めんどくせぇことばかり 本 その他

『鴨川食堂 おまかせ』 柏井壽

ちっとも順番に読んでないけど、これが最新作の第四弾。第二弾と第四弾を読んだんだな。今のところ・・・。じゃあ、このあとは、第三弾、第一弾って感じかな。・・・まったく順序に意味は無いけどさ。

人情を語るのに、やはり、料理はいい材料になるね。やはり、第二弾を読んだときと同じように、いずれの話も、自分に置き換えてしまって、ただただ、切ない。料理は、思う人に食べさせるものだからね。だから、食べ物のことを語ることそのものが、お話になるんだね。

そこに交錯する思いは千差万別で、おそらく人の数だけ物語はある。ただ、普通、人はそれを胸に秘める。秘められたものだからこそ、力を持つ。口に出しちゃあ、いけないんだ。口にした途端、その力は失われちゃうからね。ただ、何年も、何年も経って、かつてそこにあったさまざまな関係性や、強すぎた思いや、そういった色々なものが解きほぐされて、新たな装いに移り変わったとしたら・・・。秘められた思いは、明かされることで、大きな力になりうる。

秘められた思いは、物語として大きな力を持った時、人の生死を止揚する。


小学館文庫  ¥ 616

憶い出の食を捜していただけなかったら、私はずっと過去ばかりを追いかけてしまっていたと思います
第一話  味噌汁
第二話  おにぎり
第三話  豚の生姜焼き
第四話  冷やし中華
第五話  から揚げ
第六話  マカロニグラタン

夢をあきらめて故郷に帰るか、それとも挑戦を続けるか。憶い出の味噌汁を味わって、それを決めようとする、18で故郷をあとにしたきりの司法浪人。

「4年待って欲しい」と、一流になることを目指して、料理の道に邁進した恋人。その4年目の今年、別れの日に彼が食べさせてくれたおにぎりを依頼。そして、この4年間に決着をつけ用とする女。

別れた女が作ってくれた豚の生姜焼き。自分は、あの女にとって特別だと思いたい男。

冷やし中華。なぜ私は、あの冷やし中華を食べたいのか。それがわからない女。

そのから揚げを食わせてくれた男は、自分の過ちを恥じつつも、まっとうに生きる人だった。若者は、その思いをしっかり受け止められるのか。

自分の浮気がもとで、我が子と別れた女。別れる日、女は、自らの思いをマカロニグラタンに託した。それを、美味しく食べた子は、今。
取材だけでも、本当に大変だと思うんだけど、ぜひ、頑張ってほしいなあ。もっと読みたいよ。私、心の底から思ってるんです。強い人って、物語を持っている。たくさんの物語を持っている。本を読むって、疑似体験だけど、読むほど人は強くなれる。さまざまなパターンの悲しさや切なさを、読むことで体験して、心が鍛えられる。もしそれを、自分のものとして考えられるならね。

「旨さを感じ取ったんは舌でもなければ胃袋でもない。心なんですわ」・・・これ、《第五話 から揚げ》に出てくる、流れのセリフです。
GWには、滋賀県で働いている息子が帰ってくるし、娘家族もやってくる。息子や娘も、何かしら、思い出の味って持ってるのかな。まあ、せいぜいうまいものでも食わせてやろう。さて、包丁でも研ぎますか。・・・今、夜中の12時だけど・・・。



にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

『果てしなき追跡』 逢坂剛

逢坂剛の《イベリアシリーズ》をワクワクしながら読んでいた。1999年に始まったシリーズで、完結の第7巻が2013年。間があくので、本屋に行くたびに確認した。新しいのを見つけた時の、あの気持が懐かしい。あの時は、《第二次大戦中のスペイン》という特定の舞台があって、そのなかで架空の人物、北都昭平を活躍させた。

今度は、ちょっと様子が違う。主人公は、“函館で死んでなかった”土方歳三だ。・・・そうか、“函館で死んでなかった”という時点で、この土方歳三も、架空の人物であることには違いないか。

函館で負傷した土方歳三は、気を失ったままで、沖合に停泊中のアメリカ船に運ばれ、アメリカに渡ることになる。本人の意志も何も関係ない。なにしろ、アメリカ船のなかで目を覚ました土方は、記憶を失ったいたのだから。

その土方の面倒を見るのが、同郷の娘、時枝ゆら。しかし、二人は、船を降りるやいなや、密入国者として追われる身となる。右も左も分からないアメリカで、たちまち追われる身となる二人。追うのは、初対面の土方に目を潰された因縁を保つシェリフ、マット・ティルマン。

舞台は、アメリカ西部。登場するのは、船乗り、カウボーイ、インディアン、KKKから派生したQQQ、それを追う国境警備隊。逢坂剛ならでは、と言った感じだな。「面白くないはずがない」という意味です。



中央公論新社  ¥ 2,052

函館で死んだのは、土方歳三ではなかった。本物の土方は、沖で停泊中のアメリカ船に担ぎ込まれた


土方は、案内役のピンキーをさらったQQQの行方を追う。その土方を、シェリフのティルマンが追う。ティルマンの行先に土方が居るはずと、別れ別れになってしまったゆらが追う。ゆらが追ってくることを承知して、ティルマンが由良に罠を張る。

題名は『果てしなき追跡』。たしかに果てしない。追い、そして、逃げる彼らがさまようのは、アメリカ西部の大地。そう、まだこの国が一つの国家になって間もないころの話。この国が一つになった南北戦争の傷跡が、あちらこちらに残る時代。

この時代に、インディアンは消されていき、黒人は“解放”という名のもとに放置されていく。それでも、トムソーヤや、ハックルベリー・フィンが走り回るには、少し時間がかかる頃。

そんなアメリカに、日本は関わりを持っていくんだよね。さまざまな追跡のはてに、すべての解決が最後に描かれる。しかし、それは、予想したものとちょっと違うようだ。んんん?・・・そこで終わっちゃったんですよ。続きは次巻ということ。また、本屋でため息をつく日々が始まる。
幕末維新の頃、アメリカに渡ってカウボーイと関わった話が、昔あった。三船敏郎と、チャールズ・ブロンソンと、アラン・ドロンの共演というスゲー映画だった。『レッド・サン』だったかな。秩父の革新館っていう革新的な名前の映画館で見たぞ。



にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

『鴨川食堂 おかわり』 柏井壽

NHKのドラマで見ました。面白かったです。ショーケンが食堂の主、流役をやってました。まだまだ元気で、とても嬉しかったです。・・・で、「いまさら、なんでこの本?」と思われるでしょうが、特別わけはありません。ちょっと、気持ちが疲れていたんでしょう。人情の世界に触れてみたかったんです。

ドラマを見たのも、たまたまのことなんですが、この本を読んだら、ドラマの元になったお話がここにありました。内容は、下の目次に示した6編なんですが、冗漫になることを避け、脂身を削ぎ落として、淡白な味に仕上がってますね。その点は、ドラマ以上と言っていいでしょう。

他の本と一緒に積んでおきましたが、先程言ったとおり、世界情勢の本とか読んでたら、ちょっと気持ちが滅入って、この本を取ってペラペラめくってたら、1日、他の本に戻ることができなくなりました。日曜のお休み。孫が遊びに来ていましたが、テレビに釘付けになっている間、お昼寝の間に読みました。とてもいい休日を過ごすことができたような、ありがたい本でした。



小学館文庫  ¥ 616

お気持ちに見おうた分を、こちらに振り込んでもらえますか

第一話  海苔弁
第二話  ハンバーグ
第三話  クリスマスケーキ
第四話  焼飯
第五話  中華そば
第六話  天丼


《食を探す》、そうこの本では言っているけど、《思い出の味を再現する》っていうことですよね。鴨川食堂の主人である鴨川流は、料理人としての力量と、かつての職業である刑事としての犯罪捜査の経験、何より持ち前の人間味で依頼人の期待以上の料理を提供する。

“いついつ、どこどこの店で食べた”という話であれば、依頼人本人がそこへ行けばいい。“すでに店を閉じてしまっている”って言う時に、はじめて元犯罪捜査員の腕が意味を持つことになる。とは言え、これってかなり難しい捜査だよね。本当に見つけられるだろうか。さらに、“昔、死んだ母が作ってくれた”ってレベルの話になるとね。・・・そんなこと、考える必要ないか。ただただ、人情話に心を潤すことができればね。

幼いころの思い出の味の多くは、試行錯誤しながら、自分で再現した。って言ったって、土台が大した料理じゃない。ポテト、きゅうりもみ、ねぎみそ、たらし焼き、しゃくし菜炒め。素材+一手間だけだな。そういうの作って、しんみりしながら一杯やるのっていいよね。そういや最近、やってないな。ここ数年、心の余裕をなくしてたかな。

ただねぇ。本当に切なくなるほど再現したい味って、それとはまた違うんだよね。「野球の試合の日、ニワトリ小屋の前で、祖母に飲ませてもらった産みたて生卵」とか、「日曜日の昼に、母親が作って、家族みんなで食べたカレー」とか、「大学受験前日の夜に、井の頭公園に下宿してた兄貴が食わしてくれたとんかつ屋のとんかつ定食」とかって、その状況自体が“味”なんだよね。

その状況は、二度と再現することはできない。だから、切なくて涙が出る。

鴨川流は、それをやるわけだよね。そうそう、で、その味が、食べた依頼人に、実は本人でさえ忘れていたその時の状況を思い出させるわけだ。その時、依頼人が感じる切なさは、それは絶対に取り戻せないってことを思い知らされるから。・・・でも、だからこそ、人生は素晴らしい。

その仕事に応えようとする依頼人に流れが放つセリフが、「お気持ちに見おうた分を、こちらに振り込んでもらえますか」ということになる。そこまで言っちゃあ、カッコつけ過ぎってもんでしょう。




にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

『天地明察』 冲方丁

2009年の本か。ずいぶんと眠らせておいたもんだな。下に写真で紹介しているのは文庫本なんだけど、これは単行本。じつは、まだ入院中のベットの上で読みました。その時に、ベットの上でメモしておいたものを見ながら、この記事を書いてます。入院前に用意した本がなくなっちゃって、あわてて連れ合いに図書館から「何でもいいから借りてきて」ってのは、やっぱり無茶なこと。読みたい本は、ほとんどない。切羽詰まって思い出した。買っただけで読んでない本が、かなりあるはず。

そんなわけで、連れ合いに、押し入れに頭を突っ込んでもらいました。・・・いけない。その時の連れ合いのお尻を思い浮かべてしまった。大きいからなぁ。

すごい話題になったから買ったのに、この本、読んでなかった。面白かったー! よかった。読む機会に恵まれて・・・。あれだけ話題になった本が、ずいぶん時間が経過した分だけ、とても新鮮な気持ちで読めた。

もし、まだ読んでない人がいたら、絶対オススメ。

『天地明察』    冲方丁

角川文庫  ¥ 596.596

四代将軍の治世 日本独自の暦を作るという難題に挑んだ男がいた
主人公は渋川春海。またの名を、安井算哲。・・・“またの名”が渋川春海の方か。物語は、冒頭で、算術の天才、関孝和の影を登場させる。

渋川春海は碁打ちの家系で、それを以って将軍家に仕える。これが春海の表の姿で、その表の名が安井算哲。ところが春海には歳の離れた義兄があり、安井の名を継いでいる。渋井姓を名のるのは、他に生きる道を求める気持ちの現われでもある。実際、春海は碁の他に、神道、朱子学、算術、測地、暦術に心得があり、中でも算術への思い入れは強い。これが冒頭で関孝和の影を登場させたいわれである。

まあ、ともかく、そんな渋川春海が、なんやかんやと、改暦という大事業に携わっていく。

最初はなんか、まるで新しく始まったNHKの時代劇第一話冒頭のよう。かと思えば、まるで落語の語りをそのまま頭の中へ映像として送り込まれているような、はたまた、あの漫画『おーい、竜馬』を思わせるようなドタバタぶりでした。ストレスは、途中で読むのを中断しなければならないという、こちら側の都合だけ。・・・例えば、注射だとか、検温だとか。

時代は、徳川第4代将軍家綱の治世。3代家光以来、将軍家の厚い信頼を受けた腹違いの弟、保科正之が幕政に重きをなし、戦国の気風を残す世を太平に導こうと命をかける時代。その正之の命を受け、改暦に乗り出して、武によって統一された社会に、今度は文による一石を投じる役割を担うのが渋川春海の役回りというお話。

のちに制度疲労を起こし、新たな流れに対応できなくなる幕府ではあるが、この時代においては、なにしろ若い。物語は、渋川春海を中心とした、青春歴史小説とでも言えばいいだろうか。なんにしても、時代に若さがあることもあって、物語そのものをはつらつとしたものにしている。




にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

『生還せよ』 福田和代

思いっきり題名だけで入手してしまいました。“・・・しまいました”なんて言い方で始めれば、わたしがここに、その後の後悔のほどを書き示すようにしか聞こえませんよね。そう考えるのが当たり前ですよね。だけど、《怪我の功名》という言葉もあります。ということで、「この本は怪我の功名」。面白かったです。

ここのところ、山の本なら、それだけの理由で選んじゃってるからね。この本についても正直なところ、疑いはあったんですよ。山の本で遭難物。戦争物。警察物。山の本であることを期待していたのは本当なんだけど、戦争物なら“どんとこい”だし、警察物でも仕方ないくらいの気持ちでいた。

プロローグに出てくるのが、終戦時の、陸軍中野学校生たち。山の本ではなかった。しかも、なおかつ戦争物でもない。話の舞台は現代。

いつもながら私は、何の先入観もなしに読んだ。読み終えて、最後の著者紹介のところに書いてあった。そこではじめてわかったことなんだけど、《本作は、『迎撃せよ』、『潜航せよ』nに続く“国際謀略シリーズ”。読んでいる途中に、“前作”があることは確信していたが、そのとおりだった。

前2作を読んでいないのでなんのかんの言えないけど、日本にもいよいよ本格的諜報機関を設立する動きが水面下で進められていく中で、話は展開されているようだ。


『生還せよ』    福田和代

KADOKAWA  ¥ 1,944

航空自衛隊から内閣府に出向した安濃は、シンガポールで諜報員として潜入捜査に入る


その諜報機関は、内閣府内に設置された遺骨収容対策室。上官は内閣総理大臣で、有事には、総理の直接の指示で動く。平時は内閣官房長官が指示をとり、実際上の連絡は内閣府大臣政務官が行う。

さて、本作での話。日本のゲームメーカーが開発した軍事転用が懸念される航空機操縦シュミレーターをめぐる誘拐事件が発生。ドローンで炭疽菌を無差別頒布するっていう過激グループの計画も絡んで、諜報員としての初仕事に臨む安濃将之が過激グループを追う。

その、日本に本格的諜報期間を設立する話と、かつて諜報員を要請していた陸軍中野学校が絡んでくる。

面白いんですけど、ただ、著者の第二次世界大戦への認識が残念。真剣に自分の脳みそであの戦争と向き合うところまで言ってないみたい。ならば、あえて陸軍中野学校を持ち出すような真似しなきゃよかったのにと思っちゃったけど、それに気づくってことも、自分で向き合わないと気が付かないだろうからね。

それとも、この題名のために陸軍中野学校を持ち出したのかな。中に、《謀略は誠なり。諜者はシナず死なず。石炭殻のごとくに》という陸軍中野学校の教えが出てくる。“諜者は死なず”から『生還せよ』。・・・なるほど、いいアイデアだ。




にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

『ラストレシピ』 加藤経一

2014年6月刊行の、『麒麟の舌を持つ男』の改題バージョンだそうです。もう、2年も前に出てた本なんだ。
第二次世界対戦中に、天才料理人直太朗が完成させたという究極の料理を蘇らせてほしいと依頼された“最後の料理請負人”の佐々木充。彼はそれを再現する過程で、そのレシピが怖ろしい陰謀をはらんでいたことに気づく。直太朗が料理に人生をかける背景で、歴史を揺るがすある計画が動いていたのだ。料理に導かれ、70年越しの謎に迫る、感動の傑作ミステリー。
・・・、というのが、裏表紙に書かれたふれ込みなんだけど、ちょっともったいない感じ。

著者は、田中経一さん。フジテレビで、《料理の鉄人》のディレクターをしてた人だって。その番組のなかで、田中さんは出場する料理人の人生に触れる経験をされたそうだ。この本にも登場する料理人の習性や、パトロンとの付き合い、リアルな人間関係は、それらの料理人との深い関わりのなかで体得されたことのようだ。


幻冬舎文庫  ¥ 745

絶対味覚を持つ佐々木充。ひょんなことから歴史をも揺るがす、ある計画に関わる

さっき、裏表紙のふれ込みにケチを付けた。少し安売りし過ぎかなって感じたからで、もちろんそれを目にしたのは読み終えたあとなんだけど、この内容の物語なら、“満州”と、あえてその名を出すだけで、言わなくても伝わる数々のことがある。“満州”を扱いながら、もったいないと感じたことは、物語の中にも、実はあった。

“満州”とまでいかなくても、この時代の日本人であれば、誰でも共通する気負いのようなものがあって、おそらく今より、遥かに物語になりやすい題材にあふれていた。ましてや、膨れ上がった気負いを世界中から袋叩きにされて、潰された。・・・物語の宝庫だ。にも関わらず、ほとんど書かれていない。ひとえに、あの時代がいまだに消化されていないことに原因がある。みんな、なにも語らなかった。周辺に、よく語る人たちがいる。彼らがあそこまで語るのは、日本人が一切語らないからだ。

だから、語ろうとすると、ついつい大上段に振りかぶって構えてしまう。大上段に振りかぶられて書かれた“満州”を読むのは、正直なところ、疲れるのだ。

あえて言ってしまえば、《歴史認識》に関しても、恐れなくていい。どんどん書いてもらいたい。どんどん書いていくなかで、問題にもなり、習性もされていくだろう。かと言って、責任を問うような真似はやめよう。表に出してくれたことを評価しよう。重ねていうが、あの時代はまだ、消化されていないのだ。

この本だって、ひどいもんだった。満州は中国人の国土で、日本は他人の地で好き勝手なことをして、中国人にひどいことをしたって。日本人にとって他人の地なら、シナ人にとってだって他人の土地。ひどいことなら、日本人も我慢に我慢を重ねた。あまつさえ、ストーリーに、取り立てて関係ないのに石井部隊の話を持ち出してくる始末。

でも、物語として面白かったし、そういった“認識”も、・・・大歓迎だ。口をつぐんでいるよりも、よっぽどいい。あの、“物語の宝庫”をもっともっと、表舞台に立たせることこそ、今はもっとも大事なことだと思う。

ぜひ、多くの方に、この本を読んでもらいたい。大変価値のある本だと思う。




にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

『わくわく昆虫記』 丸山宗利

この本の表紙の飾る虫、・・・なんだか分かる? ホラホラ、葉っぱの上で体を立てて、・・・これって、ゴマダラカミキリだよね。前方の田んぼ上空に広がる空間の向こうの森まで一気に飛ぼうと、羽を広げる寸前なんじゃないかな。・・・たまんねぇな。

兄が二人いるんだけど、足が悪くてのろまな私は、いつも兄たちにおいて行かれた。集落のみんなで遊ぶときはいいんだけど、兄たちが学校の友達と遊ぶときはダメ。たまに連れて行ってもらっても、私は兄たちをがっかりさせるだけでね。

一人でできるのは、納屋にある怪しい道具や書籍を相手にするか、木っ端集めてなんか作るか、虫を相手にするかかな。“昆虫好き”とは言えないかもしれないけどね。夏休みに昆虫採集なんてやったことないし。だけど、虫相手でも時間は忘れたな。

虫の名前を周りの大人に聞いても、大人たちも適当な知識しかなかったからね。たとえばてんとう虫に区別はなかったし、緑色でよく飛ぶやつはみんな“ギッツ”。当時はなかなか調べようがないから、あとで先生に聞いたりしてね。それを友達に広めて、たとえば《オケラ同盟》を結成し、金魚鉢に土を入れてオケラ帝国を作った。《ハナアブ隊》としての活動は、ハナアブを大量に集めて休み時間の教室に離したりした。

講談社  ¥ 2,160

子供の頃に昆虫好きだっや人 あの頃の気持を思い出させてくれる本


やっぱり私、“虫好き”っていうのとは少し違うみたいだ。ゴキブリと毛虫とスズメバチがまったくダメだ。見ることさえ嫌だ。子供の頃の、ゾッとする経験によるものであるのはわかっている。ゴキブリは、木の隙間にクワガタいるのかと間違えて、数匹いっぺんに握りしめてしまった。茎に毛虫がびっしりとくっついたふきの群生に頭から飛び込んでしまった。金に目がくらんでスズメバチの巣を採りに行き、失敗してひどい目にあった。

この本にもアシナガバチの巣を取った著者の経験が書かれているが、同じことをやってた。それが通じると思ったのが甘かった。今考えれば、おそらく死ぬところだった。
どこか地方の方に女郎蜘蛛どうしを戦わせる“蜘蛛相撲”っていうのがあるそうだけど、蜘蛛どうしを戦わせるのはよくやってた。同じ種類に蜘蛛でも、自分の巣じゃないと戦えないんだね。女郎
kumo.png地蜘蛛っていうんですか。私は腹切り蜘蛛って読んでた。上手に土の中から袋を抜き出して、腹を切らせて遊んでた。
(写真借りちゃいました)
kumo2.png
虫があふれる夏。秋は虫の声。だけど、冬の雑木林が格好の遊び場所。来年の夏まで、暖かいベッドのなかでゆっくり過ごそうとしている彼らを見つけ出すのが、冬場の私の興奮する遊びだった。・・・本当にごめんなさい。

今度足を直したら山に行くんだけど、その時カメラを持っていこうかなって。いろいろな写真を撮って、ブログやなんかで紹介してさ。・・・虫の写真も撮ってみようかな。だって、この本の写真。ほら、表紙のゴマダラカミキリとかさ。そう、思わせるような写真がいっぱいなんだよ。




にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

『ほかほか蕗ご飯-居酒屋ぜんや』 坂井希久子

ずいぶんと遠ざけておいたけど、やっぱり時代ものは肌に合う。私は、口もそうだけど、頭の方も雑食性で、なんでも読む。地図帳や時刻表なんか与えられた日にゃあ、それこそ時間を忘れてしまう。地図帳、時刻表に近づくときは、最初から用心が肝要です。

だけど、雑食性と言いながら、もとを正せば歴史なんだよね。商売に関連しているしね。真正面から歴史研究に取り組んだ労作もそうだけど、古今東西、時の流れの中に埋もれた歴史を手間ひまかけて発掘したものとかを好んで読んだね。発掘ものとまで行かなくても、広く知られていないことに取り組んだり、一般に知られているものでも見方や視点を変えた新解釈で新装開店なんて、胸が躍るよね。

たとえお話に走ったものであっても、商売に反映できるように、より歴史に根差した話の方が都合がいい。その程度は守って行かないと、自分の読書はただの暇つぶしとは違うから・・・。恰好つけて、ずいぶん長い間そう思っていた。苦労もしたけど、それはそれで得るものも多かった。おかげで、人の知らない変なことまで知ってるし。もちろん程度問題だけどね。実際、背景に裏付けのない話に偏見を持っていたのは確か。だけど、案外そうでもないんだよね。

それがこの手の時代もの。歴史的事実がどうのこうのって話じゃないけど、考証がしっかりしていれば、知らず知らずのうちに時代が身の内に染み込んでくるって言うか。馴染んでくるって言うか。まなじ、歴史と大上段から組み合ってみても、机にかじりついたっきりの学者肌の先生じゃ、人間通の作家さんには敵わない。所詮、歴史は人の営み。
角川春樹事務所  ¥ 626

美味しい料理と癒しに満ちた連作時代小説、新シリーズ開幕

『ほかほか蕗ご飯-居酒屋ぜんや』という題名が、私にとってはすでに卑怯。時代もので、なおかつ料理ものときては、私は手にせざるを得ない。話の中心にいるのが、〈居酒屋ぜんや〉の女将。この女将が、謎めいている割には可愛げたっぷりの若後家という設定。これまた卑怯。それを卑怯と口にした段階で、こちらはすでに虜にされている。作家さんの手のうちで転がされるのを快感とするようじゃ、今後は“変態おやじ”を看板に加えないと。

読むものに多少の変化があっても、受け取る側の私の肌が時代ものになじみやすい傾向にあるのか。それとも、作家の坂井希久子さんの書いたものだからそう思うのか。

ぜひ作家さんの腕に責任を押し付けたいところ。でなきゃ、この手の本を片っ端から読む羽目に追い込まれることになる。

〈ぜんや〉の常連の一人に又三がいる。本書最終章で語られる、又三の生い立ちが痛ましい。貧乏ゆえに、摘み菜をして飢えをしのいだ幼少期。それが理由の摘み菜嫌い。なかでも蕗はダメ。ま~るい葉をかき分けて摘み取ろうとすると、その茎に毛虫がびっしり。それ以来、蕗はどうも・・・。という又三。・・・それはまったく私のこと。何故か同じ記憶。蕗はまさしく毛虫の味。これを知ってるって、作家の坂井希久子さん、いったいおいくつなんだろう。

*青菜のお浸し
小松菜、春菊、三つ葉をさっと茹で、しょうゆで洗って、しょうが汁と柚子皮の風味でまとめる。

*のっぺい汁
かつお節の出汁で、大根、人参、里芋、ごぼう、油揚げ、干椎茸と戻し汁を入れてぐつぐつ煮込む。しょうゆで味を調え、葛でとろみをつける。わさびを添えて、溶かしながら・・・。

*蕗飯
蕗の茎を細かく刻んで炊き込む。胡麻塩で




にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

『死ぬほど怖い❢ 他人の心理大事典』 斎藤勇

定時制に出入りしている頃、クラスの半分くらいが風邪を引いているわけでもないのにマスクしてた。全日制に出入りするようになったら、そんな奴は一人もいなかった。

マスクをしている人の心理は、自分の気持を人に知られたくない気持ちから口元を隠しているんだってさ。自分の容姿にコンプレックスを持っていることもあるって。私、小学校の3年生から30歳になるまで、前歯が三本、銀歯だった。かなり大きなコンプレックスだったな。でも、それだからってマスクなんかしてないよ。そんなもんしてたら鬱陶しいだけだろうに。口元が恥ずかしからマスクで隠すなんてしてたら、少なくても今の自分はなかった。定時制のときの連中は、そんだけ自分に自信を持てないでいたってことか。頑張れよ、定時制❢ 

マスクくんのことは、この本の中でも一番最初の方に書いてあった。・・・分かりやすい真理だったんですね。
*内気な人ほど派手なファッションで武装する
*行列には思わず並びたくなる魔力がある
*自分の歩くペースを譲らない人はバツ
*ポケットに手を入れている人は何かやましいことがあるかも
*とにかく喋り続ける人のデキる人イメージに騙されてはいけない
*攻撃的なのは傷つきやすいから
*嘘をつくと口が乾いて水が欲しくなる
*意地でも視線を合わせないのは話を聞きたくないから
*右上への視線は嘘をつこうとしている。左上への視線は記憶をたどっている

宝島社  ¥ 972

いつも「いい人」の黒い本音を見抜く❢ 人間嫌いにならないでね
第1章  外見
第2章  行動・態度
第3章  しぐさ・リアクション
第4章  表情・顔
第5章  口癖
第6章  習慣・趣味嗜好
第7章  ビジネス
第8章  恋愛

実は最近、大学の“心理学部”ってのが、なぜか人気が高いんだよね。それは、それは、異常なほどよ。まあ、ここからは彼らと直に触れ合っている人から聞いた話になるんだけど、希望しているやつ本人が、なんらかの心理的な問題点を抱えているケースが多いらしいんですよ。たとえば、かつていじめられていたとかね。

・・・いったい、彼らは、心理学を志して、なにを勉強したいんでしょう。

「おもしろそー」とかって思って読んだんだけど、実はどうも後味がよくなかったです。上記にように、他人の心理を見ぬいたとして、いったいどうするのかな。それが分かったら、それでどうってことかな。

昨日紹介した『孤独の読書術』のなかに、『あなたの中の異常真理』という本が紹介されていた。著者は、「あくまで自分の中の異常真理を見つめるものとして読むべき」という言葉を添えていた。この本は、最初から『他人の心理』を対象にしたもので、「いつも“いい人”の黒い本音を見抜く」という副題をつけている。

仕事の最中、それも人前にもかかわらず、気が付くと左手がズボンのポケットの中に入っている私です。「何かやましいところが」と疑われれば、「えっ」っと自分を疑ってしまう私です。

どうにも嫌な心理学だ。心理学部に進もうとする高校生は、一体何を勉強したいんだろう。・・・ちょっと気になるな。




にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

『孤独の読書術』 里中李生

著者の里中さんは作家でエッセイスト。1965年生まれというから、私より5歳若い。《仕事、お金、人間関係、恋愛、結婚などをテーマに、時代に流されない、物事の本質を突く厳しい自己啓発論を展開している。著作は累計260万分を超え、独自の筆致は男女を問わず幅広い層から熱狂的な支持を得ている》という著者の勧める25冊の本。

読書が趣味とは言っても、実はそんなに読んでる方じゃないし、わりと社会系のものに偏っているせいか、著者の里中李生さんのものを読んでない。上記のような作家さんなら、実際、私の読書と重なる部分は少なく、事実、“25冊”に取り上げられている本にも読んでないものが多く含まれる。いわゆる“自己啓発論”という、著者の本業に関わる部分に興味が薄いんだから仕方がない。

もちろん読んでいる本もあった。“ツァラトゥストラ”、“竜馬”、“修養”、“雪国”、“乳房”、“ブラック・ジャック”、“ゲーテとの対話”、“怪死人列伝”、“スッタニパータ”、“清貧”、“そして誰もいなくなった”、“中原中也”。それらを著者が、どのように紹介するのか。大変興味深かった。

だって、“竜馬”だって、“ブラック・ジャック”だって、“雪国”だって、それこそすでに語り尽くされたくらいのところがあるじゃないですか。それをどう料理するのか。・・・実際、面白かった。

学研ぷらす  ¥ 1,296

君が1年後、急成長する25の本の読み方
01 「ツァラトゥストラはこう言った」ニーチェ
03 「社会人として大切なことはすべて
            リッツ・カールトンで学んだ」清水健一郎
05 「金持ちになる男、貧乏になる男」スティーブ・シーボルト
07 「青が散る」宮本輝
09 「雪国」川端康成
11 「ブラック・ジャック」手塚治虫
13 「ゲーテとの対話」エッカーマン
15 「日本怪死人列伝」安部譲二
17 「ブッダの言葉ースッタニパータ」
19 「道をひらく」松下幸之助
21 「快楽主義の哲学」澁澤龍彦
23 「そして誰もいなくなった」アガサ・クリスティ
25 「鳥の不思議な生活」ノア・ストリッカー
02 「真説 長州力 1951~2015」田崎健太
04 「竜馬がゆく」司馬遼太郎

06 「修養」新渡戸稲造
08 「愛する言葉」岡本太郎・岡本敏子
10 「乳房」伊集院静
12 「パリ・世紀末パノラマ館」鹿島茂
14 「ヒトラーとナチ・ドイツ」石田勇治
16 「あなたの中の異常真理」岡田尊司
18 「聖の青春」大崎善生
20 「清貧の思想」中野孝次
22 「137億年の物語」クリストファー・ロイド
24 「中原中也詩集」中原中也



同じように、ブログで読んだ本の紹介をしてるんだから、やっぱり興味深かった。ただ、どうしたって、私には里中さんのような文章は書きようがない。それは私はどうも、里中さんのように、“生きる”ことに真剣ではないようだ。“快楽”には強い興味があったが、それも里中さんのものとは違い、もっと動物的、衝動的なものだったような気がする。

・・・「“生きる”ことに真剣でない」って、いま自分で書いて、自分でショックを受けている。私、“生きる”ことに真剣じゃなかったのか。な~んだ。

まあ、その時、その時で、「こんなもんかな~」って感じでやってきたからな。親たちと同じようであればいいだろうと思ってたし、何かと考えるのは、めんどくさいしね。その日、その日、飲んで憂さ晴らししてたし、周りの奴らもそうだったから、そのままここまで来ちゃった。・・・そう考えると、しょうがない人生だな。

自分の人生を見つめなおすのは、惨めな思いにとらわれるからやめにしよう。みなさんもやめたほうがいいですよ。私と同じように、取り返しの付かない年齢に達している人は特にね。

この本にも紹介されている『ブッダの言葉ースッタニパータ』にもあるように、「犀の角のように唯一人歩め」ってことですね。おお❢ 『孤独の読書術』にふさわしいまとめ方じゃないですか。めでたし、めでたし。




にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

ありがとうございました



「《めんどくせぇことばかり》は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。」
よくお越し下さいました

イーグルス16

Author:イーグルス16

息も絶え絶えです、ぜひ応援してください
人気ブログランキングへ にほんブログ村 政治ブログへ

「歴史修正主義」とは、戦前の日独をことさら評価する史観ではない。
米英両国の外交に過ちはなかったのか。
あったとすればそれは何だったのか。
それを真摯に探ろうとする歴史観だ。
英米独露の外交と内政を徹底検証し、二つの世界大戦が、実は「必要」も「理由」もない戦争だったことを明かす。
これから出る本










































当ブログ内人気図書 
















































カウンター
カテゴリ
ブロとも一覧
アジシオ次郎の時事原論
はりこのはやしや 
ハシビロコウ
素足のアイドル達
うさぎ屋の四方山話
わくわく株式投資
プロモデラー林哲平のジャンクロボット創作ブログ『ケルバーダイン』
京童ノ口ズサミ十分ノ一ヲモラスナリ
大好き!グラビアアイドル!
伊織のブログ
Re:BAD TASTE♥
QWERT 5w1h
「伝わる技術」オトデザイナーズ・坂本真一
歌と知恵でハッピーライフ^^
こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































検索フォーム
リンク
RSSリンクの表示
最新記事
応援して下さい