めんどくせぇことばかり 本 日本語 言語

『偶然短歌』 いなにわ・せきしろ

本屋でなにげなくペラペラめくってて、吹き出しちゃった。周囲には人もいたのに・・・。だって、これ、・・・面白いよ!

《偶然短歌》というのは、“いなにわ”さんが作り出した短歌のジャンルです。もちろん、勝手に。もとはと言えば、一見、何の変哲もない普通の文章の中に、偶然57577のリズムが含まれているのを発見したところから始まったようです。

“はじめに”に紹介されているのは、ウィキペディアの中の、[盆踊り]を解説した、こんな文章。
踊念仏は、鎌倉時代に一遍上人が全国に広めたが、一遍や同行の尼僧らは念仏で救済される喜びに衣服もはだけ激しく踊り狂い、法悦境へと庶民を巻き込んで大ブームを引き起こした。
この中に、57577を見つけた“いなにわ”さんは、そこに短歌に匹敵する詩的な趣を感じ取ったんだそうです。・・・わかりました? ども部分が詩的な57577か。

「念仏で 救済される 喜びに 衣服もはだけ 激しく踊り」・・・ですね。

なんと・・・、プログラマーである著者は、文章中から「偶然短歌」を見つけ出すプログラムを作り、ウィキペディアのすべての文章から「偶然短歌」を探させたんだそうです。・・・なんと卑怯な。これまで、何気ない文章の中に隠れ、人目にさらされることのなかった「偶然短歌」さんは、突然、舞台に引っ張り出され、スポットライトを当てられて、「わたし、そんなつもりじゃ」と拒むのも無視して、意図もしない意味を与えられてしまったのでした。


『偶然短歌』 いなにわ・せきしろ

飛鳥新社  ¥ 1,200

“偶然”は 異常なまでに 面白い 言葉に神が 宿っています
学問編
生活編
名前編
エンタメ編

どうにも、心地よいですよね、57577の語感は・・・。やはり、日本人ならではのリズム感なのでしょうね。おそらく、まったく「偶然短歌」を意識しないで文章を読んでる段階から、私たちはこの文章に、心地よい語感を感じていたでしょうね。

もしやと思って、自分がブログに残した駄文を検証してみた。そうしたらね。ありました。見たのは、ちょっと前に紹介した『世界のへんな肉』って本を紹介したときの文章。

“私事ながら 若かりし日に 山小屋に 入り浸って いたことがあり”
“サバンナの 天使インパラ に近づく しかも近くの 茂みに隠れ”

惜しいのはもっともっとあったけど、それらを無理やり57577に当てはめちゃうのはずるい話。字足らずは勘弁してもらって、二つだけ残った。なんか、歌を詠もうとして無理やりにひねり出したものよりも、遥かに出来がいいのはなぜだろう。

この本に掲載されている「偶然短歌」を選んだのは、作家の“せきしろ”さんだそうです。“いなにわ”さんが「偶然短歌」さんをお座敷に呼び出して、“せきしろ”さん裸にひんむいて、ご堪能という感じでしょうか。

“いなにわ”さんが越後屋で、“せきしろ”さんがご家老様ということですね。・・・えっ、そんなとらえ方しかできないのかって? ごめんなさい、根が下衆にできてるもんですから。

最後に、本書に掲載されている「偶然短歌」の中で、一番感銘を受けたものを紹介して、終わりにします。

“アルメニア アゼルバイジャン ウクライナ 中央アジア およびシベリア”




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『大和言葉つかいかた図鑑』 海野凪子

え~と。海野凪子、海野凪子。・・・このふざけた名前、・・・たしか何処かで。・・・、あらあら、すみません。本当に失礼しました。他所の方の名前に対して「ふざけた名前」などと、言語道断の発言をいたしました。でも、どこかで聞き覚えがあるんだよな、この山野高子いや、空野青子いや、夏野暑子いや、・・・海野凪子。

ということで、ちょっと過去の読書歴を調べてみると、・・・ありました。ありました。どうも、すみません。「ふざけた名前」などと。

腹を抱えて大笑い❢笑わないで読み終わる自信のある人、だれか私と勝負して見ませんか。

まず、普通なら・・・ 《A「先生に叱られたくらいでへこたれちゃダメよ」 B「まあ、生意気言うわね」》 ・・・という会話があったとします。これを、任侠映画で日本語を勉強したフランス人女性のマリーさんと、時代劇で日本語を勉強したスウェーデン人女性のエレーンさんの間で会話するとこうなるそうです・・・。《A「先生に怒られて、ケツまくんなよ!!」 B「へっ!チョコザイな」》

さらに、今では敬語も自在に操るイギリス人のジャックさん。来日間もない頃、取引先の社長のお宅に一人で伺うことになった際、取次に出た娘さんに丁寧な言葉を使わねばと焦ってこう言ったそうです。 《ジャック「お、お嬢さんの、・・・おちちはございますか?」 》

外国人からこんな質問されたら、あなたは答えられますか?  《マリー「先生、“冷める”と“冷える”の違いはなんですか?」》《ジャック「年齢を書くときは“才”と“歳”どっちですか?」》 外国人相手の「日本語教師」って、難しいな~。ちなみにマリーさんの質問に対する答えは、「冷める」は熱いもの→常温、「冷える」は常温→更に冷たく、だそうです。ジャック君の質問に対する答えは、「歳」が正式で、「才」は「歳」を習わない小学生の代用漢字だそうです。

おかしな言い間違いは数限りなくあるようです。 《A「お前、キンニク食ったろ」 B「あー、お昼にキンニクたっぷりの餃子を二皿さ」 》《ロシアのダイアナさん「先生、男性の好きな色を教えて下さい。お世話になった方にニクタイをプレゼントしたいです」》 とても楽しそうだな~。読んでいて思うのは、日本語教室に通ってくる外国人って、みんな一生懸命で、前向きで、真剣なんだな~。 だからこそなんだよね。真剣だから、腹がよじれるくらいおかしいんだよね。

真剣な奴にもの教えるって、本当におもしろいんだよね~。[※一応同系統の職業なので、よく分かります]

そうでした。この人でした。
誠文堂新光社  ¥ 1,296

日本人なら知っておきたい心が伝わる綺麗な日本語

「大和言葉」って言われると、それなりに構えてしまうところがあって、漢語が入ってくる前の古代日本列島で使われていた言葉といったニュアンスがある。年齢のせいかな。でも最近は、そう構えずに、漢語や外来語に対する日本生まれの言葉としての和語を“大和言葉”というようですね。この本ではそのへんのところを、「漢字で書いたときに訓読できる言葉」って考えているそうです。そういうことなら、気をはらずに使えるし、私はけっこう使ってる。
あいさつ
おりから おいとまする したためる いたみいる よしなに 
人づきあい
たしなむ すっぽかす 毛嫌い 白い目で見る 搦め手 角が立つ
しごと
あらためる はかどる 奥の手 よんどころない 煮え湯を飲まされる
すがたかたち
すこぶるつきの そこはかとない おめかし おめしもの
ようす
ひたむき 埒が明かない あさってのほう おっとり刀 しおしおと
たち
うがった 節がある はすっぱ ぶっきらぼう
評価
眼鏡違い あべこべ すべからく ありきたり 箸にも棒にもかからない 
程度
にわか いささか あわや かろうじて そもそも さわり

お盆休みに読もうと思って、いつもより多めに本を買って、そのへんに置いといた。そしたら連れ合いが、目くじらを立てて・・・。仕方がないから、部屋の片隅に積んでおいた。その一番上にあったのがこの本で、私がへそを曲げて先に寝床に入ったら、どうやら連れ合いがこの本を手にしたらしい。翌朝は、すっかり機嫌を直して、この本の評価をしてました。

連れ合いによると、「笑った、笑った」って・・・。お腹を抱えて笑ったそうです。私のいない、一人のお茶の間で・・・。どうやら挿絵が面白いって・・・。もう、私の本を渡しの前に読んで、しかも完全評価を通告するなんて・・・。

挿絵はニシワキタダシさん。ここに紹介されている一つひとつの大和言葉に挿絵が付いているので、この本は挿絵率が高い。挿絵が本の評価を左右する。実際、私も読んだわけですが、挿絵について考えている時間のほうが長いのです。深いんですよ。文章よりも挿絵のほうが。・・・お疑いでしょうが、そのへんは読んでいただくより、致し方ございません。

たしかに、大和言葉はどこか柔らかいですね。“音の響きが強すぎず、ゆったりしている”と凪子さんはおっしゃいますが、その通り。そして、とても好ましく思われます。やはり、漢語、外来語以前の日本人の心は、言葉を通しても、私たち、今を生きる日本人にまで流れ込んでいるんですね。とても幸せな民族ですね。




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『タブーの漢字学』 阿辻哲次

面白おかしい漢字の話。ただの知識だけの本なら、どこにでもゴロゴロしているが、こういう本を書ける人は、そうはいないだろうな。「ヴェルサイユ宮殿には一切お便所がなかった。廷臣や宮女はお部屋に蓋付きの椅子があって、フタを開けると便器があった。一杯になるまで中身を捨てないから、ヴェルサイユ宮殿はうんこ臭かった。」なんて話がポンポン飛び出す。幅広く、奥深い知識に支えられているから、とにかく面白い。こういう人を師としたら、勉強って面白いんだろうな。

実はこれ、2013年にブログに書いた記事の焼き直し。じつはその時は知らずに書いちゃったんだけど、『タブーの漢字学』という本自体、本来は講談社現代新書から2004年の出されているもの。恥ずかしながら、そんなこと、爪の先ほども気づかずに、本の紹介をしてしまいました。・・・だけど内容的に、この手のものはけっして古臭くならないもんね。学問上、その節が否定されていれば、別だけどさ。
『タブーの漢字学』    阿辻哲次

講談社学術文庫  ¥ 907

性、死、名前、トイレなどのタブーをめぐる、ゆたかで隠微な漢字の世界
序章  言い換えられることば
第一章  「性」にまつわる漢字
タブーの漢字を書かない理由
性器を表す漢字
第二章  「死」をめぐる漢字
第三章  大小便と「月のさわり」
大小便について
月のさわりについて
第四章  名前に関するタブー

『解手』って「トイレに行く」っていう意味なんだって。なぜだと思う?
(シンキング・タイム)チ・チ・チ・チ・チ・チ・チ・チ・・・・・・・・・・・・・・

それでは正解です。
トイレにいくことをあらわす表現の中では、最も上品な部類に入る。

万里の長城は、東の山海関から西の嘉峪関まで全長二千四百キロにおよび、その全線のあらゆるところに大小無数の要塞と狼煙台が建てられた。要塞は基本的に十キロにひとつずつ作られた。もちろん軍事的に重要な場所ではこの間隔が更に狭くなる。

長城守備の屯田兵は、ほとんどが浙江省や福建省など南方から強制移住させられてきた人たちだった。彼らは強制移住の途中、ずっと両手を縛られたままだった。しかし両手を縛られていたらトイレにも行けない。そこで用を足す時だけは手をほどいてもらえた。

性について、死について、ウンコやオシッコについて、ですよ。なんて本だろ。

「一人前の立派な男」をあらわす時、あなたなら何をもとにして文字を作る?「一人前の立派な男」を表す漢字は“士”ですよね。この基になったのは、勃起した男性器。ヤッパリそうだよね。“且”という字もそうだそうです。“且”は、より立派そう。

性器そのものは“陽”と“陰”という字で表されるのは知ってるけど、“也”という字、この字はもともと女性器そのものを表す文字だったって。
也 
ドヒャー❢もっとすごいのが“色”。それだけで期待できそう。そのとおり、つくられた頃は男女の性行為そのものをあらわす文字だったそうだ。う~ん、“色”?
60PX-~1 
たしかに、ひざまずいた女を男が後ろから抱き、背後から覆いかぶさって交わっている。ああ、もうこの字を冷静に見ることはできないだろう。

すみません。少し興奮してしまいました。そんな漢字の話から、「男女間の深い契り」のことを“巫山の雲雨”と呼ぶという故事まで、もうまったく飽きることがありません。




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『それっ❢日本語で言えばいいのに』 カタカナ語研究会議

「ええい、まったく、いい加減にホワイト」。冗談じゃないよね。どうなんだろうな~。やたらとカタカナ言葉を使いたがる奴。一般には知らない者も少なくないカタカナ言葉を使うことで、自分の価値が高まると信じて疑わない。そんなことでしか自分を差別化できない。目の前でわけの分からないカタカナ語を使われるということは、今まさにそいつは優越感で脳内射精するための対象として私を選んだということだ。ああ、ヘッドにカム。
秀和システム  ¥ 1,382

カタカナ語を話している自分が大好き? カタカナ語を聞かされるとイラッとくる?
第1章  よく出てくるカタカナ語ベスト15
コミットメント
フィックス
タイト
ユーザー
ジャストアイデア
イノベーション
エビデンス
シェア
リソース
スペック
ペンディング
アジェンダ
シナジー
コンセンサス
タスク
第2章  ビジネス現場で使われるカタカナ語
アーリーアダプター
ウィンウィン
コンプライアンス
ハイラント
レギュレーション
アウトソース
オブザーバー
ジレンマ
バイラル
ミッション
アウトプット
オンデマンド
スキーム
ファクト
リマインド
アサイン
キャリア
セグメント
フィードバック
レコメンド
アセスメント
クリティカル
ダイバーシティ
プロパー
マネタイズ
アライアンス
コンバージョン
ニッチ
ベンダー
レジュメ
第3章  意識高い系パーソンのカタカナ語
エッジ
ネゴシエーション
フック
モチベーション
エモーショナル
バジェット
プライオリティ
リスペクト
ガジェット
バッファ
ブレスト
リテラシー
コンセプト
パラレル
ベンチャー
シュリンク
ビジネスモデル
マイルストーン
ソリューション
フェーズ
マター
第4章  今をときめくIT業界のカタカナ語
アナリスト
クラウド
ロジック
アンチテーゼ
サムネイル
アーカイブ
ステマ
イニシアチブ
ベネフィット
インライン
ユビキタス
キュレーション
リスクヘッジ
第5章  妙な軽さのメディア業界のカタカナ語
インスパイア
ディテール
ポートフォリオ
オファー
デフォルト
メソッド
キャパ
バイアス
メディア
コンテンツ
バズ
リスケ
スピンオフ
フィジビリ
ローンチ
ターゲティング
ブラッシュアップ

ほーら、っね。ヘッドにカムでしょ。・・・それを分かってもらうために、スゲ~めんどくさかったんだけど、目次をみんな紹介しちゃいました。監修者の《カタカナ語研究会議》という、こちらもなんとも怪しい集団にしか思えないけど、どうせ身を寄せるなら、こちらがいいな。それはともかく監修者はこう言ってます。『カタカナ語には自己承認欲を満たしてくれる媚薬的な魅力がある』って。

それなりにいろんな経験を経てこの歳にまでたどりつたわけで、自分を見失っていた時期もある。だから何となく分かるんだよな~。そういう言葉を使うイヤラシさが。・・・気持ち悪いったらありゃあしない。お前は白人さまかよ。

ところがさ。最近公務員だとか、NHKが、本来、固い職業のように見えていた連中が率先してカタカナ言葉なんだよね。まったく、寝耳にウォーターだよね。なんだって?アクティブラーニングだ。「なにがカタカナだよ」って思ってると、打って変わって“学び”だの、“気づき”だの、そっちはそっちで一般人にはとても恥ずかしくて使えないような言葉を使うんだ。そう、彼らは、一般人には及びもつかない“高み”に立っているか、・・・もちろん意識だけよ、・・・それとも“恥知らず”かのどっちかで、おそらく両方なんだな。

ったく、バカもホリデーホリデーに言えってところだよね。気持ち的には仏のフェイスもスリータイムズって言って、気合をインしたいところだけど、なに言ったってホースのイヤーに念仏だし、のれんにアームプッシュだからね。所詮は負けドッグの遠吠えなわけよ。

以上、今日のお相手は、ルー大柴でした。




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『古文を楽しく読むために』 福田孝

《むかし をとこ ありけり》の《をとこ》は、『伊勢物語』が書かれた頃は、《wotoko》と発音してたんだって。

《ふくからに秋の草木のしをるれば むべ山風をあらしといふらむ》の《ふくからに》の“ふ”と《いふらむ》の“ふ”は同じ発音がされていたはずだって。

なぜ今、「ふく」の“ふ”は「フク」で、「いふ」の“ふ”は「イウ」と読むかといえば、「平安時代の発音を完全に再現することはできない」って言うことが大本にあるんだってさ。「仕方がないから、現在の日本語の発音で読みましょう」ってことなんだって。だったらねぇ。最初からそう言ってくれればいいのに。そうすれば、もうちょっと、気軽に古文に接することができたかも知んないのに。

どうせ、その時代と同じように発音できないんだったら、ちょっとくらい人と読み方が違ったって、別にどうでもいいことじゃない。・・・もう、早く言ってよ。

それにしても、いいこと聞いちゃったな。じつはこの本にも、《①語頭以外の「はひふへほ」は、「わいうえお」と読む。②わ行の「ゐゑを」は「いえお」と読む。④助動詞「む」や助詞「なむ」などの「む」は「ん」と読む》とかって書いてある。だいたい分かるけど、間違ったって、もう気にしないも~ん。どうせ昔の発音は、再現できないんだも~ん。
ひつじ書房  ¥ 1,728
本書を通して少しでも古文を身近に感じ取れるようになって欲しい
第一章  ふみよみは「こゑ」にだそう -歴史的仮名づかいと音読の仕方
第二章  ワブンは「やまとことば」でできている -古文の文章は和語で書かれるのが基本
第三章  とにかくながーい -当時の話し言葉が基本ゆえに、一文が長いことが多い
第四章  ひとにものをたずねる、ものをめいずる -平叙文、疑問文、命令文、打消分、係り結び
第五章  うしろにどのようにつながるか -活用ってなに?
第六章  ぶらさがるにもきまりがある -助動詞の承接について
第七章  まずはだれが話しているのかからはじまる -敬語を理解しよう
第八章  名詞にかかっていくかたちが名詞となること -準体用法が大事
第九章  みそひともじはことえりのもと -平安時代の和歌の読み方と、和歌の散文への影響について
第十章  みそひともじはおもいをつたえることにも -和歌の技法と贈答について
第十一章  ふみよみはふみのなかで -文章読解の基本は文脈
第十二章  しゃれたものいい -言葉の使いこなしが平安和文の基本
うううっ、ひどーい❢ 声に出して読めればいいって言ったじゃん。なんだい、結局、ずいぶんと文法の勉強を読まされた。“読まされた”けど、そういう意識のせいか、いやいや進んで読んだところで、文法がすんなり頭に入るんだったら、端っからこの本に手が伸びたりしない。

それだからと言って、やはりこの本を読む前と後では違う。まず、古文は外国語じゃない。これまで、挑んでは跳ね返され、挑んでは跳ね返されしているうちに、そのたびに、それなりに、なにかが身に付いた。とりあえず、ゆっくりながら、我流ながら読める。まずは、それでいい。もしそれで意味がとれて、楽しめるなら、自分に“諾”を出していい。そういう気分にしてもらえた。

それに、「みそひともじ」が何のことか、分かった。なんだろう、ときどき聞く「みそひともじ」ってものは?そう思ってたんだけど、《三十一文字》と書いて「みそひともじ」って読むんだって。和歌のことなんだって。五七五七七なんだって。

この「みそひともじ」が平仮名を生みだすもとになり、平仮名で文章をつづる基盤となったんだって。九〇〇年前後に作られた『竹取物語』や『伊勢物語』の時期には、みんな試行錯誤で仮名で文章をつづったんだってさ。『源氏物語』や『枕草子』は、そういった、みんなが苦労して一生懸命仮名をつづった努力の果てに成立したんだな。
それにしても、たった「みそひともじ」にこれだけの意味と思いを詰め込む技術、細やかな感性、感覚がすごい。昨年、英語教育の行きすぎに異議を唱える本を読んだ。その主張するところはいろいろとあったが、少なくとも、英語じゃあ、この技術や感性、感覚は育つことはないだろうな。

さてさて、とりあえず、声に出して読もう。




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『小さい潜水艦に恋をしたでかすぎるクジラの話 戦争童話集~忘れてはイケナイ物語り~ 』 野坂昭如

The Huffington Post 2015/12/10
野坂昭如さん死去 『火垂るの墓』原作者、タレントとしても活躍
http://www.huffingtonpost.jp/2015/12/09/nosaka-akiyuki-passed-away_n_8764946.html
nosaka.jpg

野坂昭如さんが亡くなりました。『戦争童画集』を書くくらいの人だから、あっちにぶつかり、こっちにぶつかりしてたよね。でも、面白い人生だったんじゃないの。戦争なかったしね。

なんだか世の中に懐の深さがなくなって、面白くなくなったからって、死ななくてもいいじゃねえかよ。

『小さい潜水艦に恋をしたでかすぎるクジラの話 戦争童話集~忘れてはイケナイ物語り~ 』
野坂昭如
世界文化社  ¥ 1,728昭和20年8月15日の物語り。日本中のお母さんと、子どもたちに…。野坂昭如の戦争童話集全12話。
小さな潜水艦に恋をしたでかすぎるクジラの話
青いオウムと痩せた男の子の話
干からびた象と象使いの話
凧になったお母さん
年老いた雌狼と女の子の話
赤とんぼと、あぶら虫
ソルジャーズ・ファミリー
ぼくの防空壕
八月の風船
馬と兵士
捕虜と女の子
焼跡の、お菓子の木

ずいぶん前なんだよね、『戦争童画集』読んだの。野坂さんの訃報を聞いて、読み返してからブログに書くかなって思って本棚探したんだけどないんだよね。“めんどくせぇな”って思いながら、押し入れに頭突っ込んで、ダンボールのなかをグチャグチャしてみたんだけど、ないんだ。
amazonで見たら、たぶん私が呼んだのはこれ、・・・って思ったら、これは文庫だった。文庫じゃないんだよね。どこにやっちゃったんだろうな。・・・っま、いいか。

上の本、鯨さんの・・・。装丁はぜんぜん違うんだけど、内容は多分おんなじだと思うんだよね。

『火垂るの墓』はさ、実は一度も最後まで通して、まともに見たことないんだ。見られないよね、あんなの・・・。「あんなの」って言い方はよくないけどさ。映画にしてみようとかった考えたら、この本の短編だってどうなるか分かんないけどさ。でも、まだ、・・・私でも最後まで読める。

もういいや、今日はこんなところにしとこ。もう、たまんないや。とりあえず、私のおすすめは、『青いオウムと痩せた男の子の話』。泣かずに読めるもんなら、読んでみろ。


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『大和言葉のこころえ』 山岸弘子

なんだか《大和言葉》が注目されているそうで、ちょっとこんな本を、・・・ペラペラと・・・。なんかのときに、こんなむかしからの日本語をさり気なく使えたらいいなあって本ですね。

ただね、このむかしから使われている日本語って、あらためてこうして口に出してみると、なんかその時点で言葉の持つ効果が発揮されているみたい。

下に、目次に紹介されていた大和言葉だけ、そのまま紹介してみたんだけど、これらの言葉には《意味》によるはたらきの他に、《音》によるはたらきが感じられる。
ギャンビット出版  ¥ 1,296

品の良い日本語と大人のたしなみ
あいさつ
花笑み/のどやか/花冷え/青嵐/涼風/ひと雨ほしい/しのぎやすい/すすき梅雨/初紅葉/一入/雪を粧う/北颪
もてなす
お運びいただき/あいにくの/お平らに/お気遣い/彩り/おもたせ/粗茶/一献/お口汚し/
水菓子/お粗末さま/よろしい
招かれる
お招き/お心にかける/おかまいなく/心ばかり/しるし/お変わり/いただく/食事を済ます/
お手洗い/のっぴき/お言葉に甘える/あしらい/おいとま/痛み入る/押しかける
お勤め
今しがた/ありてい/あらまし/いかがなさる/おおむね/裏目に出る/かねがね/
折り合いをつける/けんもほろろ/かしこまる/かんがみる/汲み取る
耳を傾ける
持ちつ持たれつ/目鼻がつく/悲喜こもごも/とりつめる/側杖をくう/よんどころない/
腑に落ちない/やるせない/そりが合わない
たしなめる
いたたまれない/しどけない/耳を傾ける/がんぜない/実のない/あだやおろそかに/
なおざり/なまなかな/うまずたゆまず
頼みごと
お見知りおき/生業とする/お手すきのときに/おいそれとは/恥を忍んで/お気に召す/
大人しやか/一方ならぬ
言祝ぐ
縁/二世の契り/言祝ぐ/なれそめ/益荒男/たおやか/むつまじい/見目うるわしい/
たたずまい/いとおしむ/陰になり日向になり/埴生の宿
贈り物
納める/人交わり/敷居が高い/お骨折り/内祝い/お目通りがかなう/本卦帰り/数ならぬ身/いとう
お礼状
ゆくりなし/うれしゅう/心づくし/賜る/笑みがこぼれる/悦に入る/松がとれる/お健やかに/
お気遣いなく
したためる
人いきれ/すずろ歩き/名にし負う/凪ぐ/つづら折り/すずなり/たなびく/入相の鐘/筆の遊び
別れを惜しむ
お悔やみ/胸ふさがる/虫の知らせ/袖を濡らす/みまかる/あまつさえ/しめやか/
野辺の送り/手向ける

それぞれ項目ごとに【大人のたしなみ】というコーナーがあって、ここでは言葉を超えた振る舞いが紹介されている。振る舞いも、やはり《動き》そのものにはたらきがありますよね。

上に紹介した内容に加えて、《季節感のある大和言葉》、《おもてなしの大和言葉》、《美しい響きを楽しむ大和言葉》、《表現を豊かにする大和言葉》が、その用法とともに数多く紹介されています。お休みの日の、なにもすることがない昼下がりあたりに、ゆっくりとお茶でも飲みながら読んでみてはいかがでしょうか。

最後に《言い換え小事典》というのがあって、今風の言い方やカタカナ言葉を大和言葉にするとどんな言い方になるかが紹介されていて、かなり面白い。《マンネリ》は、大和言葉だとなんだと思います。《秋風が吹く》ですって。《スリム》を、痩せ型じゃなくて、《柳腰》ってしてるのには感心してしまった。《秘め事》なんていいですね。《契りを結ぶ》なんてどうでしょう。

・・・私ってまったく・・・





 


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『英語化は愚民化 日本の国力が地に落ちる』 施光恒

二七日から一週間ばかり旅に出ます。行きたくって行く旅じゃ無いんだけどやむを得ません。足がどうなることやら、心配ではありますが、行ってみないとわかりません。せっかく行く旅ですから、見るべきものは見てこようと思います。いずれ報告でも・・・。・・・では・・・

まだ二カ月ほど残しているけど、間違いなく、今年最も感銘を受けた何冊かの本のうちの一つだな、この本。

いつ頃のことだったけかな。まだ十年はたたないと思うけど、埼玉県が主催する、とある研修に出た時に感じたこと。行きがかり上、職場の人権問題の担当だった私のところに、この研修参加を呼び掛ける文書が回ってきた。《・・・・・・・・養成講座》・・・?見たことも聞いたこともない言葉だった。・・・ファシリテーター・・・?????

とりあえず“職場一名”ノルマということなので、自分が参加した。それが《促進者》という意味を持つ言葉であるということは、参加した研修会の受け付けで質問して、やっとわかった。

そんな言葉ばかりが多すぎる。《コミットメント、ユーザー、エビデンス、スペック、アジェンダ、コンセンサス》・・・まったく、おそ松くんに登場するおフランス帰りのイヤミの大軍を相手にしているようだ。

ここにあげた言葉なら、わざわざカタカナ言葉にする必要はない。それぞれに言いかえられる日本語が存在する。にもかかわらずカタカナ言葉を使うのは、それ相応の理由があるということになる。結構、つまらない理由が・・・。言葉をかえたって、中身が伴わなきゃ仕事は《おそ松》なまま・・・。かえって無様が際立つと思うけど・・・。
『英語化は愚民化 日本の国力が地に落ちる』  施光恒

集英社新書    ¥ 821

漱石、諭吉もあきれた明治の英語公用語化論の再来・・・英語化政策で自ら「植民地」に❢

そこから一歩進むと《英語化論》が出てくる。“グローバル化に対応できる人材を・・・”って、表面を取り繕おうとする根性は相変わらず。直接英語で外の世界に接触できることが大事?英語が得意なことを自慢したいなら、お前がそれを日本語に訳せ。
 中世ヨーロッパ社会では、社会の上層階級と庶民階級の間の言語がラテン語と“土着語”に分断されていた。だから平等の実現など不可能だった。
 近代以降のヨーロッパ諸国で社会的平等が徐々に実現されていったのは、国語の整備や国語に基づく公教育の普及が大きな要因だった。経済的にもラテン語を操る一部の上層階級だけがより高い所得を得るような時代を脱し、大衆が国語で自ら学び、あらゆる分野で先進的な取り組みをするようになったことで、社会全体が活性化し、技術革新も多く生まれ、次第に社会の構成員全体の所得が向上していった。
これって、まさしく近代の日本を言っているみたいだな。そのラテン語から土着語への翻訳は、近代日本では欧米語から日本語への翻訳となる。江戸時代の話になるけど、『ターヘルアナトミア』を『解体新書』に翻訳するって本当に大変だったろうな。明治の翻訳者にも、いくら感謝してもしきれない。

“Democracy”を、先人たちは《民主主義》という言葉を創出して多くの人の理解を保証してくれた。“Democracy”はDemocracyと、英語を知らないものを突き放さなかったし、デモクラシーと分かったような気分になることを強要することもなかった。支那ではね。「徳莫克拉西」と書いたというけど、これはカタカナ言葉と同じ発想だね。それを思えば、本当にありがたい。

それをなんだ。英語公用語化ってのは・・・。
戦後、日本語の書き言葉がローマ字に置き換えられる危機があったそうだ。アメリカ人の認識は、フィラデルフィア・レコード誌「文盲の日本人はローマ字化によって新聞が読める日が来るだろう(1946/1/6)」とか、ニューズウィーク誌「教養ある日本人でも辞書なしでは新聞を読めない。GHQが進めるローマ字化で日本人も少しは考えるようになるだろう(1946/2/4)」といった稚拙なものだったようだ。 

ローマ字化の担当者はGHQ民間情報教育局員ロバート・ホールという人物だったようなんだけど、文部省は日本人が文盲かどうか、まず漢字テストをやってくれと頼み込んでなんとか説得したらしい。一九四八年八月、無差別抽出された一万七〇〇〇人がテストを受けた結果、識字率九八%。米国人のそれを三五ポイントも上回った。これで
ローマ字化の話はご破算になったらしい。よかった、よかった。

大切なのは、自分たちの日常の言葉で、世界の最先端の知識に触れることができるってことだな。英語が得意ならさ、そういう風に力を振るってよ。






 


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新田次郎生誕百三年

二〇一二年は新田次郎生誕百年だったんだ。意識すらしたことなかった。このところ、あえて山から遠ざかることをやめて、『山と渓谷』のバックナンバーを図書館で借りてる。足をしっかり直して、体を作り直すまでは山に登れる状態じゃないけどね。まあ、そんなところで、たまたま借りだした二〇一二年六月号の『山と渓谷』で新田次郎の特集をやってた。
そう言えば、今年の一月、新田次郎の遺作を息子さんの藤原正彦さんが完成させた『孤愁―サウダーデ』って言うお話を読んだんだった。ブログでも紹介した。http://jhfk1413.blog.fc2.com/blog-entry-3119.html

その時に書いてるんだけど、 ポルトガル人の心情の中に色濃い“サウダーテ”という感情。主人公のモラエスにサウダーテとは「過去を思い出し、甘く、悲しい、切ない感情に浸りこむこと」語らせたのは、新田さんかそれとも息子さんか。もしも新田さんなら、新田さんもこんなにも胸を締め付けられたのか。

今、私の胸を締め付けるのは、新田作品を読む高校生の私と、今はいない私の周辺の人々との思い出だ。
単独行者、加藤文太郎を世に知らしめた作品。むろん新田の創作も入っていて、その批判もある。それでもこの作品が長く読み継がれていているという事実が、本書が魅力的であることの何よりの証左。山岳小説史に燦然と輝く金字塔。本書抜きに新田次郎は語れない。
若き担任教師との交流を通し、生徒たちが結束を強めていく様子を描く。ジュニア・青春小説の代表作。山度は低いが、登山シーンは読みどころの一つ。
言わずと知れた・・・、ってところだね。前人未到の剣岳山頂に三角点を設置せよとの命を受けた陸軍陸地測量部の苦闘を描く。地元民との軋轢など映画では描ききれない部分もあり、かたや、映画で描かれた息を呑むほどの映像美。映像を思い出しながら読んでみるのも一興。
『強力伝』は新田次郎の処女作にして直木賞受賞作。まずはこのあたりから読むのが常道か。富士山の強力が白馬岳山頂に設置する五十貫目の風景指示盤を運び上げる話。
 『山と渓谷二〇一二年六月号』で、《絶対読んでおきたい“鉄板”作品》っていうことで紹介されてたのがこの四冊。・・・でも私、『風の中の瞳』って読んでないな。新田次郎がその本を書いていたことさえ知らなかった。

まあ、人それぞれだからね。新田次郎そのものが肌に合わないって人だっているだろうしね。でも、山だからね。けっこう、人間が出るんだよね。場合によっちゃあ、生きるか死ぬかってところにぶつかるから。そこそこ山をやってて、そういう経験のない人はあんまりいないでしょ。

私は生まれが山だから、逆に父母、祖父母までは、山は敬して遠ざける存在と捉えてた。楽しむために登るなんてね。平地より危険が高まることは当然のことで、危険が高まるなら“遠ざける”のが、選択としては正解だよね。遊びで命を落としたり、怪我したりしちゃ、もう食っていけなくなるしね。

それを承知で山に行くのは“馬鹿”で、“馬鹿”だからこそ危険に近づける。だけど登りたい。だから、いろいろな試行錯誤が繰り返された。超人的な体力やセンスの持ち主もいたろうし、新ルート、新道、新装備といったさまざまな開拓者もいた。命がかかるから、いずれもドラマが生まれる。

メンバー中の荷物の微妙な重さの違いに、実はとってもこだわる私のような人間でも、山を思うだけで感情を抑えられなくなる。今、山に登れない環境にあるだけのなおのことなんだけどね。

いちいち挙げたらきりがないけど、山道と背中のザックにの重さに喘ぎながら、私はどれだけ非人間的妄想に身を任せたことだろうか。でも、そんな私だからこそ、その分だけ新田作品のモデルたちに憧れちゃうわけだな。

いま、久しぶりに新田次郎の作品を手にするとしたら・・・。ちょっと面映ゆいけど、『聖職の碑』かな?

なんで読んだのかも覚えてないんだけど、同じような学校登山の遭難もので『雪の湯浴み』・・・題名も定かでない・・・というのがあったと思うんだ。本当にあったのかな。もしかしたら夢でも見たかな。ラストがこんな話なんだ。主人公の中学生の女の子が友人たちと一緒に吹雪で山小屋に閉じ込められて次々に亡くなり、最後はその子もなくなるんだ。そのラストシーンで、女の子が外に出て、雪で湯浴みして、身を清めて亡くなるんだ。前後の話は覚えてない。

『聖職の碑』を意識したような話で、『聖職の碑』を読む前に読んでるんだよね。おそらく主人公と同じ中学生のころ。だから『聖職の碑』にはなぜかこの女の子の膨らみきらない冷たい乳房の印象が重なるんだ。誰かこの話、知らない?






 


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『英語化は愚民化 日本の国力が地に落ちる』 施光恒

意外と鼻が利くんですよ。もともと賞味期限なんてちっとも気にしてない。すべては鼻が決める。みんなそうだったよね。残り物は冷蔵庫なんかじゃなくて茶だんすの中、食えるかどうかは鼻だけが頼り。スーパーだとさ、賞味期限が近付くと割引になるでしょ。何にも問題ないのにね。ありがたい話です。

・・・そうじゃなくて、嗅ぎ分けるのは、“人”ね。
NHKあたりで盛んに言ってて、なんだか耳触りになるような言葉があったら、背景を感じた方がいいよね。ここでの話の場合、それは「グローバル化」、「ボーダーレス化」。こんなこと進めていって最終的に喜ぶ奴がいるとすれば、それはユダヤ人しかいないはずの、何となくわかりやすいような、わかりにくいような・・・。
「グローバル化は時代の流れ」、「ボーダーレス化は歴史の必然」・・・、あれ?それって、資本主義社会を止揚した先にあるものと一緒じゃないよ。しばらく顔を見せないと思ったら、「そうです、私が変なおじさんです」って言っておなじみの踊りを始めるような・・・。

村落共同体 → 国民国家 → 地域統合体 → 世界政府(ボーダーレス社会)
原始共産制 → 古代奴隷制 → 封建社会 → 資本主義社会 → 共産主義社会
・・・ねっ。すごく嫌~な感じでしょ。普遍的歴史法則、あるいは歴史法則主義。これって唯物史観そのものだよね。三十五年前、二十歳の私はそういうことを教えてくれるありがた~い大学に在学していたんだよね。
特定の史観に基づいてものを考える奴は、必ず自分を大衆よりも一歩先に存在させる。大衆への啓蒙を図り、意に沿わない、つまりそいつと同じ史観を持たない奴を“野蛮”として排斥する。新たな時代においては、同調する者たちで指導部を結成し、社会をリードする。大衆からは首領様とか将軍様とか呼ばれるんだっけ?
もちろん、今度の奴らは共産主義者じゃない。アメリカ型の自由民主主義と純度の高い市場経済を理想とする新自由主義者と呼ばれる連中だ。でも、大衆の利益を唱えながらも、こんなにも大衆をバカにしている奴はいないってことではあいつらとおんなじ。

におうんだよな~んかさ。やたらと臭いんだよ。文科省の方を経由してさ。
『英語化は愚民化 日本の国力が地に落ちる』      施光恒

集英社新書    ¥ 821

英語化推進派のお題目は国際競争力の向上。しかし、それはまやかしだ。漱石も諭吉もあきれた明治の英語公用語化論の再来。
はじめに  英語化は誰も望まない未来を連れてくる
第一章  日本を覆う「英語化」政策
「英語化」政策は「愚民化」政策  他
第二章  グローバル化・英語化は歴史の必然なのか
日本語が「国語」の地位を失う危険  他
第三章  「翻訳」と「土着化」がつくった近代日本  
日本を近代化するには英語か、日本語か?-森有礼の「日本語廃止論」 他
第四章  グローバル化・英語化は民主的なのか
EUで上がる疑問の声  他
第五章  英語偏重教育の黒幕、新自由主義者たちの思惑
なぜ今回の英語化が最も危険なのか  他
第六章  英語化が破壊する日本の良さと強み
グローバル化・英語化が庶民を社会から排除する  他
第七章  今後の日本の国づくりと世界秩序構想
英語支配の序列構造  他
森有礼が日本語廃止論者であったことはよく知られている。後に初代文部大臣を務めた人物でもあるわけだからけっこう厳しいよね。まあ、列強による植民地化の脅威が決して大げさじゃない状況の中で早急な近代化を考えたときの、やむを得ざる選択ではあったんだろうけどね。

でも、彼には“是が非でも”ってくらいの勢いがあったみたい。自説に箔をつけるため、英語公用語化への賛成を取り付けようと書簡を送ったイェール大学教授で米言語学教会初代会長のウィリアム・D・ホイットニーから、森有礼は逆にたしなめられている。このホイットニーという人物。米言語学教会初代会長というだけあって“言葉”の持つ力を確実に理解していたようだ。

彼から森有礼に対する反論は、以下の様なものだったようです。
母語を捨て、外国語による近代化を計った国で成功したものなど、ほとんどない。英語を日本の「国語」として採用すれば、まず新しい言葉を覚え、それから学問をすることになってしまい、時間に余裕のない大多数の人々が、実質的に学問をすることが難しくなってしまう。その結果、英語学習に割く時間のふんだんにある少数の特権階級だけがすべての文化を独占することになり、一般大衆との間に大きな格差と断絶が生じてしまうだろう。

先に書いたように、森有礼の英語公用語化論の背景には《列強による植民地化の脅威》があった。だけど今、文科省が進めている英語偏重教育。これって新自由主義路線に立った財界の要請ってことだよね。
新自由主義者は営利活動の完全な自由を求める。環境基準、安全基準、権利保障はなるべく緩いものをグローバル・スタンダードとすることが彼らにとっては正義となる。さらには、文化や言語の違いも、新自由主義者にすれば、営利活動の障害となる。障害を取り除くことが、彼らにとっては正義なのだ。


三木谷さんは言ってます。「グローバリゼーションという観点からは、日本はアジア諸国に遅れを取ってしまっている。残念ながら、英語力は他のアジア諸国より低い。TOEFL平均スコアは、韓国が81点なのに対して、日本は70点しかありません」 「英語革命なくして、日本のグローバル化は果たせない」

つまり、新自由主義の立場で世界市場を奪取できる人材を育てる。海外にそれを求める分、日本も海外の企業に開かれた状態にする。
残念だけど、そんな教育についていけるのは、半分なんて絶対いないよ。三割から二割の間くらいかな。もちろんついていける奴ら自身も、その中できれいに序列化されてね。しかも、そんなことやったら、日本も世界も確実にダメになる。日本より英語ができる韓国が何なんだよ。言語能力の優れたフィリピン人がどうかしたのかよ。

三木谷さんは目を覚ましてほしいな。でも無理だな。下手に成功しちゃってるからね。日本がグローバル化から取り残されるなんてあおりながら、あなたが切り捨てようとしているのも日本人だからね。ちょっと匂うよ、腐臭が・・・。






 


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「歴史修正主義」とは、戦前の日独をことさら評価する史観ではない。
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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































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