってアフガニスタンへの影響力を強めようと考えた。神学校でイスラム教原理主知思想を見につけた若者たちは、パキスタン軍統合情報局から最新の武器を持たされて、アフガニスタンに送り込まれた。この“学生たち”をタリバンと呼んだ。

タリバンは、瞬く間にアフガニスタンの大半を手中にし、アフガニスタンでイスラム教原理主義に基づいた統治が始められた。

1991年に、湾岸戦争が発生する。前後の事情は割愛するが、アメリカ軍は砂漠の盾作戦を発動して、サウジアラビアに軍を駐留させた。これに反発したのが、かつてアフガニスタンで、アメリカの支援を受けながらムジャヒディンとして戦ったオサマ・ビンラディンであった。

サウジ王家を批判したビンラディンは追放され、アフガニスタンに逃げた。アフガニスタンのタリバン政権は、この懐に入った窮鳥を保護し、かつての同志として、客人としてもてなした。オサマ・ビンラディンはタリバンの保護のもと、アメリカと戦う国際テロ組織を育てた。それが“基地”の意味を持つアルカイダである。

そして、2001/09/11、同時多発テロが発生する。

起こったアメリカは、オサマ・ビンラディンの引き渡しを拒否するアフガニスタンのタリバン政権を崩壊させ、ブッシュ大統領の私怨も絡んでイラクを攻撃しフセイン政権まで倒した。

フセイン大統領時代のイラクはバース党の一党独裁で、バース党員があらゆる要職を独占していた。アメリカは、このバース党員を一斉に公職追放した。イラク社会はマヒ状態となった。

イラクは、シーア派6割、スンナ派2割、クルド人2割の国で、フセイン時代はスンナ派の支配だった。バース党の警察官も軍隊の幹部もスンナ派だった。

そのイラクで、民主的な選挙が行われて、当然のようにシーア派政権ができ、かつて抑圧されたシーア派は、スンナ派への仕返しを始めた。

スンナ派には、かつてバース党員だったものが多く、フセイン政権時代の警察や兵士もたくさんいた。彼らは武器を手にシーア派の警察や軍との戦いを始めた。こうしてイラクは、内戦状態となる。そこに、アフガニスタンのアルカイダが触手を伸ばし、イラク国内にアルカイダ系の過激組織が結成される。「イラクのイスラム国」である。その後、「イラクとレパントのイスラム国(ISIL)」、「イラクとシリアのイスラム国(ISIS)」と名を変え、現在、「イスラム国(IS)」と自称するようになる。




にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

資源と戦争 『経済は地理から学べ』 宮路秀作

《宗教と石油でもめるチェチェン》
コーカサスカフカス山脈北側の山岳地帯にあるチェチェンは、険しい地形を地の利として大国の支配を免れてきた。

そのチェチェンがロシアの支配下にはいったのは1859年のこと。1917年のロシア革命に際しては、自治権と引き換えにロシア共産党に協力する。1922年、ソビエト連邦下にチェチェン自治州が成立するが、形だけのことで、やがて宗教弾圧が加えられ、1944年にはカザフスタンやシベリアに強制移住させられている。
そんな経緯もなり、チェチェン人は独立心が強く、1991年にはソビエト連邦からの独立を宣言し、1992年にはロシア連邦への参加調印を拒否する。2年にわたる交渉が決裂し、1994年にはロシア連邦軍の軍事侵攻が始まる。一時、首都を陥落されるが、ゲリラ戦を敢行して、採取的にはロシア連邦軍を壊滅させた。1996年には事実上の独立を勝ち取り、1997年には停戦協定が調印された。

ところが1999年になると、イスラム教過激派勢力が力を伸ばしたチェチェン独立派勢力は、隣国ダゲスタン共和国に攻撃を仕掛けると同時にモスクワで無差別テロを実行する。これをきっかけに第二次チェチェン紛争が始まり、停戦協定は無効となる。独立勢力によるテロ攻撃と対テロ掃討作戦という形で進められた紛争は、2009年まで続き、大きな被害を出した末に終了した。テロ組織は相当されたとは言うものの、テロの危険が消えたわけではない。

1893年に油田が発見されたチェチェンは、経済的自立が可能である。しかも、ロシア正教を信仰するロシアの前身であるソビエト連邦からは宗教弾圧を受けており、強制移住によって民族を引き裂かれた経験を持つ。

チェチェン紛争の背景には上記のような、宗教的要因と経済的要因が絡み合っている。


ダイヤモンド社  ¥ 1,620

「土地」と「資源」の奪い合いから経済が見える 地図で読み解く44の視点

序章  経済をつかむ「地理の視点」
第1章  立地 地の利で読み解く経済戦略
第2章  資源 資源大国は声が大きい
第3章  貿易 世界中で行われている「駆け引き」とは?
第4章  人口 未来予測の最強ファクター
第5章  文化 衣食住の地域性はなぜ成り立つのか?
おわりに 地理とは、いったい何を学ぶ科目なのか?


《原油をめぐる内戦ービアフラ紛争》
ナイジェリア最大の油田は南部にあり、ここに居住するのはイボ族というキリスト教徒である。彼らは油田のおかげで経済的にゆとりがあり、ナイジェリアの他地域との間には大きな経済格差があった。1967年、彼らは「ビアフラ共和国」として独立を宣言し、同時にないじゃリア連邦軍との戦いが始まる。

戦いは本来、どちらかが物理的戦闘能力を失えば終わる。しかし、外部勢力が関わることによって、無意味に長期化する場合がある。ナイジェリアを支援したのは旧宗主国として状況の変化を望まないイギリスや、アフリカへの影響力増大を狙うソビエト連邦であった。かたやビアフラを支援したのは原油資源を持たないフランスと、アパルトヘイトで禁輸措置を受けていた南アフリカであった。

1970年、戦争はビアフラ共和国の降伏で終了する。イボ族と戦った北部のハウサ族や南西部のヨルバ族はイスラム教徒であった。

この内戦と第一次オイルショックの経験から、フランスは原子力への依存度を高めていった。

他者との対立の中で宗教がクローズアップされる場合、宗教の違いは自分の都合に過ぎない。それを根拠に自分の正当性を補強する手段として宗教を利用するのは、卑怯者のすることだ。宗教の側も、それを煽ることで結束を強めたり、信者を増やそうと、卑怯な振る舞いに及ぶことがある。

原因の本質は、資源をめぐっての争いである。資源があるがために、周囲の歓心を引くし、大国の干渉も受ける。周囲の歓心も、大国の干渉も、必ず国内の対立に付け込んでくる。

チェチェンのケースの方がまだましだが、ロシアという大国を近所に持った悲劇は大きい。



にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

『経済は地理から学べ』 宮路秀作

どうも、高校における“地理”っていう科目は、中途半端なんだよね。なんのための“地理”か。地名を覚えるためにある科目ってのが、実は大半の認識じゃないか。いやいや、本当に、そう思わせるような状況は、学生さんの間だけじゃなくて、大人の間でも、いくらでも感じられることだ。

この本は、代々木ゼミナールで地理の講師をしている宮路秀作さんという方が書いた本で、題名は『経済は地理から学べ!』ですが、“地理的知識をもとにして世界を把握しよう”という本ですね。この本の“おわりに”にも書かれていますが、2022年度の高校入学性からは、《地理総合》と《歴史総合》が必修になるんですよね。“地理と歴史から、総合的に世界を把握する”というのは、地政学に他ならない。

著者が言うように、「地理が分かれば、歴史が面白くなる。そして未来が見える」という状況は、まさに地政学が目指すところ。なによりも政治学の基礎であり、同時に軍事学の基礎である。

安倍政権下で改訂された指導要領でこのような大きな変更がなされたことは、それなりの大きな意義がある。これまでの社会科教育が、“現実世界の理解よりも理念を優先するものであった”ことを前提に、それを改めたものであるからだ。この改定は、現代の大きく変わりつつある世界の状況を把握していくために大いに役立つことになるだろう。

“地理”を本気でやってる人ってのは、世界のすべてを知りたがる。すべてを知らない限り、その人の“地理”っていうのは完成することがないんだ。恐ろしい科目だな。“地理”っていうのは。


ダイヤモンド社  ¥ 1,620

「土地」と「資源」の奪い合いから経済が見える 地図で読み解く44の視点

序章  経済をつかむ「地理の視点」
第1章  立地 地の利で読み解く経済戦略
第2章  資源 資源大国は声が大きい
第3章  貿易 世界中で行われている「駆け引き」とは?
第4章  人口 未来予測の最強ファクター
第5章  文化 衣食住の地域性はなぜ成り立つのか?
おわりに 地理とは、いったい何を学ぶ科目なのか?


地球上にはいろいろな地域があって、それぞれ自然環境が違う。日本の中だって、いろいろな自然環境があり、それぞれの自然環境に最適な形で人々の文化を発達させた。山岳地帯では、一つ山を越えれば、そこには違う生活があったりする。

震源に恵まれた地域があれば、そうでな地域がある。地震や水害の、たまらなく多く起こる日本みたいな地域があれば、そんなものはめったに起こらないところもある。そういうことを前提にして、人々は生活を構築していく。

その日本にだって、他の地域に比べて有利な条件だってある。自分に与えられている条件は何なのか、冷静に見極める必要がある。不利な条件を克服し、あるいはできる限り薄め、有利な条件を最大限生かす。

だけど、地理って、それだけじゃ終わらないんだよね。“人間理解”も、地理という学問の中では欠かせない項目の一つ。日本人という種類の人間の、他の人間に優越する部分はどこにあるか。そして、日本人に足りない部分はどこにあるのか。

人間を理解するためには、歴史の深い流れの中に身を投じることが必要になる。たいへんな学問だな。

とはいうものの、歴史も同じ。現在の世界を理解するために歴史を知ろうとする。そのためには地理とともに進む必要がある。地理なくして歴史もないんだな。私は歴史系の人間だから、どうしたって歴史的アプローチになる。同様に、地理的アプローチって野があるんだな。

この本の中に「4つの距離」って言葉が出てくる。歴史系の人間にはない、新鮮な話だった。例えば、東京から鹿児島までの距離。
新幹線の場合飛行機の場合
物理距離 約1460km
時間距離 約6時間30分
経済距離 28,820円
物理距離 約1000km
時間距離 約2時間
経済距離 43,890円
・・・ね。けっこう新鮮でしょ。えっ?3つしかないって?

たしかに。・・・もう一つの“距離”は、《感覚距離》というものだって、これは一概に表せないですよね。人それぞれ同じものを見ていても、違う感覚ってものがありますからね。物理距離は離れていても同じ価値観を持ってる地域と、物理距離は近くてもまったく違った価値観で生きている地域とでは、感覚距離の逆転が起こりますよね。

物理距離が近くてもまったく違う価値観で生きている地域はどこかって? そりゃ、あそこですよ、あ・そ・こ。






にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

新白豪主義 『経済は地理から学べ』 宮路秀作

*オーストラリア
「テラ・アウストラリス」=「未知なる南方の大陸」
1828年頃までにはイギリスの植民地となり、開拓が進められてた。さらに、イギリスの流刑地となり、多くの囚人たちが、移民としてオーストラリアに渡った。彼らはアボリジニーから土地を取り上げ、農牧地を拡大させていった。

オーストラリアの羊毛生産量は21万6300トン(2013)で、中国について世界第二位。輸出量は21万6000トンで世界最大。

1851年にヴィクトリア州で金鉱が発見され、就業機会を求めて中国人移民が増加する。これに対し、「自分たち(イギリス系白人)の富と雇用が脅かされる」という理由で移民排斥運動が起こる。1888年には中国人移民制限法が制定され、これが非白人の排除政策である白豪主義につながり、ある時期までのオーストラリアの国是となる。

白豪主義自体は、1901年の移民制限法に始まり、1975年の人種差別禁止法まで約70年間続いた。第二次世界大戦後、白豪主義を貫くオーストリアはヨーロッパからの移民を受け入れていこうとするが、ヨーロッパに移民を送り出すゆとりはなかった。当時、オーストラリアの最大貿易相手国はイギリスであったが、そのイギリスが1973年にECに加盟した。イギリスがヨーロッパとの関わりを深めていく政策をとると、オーストリアも変わらざるを得なくなり、近隣のアジア・太平洋諸国とのつながりを重視する政策に転換していった。

1973~1975年にかけて、オーストリアは白豪主義に関する諸法律を改正、または廃止し、アジア・太平洋とのつながりを模索する多文化主義時代に移行していった。

1989年、当時のホーク首相の提唱で、日本、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ合衆国、カナダ、韓国、ASEAN6カ国(フィリピン、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ブルネイ)の12カ国でAPEC(アジア太平洋経済協力会議)を発足させた。


ダイヤモンド社  ¥ 1,620

「土地」と「資源」の奪い合いから経済が見える 地図で読み解く44の視点

序章  経済をつかむ「地理の視点」
第1章  立地 地の利で読み解く経済戦略
第2章  資源 資源大国は声が大きい
第3章  貿易 世界中で行われている「駆け引き」とは?
第4章  人口 未来予測の最強ファクター
第5章  文化 衣食住の地域性はなぜ成り立つのか?
おわりに 地理とは、いったい何を学ぶ科目なのか?

BS1 ワールドウオッチング 朝一番 世界をつかむ 2017/05/01
変わるオーストラリアの移民政策
http://www.nhk.or.jp/kokusaihoudou/catch/archive/2017/05/0501.html
(全文)
欧米で拡大する移民排斥の動き。イギリスはEUからの離脱を決め、アメリカのトランプ大統領は移民規制の強化を打ち出しています。そして先月(4月)、多文化主義を掲げるオーストラリアでも、移民制限の方針が発表されました。

新しいルールでは、一時就労ビザの発給を縮小し、市民権の付与も厳格化するとしています。移民大国・オーストラリアの方向転換は何を意味するのか。ゲストと共に読み解きます。
(続きを読む)に全文
ってなわけで、白豪主義の終焉と多文化主義の始まりを、1975年の人種差別禁止法とすれば、ターンブル首相が4月に打ち出した移民制限は、22年ぶりの大変革ということになりそう。

とはいえ、今さら“白豪主義”でもあるまいし、オーストラリアがアジア・太平洋と手を切れるわけでもない。ターンブル首相は“反移民”を唱える人々の声を代弁しているわけで、それが無視できないほどの勢力になりつつあるということですよね。彼らは、「オーストラリア第一主義」を掲げているが、ターンブル首相はそれを、「法治主義に民主主義、自由、尊重しあうこと、男女平等、こういったオーストラリア人の価値観」を共有できることの重要性と説明している。

つまり、西洋型の文化を共有できることを求めることで排斥されるのは誰か。一つにはイスラム教徒。返す刀でチャイナからの移民ってところかな。

まあ、単純に、「アメリカ第一主義」の尻馬に乗っただけかもしんないけど、民族の差異に関わることを持ち出すと、どこからどんな動きが始まるかわからないところがある。場合によっては制御できない怪物が登場するかも。




にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。

続きを読む

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

『戦争を始めるのは誰か』 渡辺惣樹

《ドーズ案によるドイツの復興》

ドーズ案は、ドイツの賠償金額は減額しないが、その支払いの原資はアメリカの融資をベースに実行するというもの。結果としては、ドイツはアメリカの融資で英仏への賠償金を支払い、その賠償金で英仏は対米債務を返済する。そこから生まれた余裕資金が、ドイツの借款に回される。

対ドイツ投資の信頼性は高まり、アメリカの多くの企業が次々とドイツに参入した。ドイツの景気は、ドーズ案によって盛り返した。政治的にも抵抗路線から協調路線に切り替え再建の道を進み始めた。

《ドイツによるズデーテン地方の併合》
ミュンヘン協定を戦後の史書は宥和政策の失敗だと説く。チェンバレンがこの時点でヒトラーとの戦いを決意していれば、その後のヒトラーの増長はなかったと言う。しかし、これは当時の世相を斟酌しない意見である。

チェコスロバキアの民族分布

チェコ系     650万人

ドイツ系     325万人

スロバク系    300万人

ハンガリー系    70万人

ウクライナ系    50万人

ポーランド系     6万人

 チェンバレンがミュンヘン協定を結んだ背景は、以下の6点である。

1.         英国民はチェコスロバキアの領土をめぐって参戦することに同意しない

2.         ヒトラーの要求の多くが正当なものである

3.         チェンバレンは、ドイツがロシア共産主義の防波堤になるためには、それなりの強国になる必要があると考えた

4.         英国陸軍は戦う準備ができていなかった

5.         ヒトラーは、ドイツ経済の復興など、多くの人々をいい意味で驚嘆させていた

6.         チェンバレンは、先の大戦の悲惨さが身に染みていた 

戦争を回避して帰国したチェンバレンを、国民は喝采で迎えた。

この状況で、チャーチルはチェンバレンを非難して、「チェコスロバキアは捨てられ、バラバラにされた。暗闇の世界に突き落とされた」と演説した。チャーチルはズデーテン地方を防衛するためにスターリンとの同盟構想を唱えた。赤軍がチェコスロバキアの防衛に向かえば、チェコスロバキアまでの東欧はスターリンの支配下にはいる可能性が高かった。チャーチルはソ連の脅威についてあまりにも鈍感であった。彼がそれを肌身に染みるのは1944年になってからである。


文春新書  ¥ 1,188

必要のない戦争だった。チャーチルとルーズベルトがいなければ、起こらない戦争だった
第一章 第一次世界大戦の真実
第二章 第一次世界大戦後の歴史解釈に勝利した歴史修正主義
第三章 ドイツ再建とアメリカ国際法務事務所の台頭
第四章 ルーズベルト政権の誕生と対ソ宥和外交の始まり
第五章 イギリスの思惑とヒトラー
第六章 ヒトラーの攻勢と、ルーズベルト、チェンバレン、そしてチャーチル
第七章 ヒトラーのギャンブル

《ウィリアム・ブリット駐仏アメリカ大使》
1939年1月14日、一時帰国していた彼は、FDRの指示を受けてポーランド駐米大使のイェジ・ポトツキと会談した。ドイツとの戦争という事態になれば、アメリカは英仏の側に立って能動的に干渉する準備ができていると語った。

1939年2月、赴任地のバリで、ポーランド駐仏大使ユリウシュ・ウカシェヴィッチに対して、「戦いが始まれば、アメリカはすぐにでも英仏の側に立って参戦する」と語った。

1939年3月15日、FDRは英国ハリファックス外相に対して、イギリスがその対独外交方針を変更しなければ、米国世論は反英国に傾くと脅した。FDRはドイツから英国大使を引き上げ、外交関係を断つことまで要求した。ハリファックス外相は、それは控えた。

この辺りから、チェンバレンの対独外交方針が変化する。

1939年3月31日、ポーランド独立保障確約。チェンバレンによるポーランド独立保障にロイド・ジョージはこう語る。「もしわが軍の将軍たちがこれを承認していたとすれば、彼らはすべて気が違っている」イギリスがポーランドの独立を保証するということは、イギリスとドイツが戦争するかどうかの判断を、ポーランドの政治家の決断に任せたということである。

チェンバレンは、1938年の段階では、イギリスはヨーロッパの戦いに関与しないと考えていた。しかし、ウィリアム・ブリット駐仏アメリカ大使が、1939年の夏、ポーランド問題ではドイツを絶対に阻止しなければならないと主張した。




にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

『ヒルビリー・エレジー』 J・D・ヴァンス

CNN.co.jp 2017/08/13
白人至上主義者が集会、反対派に車突っ込み1人死亡 米南部
https://www.cnn.co.jp/usa/35105684.html
(抜粋)
バージニア州シャーロッツビル(CNN) 米南部バージニア州シャーロッツビルで12日、白人至上主義者らが大規模なデモを計画し、これに抗議する団体と前夜から衝突した。12日午前には抗議集団に車が猛スピードで突っ込み、市当局によると1人が死亡、19人が負傷した。
(続きを読む)に全文

アメリカのメディアは、ここぞとばかりこのニュースを取り上げ、トランプ大統領を追い詰めようとしている。・・・まだ分かってないということだ。
著者は、白人にはちがいないが、アメリカ北東部のいわゆる「WASP(ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)」に属する人間ではない。そのかわりに、「スコッツ・アイリッシュ」の家系に属し、大学を卒業せずに、労働者階層の一員として働く白人アメリカ人の一人である。・・・これは本人の書いていること。

「スコッツ・アイリッシュ」というのはアイルランド島北東部からアメリカに移民してきた人たちのことだそうだ。“スコッツ”というのは、その地域にスコットランド系のプロテスタントが逃げて来ていたことを示すようだ。カトリックとの兼ね合いで、彼らは“アイルランド系移民”とは一線を画しているようだが、“アイルランド系移民”であることには違いない。

そうした人たちにとって、貧困は、代々伝わる伝統といえる。先祖は南部の奴隷経済時代に日雇い労働者として働き、その後はシェアクロッパー(物納小作人)、続いて炭鉱労働者になった。近年では、機械工や工場労働者として生計を立てている。アメリカ社会では、彼らは「ヒルビリー(田舎者)」「レッドネック(首すじが赤く日焼けした白人労働者)」「ホワイト・トラッシュ(白いゴミ)」と呼ばれているんだそうだ。つまり、アメリカという国のリベラル層は、自らを「スコッツ・アイリッシュ」と認識する人々を、自分たちアメリカ人とは違う種類の人々と考えているらしい。

そして、この本の著者は、自分のことを「スコッツ・アイリッシュのヒルビリー」と心の底から思っているんだそうだ。


『ヒルビリー・エレジー』    J・D・ヴァンス

光文社  ¥ 1,749

アメリカ社会では、彼らは“ヒルビリー”、“レッドネック”、“ホワイト・トラッシュ”と呼ばれている
第1章  アパラチア――貧困という故郷 崇拝すべき男たち、避けられる不都合な事実
第2章  中流に移住したヒルビリーたち 1950年代、工場とそして豊かさを求めて
第3章  追いかけてくる貧困、壊れ始めた家族 暴力、アルコール、薬物……場違いな白人たち
第4章  スラム化する郊外 現実を見ない住民たち
第5章  家族の中の、果てのない諍い 下がる成績、不健康な子どもたち
第6章  次々と変わる父親たち ――そして、実の父親との再会
第7章  支えてくれた祖父の死 悪化する母の薬物依存、失われた逃げ場
第8章  狼に育てられる子どもたち 生徒をむしばむ家庭生活
第9章  私を変えた祖母との三年間 安定した日々、与えてくれた希望
第10章  海兵隊での日々 学習性無力症からの脱出
第11章  白人労働者がオバマを嫌う理由 オハイオ州立大学入学で見えてきたこと
第12章  イェール大学ロースクールの変わり種 エリートの世界で感じた葛藤と、自分の気質
第13章  裕福な人は何を持っているのか 成功者たちの社会習慣、ルールのちがうゲーム
第14章  自分の中の怪物との闘い逆境的児童期体験(ACE)
第15章  何がヒルビリーを救うのか? 本当の問題は家庭内で起こっている


《ヒルビリーは、自分の母親を侮辱する人がいれば、チェーンソーを携えて、侮辱したものが隠れている家を襲う。妹の名誉を守るためなら、実際に下着を持っていって、名誉を傷つけた者をやっつける》

アメリカには、そんな人たちがいる。そして、そんな人たちを、自分たちと同じ人間だとは思っていない人たちがいる。富める者と貧しき者、教育を受けた者と受けていない者、上流階級と労働者階級という二つの集団は、時とともにますます違う世界に生きるようになっている。著者は、一方の集団からもう一方の集団への、文化的移住者である。

著者は31歳の弁護士で、いくつかの幸運に恵まれたことと、それを活かした本人の努力により、海兵隊・オハイオ州立大学・イェール大学ロースクールに進み、アメリカエリート社会の一員となった。

しかし、それでも彼の自己認識は、「スコッツ・アイリッシュのヒルビリー」なのだ。2016年6月に発表されたこの本は、いまだに売れ続けているという。

なぜ、ヒルビリーは民主党を嫌うのか。なぜ、ヒラリーではなくトランプなのか。アメリカでさえ理解しきれていないアメリカを理解するための、一級資料。以上に意義深い本。




にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。

続きを読む

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

『連合国戦勝史観の虚妄』 ヘンリー・ストークス

いま国際社会で「南京大虐殺はなかった」と言えば、もうその人は相手にされない。ナチスのガス室を否定する人と同列に扱われることになる。残念ながら、これは厳粛なる事実だ。だから慎重であらねばならない。だが、日本が日本の立場で、世界に向けて訴え続けていかなければ、これは歴史的事実として確定してしまう。
腹立たしいが、著者の言うとおり。東京裁判の結果は、残念ながら厳然たる事実として受け止められているし、これをくつがえすに残された時間は、もはやいくらもない。遠い過去の”歴史”に属してしまえば、どのような事実ももはや信憑性を失ってしまう、陰謀史観とか呼ばれて遠ざけられる。
以前にこの本を紹介したとき、こんなことを書いていた。世界は、戦争に勝ったことによって、負けたものにそれまでの負の遺産を担わせることに決めた。そして、それは今も変わらない。変わらないだけではない。中には、真実が顕になるのを覆い隠すかのように、声高に日本を攻撃するものがいる。シナと韓国だ。彼らは、国の成立自体が、第二次世界大戦にある。そこで語られることの多くが嘘だということが明らかになれば、彼らの国の土台自体が嘘にまみれていることが明らかになる。

もちろん、シナや韓国といった便乗組だけではない。日本に負の遺産のすべてを担わせるあらすじを書いた米英にしたって、その事実が明らかにされることは、なんとしても避けたい。違うのは、シナや韓国よりも、多少、恥を知っているというところだろう。

日本の敗戦によって、彼らは日本を裁くチャンスを手に入れた。著者の言葉は激越だ。『辱めを与える必要があった。日本人を徹底的に打ち砕き、完膚なきまでに叩きのめさねばならなかった。勝者の正義などは、まさに「建前」で、復讐をせずには収まらなかったのが「本音」である。東京裁判もまさに復讐劇だった』

“なぜ、そこまで・・・”と思うところだが、日本が彼らから奪ったものを考えれば、・・・当然といえば当然かも知れない。

『連合国戦勝史観の虚妄』    ヘンリー・ストークス

祥伝社  ¥ 864

英国人大物記者が、戦後、戦勝国の都合で作り上げられた「日本悪玉論」を断罪
第1章  故郷イギリスで見たアメリカ軍の戦車
第2章  日本だけが戦争犯罪国家なのか?
第3章  三島由紀夫が死を賭して問うたもの
第4章  橋下市長の記者会見と慰安婦問題
第5章  蒋介石、毛沢東も否定した「南京大虐殺」
第6章  『英霊の聲』とは何だったか
第7章  日本はアジアの希望の光
第8章  私が会ったアジアのリーダーたち
第9章  私の心に残る人々
終章  日本人は日本を見直そう


「唯一の文明国であるはずの白人世界で、最大の栄華を極めた大英帝国が有色人種に滅ぼされるなど思考の限界を超えていた」「チャーチルが日本を口汚く罵った背景にはその悔しさと怒りがあった」

「英国はナポレオンとヒトラーの侵略を受けた。だが、その帝国の植民地が有色の日本人によって奪われ、その他の有色人種が次々独立していったことは想像を絶する悔しさだった」

「アメリカは原爆を落とす必要はまったくなかった。生体実験のように人間の上に原爆を落としたのは〈辱めを与える必要性〉があったからだ。日本人を完膚なきまでに叩きのめさねばならなかった。正義は建前で、復讐せねばおさまらなかったのが本音だ」

「日本は白人の持ち物の植民地を侵略した。侵略が悪いのではなく、有色人種が白人さまの領地を侵略したから悪いのだ。白人が有色人種を侵略するのは〈文明化〉で、劣っている有色人種が白人を侵略するのは〈犯罪〉なのだ」

「東京裁判は復讐劇であり、日本の正当性を認めることなど最初からありえなかった。認めれば自分たちの誤りを認めることになる。広島長崎の原爆や東京大空襲で民間人を大量虐殺した罪を明らかにされてはならなかった。それが連合国の立場だった」
こんなところを挙げておけば、彼らがなぜそこまで日本を徹底的に叩こうとしたのかの理由として、十分でしょうか。《猿の惑星》という映画は、建てに作られたわけじゃないってことだね。




にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

『経済で読み解く大東亜戦争』 上念司

植民地ってのは本来、本国に利用され、搾取されるものだった。欧米の国々は、植民地をそういうものとして扱った。それ以外に考える余地がなかった。アジアやアフリカはひどい目に合わされた。

イギリスは北アメリカ植民地やオセアニア植民地において多額の投資を行い、その後、独立した国家の近代化の礎となったところがある。ただし、北米においては先住民族を排除、いまチャイナがチベット、東トルキスタン、内モンゴルで行っている民族浄化をもっと大胆に行った上でのこと。だから、時間の流れというものに鈍感なシナ大陸に住む者たちにしてみれば、「同じ、あるいは、そこまでひどいことをやってないのに非難されるいわれはない」っていうくらいの気持ちなんだろう。ともかく、先住民をクレンジングした上で、奴隷を入れてったわけだからね。「近代化の礎」ったって、言わばそういうこと。

日本が台湾や朝鮮でやってこととは、まるで違う。これまで利用されていなかった人的資源を教育によって労働力に変えたり、捨て置かれた土地に設備を作って生産基地に変える。これを日本は、本土のインフラ整備以上に熱心に取り組んだわけだ。

朝鮮・台湾・満州への投資は、搾取どころか、持ち出しのほうが多かった。日本に併合された朝鮮は人口を900万人から2300万人に増やした。台湾は100万から600万に増えた。満州は大陸における唯一「法」と「秩序」の保たれた場所だった。そのため、内乱状態の支那から多くの人々が満州に流入した。満州国建国前、300万だった人口は1932年の建国時には3000万、1940年には4000万と急速に増えた。

技術移転と多額の投資なくして、このような人口増加はない。軍や警察が法的秩序を維持し、インフラ整備に莫大なコストを掛け、民間の投資を呼び込んで働く場所まで作る。現地の資源や労働力を使ったが、それは現地に産業を起こすためであり、結果として人口が増えた。

これを同じ植民地経営と呼ぶべきか。・・・違うだろう。


ベストセラーズ  ¥ 1,188

「大東亜戦争」とは何だったのか? “地政経済学"で「日米開戦」の謎を解く!
序 章   【経済と戦争の相関】
第一部  【第一次世界大戦までの世界経済の動向】
第二部  【第一次世界大戦の明暗】
第三部  【第二次世界大戦前夜の日本経済】
終 章   【日本の戦後復興】



さて、日本とアメリカの戦争はチャイナを巡っての対立が背景にある。そのチャイナの背後にはアメリカの影があったんだよね。アメリカの、分けのわからないほどのチャイナへの肩入れで、日本は疲弊させられていく。

たとえば、顧維均。この人は、清華大経由でアメリカに留学して大事に育て上げられた、日支離間の駒、第一号。パリ講和会議の支那代表。日本の山東半島租借を非難。支那政府が前金をとって認めたことが発覚するが、本国で五四運動が盛り上がる。

米宣教師ジョージ・フィッチは、悪質。北白川宮らが暗殺された虹口公園爆弾テロ事件は、フィッチが朝鮮人テロリスト尹奉吉を手引きした。

ニューヨーク・ヘラルド紙記者ウィリアム・ドナルドは蒋介石と親しく、張学良の顧問。場合によっては、コミンテルンと繋がってたんじゃないかな。つながっていたと言えば、彼は、西安事件の際は、宋美齢を伴って西安に乗りこんでいる。こっちは命令系統というわけじゃなく、もっと、物理的に、・・・フィジカルにね。

シェンノートは第二次上海事変で支那空軍部隊を指揮。

米宣教師ベイツ、マギーは、南京攻略に際し、「日本軍が大虐殺をした」と嘘八百を並べ、ニューヨーク・タイムズやシカゴ・デイリーニューズがそれを報じている。

支那に派遣された宣教師の子ヘンリー・ルースの『LIFE』誌、パール・バックの『アジア』誌は、支那人を好意的に伝え続けた。日米戦争前の段階で、米国人の好感度は、支那に対してが76%であるのに対し、日本に対してが2%(亀井俊介編『日本とアメリカ』)。

親分がフランクリン・D・ルーズベルトになってからは、ひどいよね。F・D・RのDはディラノ。彼の母方の姓ですね。ディラノ家は奴隷貿易とアヘンの密輸でもうけた一族。リンカーンが奴隷開放宣言なんてカッコつけるけど、そんなこと言えるのも、苦力の激安の労働力の目安があったからこそ。まあ、ディラの家ってのは、いずれにせよ、シナ人の生き血をすすって財を築いたわけだ。

マザコンのフランクリン・ディラノ・ルーズベルトにしてみれば、そんなシナ人がかわいくてかわいくて仕方がなかったわけだ。




にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

『アメリカと中国は偉そうに嘘をつく』 高山正之

CNN.co.jp 2017/07/17
「スパイダーマン」対「猿の惑星」、週末興収は猿に軍配
https://www.cnn.co.jp/showbiz/35104320.html
(抜粋)
米SF映画「猿の惑星」シリーズの最新作がこの週末に公開され、北米での興行収入は推定5650万ドル(約64億円)に達した。2回目の週末を迎えた「スパイダーマン」シリーズの新作「ホームカミング」は推定4520万ドル。「猿」が「スパイダーマン」を抑えてトップに立つ結果となった。
(続きを読む)に全文

「猿の惑星」やってたんだ。と思ったら、今やってるのはすでに第3弾で、第1弾は2011年、第2弾は2014年にやってたんだそうだ。日本でもやったのかな。子供の頃は、ドキドキしながら、「猿が深化して、人間が支配されちゃったらどうしよう」とかってドキドキしながら見てた。

当時は、もしも結びつけるなら、ヒッチコックの「鳥」と結びつけた。それは、“動物の反乱”という意味合いでね。知らなかったからね。あの、なっちゃんこと野沢那智さんが声を務めたコーネリアスやジータが、本当は白人に逆らう日本人を揶揄したものであったなんてね。


徳間書店  ¥ 1,404

この本には大新聞が書かないことだけが書かれている。朝日新聞しか読んでいない人には理解できないかもしれない。
1 そろそろ白人の腹黒さに気がついたらどうか
2 中国人の嘘つきは泥棒の始まり
3 朝日新聞にはもう騙されない
4 いつまでGHQ憲法を抱きしめれば気がすむのか

『戦場にかける橋』は、頭のいいイギリス人捕虜が、頭の悪い日本軍にクワイ川に架ける橋の作り方を教えてやるといったストーリーなんだそうだ。もちろん日本軍はひどく描かれている。もちろん封切ではないが、その後、名画座で見た。そんなもんかと受け入れた。日本人を馬鹿にした映画なのに日本で流行って、ハリウッドが大儲けだったんだそうだ。

で、同じ日本人を馬鹿にする路線でもう一本と、ピエール・ブールに依頼が来た。そのピエール・ブールが調子に乗って書いたのが、猿がゴリラを部下にして白人を奴隷にする話。猿は日本人で、ゴリラは黒人。・・・そう、『猿の惑星』ね。

ピエール・ブール自身はフランス人で、第二次大戦下では徴兵されて仏領インドシナで軍務についたという。そこで日本軍の捕虜になっているから、『戦場にかける橋』や『猿の惑星』は、彼の仏領インドシナでの経験がもとになっているわけだ。

おもしろかったよ。「猿が人間を支配する」なんて発想。思いもよらないもんね。猿だと思ってバカにしていた日本人に捕虜にされて、まるで神によって罰されたアダムのように働かなければならなくなったピエール・ブールならではの発想ってことだな。

『パール・ハーバー』では日本軍機が病院や逃げ惑うアメリカ人を機銃掃射していたが、あれをやってたのはアメリカ軍機。この間呼んだ、『1934年の地図』では、横須賀で列車がやられて多くの死者を出したことが取り上げれていた。

『アンブロークン』ではアメリカ人の捕虜が、日本兵に金属のバックルで殴られていたが、日本兵のズボンはひもで縛るやつだ。・・・これは高山さんの受け売りだ。

さて、子どもの自分は、猿の進化にビクビクしながら見た『猿の惑星』。恥ずかしげもなくリメークされるなら、猿が人間を殴るシーンで、「ブラボー」を叫んでやろう。・・・いやいや、そんな白人の真似事は、やはり控えよう。白人のまねはやめて、猿まねをしよう。




にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。

続きを読む

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

ありがとうございました



「《めんどくせぇことばかり》は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。」
よくお越し下さいました

イーグルス16

Author:イーグルス16

息も絶え絶えです、ぜひ応援してください
人気ブログランキングへ にほんブログ村 政治ブログへ


言葉は人の心をあらわします。
「歌は世につれ世は歌につれ」と言いますが、言葉についても同じことが言えるでしょう。
これから出る本














































当ブログ内人気図書 






















































カウンター
カテゴリ
ブロとも一覧
アジシオ次郎の時事原論
はりこのはやしや 
ハシビロコウ
素足のアイドル達
うさぎ屋の四方山話
わくわく株式投資
プロモデラー林哲平のジャンクロボット創作ブログ『ケルバーダイン』
大好き!グラビアアイドル!
伊織のブログ
Re:BAD TASTE♥
QWERT 5w1h
「伝わる技術」オトデザイナーズ・坂本真一
歌と知恵でハッピーライフ^^
こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本












































検索フォーム
リンク
RSSリンクの表示
最新記事
応援して下さい