『もっともっと ゆる山歩き』 西野淑子
『ゆる山歩き』はシリーズ化されていて、これで3冊目。
1冊目が出されたときに、紹介している。2冊目も買ったんだけど、ブログでは紹介しなかった。特別大きな理由はないんだけどね。1冊目を紹介してから、間がなかったからだろうな。
1冊目が出されたのは2016年の3月。私が股関節の手術を受けたのがその年の10月27日だから、3月頃は、まだ1日に2~3回、座薬で痛みを抑えながら仕事をしていた。仕事場にも杖を持ち込み、身体を傾けながら歩いていたころだ。
きつかろうが、ゆるかろうが、山を歩くなんてとてもじゃなかった。
股関節の手術は、そのあたりで突然、大きな変化があった。その少し前、私がかかっていた医者は、その道の権威と言われた人だけど、レントゲン写真を見て、「この状態なら、もう少し手術を待った方がいい」と繰り返した。「そんなに痛くないはず」なんて言われて悔しい思いもした。
おそらく骨に置き換える素材の耐用年数の問題だったんだろう。痛みに耐えられず、医者を変えたら、「一刻も早く手術」と言うことになった。いち早く新しい素材に切り替えた医師だったのだろう。
本当は仕事の区切れのいい2017年の年度末に手術を受けようと思ったんだけど、股関節の骨頭の状態が急激に悪くなり、少し早めることになった。
私の左足にはチタン合金で作った股関節が入っている。私が多少長く生きたとしても、生きている間に人工股関節の耐用年数が切れることはない。術後、股関節の痛みは一切ない。
もし悩んでいる人がいれば、今すぐにでも手術を受けるべきだ。
足が痛い時期でも、いや、足が痛いからこそ、希望を持っていた。いつかまた、山に登ってやる。手術を受けて、もう一度山を歩く。そうでも考えないと、痛くってやってられなかったからな。山に登るってことを支えにしていたけど、それは言わば観念的なもので、具体的に、どこの山を、このルートで登ろうってものではなかった。
そういうことを考えるようになったのは、手術後、足の痛みが消えてからのこと。最初は、恐る恐る、近くにある“こども動物園”を歩くことからだった。なにしろ山をやめてから20年以上経ってる。四六時中痛かったわけじゃないから、当初はそれなりの運動もしていた。痛みがひどくなって、杖に頼って歩くようになったのは、最後の5年くらいのもの。
それでも足は弱くなってたからね。最初は本当に、恐る恐る歩いた。ただ歩いているだけで、よく転んだ。膝を打って、けがをしたこともある。年が明けて2017年、奥武蔵の山を歩くようになった。山岳部で山に登ってたんで、逆に、奥武蔵の地味な山はあまり知らなかった。歩いてみると、地元の低山もいい。歳を取ったせいか、山の中を歩いているだけで、それだけで気持ちいい。
そんな時期に、この『ゆる山歩き』シリーズの1冊目に目を留めたんだな。「ああ、こういう、素人でも気軽に出かけられるコースだけを紹介している本があるんだ」って、なんというか、“我が意を得たり”ってところだな。



この本で紹介されているコースは、だいたいが2時間以内で歩けるコース。越えても2時間半。3時間を越えるコースは例外的に2・3あるかどうか。
山歩きのコースだけで考えれば、3年前ならともかく、今の私には物足りない。ただいずれも、長くても3時間に納めるコースになっているが、周辺と合わせて5~6時間のコースに作り直すことも可能。ミドルコースやロングコースから、ハイライトだけ切り取ってショートコースを作ったようなもんかな。
それに、あまりアウトドア好きというわけでもない連れ合いと一緒に歩くなら、この程度で十分だし、これらのショートコースに近隣の観光を合わせれば、1日の日程を作ることも可能だろう。
どちらかと言えば、今はそういう意味で、このシリーズに頼っている。
手術から3年半、このシリーズの本をはじめ、首都圏からの日帰りコースを紹介する本にはけっこうお世話になった。そして、よく歩いた。昨年あたりから、ようやく足も出来てきたように思う。
さっきも書いたけど、当初はよく転んだし、5~6時間も歩くと足がパンパンになって、翌日は歩くのにも苦労しているような状態だった。今はもう、そういうこともない。
とりあえず、埼玉県東松山市に住む私には、奥武蔵という強い見方がある。
このシリーズでも何カ所か紹介されたが、2時間前後のショートコースで、春夏秋冬、四季に合わせて、それなりに見栄えのいいコースを作れと言われれば、いくつか思いつくところがある。
春の花、夏の沢や滝、秋の紅葉には事欠かない。冬と言っても雪景色が楽しめることは多くないが、なにしろ奥武蔵は、尾根や山頂と行っても樹林の中で展望がない場合が多い。そうなると、葉が枯れ落ちた冬こそ、奥武蔵は展望を楽しむ季節になるんだな。
さて、アウトドアなら、さほど感染の恐れもないだろう。人が多くなる週末と、人気の観光地は避けて、ちょっとマイナーそうな場所を選んで、出かけてみようかな。
1冊目が出されたときに、紹介している。2冊目も買ったんだけど、ブログでは紹介しなかった。特別大きな理由はないんだけどね。1冊目を紹介してから、間がなかったからだろうな。
1冊目が出されたのは2016年の3月。私が股関節の手術を受けたのがその年の10月27日だから、3月頃は、まだ1日に2~3回、座薬で痛みを抑えながら仕事をしていた。仕事場にも杖を持ち込み、身体を傾けながら歩いていたころだ。
きつかろうが、ゆるかろうが、山を歩くなんてとてもじゃなかった。
股関節の手術は、そのあたりで突然、大きな変化があった。その少し前、私がかかっていた医者は、その道の権威と言われた人だけど、レントゲン写真を見て、「この状態なら、もう少し手術を待った方がいい」と繰り返した。「そんなに痛くないはず」なんて言われて悔しい思いもした。
おそらく骨に置き換える素材の耐用年数の問題だったんだろう。痛みに耐えられず、医者を変えたら、「一刻も早く手術」と言うことになった。いち早く新しい素材に切り替えた医師だったのだろう。
本当は仕事の区切れのいい2017年の年度末に手術を受けようと思ったんだけど、股関節の骨頭の状態が急激に悪くなり、少し早めることになった。
私の左足にはチタン合金で作った股関節が入っている。私が多少長く生きたとしても、生きている間に人工股関節の耐用年数が切れることはない。術後、股関節の痛みは一切ない。
もし悩んでいる人がいれば、今すぐにでも手術を受けるべきだ。
足が痛い時期でも、いや、足が痛いからこそ、希望を持っていた。いつかまた、山に登ってやる。手術を受けて、もう一度山を歩く。そうでも考えないと、痛くってやってられなかったからな。山に登るってことを支えにしていたけど、それは言わば観念的なもので、具体的に、どこの山を、このルートで登ろうってものではなかった。
そういうことを考えるようになったのは、手術後、足の痛みが消えてからのこと。最初は、恐る恐る、近くにある“こども動物園”を歩くことからだった。なにしろ山をやめてから20年以上経ってる。四六時中痛かったわけじゃないから、当初はそれなりの運動もしていた。痛みがひどくなって、杖に頼って歩くようになったのは、最後の5年くらいのもの。
それでも足は弱くなってたからね。最初は本当に、恐る恐る歩いた。ただ歩いているだけで、よく転んだ。膝を打って、けがをしたこともある。年が明けて2017年、奥武蔵の山を歩くようになった。山岳部で山に登ってたんで、逆に、奥武蔵の地味な山はあまり知らなかった。歩いてみると、地元の低山もいい。歳を取ったせいか、山の中を歩いているだけで、それだけで気持ちいい。
そんな時期に、この『ゆる山歩き』シリーズの1冊目に目を留めたんだな。「ああ、こういう、素人でも気軽に出かけられるコースだけを紹介している本があるんだ」って、なんというか、“我が意を得たり”ってところだな。
『もっともっと ゆる山歩き』 西野淑子 東京新聞 ¥ 1,320 ゆっくり歩いてとっておきの景色へ。首都圏から行けるおススメの全50コースを紹介 |
この本で紹介されているコースは、だいたいが2時間以内で歩けるコース。越えても2時間半。3時間を越えるコースは例外的に2・3あるかどうか。
山歩きのコースだけで考えれば、3年前ならともかく、今の私には物足りない。ただいずれも、長くても3時間に納めるコースになっているが、周辺と合わせて5~6時間のコースに作り直すことも可能。ミドルコースやロングコースから、ハイライトだけ切り取ってショートコースを作ったようなもんかな。
それに、あまりアウトドア好きというわけでもない連れ合いと一緒に歩くなら、この程度で十分だし、これらのショートコースに近隣の観光を合わせれば、1日の日程を作ることも可能だろう。
どちらかと言えば、今はそういう意味で、このシリーズに頼っている。
手術から3年半、このシリーズの本をはじめ、首都圏からの日帰りコースを紹介する本にはけっこうお世話になった。そして、よく歩いた。昨年あたりから、ようやく足も出来てきたように思う。
さっきも書いたけど、当初はよく転んだし、5~6時間も歩くと足がパンパンになって、翌日は歩くのにも苦労しているような状態だった。今はもう、そういうこともない。
とりあえず、埼玉県東松山市に住む私には、奥武蔵という強い見方がある。
このシリーズでも何カ所か紹介されたが、2時間前後のショートコースで、春夏秋冬、四季に合わせて、それなりに見栄えのいいコースを作れと言われれば、いくつか思いつくところがある。
春の花、夏の沢や滝、秋の紅葉には事欠かない。冬と言っても雪景色が楽しめることは多くないが、なにしろ奥武蔵は、尾根や山頂と行っても樹林の中で展望がない場合が多い。そうなると、葉が枯れ落ちた冬こそ、奥武蔵は展望を楽しむ季節になるんだな。
さて、アウトドアなら、さほど感染の恐れもないだろう。人が多くなる週末と、人気の観光地は避けて、ちょっとマイナーそうな場所を選んで、出かけてみようかな。