めんどくせぇことばかり 本 山

『クルマで行く日帰り山歩き』 中田真二

 今は、もっぱらこれ、“車で行く山”。

とにかく、数多く登りたい。もう定年まで、残すところ3年なので、いっそやりたいことを優先して仕事をやめてしまいたいところなんだけど、経済的に、・・・独立したとはいえ、子供たちのことも考えた場合、そうはいかない。どうしても、土日しかなくなる。ハードにやって“翌日仕事“には、まだ自信がない。土曜一日で、それなりに充実したい。なにより、交通費がかさむのは困る。

実は、今年、若い人を山に連れていく機会がありそう。もちろん、今の私のレベルで案内できる範囲の話なんだけど、その時は、人数にもよるけど、車というわけにはいかないらしい。若い人たちだから、なおのこと、あまり負担させたくない。とにかく、過去の記憶も含めて、数多く登っておきたい。

そんなわけで、本当にまだまだ“近場”ばかりなんだけど、“車で山歩き”をしている。

そういう事情になって、はじめて、こういった本の意味深さが分かった。車だと、どうしてもそこに帰ってこなきゃいけないからね。こういうやり方は、手術後、山を再開してからなんだ。

行ったことのあるところだって、「車を置く」っていうことには神経を使う。まして、山の中だったりする。こういう本があると、今の私には大変ありがたい。



ブルーガイド  ¥ 1,728

駐車場からすぐ登れる! 魅力的な42コース 花の見所・立ち寄り湯
中央自動車道沿線の山
関越・上信越自動車道沿線の山
東北・常磐自動車道沿線の山
東名高速道路沿線の山
 
2015年に出た本なんだけど、初版は2005年でした。10年の月日を置いてのことですから、世間的にも、ずいぶん価値を認められてるんですね。

この本のおかげでわかりました。こういう登り方でなら、山ってずいぶん気軽に登れるんだ。まだ、近場の山の話だけど、例えば西武線の飯能や高麗の駅の近くに車を置いて、鉄道やバスを使えば、かなりバリエーションが広がる。車を置いたところに単純にピストンっていうばっかりじゃなくなってくるはず。その方向で遠出していけばいいな。・・・今はとにかく、もう少し山慣れしなきゃ。
地図2月に行った山だ。毛呂山町の総合公園に車を置かせてもらって、埼玉医大の裏手にある石尊山って山に登った。この山なら1時間くらいで登れるので、毛呂駅の近くに300円で車を置けるけど、リハビリだからね。総合公園から歩いた。

山頂は、ゴルフ場の中というコースだけど、これが結構いい景色。
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ここの家のわきから上がるのが
一番いい。お庭先を失礼
こんなです。ゴルフ場のヘリ同じくゴルフ場のヘリ

でもね。静かでいい場所ですよ。あえて登ろうという人もないだろうし。・・・と思ったら、おじさんが犬の散歩コースにしてた。
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ほら、ゴルフ場の中、フェンス
の向こうが山頂
フェンスを開けて中に入りますこれが、ほら、結構な景色。
筑波が見えたよ
上から、反対側の急斜面を下りて行ったら、埼玉医大の敷地にぶつかった。どうやら、この後、敷地内を通っていく道筋らしい。まさか、この建物は、看護師寮では、・・・?

どんな目にあわされるか、分かったものではないので、急斜面を登り返して、同じ道を帰りました。
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看護師さん、ごめんなさい。入院中はあんなにお世話になったにもかかわらず、失礼なことを書いてしまいました。

ある日の午後、仕事をさぼって山歩きでした。




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『焚き火の達人』 伊澤直人

同じような世代の男なら、・・・いや、“私よりも年上の方”ということにしておこう。そういう方なら、誰でも、“火”にまつわる失敗の一つや二つは抱えている。昔は、農家ならば、家庭ごみの大半は家で燃やしていた。小学校の頃から、よく火の番をさせられて、退屈なもんだから、火をいじくりまわして遊んだ。

その時の成功体験は、何か男としての誇らしさに通じた。そして失敗は、夜、夢の中の私を苛んだ。

口にしてもいい失敗を上げておこう。祖母に命じられたものは、まもなく燃え尽きようとしている。私はもっと燃やしたかった。しかし、前日までの大雨のせいか、まわりのなんもかもが湿っていて火が付きそうもない。仕方がない。小屋の中のものを燃やそう。いらなくなったものが、いくらでもあるはずだ。・・・ああ、だめだ。やっぱりこれ以上は書けません。

火が、大きくなりすぎてしまったこともあった。あれも困ったな。そんなとき、男にはできることがある。できることがあるにはあるが、そのくらいでは焼け石に小便。隣の大工の若い衆が来てくれたとき、私はまだ、必死の形相で、燃え上がる炎に小便をかけている途中でした。

時効が来るのを、指折り数えて待ったと言えば、・・・やはりここまでにしましょう。


『焚き火の達人』    伊澤直人

地球丸  ¥ 1,296

寒さと恐怖に震え、挫けそうになる気持ちは、焚き火のおかげで何とか持ちこたえられた
第1勝  焚き火とは?
第2章  焚き火の基礎知識
第3章  焚き火の準備①薪について
第4章  焚き火の準備②火をおこす
第5章  焚き火実践術①薪の組み方
第6章  焚き火実践術②薪の組み方
第7章  焚き火のあと始末
第8章  焚き火の道具
第9章  全国の直火が楽しめるキャンプ場
自分のうちでたき火をして、いもを焼いて食った。いもを焼いて食うとというと、多くの方はさつまいもを連想するんだろうが、私は、じゃがいもだ。じゃがいもを焼いて食った。幼いいとこたちが泊りがけで遊びに来た時も、よく焚き火をして、いもを焼いてやった。

ダイオキシンがどうのこうのと、言うだけ言っといて、大騒ぎして、それが大したことないと分かっても、口をつぐんだまま。・・・へっ、卑怯者め。大型の焼却炉を市町村に売りつけるためだけの大騒ぎだったのか。

でも、煙が嫌だって人は確かにいる。気になって、小さい子と一緒に花火もできない。さんまを始め、魚を焼いて食えないし、焼肉も食えない。バーベキューなんて危険極まりないし、燻製なんてとんでもない。

“市民”たちは、私から、生きる喜びを奪い取っていく。

だけど、焚き火をやろう。こうやって焚き火をやろう。そういう本だ。そうだ、まだ、こうやって喜びを味わいながら生きていく道があるんだ。どうぞ、“市民”の皆さんと一緒になりませんように。

直火ってのは、今や、キャンプ場でもできなくなってるんだ。んんん、残念だな。火が、大きすぎたことが原因じゃないんかな。だから、危険でもあるし、迷惑にもなるし、後始末も大変だし。

まあ、ずいぶん前の話になるけど、キャンプ場で焚き火をしている人を見ると、どうも、火が大きすぎる。そうに感じたな。5~6人くらいで火を囲むんなら、小さな火で十分。小さな火を、ちょろちょろと、長い時間燃やしながら、眠くなるまで飲みながら過ごすってのがいいんだけどな。

カッコつけすぎだけどさ。火を燃やすことなら、本当にけっこう自信あるよ。20年ほどやってないけどさ。たくさん失敗したからね。あの時の“火”みたいにさ。・・・もしかしたら、今日、久しぶりにうなされるかも。

ちなみにうえで紹介している小型の薪ストープ。楽しいよ~❢




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『トレッキング実践学』 髙橋庄太郎

二十数年ぶりに山に登り始めたもんで、山登りの様子も、若いころとはずいぶん変わっているようだ。私はもともと、シンプルな登山者だったので、登れればそれだけで、あまり文句はないんだけどね。ただ、実際には、還暦寸前の、いい年寄りだからね。過去に経験があるだけ、たちが悪いといわれる、直球ど真ん中。

私が高校に入り、家族の反対を押し切って山岳部に入るとき、祖母が言ってた。「遭難するんなら、わかりやすく死ぬんだで」って。ひでぇことを言うでしょう。でも、遭難したら、捜索で身上がつぶれるって言いましたからね。

そこまでいかないまでも、若気の至りなら勘弁してもらえても、年寄りの冷や水はみっともない。自己責任は当然としても、しっかり勉強し直して、・・・。ということで、ちょっと前の本なんだけど、“この人の書いたものなら”と思って購入しました。

驚いたのは、装備の改良が進んだことですね。なかでも軽量化はすごい。ザック一つとっても、荷物云々の前に、ザックそのものが重かったもんね。しかも、背負ってみたら、本当、いろいろ工夫されていて、まあ、パッキング技術が不必要ってわけじゃないけど、かなりの部分補ってくれてるよね。

素晴らしい世の中になったもんだ。・・・でも、山に登るのは、生身の体だけどね。


『トレッキング実践学』    髙橋庄太郎

枻出版社  ¥ 1,512

トレッキングは一種の趣味レーションゲーム 里山から秘境まで、山は最高の遊び場だ
第1章  計画の立て方
第2章  山の「荷」
第3章  山の「衣」
第4章  山の「食」
第5章  山の「住」  
第6章  小物のそろえ方
第7章  歩行術
第8章  生活術
第9章  危機管理術
第10章  ローインパクトとルールとマナー
第11章  トレッキング上級者への道
「じっくり読みました」っていうか、日々、手元に置いて、ながめています。“山に登る”ってこと自体、何にも変わっていないと思う。でも、装備は便利になったね。お金さえ出せば、山でもとても快適な思いができるようになってるね。昔もそうだったのかもしれないけど、そういったところは、私の目に入ってこなかった。私は“山岳部出”なので、いかにお金をかけないで山に登るかが勝負どころみたいなところがあったからね。結局、高校の時は、山行の半分近くがバイト込みみたいなところがあって、大学に入ってからもその傾向が続いた。

全然、後悔はしていないけど、“楽しむ”ってことを大前提とした山行。山を楽しむためにどうするかって発想から成り立ったのが、今の“山に登る”ってことなんだね。

還暦が近い私としても、だからこそ、そういった立ち位置で、“山に登る”ってことを考えていくべきだ。

私の持ってるテントは、だから30年前のさかいやオリジナルで、8人用。ほとんどベースキャンプみたいなものを背負って縦走してたんだからね。とにかく早出、早歩きで、テント場に先駆けないと、尾根筋ではすぐ張れなくなっちゃうからね。人数が少なくても、大は小を兼ねるくらいの考えで大きなスペースを独占するんだから迷惑な話だ。

この本では、そんな巨大テント一つも紹介してない。1~2人用の軽量テントばっかり。一緒に山に行っても、“テントは別”っていうのも、新しい考えだよね。それはそれで、快適だろう。なにも同じテントで、無理に不快を共有する必要はない。

さかいやオリジナルはそれとして、私も小さいテントを手に入れよう。
この間登った、埼玉は毛呂山町の山。地図
まずは、毛呂駅近くのパーキングに車を入れて、桂木峠まで登る。せっかくだから、峠まで行く。少し戻って車道を進み、名公山の尾根筋を下るルート。
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毛呂山の町も、奥の方に行くと桃源郷
の面持ち
桂木峠に向け、桂木川沿いに“ゆずの
散歩道”という小道がある
少女像も、日本大使館前のものとは
段違い。おぞましさはかけらもない
この山は、《奥武蔵登山詳細図》で見つけた。道標なし、熟達者向けコースで、熟達者向けといっても、山自体小さいし、道を失っても、必ずどこかに出られるところだからね。
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桂木峠の車道から。きっとあれが
名公山
とりつきは、完全に林道。結果と
しては、電信柱の後ろから尾根に
上がるべきか
こんな、心細い道。
中の写真の奥では、製材場が作ってあって、木こりのおじさんがお茶を飲んでた。名公山への道を聞くと、すぐに教えてくれた。途中右手に下る道があるとも教えてくれた。右手に下る道は“詳細図”にも出てない道で、途中、確かに存在した。
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細いながらも、道は続く終点間近で、ついに道を失う。が、
無理やり進むと結果オーライ
下ってきた、きっとあれば名公山

ちょうど、下ったあたりに、《おたか》っていううどん屋があって、ゆずうどんで有名。休みの日には大賑わい。ここのうどんはおいしいよ。




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『春を背負って』 笹本稜平

もとは、2011年の5月に出た本。ずいぶん前の本の紹介ですね。何年か前に、映画になったのは知ってた。松山ケンイチ主演でね。・・・2014年だ。それに合わせて、文庫化されたのか、この本。なにしろ、昨年10月の手術を受ける前までは、山に関するものは、すべてなかったことにしてきたもんですから。

取り戻そうとすると、年を取っていて、体は言うことを聞かない。その間に出たその手の本を読もうとすると、そればっかりになっちゃう。・・・取り戻そうという根性がいけないな。貧乏根性っていうんだよね、そういうの。映画は、いつか見たいな。

表紙の花は、シャクナゲですね。奥秩父はきれいなんだよね。そんなこと言って、奥秩父に入り浸ってた頃は、花の良さなんか分かっちゃいなかったんでけどね。・・・ということで、舞台は奥秩父。小さな山小屋の小屋番が主人公。彼を中心に、山を訪れる人とのかかわりから、人としての生き方そのものに、あせらず、気張らず、無理をせずに触れていく。

山小屋の名前は梓小屋。「甲武信ヶ岳と国師ヶ岳を結ぶ稜線の、ほぼ中間から長野側に少し下った沢の源頭にあります。千曲川支流、梓川の谷の上部に位置するので梓小屋と名付けられました」ということですが、残念ながら実在はしません。あるならすぐに、行ってみたいところだけどね。


『春を背負って』    笹本稜平

文春文庫  ¥ 637

奥秩父の山小屋を舞台に、山を訪れる人々が抱える人生の傷と再生を描く感動の山岳短編小説集
春を背負って
花泥棒
野晒し
小屋仕舞い
疑似好天
荷揚げ日和

高校の時、甲武信の小屋でアルバイトをしてた。高校2年の夏休みだ。山小屋は静かでね。当時、所有者は大滝村の方で、常駐しているのは雇われ小屋番の方だった。朝、飯を食わせてもらったら、甲武信を越えて、梓川沿いに降りて行って、車で運んでもらっておいた荷物を積んで登り返す。歩荷をしてた。お昼までに帰って、ご飯をもらって、昼寝をしてから小屋の仕事をした。

この本では100kgもの荷を運んでいるけど、とてもとても・・・。40kgで、十分つぶれてました。一度、金に目がくらんで50kg越えに挑戦した。途中、梓川沿いにへずっていくところがあって、バランスを取れずに川に落ちた。

ある朝、遠くに悲鳴が聞こえて、甲武信にほど近い三宝山頂方面から黒い煙が上がった。親父さんと一緒に駆けつけると、人が座り込んでいる。あちこち、ひどいやけどしてて、なんでもツェルトから顔だけ出して、固形燃料でお湯を沸かしてたら、火がツェルトに燃え移ったって。可哀そうだった。

ひどいのが両手と首、あと両足首。二人で交代で小屋まで背負ってきて、下に連絡してもらったら、なぜかヘリコプターを呼べなかったんだよね。よく覚えてないけど、大したことなかったのかな。救助の人が下から来るので、行けるところまで下りるということになって、そのお手伝いをした。けっこう大変だった。救助の人に会えた時は、本当にうれしかった。

その数日後、西沢渓谷から、高校の山岳部の仲間が登ってきた。とてもうれしかった。あんまりうれしすぎて、一緒に下りてしまった。そしたら、夏休みの終わりぎりぎりだった。そいつが登ってこなかったら、学校が始まるのを忘れてたかもしれない。・・・それはないか。・・・しかし、翌年も、同じ過ちを犯したしな。

親父さんは、東京農大のバイトの人とか、常連のお客さんとかと、よく一杯やりながら話してたけど、残念ながら、私はまだ子供過ぎた。「そんなこと、高校生の前で話しちゃだめだよ~」とかって言われて、一人ふくれっ面して寝てた。

きっと、中には、この本の中に出てくるような話もあったんだろうな。今の私なら、十分受け止められると思うんだけどな。




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『火竜の山 南アルプス山岳救助隊K‐9』 樋口明雄

《南アルプス山岳救助隊K‐9》の本部、北岳白根御池小屋は、最初と最後しか出てこない。舞台となるのは北信飛騨自動車道、通称ノースラインで向かう先、岐阜と富山の県境にそびえる標高2860mの新羅山。

・・・北信飛騨自動車道???? ノースライン???? へ~、そんなのができてたんだ。 新羅山2869m???????
どこかにあったっけかな~。2860mなら全国区の山だよね。知らないはずないのにな~。ちょっと、地図、地図・・・。どこよ? えっ?“幻の名峰”? “知られざる登山の穴場”? だったら、知らなくっても不思議はない?

腑に落ちね~❢

と思ってたら、全部架空のものだって。も~、地図で探しちゃったよ。・・・も~

前作の『ブロッケンの悪魔』も読んでたので、すんなり入れるかと思いきや。上記のような引っ掛かりを抱えつつ、頭に描いたのは、やっぱり御嶽山。・・・ですよね。

北岳「南アルプス山岳救助隊Kー9」の女性隊員の神崎静奈と星野夏実、そして救助犬2匹が、最近、多くの登山者を集めるようになった新羅山麓を管轄する岐阜県警狩場警察署に山岳救助の行使として招かれる。

常北大学理学部で火山地質学研究室を主宰する榎田智司は、新羅山の噴火の兆候をつかむ。

榎田の、別れた妻との間に生まれた娘、荻島沙耶は、ネットで知り合っただけの顔も知らないメンバーとともに、新羅山登山に向かう。

かすめ取ったやくざの金を返済するために政治家の息子を誘拐したチンピラカップルは、新羅山麓のロッジを隠れ家としていた。

事情が変わったやくざが、麻薬の取引と、その誘拐に絡んだすべての人間の口をふさぐために、殺し屋を差し向ける。



新潮社  ¥ 1,728

山に噴火の兆しが現れた時、人間たちの絆が試される。一気読み必至の山岳ミステリ!

物語のすべてが、火を噴く“火竜”に集約されていく。

大自然の、ちょっとした身震いに、無力な人間はなにもできない。でも、人間だから、できることもある。できることさえしない奴もいる。そんな、まさに人間が試される災害に、南アルプス山岳救助隊K-9の女性隊員二名が立ち向かう。

これ以上言っちゃあ、いけないよね。ただ、看板の言葉、《一気読み必至》は本当です。翌日の仕事は、本当につらかった。連れ合いには、「おじいさんのくせに、なんで我慢ができないの?」とか、ののしられた。・・・ひどいことを言うのう~。
噴火のシーンでは、御嶽山の噴火の時のこと、あの時の写真とかを思い出した。御嶽山でも似通った状況があったんだろうなって、思いながら読んだ。

先日、御嶽山の噴火の時のことで、ご遺族の方が国と長野県を訴えましたね。これ、私、複雑です。複雑ではありますが、〈私が当事者だったら〉と考えると、私は裁判は起こさないな。

噴火警戒レベル1から2への引き上げが問題になっているようだけど、判断は微妙なところだしね。

人の思惑とは無関係に御嶽山はそこにあるだけで、何も変わらない。裁判を始めたら、なんか、御嶽山だけじゃなくて、ほかの山にも、何だか登りずらくなりそうな気がして。

御岳
亡くした人が好きだった山に登って、その人の思いに近づきたい。亡くした人の近くに行ってあげたい。でも、それができなくなりそうな気がしてね。

違う、違う❢ ごめんなさい。私が山で死ぬんでした。火山灰に埋まって・・・。あとのことは、残された家族の問題でした。それは、私が考えるべきものではありませんでした。
というわけで、私を寝不足にしてくれた本でした。




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『体験的山道具考』 笹原芳樹

皮の登山靴は捨てちゃったんだよね。山をやめたときに。・・・夏用の靴の方は、二度もソールを張り替えた大事な靴だったのにな。残ってたのは青いナイロン製の靴。雪かきとかする時に使ってたので、取ってあった。ちょっと、靴ひもをひっかけるフックがぐらぐらしてる(この間購入)。

ザックは赤いナップサックが二つ。あまり使ってなかったんだけど70Lのザックは、出してみたら、プラスチックの部分がぐずぐずに崩れてきた。サイドのプラスアルファの部分だから、荷物を入れて背負うだけなら使える。でも、今様と違って、お尻のベルトも胸のベルトもないんだよね。よく使っていたのは、黄色いスチール製の背負子。高校の時に歩荷用に買って、いつも使ってた。山岳部の合宿でも、ナップサックに荷物入れて括り付けちゃえば済むから、パッキングも楽なんだよね。ずっとそのパターンだから、70Lのザックは人に貸すために使うくらい。

二本あったピッケルが出てこない。細引きはあったけど、ザイルがない。スパッツはロングスパッツの片方だけが出てきた。アイゼンはない(この間、新たに十本歯を購入)。カラビナはいくつか出てきた。目出帽がごみのように丸まってた。

「コッフェルが残ってた」って思ったら、一番外側の奴だけで、中味がない。EPIのガスはついた。よかったよかった。

雨具を着てみたら、内側の青い塗料が粉のようになって、全身にこびりついてしまった(この間、新品購入)。

テントはあった。といっても、さかいやスポーツオリジナルの8人用。すごいでかいテントで、住み心地はいいんだけど、人より先にテント場につかないと、張るところがなくなる。ヘルメットはなかった。親父の勤めていた昭和電工の名前の入った薄緑色の作業用ヘルメット。すごいかっこいいでしょ。・・・捨てちゃったみたい。一人用のテントがない。8人用は、家族キャンプで使った。その為にとってあったんだ。

ヘッデンとか、ブキとか、そういった細かいものも、なぜか見つからない。

ちなみに、「捨てた」というのは、連れ合いに「捨てといて」って頼んだんだよね。靴にしたって、ピッケルやザイルにしたって、自分じゃ捨てられないもんね。


『体験的山道具考』    笹原芳樹

ヤマケイ新書  ¥ 864

この本があった プロが教える使いこなしのコツ
歩くための装備を考える
ザックと収納の装備を試す
山の衣類と素材の話
食べるため飲むための道具
私が山で食べるもの
山で寝るための装備
安全・安心のための装備
山を知り、楽しむために
忘れてはならない山の小物
知っておきたい登攀道具

もう一度山に登ることになったので、あんまりこだわらないけど、それなりに必要なものはあるからね。買わなきゃ、と思ったら、この二十数年間で、ずいぶんと様変わりしてること。分からない。ゴアテックスはじめ、素材革命があったんだね。

靴は、ミドルカットの靴を買った。メリルの靴。私の足は日本人らしい足で、いろいろ履いた結果、シリオが一番合ってる感じなんだけど、ハイカットの靴しかなくて。ハイカットじゃ今の私には、ちょっと仰々しいので、店員さんに相談したら、「メリルも日本人の足に合いますよ」って。昔、皮の登山靴で足が豆だらけの血だらけになってね。あとで用品店に行ったら、「足に合うようになるまで履いてください」って言われたけど、今はいいね。“足が悪い”なんて言われないんだ。

“何を買おうかな”、“お店に行こうかな”、“ネットの方が安くすむかな”なんて、いろいろ考えていたら、この本を見つけた。2014年の本で、書かれたのはだいぶ前だけど、とても助かった。なにしろ、著者は、学生の時に何度もお世話になったカモシカスポーツで働いていた人っていうんだから、山の道具を考えるのに、こんなうってつけの人はいない。

まだ、私が山に登ってる二十数年前でも、さまざまに軽量化の努力ってのがされていて、高校、大学の時に比べれば、とても軽く、便利になっていた。この間そのスピードは加速されていて、雨が降っても体が濡れないなんて、まだ半信半疑。

それになんだ、あのシュラフの小ささは。子供用なのかと疑ってしまうほど小さいシュラフ。エアマットなんかもすごいね。実際、それを使って山登りしたうえで、どうだったか書かれてるんだから、本当に、これ以上強い味方はないんじゃないかな。そのうえ、食料まで紹介されている。もちろん、食ったうえでのこと。お湯を注いだら、それだけでカレーの出来上がりって、わけがわからない。

いや~、すごい。こりゃ、道具屋さんに行ったら、爆買いしてしまいそうだ。




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『山小屋で会いましょう』 鈴木みき

すみません。2011年の本なんです。買うには買ったけど、足のせいで、山やめてる真っ只中の頃ですから、読む気にならず、ほっぽってあった本です。「じゃあ、買うなよ」・・・ですよね。でも、まあ、今は登れるように・・・、なったとも言えないんだよな~。年末にあちこちの低山歩き回ったら、時には重りまで背負って歩き回ったら、悪くない法の足の膝を痛めてしまった。今月は、週末になっても、横になって本を読んでるだけ。「これじゃあ、手術受ける前と同じだ~」って思って、昨日はトレーニング用の自転車をこいでみた。そしたらなんか、今日は少しいいみたい。

来週は、山に行けるかな。

この本は漫画だよ。著者は、山の大好きな漫画家。本当に好きなんだな~。読んでると、好きで好きで、ものすごく山が好きなことが伝わってくる。一切の暗さがない。「24歳の頃カナダで1年間を過ごし、その時に出会った山に圧倒されて山にはまる」と、プロフィールにある。暗さがないのが分かる。山岳部系ってのは、どうしても、どっかに暗さを引きずるからね。いや、うらやましい。こういう山登りがいいよね。

山小屋は、お客として泊まったことがない。夜中の強風で非難させてもらったことはあるけどね。山をはじめた高校の頃、もう、GWには山小屋に歩荷を兼ねてバイトに行ってた。山小屋は、バイトを兼ねて山に登れる場所。で、奥秩父の山小屋でお金稼いで、北アルプスや、南アルプスや、八ヶ岳に行くの。もちろん、テントかついで・・・。山小屋なんてなしよ。それだって、節約登山。装備に頼らない、体力登山。


講談社  ¥ 1,296

楽しみ広がる「お泊り登山」・・・お、お泊り・・・ムフフ
第1章  ステキなお泊り登山 泊まる楽しみ
第2章  山小屋を知る しくみを詳細解説
第3章  山で迎える夜と朝 泊まり方案内
第4章  もっともっと山登り 広がる楽しみ
第5章  ストーリー@山小屋 出会いのファンタジー

私が山に登っていた時期って、昭和50年から平成3年あたりまで。あんまり長い間じゃないんだな。20年にも満たない。でも、登りまくってたからな。そのまま、順調に歳が取れるって思ってたんだけどな。・・・泣き言が多いね。その手の人間関係を、自分の方から拒否したからね。とても、もったいなかった。

まあ、とにかくその頃は、山はそんなに混雑してなかった。最後の方は、年寄りが増えつつあったけどね。今、休日の百名山は大変だそうだ。そんな中、山小屋はどうなんだろう。混雑しちゃってるんじゃないだろうか。

さて、著者のコラムに、山の楽しみ方の適性が分類されているので紹介します。
下界とおさらば住み込み登山
残念!あなたは登山客にはなれません。働いてください。万が一、登山客に復帰できたとしても、混んでいる山小屋でつい手伝ってしまったり、帰宅したザックはゴミが詰まっているでしょう。逃避癖は治りませんので、逃げ切ることです。
道は前にしかない縦走登山平凡な日々に飽きかけているあなた。いつもより長く歩き、味わう自然の豊かさと厳しさに、平凡が恋しくなるかも。「山登り」の次は「山歩き」。山の大きさを感じてください。
レッツ!お泊り登山登山に少し慣れてきたあなた。自分の力量以上の山に行こうとしていませんか?まずは前哨戦として1泊のコースを2泊にしたり、行きたい山が見える山もいいと思いますよ。山は逃げましぇん!
登頂ってなんですか?山小屋泊まりまだあんまり自発的に山登りをしていないあなた。もしかして苦しい憶い出ばかりではないですか?山小屋をゴールとしてのんびり山小屋時間を過ごしてみたら意外な発見があるかも!登頂するだけが山登りではありません。
飲めや歌えやイベント登山東に開山祭りあれば行き樽酒を飲み、西に餅つきがあれば行きヨイショする。そんな人に・・・あなたはなれます。飲みに行く家が少し遠くなっただけです。一生登頂しないのも面白いでしょう。レッツ・ヤマノミニケーション!
感じるな!慣れろ!日帰り登山山よりもお風呂が好きなあなたは山の近くの宿に泊まって山登りしてみましょう。体は汚れても心は美しくなるのに気がつき始めたら温泉のある山小屋に泊まって見るのはいかがでしょう。
ね。この人の山には、暗さがないでしょう。本当にうらやましい。私もそんな山登りがしたい。以前登っていた時は、《下山とおさらば住み込み登山》や、《道は前にしかない縦走登山》ばかりでしたからね。・・・そう考えると、自分が憐れになるな。

私も山を楽しむぞー❢




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『文豪山怪奇譚 山の怪談名作選』 東雅夫

『山怪奇譚』は山の怖い話。とはいうものの、その前に“文豪”と付いている。下の目次を見てね。すごい人たちの書いた、“怖い話”。“怖い話”とは言っても、ただ、恐怖を掻き立てるだけのゾンビ話じゃありません。砂漠だろうが、なんだろうが、ところ構わず、いたるところに、いつ何時でも現れるゾンビと違って、“それ”は、その居るべきところにいて、出るべき時に出る。

文豪たちは、その居るべきところをあらわし、出るべき時を盛り上げる。最近の山の怪談は、時にゾンビ話に引っ張られたかと思わせるものも時に見受けるが、さすが、文豪の、それも“名作選”ですからね。

いずれも、ひと時代前。人の住処は、それらの居場所のすぐ隣りにあって、日が暮れれば、人はとたんに、それらに時間を明け渡さなければならない。

『魚服記』に太宰治が書いているが、妙に静かな晩には、山ではきっと不思議が起こる。天狗の大木を切り倒す音がめりめりと聞こえたり、小屋の口のあたりで、誰かがあずきをとぐ気配がさくさくと耳についたり、遠いところから山人の笑い声がはっきり響いてくるものなのだ。それが、ごく当たり前のことなのだ。そういう場所であり、そういう時が設定されれば、それらは、人のすぐそばまでやってくる。



山と渓谷社  ¥ 972

願わくは、山行に本書を携え、気に入りの作品を味読朗読されんことを・・・。するか❢

千軒岳にて(火野葦平)
くろん坊(岡本綺堂)
秋葉長光(本堂平四郎)
鉄の童子(村山槐多)
薬草取(泉鏡花)
夢の日記から(中勘助)
山の怪(田中貢太郎)
河原坊(宮沢賢治)
百鬼夜行(菊池寛)
鈴鹿峠の雨(平山蘆江)
魚服記(太宰治)
山人外伝資料(柳田国男)

山は、信じられないほど美しい。とてつもなく清らかで、たどりつけないほど高潔である。多くの人は、そこには何か不思議な力が働いていると感じる。神秘的な気配にはっとさせられることも少なくない。

山は、危険でもある。足元は柔弱で、時には険阻で、人を恐れさせる。山がいったん牙を向けば、そこは人が生きていける場所ではなくなる。気まぐれに、いとも簡単に、人の命を奪うこともある。

本の題名をクリックして、表紙を大きくしてみてください。大木に巻きついた蔦は、大蛇であったり、鵺であったり、鳥の化物であったりしている。彼らは人の目を感じて、蔦に紛れ込もうとしたが、少し、もとの姿を残してしまった。もしも気が付かなかったら、きっと私は、彼らに取り込まれてしまったのだろう。・・・よかった。

でも、ちょっと待って❢ よく見ると、私よりも前に、すでに取り込まれた人がいる。こちらの人は、目だけを残して、すでに大木と一体化している。蛇も鵺も鶏も、この大木の眷属か。

山に行ったものが、何がしかの理由で帰らないことがあれば、そのときには、ありとあらゆる可能性が語られることになる。かつて、山で不思議な声を聞いたものは、その声の主にあったと考える。かつて、沢に足を取られたものは、淵の主の怒りに触れたと考える。

“それ”は居るべきところに居るし、出るべき時に出る。だから、そこでは頭をたれて、その時には謙虚であるべきだ。・・・ブルドーザーで山を削ってゴルフ場にするなんて、絶対しちゃいけない。・・・きっと罰が当たる。




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『ゆる山歩き 思い立ったら山日和』 西野淑子

つい先ごろご紹介した『低山トラベル』のときにも書きましたが、とにかく低い山をしっかり歩いて山を歩ける身体を作り直す。当面は、連れ合いを連れて歩くことになるから、ど素人の連れ合いでも楽しめる場所。連れ合いには“心地よい疲労感”までで、私にはそれなりのトレーニングになる《山歩き》。まあ、荷物による負荷で調整するくらいしか思いつかないけどね。

そう言えば、捨てずに残ってた山道具を引っ張り出してみた。雨具とか、ゴアテックスっていうの? そんなの前はなかったけど、雨具は、当時としては、割といいものだった。でも、出してみたらだめだった。見た目、着れそうだったんだけど、劣化してて、内側が、青い染料が粉が吹いたようになっていて、拭っても拭っても、落ちない。

ザックも、一つはだめだった。皮の部分は大丈夫でも、ゴムやプラスチックの部分の劣化がひどいね。コッフェルのフタ開けてみたら、中には何にもなくて、一番外側の大きな鍋が一つって状態。職場に持ってって、ラーメン用に使おう。

バーナーは使えた。EPIのガスボンベも大丈夫みたい。ヘッドランプは2・3個あったはずなのに、探しても出てこない。捨てたんだな。地図もない。やっぱり捨てたんだな。歩荷に使ってた背負子もない。ピッケルもアイゼンもない。ザイルまでない。そんなものまで捨てたかな。・・・ヤケにはなってたからな。

雨具と小さいコッフェルを新調しよう。雨具と炊事セット持って、低い山を歩こう。連れ合いと山を歩くことを、私も楽しもう。そのためには、この本みたいな本がいいな。この間の『低山トラベル』なんかもね。ずい分前に登ってる山が多いけど、かつてそうだったように、一からしっかり調べて歩いてみよう。

《景色や植物を楽しみながら、ゆったり低山ハイキング。ロープウェーやリフトで楽々アクセスする雲上の庭園歩き 首都圏から行ける、50のコースをご紹介》という“ふれこみ”で、たしかに“ゆるい”。たとえば、埼玉県の山だけ取り上げてみると、天覧山。箕山。日和田山。加治丘陵。鐘撞堂山。両神国民休養地。やりようによっては、けっこうな山も取り上げられているけど、それらはいずれもロープウェーやリフト利用の内容になっている。

これなら、連れ合いでも、“心地よい疲労感”で、十分足りる。



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心も体もリフレッシュ ゆる山歩きの世界へようこそ
それはそれ。トレーニング代わりにまわりの山を登りまくる。重りを背負って、早足で・・・。年末にそれをくり返したら、けっこうダメージが大きいことにショックを受けたんだけど、あきらめないで、だましだましでも、やらなきゃ。
越生の黒山三滝に向かう途中に大満というところがあって、12月の中頃、前に“足慣らし”に行った《桂木観音》に、今度は西側から登ってみた。はじめは沢沿いに、やがて沢から離れて、杉の林の中を、ずいぶんと急登させられた。大満 桂木観音
PC170008.jpg右の写真は、車をおいた大満から桂木山方面を移したもの。左側のピークが桂木山で、鞍部が桂木観音から桂木峠あたりだろう。
PC170002.jpgPC170003.jpgPC170004.jpgPC170005.jpg
左から、桂木観音への上りの途中の杉の巨木。桂木観音周辺のゆず畑。関東平野丸見え。一番右側の写真は天望峠というところ。ここで、舗装道路に出てしまい、やむを得ず、それを歩いて下りた。でも、下りていくと、途中で左手の山道から下りる道と合流した。あとで地図を確認すると、天望峠から鼻曲山に向かって山道に入ってから、右手に下りる道があった。どうせなら山道を歩きたかった。この辺も、勘の悪さだな。
右は、越生のマンホールのふた。梅が書かれている。前にマンホールのふたの本を紹介したことがあるけど、越生のマンホールのふたもなかなかいい。梅の街だからね。PC170006.jpg
とにかく、まめに山を歩く。常に、一人用のトレーニングコースと、二人用のコース、思い立った時に、すぐに出かけられるように準備しておくことだな。



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『山の霊異記 霧中の幻影』 安曇潤平

生まれた家は山の麓にあって、山は自分の遊び場だった。三男の味噌っかすで、兄たちに相手をしてもらえないと、同じ歳の子や下の子と遊ぶ気になれず、一人で山で遊んだ。いろいろなことがあった。怖い目に合うこともあったけど、山に行くのはやめようと思うことはなかった。

林道が山道に変わって少し行ったところから、山頂へ向かう道を外れ、しばらく行った山の斜面に、神様の祠があった。年に二度、大人たちが特別なお祀りをしていた。大人たちは祠の前でお祭をしたあと、祠の裏側に消えた。あまり詳しく聞いたわけではないが、山の神様は蛇の神様だと聞かされた記憶がある。祠の裏手に岩の窪みがあるそうなので、そこに蛇がいるのだろうと、なんとなく思っていた。

覗いたことがある。窪みの前の藪を、蛇に気をつけながらかき分けると、以外に整然とした窪みが現れた。高さは1mほどで、奥行きも同じくらい。岩壁は凹凸が激しいものの滑らかで、・・・。それらの中に、女の乳房のような膨らみがあった。私は、見てはならないものを見てしまったような思いにとらわれ、祠をあとにして走り去った。それ以来、私は祠には近づかなくなった。

高校生になったあたりから、やたらに、あの祠裏の窪みの“乳房”が頭に浮かぶようになった。女のことを意識するたびに、あの“乳房”が脳裏に浮かんだ。それは、いつも私を苦しめた。思い悩んだあげく、私は“乳房”に会いに、祠に向かった。

山の神の祠についた頃には、まわりはすでに薄暗くなりつつあった。祠の裏にまわり、藪をかき分けて、屈んで窪みの中を覗き込んだ。滑らかな凹凸の窪みの壁を丁寧に目で追う。左からの壁は右からの壁の向こう側へ、滑らかに消えている。右からの壁も左からの壁の後を追うように右へ回り込み、緩やかに続いている。その先は手も入らないほど狭くなっているようだ。奥に続くのかは、そこからではわからない。

私は、あの時の“乳房”を探した。あった。もう何年前になるんだろう。あの時の記憶は、間違いではなかった。それは、きれいな乳房のかたちをしていた。左からの壁と交差し、右からの壁が左からの壁を追って右に回りこむところにあった。それは、上部の壁の中に頭を埋め、首から乳房を経てちょうどへその上のあたりまでを表にさらして、そこから下は、また壁の中に埋もれている。手は、上に上げている状態で、細い首の横には脇の下に当たる窪みがある。

つまり、一人の女が、首から乳首とその周辺だけを表にさらして岩壁に埋まっているような形状なのだ。それは滑らかで、きれいだった。私は窪みに潜り込み、その先がどうなっているかなど、少しも関心を示すことなく、やると決めたことを実行に移した。それは、女の乳房を触ることだ。

恐る恐る、右の手を伸ばした。震える手で、私は包み込むようにその乳房に触れた。その瞬間、考えても見なかった事態に、私は大きな衝撃を受けて後退った。私はまたしても、祠をあとにして走り去ることになった。その間、何度も何度も、乳房に触れた手のひらの感触を確認した。乳房は、まるで人のもののように柔らかく、暖かかった。


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体感温度が急に変わった。ほんの数秒前までのうららかな気温が一気に下がった
命の影ついてくる女ぼくちゃん石田の背中
永遠の翼三枚鏡声が聞こえる冬虫夏草
三の丸食堂推定古道河童淵
秘湯の夜霧中の幻影鎌倉奇談山を這う蟻

この間、鎌北湖の周辺を歩き回ってる時、晴れてるのに日の差し込まない、暗い樹林帯に迷い込んだ。もう、すごく雰囲気のある場所で、何度も何度も、後ろを振り返った。あの時、私についてきたのは、いったいなんだろう。すぐ近くには、宿谷の滝があるところ。おまけに、他の道との合流地点には、古い、数基の墓石が・・・。

そういう雰囲気の場所ってのがあるんだよね。これもそんなに離れた場所じゃないんだけど、滝沢の滝。物見山から流れ落ちてくる場所なんだけど、いい滝なんだけど、ちょっと雰囲気ありすぎて、早々に退散した。

『山の霊異記 霧中の幻影』は、この間読んだものとは、ちょっと違う面持ち。今までは、「こういうことって、いかにも山でありそう」って話が多かったけど、今回はちょっと違う。旅先の土地の話や、宿泊した旅館でのできごととかが多い。

もちろんそればっかりじゃなくて、私はやっぱり、山の怪談話がいいなあ。《命の影》、《ついてくる女》、《石田の背中》、《三枚鏡》、《声が聞こえる》などなど、面白かったよ。山に行く時、怖いけどね。




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「歴史修正主義」とは、戦前の日独をことさら評価する史観ではない。
米英両国の外交に過ちはなかったのか。
あったとすればそれは何だったのか。
それを真摯に探ろうとする歴史観だ。
英米独露の外交と内政を徹底検証し、二つの世界大戦が、実は「必要」も「理由」もない戦争だったことを明かす。
これから出る本










































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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































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