めんどくせぇことばかり 本 近現代世界

『アメリカが隠しておきたい日本の歴史』 マックス・フォン・シュラー

Business Journal 2017/03/31
拘置所で全裸にされて肛門の中まで調べられる韓国・朴槿恵…「韓国の恥」で支持率0%
http://biz-journal.jp/2017/03/post_18545.html
(抜粋)
3月31日、韓国前大統領の朴槿恵(パク・クネ)容疑者が逮捕された。

友人の崔順実(チェ・スンシル)容疑者と共謀してサムスン電子副会長の李在鎔(イ・ジェヨン)容疑者から433億2800万ウォン(約43億円)の賄賂を受け取ったとされるなど、全部で13の容疑に及ぶスキャンダルは「崔順実ゲート事件」と呼ばれる。

朴容疑者は、これで全斗煥氏、盧泰愚氏に次いで3人目の元大統領の逮捕者となった。2016年10月に発覚した同事件は、それから約半年後に現職の大統領が罷免、逮捕されるという結果となった。

(続きを読む)に全文


歴代の中では、朴槿恵はとびきりクリーンだったろうな。根拠があるわけじゃないけどさ。朴槿恵は家族の縁が薄くて、たかってくる奴も少なかっただろうしね。頭のいい女が、そんな失敗はしないだろう。だけど、何かを見誤ったからこそ、自分自身が逮捕されるようなざまになった。

見誤ったのは、李明博によって進められた合理化で、韓国人の大半の生活が相対的に厳しい状況に追い込まれたこと。グローバル化の波にさらされて、「万人の万人に対する闘争」が時間無制限で繰り広げられ、勝者と敗者が明確にされて、地域や家族の連帯をズタズタにされてしまったこと。日韓合意で慰安婦問題の不可逆的解決がなされたことで、半日で憂さ晴らしをするのが難しくなったこと。・・・そんなところかな。

それにしても、自分たちが選んだ大統領の、けつの穴まで調べさせる韓国人のえげつなさ。心の底から恐ろしい。ありえないことだけど、まかり間違って日本が韓国の下手につくようなことがあれば、彼らは天皇陛下に対しても、同じことをやる。


『アメリカが隠しておきたい日本の歴史』    マックス・フォン・シュラー

ハート出版  1,620

アメリカ人が語るアメリカの嘘 真実を語ること、それはヘイトスピーチではない
Chapter1  日本は攻撃的な国だったのでしょうか
Chapter2  日本陸海軍は本当に残虐だったのでしょうか
Chapter3  大東亜共栄圏
Chapter4  日韓関係はなぜ修復できないのでしょうか
Chapter5  併合時代の真実
Chapter6  日韓問題の現実
Chapter7  思い違い
まえに『1907』という、伊藤博文統監にまねかれて来韓したジョージ・トランブル・ラッドの書いた本を読んだ。その本もそうだったんだけど、この本も、まずは先に英語の段落があって、そのあとに日本語の段落がつけられている。言うなれば、内容はページ数の半分ということになるわけだ。それから、『朝鮮が劇的に豊かになった時代』という、アレン・アイルランドの書いた本もそうだった。

それにしてもこの本、Chapter4以降で、盛んに韓国という国の特殊性を説明している。その点で、彼が参考にした書物が巻末に紹介されているんだけど、なんとその一番手が『韓国が劇的に豊かになった時代』であり、二番手が『1907』だった。

それらを参考にして、かなり正確に韓国のことを分析している。著者はドイツ系アメリカ人で、1974年に岩国基地へ海兵隊員として来日した人物。その後、長期間日本で生活し、韓国で英語教師として生活した経験も持つ。そのためか、日韓の関係に関しても、観察眼は冷徹だ。

たとえは私は、若い時分、左翼系の運動に入れ込んだ。韓国に関してもそうだ。貧乏なくせに、朴慶植の『朝鮮人強制連行の記録』なんてバカ高い本を買って読んで、日本に向けてこぶしを振り上げてた。まあ、家族はじめ、周囲の人の厚情を受けてこっちの世界に引き返すことができたけど、そんな私の目から見ても、どうしても、韓国に関しては、口をつぐんでしまうところがある。まあ、私のダメなところだけど・・・。

反省だな。著者の言う通り、真実を語ることはヘイト・スピーチではない。私も、時間がいくらでもあるって歳じゃないし、もう廻り道はしていられない。




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歴史戦(覚書)『アメリカが隠しておきたい日本の歴史』 マックス・フォン・シュラー

《歴史戦》という言葉をよく聞く今日この頃ですね。一体誰が・・・?ということを考えてみると、結局、「日本を取り巻く全ての国が・・・」という結論に到達して、愕然とする。それは、「かつて日本は、世界を敵に回して戦争をした」という言葉と符合する。なにしろ、同盟国のイタリアまでが、中立国のスイスまでが、日本から賠償金をせしめているんですから。
賠償並びに戦後処理の一環としてなされた経済協力及び支払い等
1 賠償=3,643億4,880万円
フィリピン賠償協定:1956年7月1,980億円
ベトナム賠償協定:1960年1月 140億4,000万円
ビルマ賠償・経済協力協定:1955年4月 720億円
インドネシア賠償協定:1958年4月 803億880万円
2 中間賠償(1945年11月~1950年5月)
  日本国内の資本設備を撤去して、かつて日本が支配した国に移転、譲渡することによる戦争賠償
   =1億6,515万8,839円
支那54.1%、オランダ(東インド)11.5%、フィリピン19%、イギリス(ビルマ、マライ)15.4%
3 在外資産の放棄=3,794億9,900万円
朝鮮 702億5600万円
台湾 425億4200万円
支那2,386億8,700万円
その他(樺太、南洋、その他南方地域、欧米諸国等)  280億1400万円
4 戦後処理の一環として締結された経済技術協力協定等に基づく経済協力等
   =2,539億4,170万5,380円
ラオス経済技術協力協定:1959年1月      10億円
カンボジア経済技術協力協定:1959年7月      15億円
マレーシアマレーシアとの協定:1968年5月    29億4,000万3,000円
シンガポールシンガポールとの協定:1968年5月    29億4,000万3,000円
韓国日韓基本条約:1965年12月1,080億円
ミクロネシア米国とのミクロネシア協定:1969年7月      18億円
タイ特別円問題解決協定:1955年12月
上記協定のある規定に代わる協定:1962年5月
      54億円
      96億円
フランスインドシナ銀行名義諸勘定の解決に関する議定書:1957年3月      15億円
        1億7,267万4,360 円
インドネシア旧清算勘定その他の諸勘定の残高請求権処理に関する議定書
:1958年4月
   636億8,902万5,020 円
ビルマ経済技術協力協定:1963年10月   504億円
モンゴル経済協力協定:1977年8月     50億円
5 捕虜に対する償い=45億4,108万5,000円
赤十字国際委員会(受益代表[英国]との交換公文:1955年5月)  45億4,108万5,000円
6 私的請求権問題等の解決のための支払い=85億8,141万4,246円
オランダ私的請求権問題解決に関する議定書:1956年6月
オプテンノール号問題解決に関する取極:1979年3月
36億円
 1億円
イタリア請求権問題解決に関する取極:1972年7月 4億3,200万円
スイス請求権問題解決に関する取極:1955年3月
同取極第2条:在スイス日本財産の処理
10億2,942万5,000円
 2億0,389万0,746円
スペイン請求権問題解決に関する取極:1957年1月19億8,000万円
スウェーデン請求権問題解決に関する取極:1958年5月 5億0,452万7,500円
デンマークグレート・ノーザン・テレグラフ株式会社の請求権解決取極:1955年9月
請求権問題解決に関する取極:1959年5月
 3億0,273万9,000円
 4億2,300万円
オーストリア請求権問題解決に関する取極:1966年11月      601万2,000円
7 戦前債務の支払=6億7,473万4,680円
イギリス請求権解決に関する取極:1960年10月5億0,400万円
カナダ請求権解決に関する取極:1961年9月    630万円
インド請求権解決に関する取極:1963年12月    900万円
ギリシャ請求権解決に関する取極:1966年9月  5,823万4,680円
アルゼンチン請求権解決に関する取極:1977年6月  9,720万円
8 戦後処理の一環として締結された経済開発借款取極等に基づく借款=3,407億7,600万円
ビルマ賠償・経済協力協定:1955年4月
経済開発借款取極:1963年10月
 180億円
 108億円
フィリピン経済開発借款取極:1956年7月 900億円
インドネシア経済開発借款取極:1958年4月1,440億円
ベトナム借款協定:1960年1月
経済開発借款取極:1960年1月
  27億円
  32億7,600万円
韓国請求権・経済協力協定:1965年12月3,407億7,600万円
これは、前にブログで紹介したものの使い廻しね。

欧米は、世界から集金するシステムを日本に壊された腹いせに、日本をリンチにした上で、日本からむしり取っていった。日本が集金システムを壊したこと恩恵を受けたアジアの国々には、いくらかの分前を与えることで、多少の罪悪感を与えることで黙らせた。それぞれが、それぞれの日本との関わりに応じて、弁明を準備した。金を取った以上、「ごめんなさい」とは言えないのだ。結局、それぞれの立場で、《歴史戦》に打って出ることになる。

とは言え、大半は忘れてほしいのだ。小さい声で、「本意ではなかった」と伝えたいのだ。

しかし、そんなことでは済まない国が、いくつかある。中国、韓国、ロシア、アメリカ。いずれも、日本から、奪いすぎてしまった国だ。


『アメリカが隠しておきたい日本の歴史』    マックス・フォン・シュラー

ハート出版  1,620

アメリカ人が語るアメリカの嘘 真実を語ること、それはヘイトスピーチではない
Chapter1  日本は攻撃的な国だったのでしょうか
Chapter2  日本陸海軍は本当に残虐だったのでしょうか
Chapter3  大東亜共栄圏
Chapter4  日韓関係はなぜ修復できないのでしょうか
Chapter5  併合時代の真実
Chapter6  日韓問題の現実
Chapter7  思い違い


ロシアは、第二次世帯対戦だけに関しては、一方的に攻撃をしただけだ。対した日本軍にしたって、一部を除いては、軍備も兵も満足な状態じゃなかったし、ロシアは民間人でも平気で攻撃したし、女と見れば見境なく発情を隠そうともしなかったから、《歴史戦》においても、なかなか巧妙な攻撃にかかれない。「北方領土は第二次世界大戦の結果」というだけで、卑怯な攻撃に伴う破廉恥な行為や、シベリア抑留に関しては、言及もない。

さて、シナ、韓国、アメリカだけど、恥も外聞もなく、彼らの想像力の及ぶ限り、なんでもでっち上げてくる。だけど、実際には、それが落とし穴になっているのだ。彼らが想像力の及ぶ限りを尽くしてでっち上げた日本の残虐な行為は、結局、彼らの文化の中での話なのだ。つまり、彼らの語る“日本の残虐行為”というのは、自分たちの文化を、自分たちの歴史を語っているのだ。それこそ、場合によっては、大戦中に自分の行ったことを自白しているに過ぎないのだ。

森村誠一さんが告発した三光作戦なんて、どう考えたって日本にはそんな戦い方はないよ。伝統的なシナの戦い方だよね。従軍慰安婦への強制連行なんて、朝鮮人じゃないと考えつかないよ。ちなみに、大陸からの引き揚げに際してたちが悪かったのは、ソ連兵だけじゃなかったみたいよ。

さて、アメリカ。・・・・・・・・・、銃後への無差別な殺戮作戦といい、戦場における無意味な殺戮といい、戦後に多発した強姦事象といい、あんまり悔しくて、言葉にならない。・・・ぜひ、この本を読んでみてください。




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東ティモール(覚書)『変見自在 オバマ大統領は黒人か』 高山正之

時事通信 2017/03/25
新大統領にルオロ氏=独立闘争の戦士-東ティモール
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017032500629&g=int
(抜粋)
【ジャカルタ時事】東ティモールで20日行われた大統領選で、同国選挙管理委員会は25日、国会第2党東ティモール独立革命戦線(フレティリン)のフランシスコ・グテレス(通称ルオロ)党首(62)が当選したと発表した。
(続きを読む)に全文

最初に植民地化したのはポルトガルだった。あとからオランダがやってきて、ティモール島の西半分をポルトガルから奪った。オランダ領となった地域とポルトガル領となった地域、いったいどっちがマシだったろう。まあ、大差はないだろうが、ポルトガルの支配が最低で、かついい加減であったことは間違いない。

20世紀になると、本国ポルトガルの経済的苦境を補うために、東ティモールにおける収奪はさらに強化されたという。ポルトガルは第二次世界大戦には中立を表明したが、開戦早々、オランダとオーストラリアに保障占領されてしまう。ポルトガルはイギリスに講義するものの、結局このあと、日本がティモール島全体を占領する。

第二次世界大戦後、西ティモールを含むオランダ領東インドは、独立戦争を経てインドネシアとして独立する。ポルトガル領ティモールは1975年に、本国ポルトガルの政変に合わせて独立話が立ち上がるが、時を合わせてインドネシアが占領する。

上の記事にある“独立闘争の戦士”ってのは、インドネシアに対する独立闘争ということになる


記事には、フランシスコ・グレテスというポルトガル人の名を持つ男の顔写真が乗っているから見てみてね。彼がクリオーリョであることがわかる。ポルトガル人は、ティモール島を支配下に置くと、言質の女を強姦して子を産ませ、生まれた子たちにポルトガル人の名と武器を与えて、現地人を支配させたという。母を強姦されて生まれた子達にとって、そのポルトガル人風の名前はティモール島ででかい顔をするための証明であったそうだ。



新潮文庫  ¥ 529

尽きることのない世の非道を炙り出す、「週刊新潮」超辛口名物コラム集

以下は、本書からの抜粋
昭和16年11月、大日本航空は東チモールのディリに定期運行を始めた。しかし、翌月大東亜戦争が始まると、豪州軍1500がディリに上陸。中立国ポルトガル領での違法な軍事行動で大日本航空社員を捕虜とした。昭和17年2月、ポルトガルの許可のもとに日本軍が上陸すると、豪州軍は蜘蛛の子を散らすように逃げた。日本軍は西チモールを制圧してオランダ軍を追い払い、現地人は白人の支配から解放された。

東チモールには3種類の人がいた。現地人が46万人。ポルトガル人が510人。ポルトガル人が現地の女に産ませた混血が3000人。混血児は父の名と容貌をもらい、銃を持ってポルトガル人を守った。

西チモールのように自由を勝ち取りたい現地人はポルトガル人と混血児を狙うようになった。ポルトガル人から保護を求められた日本軍は、現地人を縛ってきた塩税などを廃止して現地人をなだめた。

戦後日本軍が去ると、ポルトガルは財政事情から島を去り、西チモールと同じようにインドネシアに併合された。白人が消え、多数の現地人と少数の混血児がにらみ合ったころ島の沖に海底油田が見つかった。

豪州の白人が再び登場し、混血児と組んで「島民はインドネシアの圧政からの独立を望んでいる」とウソを並べた。混血児のラモス・ホルタにノーベル平和賞が与えられ、東チモールは晴れて独立した。今、海底油田の利益は混血児と豪州が山分けしている。
世界は、《白人の血を引くものたちがインドネシア人による迫害に対し、命がけの戦いを続けている》という位置づけで、東ティモールのクリオーリョと現地カトリック教会司教にノーベル平和賞を送った。

2002年の独立後も、たびたび治安維持が不可能となり、オーストラリアが、自分の利権を守るために治安維持軍を覇権している。




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習近平(覚書)『大転換:長谷川慶太郎の大局を読む 緊急版』

総書記兼国家主席兼中央軍事委員会主席の任期は5年。通常、2期10年を務め、後進に道を譲る。さて、習近平にもそれが適用されるのか。

習近平が掲げた汚職撲滅。すごい手を考えたもんだ。汚職ということになれば、中国共産党に属するもので、身に覚えのない奴は、まずいない。権力の地位にあって、警察機構を掌握していれば、自分の排除したい人物を排除できる。しかも、民衆からは喜ばれる。「トラもハエもたたく」と豪語したとおり、その手は大物にも伸びた。民衆の喝采の声を背景にしていたからこそできたことだ。

ただし、それによって、習近平は逃げ場をなくした。この先、習近平が権力を手放すことがあれば、彼は瞬殺されるだろう。

それを免れるためには、まず、確実に2期10年を務める。そしてその後も、中央軍事委員会主席の地位は譲らないなどの方法で、自分が指名した後進に影響力を及ぼし続ける、または慣習を無視して3期目以降も続投する体制を形成することが必要だ。

その、大きな区切りが、今年の秋にある。2017年秋の党大会で1期5年が終わる。習近平の政敵にすれば、習近平に対して、彼が権力基盤を固める2期目5年間という時間的余裕を与えないようにしたいところだ。

The Huffington Post 2016/10/28
習近平氏は「中国共産党の核心」毛沢東、鄧小平と同じ呼称に
http://www.huffingtonpost.jp/2016/10/27/xi-mao-deng_n_12681676.html
(抜粋)
中国共産党の重要会議「第18期中央委員会第6回全体会議(6中全会)」が4日間の日程を終えて、10月27日に閉幕した。会議で採択されたコミュニケでは、習近平国家主席を「党中央の核心」と位置付けた。コミュニケは人民日報系のニュースサイト「人民網」などで発表された。
(続きを読む)に全文
これは昨年10月、6中全会に関する記事なんだけど、これを受けて、ついこの間閉幕した全人代で、周近平を“核心”と位置付けることが確認され、内外にアピールされた。前述のような状況を考えれば、これは政敵たちの反撃を封じこむための一手と考えていいだろう。

徳間書店  ¥ 1,512

トランプ政権が見えてきた 経済・軍事・保護貿易・外交・エネルギー・・・
第一章  トランプ大統領誕生は必然だった
第二章  トランプの「経済政策」が見えてきた
第三章  世界の警察官から撤退するアメリカ
第四章  日本の軍事と経済はこうなる
第五章  ヨーロッパ・ロシア・中国・韓国の奈落


先日読んだ、福島香織さんの『赤い帝国 中国が滅びる日』では、習近平が権力を確固としたものとし、長期政権を可能にするためには、軍を掌握することが必要であるとしていた。そのために、南シナ海、あるいは東シナ海で、何らかの軍事的成功をおさめ、軍の信頼を勝ち取ることだと。

例えば、南シナ海にミサイルシステム、レーダーシステムを完成させ、アメリカの侵入を阻む。軍事拠点化は、年内には完成するだろうという。

長谷川さんは、アメリカはそれを待たずに行動を起こすと予測している。つまり、シナ政治の焦点となる2017年秋の党大会を待たず、南シナ海に2隻の原子力空母を旗艦とする2つの機動部隊を投入するという作戦である。現状、シナは手も足も出ない。間違って手を出せば、瞬殺されて、習近平の権力は終わる。

だから、習近平は、妥協せざるを得なくなる。妥協の仕方によっても、習近平のメンツはつぶれ、秋の党大会で権力の座から転げ落ちることもあり得る。そんななかで、習近平がアメリカに行く。
Newsweek 2017/03/14
米中首脳会談、来月上旬で調整 トランプのフロリダの別荘で
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/03/post-7162.php
(全文)
トランプ米大統領が中国の習近平国家主席との首脳会談について、来月にフロリダ州の別荘で行う方向で調整していると、ニュースサイトなどが伝えた。

ニュースサイト「アクシオス」は関係筋の話として、会談は4月6─7日にトランプ氏の別荘「マー・ア・ラゴ」で行われる見込みだと報じた。

またCNNによると、日程は暫定的で、ティラーソン国務長官が今週のアジア歴訪で最終的な調整を行うという。

ホワイトハウスのスパイサー報道官は、首脳会談の日程を発表できる段階ではないとし、中国外務省もコメントの求めに応じていない。




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ロシア・ヨーロッパ(覚書)『大転換:長谷川慶太郎の大局を読む 緊急版』

ある意味では、プーチンは思っている以上に追い詰められているということだな。

あの、年末の、日露首脳会談の話。北方領土に関して、レベルの差こそあれ、何らかの言及がなされると、多くの日本人が期待していた。「・・・4島」、「いや、2島」。多くの日本人が、期待を裏切られた。日本側からの3000億円規模の経済協力プランが提示されただけで、北方領土返還に関する言及は引き出せなかった。

本書にもあるが、プーチン訪日の3か月前、9月にウラジオストクで行われた首脳会談では、北方領土問題について「解決しなければならないことでは一致している」というプーチンの言質もあり、期待が高まっていただけに、正直残念な結果だった。

《長谷川慶太郎さんが、このことに関してどう考えているか》、それがこの本に対する期待の一つだった。なんか自慢たらしいけど、私の考えは間違っていなかったようだ。と言うのは、《次期大統領に決まったトランプへの期待》ということ。つまり、トランプに働きかけることで、対ロ制裁を緩和できるということね。でも、そんな単純に考えてもいいのかどうか、疑問に感じていた。

トランプは、プーチンを評価している発言をしている。プーチンにしてみれば、そのトランプが米大統領に決まったことで、現状打開の期待を掛けているのだろう。長谷川さんが言うには、トランプはシリア・ISの問題を解決する目的で、プーチンに期待しているのだという。そして、その問題を解決した後で、ウクライナ問題に取り掛かろうと。つまり、シリア・ISの情勢の沈静化が成し遂げられれば、トランプはプーチンを切り捨てるだろうというのが、長谷川さんの予測である。

だけど、なら、プーチンは、それを全部見込んで、すでに打つ手を考えて、トランプに関係改善を持ちかけているのか。そんな手があるのか。これも、この本で解決した。この問題は深刻だ。ロシアの知的水準が落ち込んでいるという。一般的知的レベルの落ち込みに比例して情報分析能力も落ち込み、プーチンの政策判断に異常をきたしているという。

トランプの登場で、日本に対し、プーチンは手のひらを返すような真似をした。なら、次の機会が来るまで、待てばいい。それは、そう先のことでもなさそうだ。


徳間書店  ¥ 1,512

トランプ政権が見えてきた 経済・軍事・保護貿易・外交・エネルギー・・・
第一章  トランプ大統領誕生は必然だった
第二章  トランプの「経済政策」が見えてきた
第三章  世界の警察官から撤退するアメリカ
第四章  日本の軍事と経済はこうなる
第五章  ヨーロッパ・ロシア・中国・韓国の奈落

イタリア首相のレンツィが、憲法改正案の国民投票に際し、その成立に自分の進退をかけた。憲法改正案は、立法に関する権限を乗員から奪って下院に限定し、経済政策の権限を中央政府に集約して地方政府の権限を制御するものだった。これで中央政府の力を安定させ、必要な政策を速やかに実行できるようにするためのものだった。レンツィは、憲法改正案の可決を信じ、これに自分自身への信任を重ねることで権力基盤を強化することを狙ったのだそうだ。

私はこのニュースの保つ意味を理解することができないでいたのだが、この時、憲法改正案の否決に向けて反対運動を繰り広げたのが、右翼のグループや、反EUを掲げる政党だったんだそうだ。つまり、国民は右翼や反EUに票を投じたのである。

2017年に予定されているヨーロッパの主要な国政選挙は、ブレグジット、トランプの勝利、レンツィの敗北の流れを断ち切れるかどうかが焦点となる。

3月にはオランダの議会選挙。4~5月にはフランスの大統領選挙。6月にはフランスの国民議会選挙。秋にはドイツ連邦議会選挙。
ロイター 2017/03/10
焦点:オランダのパラドックス、豊かな国で極右政党優勢の理由
http://jp.reuters.com/article/dutch-election-analysis-idJPKBN16G0VO
(全文)
[フォーレンダム(オランダ) 3日 ロイター] - オランダのフォーレンダムは、こぎれいで豊かな港町だ。犯罪や失業もほとんどなく、とうてい対立の温床には見えない。だが3月15日の同国総選挙では、3分の1の有権者が、反移民を掲げる極右政党「自由党」のヘルト・ウィルダース党首を支持するとみられている。

ウィルダース党首の高い人気は、西側の民主主義諸国が抱える現状に挑み、欧州連合(EU)を揺るがす「パラドックス」を浮き彫りにしている。経済が順調にもかかわらず、有権者は主流派に背を向け、反主流派的なポピュリズムに賛同しているのだ。

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アフリカ(覚書)『恐怖の地政学』 T・マーシャル

アフリカのとある一地点を相手に伝えるときに、ついつい、頭蓋骨に例えちゃうことってない?「そうそう、ナイジェリアは後頭部の一番くぼんだあたり」とか、「ビクトリア湖は目玉の位置」とか、「喜望峰はあごだよ」とかさ。あれって良くないよね。なんとなく、“死”のイメージにつながりそうでさ。

それはそうと、アフリカを、地政学的にとらえるという考えを持ったことがなかった。それだけでも、この本を読んだ甲斐があった。

たしかに近現代史におけるアフリカは、大変だったよね。いまでこそ、「最後のフロンティア」なんて言われているけどさ。まだまだ、圧倒的に“困難”の方がでかい顔をしていますよね。そこにもやはり、地政学から解釈できる要素が多いらしい。そんな点を、覚書としてまとめさせてもらうことにしました。

そうそう、現生人類の発生については、ほぼ結論と言っていいでしょうね。多地域発生型よりも、アフリカ単一起源説が有力なようですね。つまり、現生人類も、アフリカで発生したご先祖様から世界中に拡散していったという説ね。ご先祖様はアフリカで生まれたんだから、私もアフリカ系日本人。

そんなことはともかく、アフリカはほかに先んじて発展を遂げるだけの時間的優位を持っていた。にもかかわらず、その優位はそれ以上の“困難”によって相殺され、それでも余って、さらにアフリカの足を引っ張り続けた。

さて、そこまでアフリカの足を引っ張り続けた“困難”とは、いったいどのようなことか。


『恐怖の地政学』    T・マーシャル

さくら舎 ¥ 1,944

地図と地形でわかる戦争・紛争の構図 物理的環境に突き動かされる世界 
第一章 中国 自然の巨大要塞と十四億の巨大不安
第二章 ロシア 果てしない大地と凍り続ける港
第三章 日本と朝鮮半島 侵略されたことのない国と虚勢を張る弱虫
第四章 アメリカ 地形によって運命づけられた史上最強の国
第五章 西ヨーロッパ 位置と地形に恵まれた楽園を脅かすほころび
第六章 アフリカ 天然資源と人為的国境線に苦しめられてきた人類の生誕地
第七章 中東 引かれたばかりの脆い国境線と血にまみれた道のり
第八章 インドとパキスタン 三千キロに及ぶ国境線と永遠に続く敵意
第九章 ラテンアメリカ 北アメリカと対照的な地形の不運
第十章 北極圏 新たな戦場となるか、強欲に打ち勝てるのか

アフリカの足を引っ張り続けた地政学的要因の一つ目は、病気。・・・これも地政学的要因として取り上げていいよね。蚊やツェツェバエが広く生育している環境や地域固有の風土病も多く、暑さや劣悪な住環境、不十分な医療インフラと、二次的原因もプラスして、今でもアフリカの足を引っ張り続けている。マラリア、黄熱病って野口英世が研究を進めた病気だよね。そうそう、おととしだっけ、ノーベル賞を取った大村智先生は、失明に至る風土病の特効薬を開発したんだよね。

サハラ以南では、エイズ被害はかなり深刻だってね。たとえば、マウライ。頭蓋骨でいえば、鼻、小鼻のあたり。そんなに危ない国じゃないけど、平均寿命が低い。55歳くらい。どうもエイズの蔓延が原因らしい。

昨年は、エボラ出血熱が話題になりましたよね。西ナイル熱は日本脳炎と似たような病気だそうですね。最近、よく聞くのがアフリカ睡眠病。サハラ以南の風土病で、ツェツェバエが病原虫を運ぶらしいですね。体と精神のバランスが崩れて昼夜が逆転し、朦朧とした状態から、やがて昏睡し、死に至る。病気の克服なしに、「最後のフロンティア」なんて意味を成さないね。

続いて川。これは知らなかった。「アフリカの河川は水源が高地にあり、険しい斜面を流れ落ちてくるので、船が航行することができない」っていうんですね。ナイル下流みたいな場所なら、文明が栄えもするけど、他は交易ルートとして使えないということらしい。たとえば、ザンベジ川は、「白く泡立つ激流やビクトリア滝で人々を引き付ける」が、交易ルートとしては使えない。使えないとなると、逆に大河は地域を分断する役目を果たすことになる。川が、砂漠とともに地域を分断して交流を妨げ、経済発展を阻害する要因だったわけだ。

ここまでは地政学的視点ね。これに加えて、アラブ人やヨーロッパ人による、人も含めた資源の略奪ね。特にヨーロッパ人は、アフリカに不幸以外の何にももたらさずに、徹底的に持ち去った。

しかもヨーロッパ人は、勝手にアフリカを分け合って線を引き、民族や部族をバラバラにした。ヨーロッパ諸国が引き合得た後も、それが原因で、アフリカは“混乱”から立ち上がることもできないでいる。
NHKニュース 2017/03/02
市民デモ弾圧で40人以上死亡 国連がコンゴ政府を非難
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170302/k10010896581000.html
(抜粋)
混乱が続くアフリカ中部のコンゴ民主共和国で去年12月、大統領に抗議する市民のデモが治安部隊によって弾圧された問題について、国連が報告書をまとめ、少なくとも40人が死亡したことを明らかにし、政府の対応を厳しく非難しました。

(続きを読む)に全文

コンゴは、「なにかを開発するそぶりさえ見せていない」状況だという。アフリカで2番目に広い国で、人口は7千5百万。200以上の民族集団に分かれ、言語も数百。言語間の橋渡しは仏語。仏語は、ここがベルギーの植民地だった時代の名残。最初はベルギー王レオポルドの私領。あんまりひどいので、英仏の植民地支配が慈悲深く見えたという。

ベルギーは奪うだけで、インフラ一つ整備しなかった。それだけじゃなく、200以上の民族集団が一致団結するチャンス一つ残さなかった。独立直後に内戦が始まり、それに米ソ冷戦が絡んでひと悶着。

ぐちゃぐちゃな国でも、天然資源は豊富だった。それがこの国の不幸の一つ。誰もが今後を利用して甘い汁を吸おうとした。

ルワンダにおけるジェノサイドの余波が今後を襲い、ルワンダ軍、ブルンジ軍が今後に侵攻、コンゴ政府を転覆して天然資源にも手を出した。コンゴ政府軍残党はアンゴラ・ナミビア・ジンバブエの支援を受けて戦いを続けた。戦いには20を超える民族集団が関わった。戦闘での死者は数万、それに続く疫病や栄養失調で600万人が死んだ。

現在は、戦闘自体は鎮まってきた。国連が平和維持活動を展開しているが、できるのは現状維持だけだという。ベルギーに何か頼んでみたらどうだろうか。




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『恐怖の地政学』 T・マーシャル

そうだよあ~。たしかにここのところ、世の中の流れをつかむのが難しくなってるよね。冷戦時代の”ニ超大国の力の均衡”にすべてが傾斜していく時代が終わり、世界の警察官を称したアメリカの力が低下して世界は相対的にしか理解できなくなった。チャイナの台頭は問題を世界中に拡散し、イスラム教徒はグルーバル化という液体の中では浮かび上がるしかなかった。

地政学や、世界史が注目されるのは、それが原因だろう。分かりにくくなってしまった世界をなんとか理解するために、地政学やら世界史やらの手助けを借りようと。

それも変な話で、地政学も世界史も、これまでだって、何も特別な学問じゃない。手を伸ばせばそこにあった。でも、今までは、手を伸ばすまでもなかった。ところが、今は、そうはいかなくなった。無関係にすら思えたイスラム原理主義は、日本にとっても直接の脅威になりつつある。アフリカに進出しようとした日本企業は、あちこちでチャイナの壁にぶつかる。グローバル化に乗り遅れるなと小学校から英語教育が始まるかと思えば、世界中で反グローバル化の声が高まっている。

日本では、ようやくにして第二次世界大戦に関する、歴史の再確認の動きが加速している。これは、地政学や世界史の手を借りてしっかりと今の世界をとらえていこうとする流れと無関係ではない。当たり前のことで、今の世界を理解しようとすれば、当然、“嘘の壁”にぶつかるのだから。だけど、その“嘘の壁”も結構分厚くて、しかも、それを必要としている国々に、日本は包囲されている。


『恐怖の地政学』    T・マーシャル

さくら舎 ¥ 1,944

地図と地形でわかる戦争・紛争の構図 物理的環境に突き動かされる世界 
第一章 中国 自然の巨大要塞と十四億の巨大不安
第二章 ロシア 果てしない大地と凍り続ける港
第三章 日本と朝鮮半島 侵略されたことのない国と虚勢を張る弱虫
第四章 アメリカ 地形によって運命づけられた史上最強の国
第五章 西ヨーロッパ 位置と地形に恵まれた楽園を脅かすほころび
第六章 アフリカ 天然資源と人為的国境線に苦しめられてきた人類の生誕地
第七章 中東 引かれたばかりの脆い国境線と血にまみれた道のり
第八章 インドとパキスタン 三千キロに及ぶ国境線と永遠に続く敵意
第九章 ラテンアメリカ 北アメリカと対照的な地形の不運
第十章 北極圏 新たな戦場となるか、強欲に打ち勝てるのか

《地形が定めるルール》というものがあり、それに逆らって人は生きてはいけない。気候も、その一部である。いくら敵地でも、雨季を迎える場所を越えて攻め込もうとするバカはいない。いくら敵よりも兵を鍛え上げても、冬将軍に立ち向かえば撃退される。

地形は人にも影響を与える。シナ人と、朝鮮人と、日本人の性質は、大陸的気質、半島的気質、島国的気質に、それぞれ別れる。

本書では、第一章で《中国》、第三章で《日本と朝鮮半島》に触れている。著者はイギリス人ジャーナリスト。私たちがヨーロッパを正確に理解するのが結構難しいように、ヨーロッパ人が東アジアを理解するのは難しいことだろう。

まず、著者は、シナと朝鮮の間の冊封関係を理解していない。かつての朝鮮王朝のいわゆる“鎖国”を、「そういう事情で朝鮮はしばらくのあいだ外界との関わりを断ち、多くの交易関係も切り捨てて、放っておかれることを願った」と言っているが、その間にも、清の属国として女まで貢物としていた、・・・というか、女くらいしか貢物にするものがないような状況になっていた。

さらに、日本との関わりにおいては、「日本は一九一〇年に朝鮮を併合すると、文化の破壊に取り掛かった。朝鮮語も歴史教育も禁じ、神道崇拝を強制した。弾圧の歳月は遺恨となり、現在の日本と南北朝鮮との関係にも影響を与えている」と書いている。

イギリス人というのは、ひどい健忘症なんだろうか。自分のしたことを忘れたか。

日本が行ったのが“文化の破壊”なら、イギリスが世界で行ったのは、まさしく“悪魔の所業”にほかならず、その罪悪感に、イギリス人は呼吸をするのもはばかられるような状況になるんじゃないのか。

そうだった。現在は日本を包囲する状況に名はないとは言え、イギリスも分厚い“嘘の壁”を必要とする国の一つだった。

アフリカや、北極海までを、地政学的見地から把握しようという視点はなかったので、その点は勉強になった。その他の地域においても、参考にさせてもらいたいことが多々あった。だけど、東アジアにおける特有の歴史的視点っていうのが“ない”ので、著者の地政学の知見は、歴史を抜きにしたものになっている。雰囲気的に、ウィンストン・チャーチルのアジア蔑視というか、アジア無視の立場に近いものを感じる。

最後にこんな文句を書かなければならないのは残念だけど、読みがいのある内容であるのは本当です。




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ウクライナ動乱(覚書)『恐怖の地政学』 T・マーシャル

Europe_topography_map_en.png ロシアの地政学的宿命とは、北ヨーロッパの平野と地続きにつながっているということだ。この本には以下のようにある。「北ヨーロッパの平野はフランス西部および北部、ベルギー、オランダ、ドイツ北部、そしてポーランドのほぼ全域を包み込んでいる。そしてフランスからウラル山脈にかけて扇状に広がっていくが、北はバルト海から南はカルパティア山脈へ続くこのくさびの端部分はわずか500キロ弱しかない。」
くさびの端を抑えれば敵の侵攻を阻止することができる。しかし、そこからロシアに向かって地形は扇状に広がり警戒のしようがなくなる。かつてここを通ってロシアに侵入したのがナポレオンのフランスと、ヒトラーのドイツ。「ロシアがこの方向から攻め込まれて負けたことはない」と著者は書く。たしかに、フランスもドイツも、ロシアの奥に引き込まれて兵站が追いつかなくなって負けた。しかし、そのたびにロシアはひどく傷ついた。

1989年にベルリンの壁が崩壊し、1991年にはソ連が崩壊した。かつてはNATOの均衡したワルシャワ条約機構はチリと消えて、NATOだけが残された。かつてのワルシャワ条約機構加盟国も、いまではロシア以外はNATOやEUの一員となっている。それだけで、ロシアにとっては悪夢と言っていい。

バルト三国は向こうに行ってしまって、NATOの戦闘機が領空警備をしている。だけど、ウクライナがあれば、まだロシアは安心できる。ロシアよりの政権がウクライナの実権を握っている限り、ロシアの緩衝地帯は存続し、ロシアは安心していられる。

ウクライナがEUにもNATOにも加盟しないと約束し、クリミア半島のセバストポリの不凍港をロシアに貸し続ければ、ロシアも事を荒立てることはなかった。

『恐怖の地政学』    T・マーシャル

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地図と地形でわかる戦争・紛争の構図 物理的環境に突き動かされる世界 
第一章 中国 自然の巨大要塞と十四億の巨大不安
第二章 ロシア 果てしない大地と凍り続ける港
第三章 日本と朝鮮半島 侵略されたことのない国と虚勢を張る弱虫
第四章 アメリカ 地形によって運命づけられた史上最強の国
第五章 西ヨーロッパ 位置と地形に恵まれた楽園を脅かすほころび
第六章 アフリカ 天然資源と人為的国境線に苦しめられてきた人類の生誕地
第七章 中東 引かれたばかりの脆い国境線と血にまみれた道のり
第八章 インドとパキスタン 三千キロに及ぶ国境線と永遠に続く敵意
第九章 ラテンアメリカ 北アメリカと対照的な地形の不運
第十章 北極圏 新たな戦場となるか、強欲に打ち勝てるのか


ちょうど、ソチオリンピックの真っ最中だったですよね。ビックリしたのなんの。オリンピックを自国で開催することの意義って、とてつもなく大きいですよね。当時、プーチンはソ連崩壊で失われたロシア人の誇りを取り戻そうというのが大きかったんじゃないでしょうか。

それがとんでもないことになっちゃいました。親西欧派と親ロシア派の間で続いていた綱引きが、なんとこのソチオリンピックの真っ最中に大きく動いた。ビクトル・ヤヌコーヴィチ大統領は西側にいい顔を見せつつ、モスクワにも忠誠を誓っていたという。ヤヌコーヴィチは国民を振り回しすぎたかなぁ。

オリンピック真っ最中の2014年2月18日に、2万を数える反体制デモと治安部隊が衝突。反体制勢力は西洋よりね。EUへの加盟を目指したわけで、EU加盟はNATO加盟への切符を手にしたようなもんだから、こりゃ、プーチンにしてみれば、我慢できる範囲を遥かに超えているわけだ。なにしろそんなことになれば、ロシアにとっての唯一の不凍港、ウクライナはクリミアのセバストポリ軍港は、NATOに属するなんてことになりかねないわけだから。さらには、ウクライナがNATO軍をロシアに導く回廊になりかねないわけだからね。

ソチオリンピックに合わせて西側が動いたのなら、西側はウクライナとセバストポリを失うことより、オリンピックの成功を、プーチンが優先するとでも思ったのだろうか。これは、この本の著者も言っている。『国の存亡に関わる脅威に直面した時、大国は武力を行使する』・・・これは外交の基本的ルールであると。

世界の情勢っていうのは、意外と素人みたいな“火遊び”で危機に追いやられてるんだな。クワバラクワバラ・・・




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『戦争を始めるのは誰か 歴史修正主義の真実』 渡辺惣樹

アメリカの歴史家シドニー・フェイは、以下のように語っているそうだ。
「ベルサイユ条約では、あの戦争の責任はドイツとその同盟国にあると断罪した。今明らかになった証拠を鑑みれば、その判断は間違っている。従って、その解釈は修正されるべきだ」
「ドイツ単独責任論は連合国内に広く浸透している。関係諸国がその公式見解、あるいは法的解釈を変えるかと言えば、そう簡単ではなかろう。従って、まず歴史研究者の手によって歴史修正がなされなければならない。そしてそれを世論に訴えることが必要だ」

アメリカやイギリスでは、安倍首相は、すでに歴史修正主義者というレッテルを張られているそうだ。シナや韓国のゆがんだ努力もあるが、アメリカやイギリス自体にも、同様の“歪み”が存在する。なにしろ、しなくてもいい戦争に世界を引きずって、地獄の底に叩き込んだ張本人は、チャーチルでありFDRであるからだ。

しかし、上記、シドニー・フェイらの努力によって、第一次世界大戦の、ベルサイユ条約にかかわる間違った認識は、修正されつつある。そしてこの本も、その流れの中にある。

第二次世界大戦は不必要な戦争であった。最も大きな責任を負わなければならないのは、FDRとチャーチルである。


文春新書  ¥ 1,188

チャーチルとルーズベルトがいなければ、第二次世界大戦は起こらなかった
第一章  第一次世界大戦の真実
第二章  第一次世界大戦後の歴史解釈に勝利した歴史修正主義
第三章  ドイツ再建とアメリカ国際法務事務所の台頭
第四章  ルーズベルト政権の誕生と対ソ宥和外交の始まり
第五章  イギリスの思惑とヒトラー
第六章  ヒトラーの攻勢とルーズベルト、チェンバレン、そしてチャーチル
第七章  ヒトラーのギャンブル

1914年に始まった、ヨーロッパの戦争。イギリスがこれに参加する大義名分はなかった。三国同盟対三国協商とか言われるが、英仏ロの間に、軍事的な約束事はなく、協商ゆえに参戦するというものではなかった。それを強引に参戦に引きずったのはチャーチルだった。チャーチルは大戦間においても対ドイツ強硬姿勢を貫いた。

ベルサイユ条約の過ちは、次第に認識されつつあった。ヒトラーはその修正に動き始めた。戦争の惨禍を避ける努力は行われていた。そのすべてをぶち壊したのが、FDRやチャーチルの不明である。

とくに、FDR。最も戦争を必要としていたのは、彼だ。彼の政権の下でアメリカが陥った経済的苦境は、もはや戦争によってしか取り戻すことのできない状況にあった。

FDRは、フーバー大統領がおそるおそる始めたケインズ的経済運営を批判して票を稼いだが、当選後は選挙公約を裏切ってケインズ的経済運営手法を積極的に導入し、国家財政を火の車とした。以下は、FDR政権下の失業率である。
1933年―24.9%1934年-21.7%1935年―20.1%
1936年―16.9%1937年―14.3%1938年―19.0%
1939年―17.2%1940年―14.6%
彼の実施したニューディール政策は、フーバー時代よりももっとアメリカ経済を混迷に落としただけだった。1936年で失業率が改善したのは復員兵へのボーナスが消費を刺激したからで、1938年には社会保障のための所得税で購買力が低下し、失業率が上がっている。1939年以降の改善は、ヨーロッパの戦争がようやく始まってくれたおかげである。

戦争をけしかけてきたFDRやチャーチルの“大間違い”を正当化する方法がたった一つある。ドイツと日本を極悪国として断罪すること。まあ、この本の中でも、戦争の原因をクリアにするために、ドイツの行ったユダヤ人差別は切り離されている。でも実際あったわけで、その分だけ極悪度に厚みが増すよね。ドイツと日本を世界制覇をたくらむ民主主義の敵に仕立てることで、自分たちの悪行を多い隠した。

「そりゃあ、ねぇじゃねぇか」なんて声を上げれば、歴史修正主義者として学問の世界から遠ざけられた。

とても読み応えのある、いい本でした。私、今日から、“歴史修正主義者”を名のることにいたします。
 



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ベルサイユ体制(覚書)『戦争を始めるのは誰か 歴史修正主義の真実』 渡辺惣樹

1918年春、アメリカの参戦で、ドイツ軍の戦意を大きく削いだ。10月には講和条件を探る事態となった。宰相のマクシミリアン・フォン・バーデン伯が14か条の平和原則による講話をアメリカに打診すると、ウィルソン大統領は、英仏の軍事的優位の確保と皇帝の退位を条件に、英仏との間を取り持った。11月11日、休戦協定が成った。

仏は140万の命を失った。英は70万の命を失った。英仏は、ウィルソンからの持ちかけにいい顔をしなかったという。米国の単独講和をちらつかせて、ようやく休戦に納得させた。イギリスは、港湾封鎖により独の食料欠乏策を継続することを条件とした。仏は、独に完全なる賠償を求めることを条件とした。

講和会議のなかで、独は海外領土のすべてを失ったのに加えて、ヨーロッパ大陸の領土も切り刻まれた。
  • アルザス・ロレーヌは普仏戦争で独領となったが、仏領に戻された
  • ザール地方は国際連盟の委任統治領となった
  • ベルギーはプロシア時代からの領土であったオイペン・マルメディ地方を得た
  • ラインラントは非武装化された。ここには、ケルン、フランクフルト、マンハイムを含む
  • ユトランド半島はデンマークと争っていたが、住民投票が強行された結果、半島北部はデンマーク領となった
  • 上シレジアでも住民投票が強制され、東部はポーランドに編入された
  • ポズナンはプロシア時代からの領土であったが、ポーランドに割譲された
  • ダンツィヒは、その住民の9割以上が独系であったが、自由都市として国際連盟の管理となった。同時に陸からのダンツィヒに通ずる地域がポーランド領(ポーランド回廊)となったため、ダンツィヒは完全に孤立した。第二次世界大戦は、独によるダンツィヒの回復要求がこじれたものである
英仏は賠償金に自国兵士への離職手当や退職年金のコストまで含めるよう要求した。独を休戦に引き込んだ米の立場にすれば、戦争コストを賠償金の計算に入れることには反対であったが、結局、対独復讐心に燃える英仏に押し切られた。

ベルサイユ条約第231条
「連合国とその国民が被った犠牲の原因はすべてドイツの侵略行為に起因する」

ベルサイユ条約賠償金問題を検討する委員として参加したケインズを含め、良識ある者によれば独の支払い可能限度額は100億ドルと見込まれたが、実際ドイツに押し付けられた賠償金は330億ドルであった。しかし、実際にこの額が決定したのは1921年である。


ルサイユ条約の調印式は、1919年6月28日にベルサイユ宮殿鏡の間で行われた。この日は、オーストリア皇太子フェルディナントが暗殺された日であった。この日のドイツ代表は外務大臣に就任したヘルマン・ミューラーであるが、その調印の文書には、まだ賠償額は書かれていなかった。


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チャーチルとルーズベルトがいなければ、第二次世界大戦は起こらなかった
第一章  第一次世界大戦の真実
第二章  第一次世界大戦後の歴史解釈に勝利した歴史修正主義
第三章  ドイツ再建とアメリカ国際法務事務所の台頭
第四章  ルーズベルト政権の誕生と対ソ宥和外交の始まり
第五章  イギリスの思惑とヒトラー
第六章  ヒトラーの攻勢とルーズベルト、チェンバレン、そしてチャーチル
第七章  ヒトラーのギャンブル

本書p83に、米の歴史家のシドニー・フェイが1928年に発表した『第一次世界大戦の起源』をもとにした、ものすごく簡単な、ものすごく常識的な、同時にあまりにも無視されてきた、第一次世界大戦の原因が書かれているので“覚書”として残しておく。

《1914年6月28日のオーストリア皇太子フェルディナントの暗殺の責任はひとえにセルビアにあり、その責任を追及するオーストリアにドイツが加勢したこと。セルビアを支援するロシアがまず軍の動員をかけたこと。動員解除のドイツの要請を拒否したのはロシアであり、ロシアの態度を煽ったのがフランスであったこと。いつまでも態度を鮮明にせず、体裁だけの仲介に終始し、どちらの陣営にも期待を持たせながら最後に露仏側についたイギリスの外交政策は失敗であったこと》

独の賠償金支払いの遅延に業を煮やしたフランスが強硬策に出たのは1923年1月11日。ベルギーの一歩兵部隊を含む仏軍6万が、ドイツのルール地方を占領した。この地域の炭鉱を手中に収めることで賠償金に変えるという強制措置である。この地域に住む14万7000人が強制退去させられ、この過程で命を失った者は120人にのぼった。

独における仏占領地区で、黒人セネガル兵による独女性に対する強姦事件が多発した。過大な賠償金や強姦事件は独国民のプライドを著しく傷つけた。

こういった出来事の一つ一つの重なりが、ヒトラーの登場を準備していく。




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「歴史修正主義」とは、戦前の日独をことさら評価する史観ではない。
米英両国の外交に過ちはなかったのか。
あったとすればそれは何だったのか。
それを真摯に探ろうとする歴史観だ。
英米独露の外交と内政を徹底検証し、二つの世界大戦が、実は「必要」も「理由」もない戦争だったことを明かす。
これから出る本










































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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































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