めんどくせぇことばかり 2016年09月

『異人たちが見た日本史』 内藤孝宏

《ザビエルのインド人観》
この地方の人々は、私が見ている限り、一般的に言って極めて未開で、自分たちの無知な習慣に都合のよいことでなければなにも知ろうとしません。神のことについて、また自分の救霊について、耳を貸そうともしません。自然の強烈な力が彼らを支配し、すべての徳を破壊しつくしています。彼らは数々の罪の中で生活し、異常なまでに無節操でほとんど真実を話しません。(1549/1/14)

《ザビエル アンジロウについて》
私はアンジロウに、もしも私が彼とともに日本へ行くとしたら、日本の人々は信者になるだろうかと尋ねました。彼は、彼の郷里(鹿児島)では、すぐに信者にならないだろうと答えました。そしてさらに、日本人はまず初めに私にいろいろと質問し、私が答えたことと、私にどれほどの知識があるかを観察するだろう。とくに私の生活態度が私の話していることと一致しているかどうかを見るだろう。そして、もし私が二つのこと、すなわち彼らの質問によく答えて満足させ、また私の生活態度に咎がむべきことを見出さなかったら、半年ぐらい私を試してみた後で、領主(島津貴久)や貴族(武士)たち、また一般の人々も、キリスト信者になるかどうかを考え、判断するだろうと言いました。彼が言うには、日本人は理性によってのみ導かれる人々であるとのことです。(1548/1/20)

《ザビエルの依頼でポルトガル人商人ジョルジュ・アルバレスが作った日本に関する報告書》
日本人は中背でずんぐり型。労働に強い体格で、肌は白く容姿端麗である。日本人は誇り高く、小さなことでもすぐ怒る癖があり、武器を大切にする。彼らは西欧の国々の国情をひどく知りたがる。私たちの船に来るときには、御馳走になり、見たいと思うものを見せてくれることを期待し、歓迎されることを望んでいる。盗みを極度に嫌う。
・一日に三度食事をする
・酒を好むが酔うとすぐ寝てしまうため理性を失うものを見たことがない
・日本人は妻を一人持つだけで、金持ちや貴人が女奴隷を持つ場合もある
・僧侶は妻帯を禁じられ、それを見つけられれば殺される
・僧侶は肉食をせず、芹や野菜だけ食べ、魚も食べない

《ザビエル最初の日本人観》
私たちが交際することによって知りえた限りでは、この国の人々は今までに発見された国民の中で最高であり、日本人より優れている人々は、異教徒の間では見つけられないでしょう。彼らは親しみやすく、一般に善良で、悪意がありません。驚くほど名誉心の強い人々で、他の何物よりも名誉を重んじます。大部分の人々は貧しいのですが、武士も、そうでない人々も、貧しいことを不名誉とは思っていません。(1549)

《ザビエルの日本人観》
彼らは地球が丸いことを知りませんでしたし、太陽の軌道についても知りませんでした。彼らはこれらのことやその他、たとえば、流星、稲妻、降雨や雪、その他これに類したことについては質問しました。それらの質問に私たちが答え、よく説明しましたところ、大変満足して喜び、私た
ちを学識のあるものだと思ったようです。そのことは私たちの話を信じるためには少しは役立っています。(1551/4)

洋泉社  ¥ 1,620
 
彼らが伝える「日本」には、「日本史」が見落としてしまった細かなディテールが記録されている
PART1  中世に来日した外国人・・・宣教師と商人の時代
フランシスコ・ザビエル  フランシスコ・カブラル  アレッサンドロ・ヴァリニャーノ  アビラ・ヒロン
PART2  江戸前期に来日した外国人・・・朱印船とオランダ商館の時代
ウィリアム・アダムス  ジョン・セーリス  フランソワ・カロン
PART1¥3  江戸後期に来日した外国人・・・研究者と侵略者の時代
エンゲルベルト・ケンペル  ヴァーシリー・ゴローニン  フィリップ・フランツ・フォン・シーベルト  
マシュー・カルブレイス・ペリー

《マルコ・ポーロ》
チパングは東海にある大きな島で、大陸から2400キロの距離にある。住民は色が白く、文化的で、物質に恵まれている。偶像を崇拝し、どこにも属せず、独立している。黄金は無尽蔵にあるが、国王は輸出を禁じている。しかも大陸から非常に遠いので、商人もこの国をあまり訪れず、そのため黄金が想像できぬほど豊富なのだ。

《ウィリアム・アダムス》
この日本は一大島国にして、北緯四十八度にあり、地形は東北より西南に延び、二百二十リーグ(里)にわたります。日本島の住民は、性質温良にして礼儀を重んずること甚だしく、戦いに鑑みては勇敢、国法は厳かにして、これを犯した者は仮借なく罰せられます。今や国内は平和です。内政の行き届いていること、他国と比べ物にならないほどです。 (1611)

《オランダ商館長 フランソワ・カロン 1619年来日》
数人で一つの悪事を犯し、その一人が捕縛せられた場合、彼は自分の仲間に迷惑をかけるよりも寧ろ死の苦痛を受く。苦痛がいかに強くまた恐ろしくとも、決して白状せず、その苦痛から終に死んでしまう。彼はかくの如き信仰を有し、これを破って近親者を死に陥れるは、名誉を傷つくるものとし、一大決心を以て自己の被る種々の苦痛に対し、郷上と頑固を守り通すのだ。

勘定は正確で、売買を記帳し、一切が整然として明白である。彼らの計算は細い棒の上に丸い小玉を刺した板の上で行われる。加減乗除比例まで整数分数ともにでき、そうしてオランダにおけるよりも、また速算家でない尋常のオランダ人が計算するよりも、一層迅速正確である。

《シーボルトからペリーにあてた書簡》
願わくば堪忍の尾を絶つなかれ。日本政府の異議を静かに聞き入れよ。しかして、断固として、アメリカは日本の現宗教と政治とを乱さんとせざるものなることを声明せざるべからず。アメリカはそれらのものに抵触せず、平和なる協商によりて通商条約を結ぶことを主張せよ。おそらく提案は聴かざらんも、ペリー提督よ、願わくば日本の善良にして誠実無智なる人民に対して敵対的示威をなすなかれ。




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『大間違いのアメリカ合衆国』 倉山満

これは本当のことなんだけど、この本を読む前から、私はトランプの方がマシだと思ってたよ。倉山さんに言われるまでもなく。だってさ。“アメリカ初の女性大統領”ってフレーズは8年前に使い古したもんで、ちっとも新鮮さないじゃん。メルケルとメイとヒラリーの三人で、かしまし娘でも結成するっていうんなら、これはもう絶対だけどさ。

しかも、前の亭主のときがもうハチャメチャだったからね。メール問題とか、選挙期間中にシナとの金銭的なつながりを指摘されてさ。日本にとって、どうもいいことはないよ。タカタがやられて、フォルクスワーゲンがやられて、民主党政権っていうのは、ほとんど追い剥ぎみたいなもんだからな。これからヒラリーの8年間が始まると思うと、心底ゾッとするよ。

トランプの「日本もGNP2%までは防衛費を負担しろ」なんて発言、大歓迎だしさ。「米軍に守ってもらいたけりゃ金を払え」って発言も、アメリカ人の賛同を得ているじゃない。というよりも、日本にとって、こんなチャンスはめったにないよ、きっと・・・。トランプ相手なら、日米関係も、そういう乾いた関係に変えていけるんじゃないかな。
AFP BB NEWS 2016/09/24
「撃たないで!」米警察による黒人射殺の瞬間、妻が撮影
http://www.afpbb.com/articles/-/3101982?pid=18325956
(抜粋)
米南部ノースカロライナ(North Carolina)州シャーロット(Charlotte)で、拳銃を所持していたとされる黒人男性が警官に射殺された事件に抗議する騒乱が連日にわたり続いている問題で23日、死亡した男性の妻が当時撮影した劇的な動画が公開された。
滅茶苦茶だ。警官側だって怖くて仕方がないだろう。バスケットの選手が、試合前の国旗掲揚の際、起立を拒否したこともニュースになっていたよね。

アメリカにはいろいろと、成文化されていない暗黙の了解というものがあって、人種差別っていうのは、その最たるものみたいね。差別する方にとっても、される方にとってもね。

黒人が水泳選手として表舞台に立つのは、ここんところ20年位のことで、かといって、なにかはっきりと決められていたわけじゃないんだって。これは、「黒人はプールを使うな」ってことだってさ。・・・唐突だけど、アメリカはそういう国ということだ。


KKベストセラーズ  ¥ 1,200

トランプ大統領に備えろ 日本・自主独立のためのアメリカ史
ヒラリー・クリントンになったら、それこそ旦那のビル・クリントンの90年台の再来です。ウォール街にはユダヤ人が入り込んでいるように、チャイニーズも相当入り込んでいるので、チャイナロビーとズブズブの彼女では、日本は軽くパッシングで、親中政策をやりたい放題でしょう。
倉山さんはそう言ってるけど、たしかに厳しくなるだろな。

だからこそ、トランプへの期待が広がる。右を向いても左を見ても、日本ではトランプに厳しいけど、彼があれだけアメリカで支持を集めていることへの言及がないのはなぜだ。彼は確実に、アメリカ人の一方の人々の支持を受けている。「エスタブリッシュメントに騙されるな」「アメリカの国益第一」「再びアメリカを偉大な国にする」と言った彼の主張は、アメリカの共和党保守本流のものだ。アメリカの保守派は、トランプで、本気で巻き返しを図っている。

訪米した安倍首相がヒラリーと会談をしたという報道があった。日本を金づるとしかとらえていない民主党。かりにヒラリーが勝ったとしても、そのくらいで恩に着るとは思えない。ここは、共和党保守派とのつながりを強化すべきところじゃないかな。



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イタリア・スイスに賠償金(覚書)『変見自在 サダム・フセインは偉かった』 高山正之

昨日、『日本人が知らない最先端の世界史』の紹介のなかで、“歴史修正主義”に関して、共に三国同盟を組んでいたイタリアが日本から賠償金を取っているって話を出した。高山正之さんの『変見自在 サダム・フセインは偉かった』を扱ったブログのなかで紹介したものだ。今日はその時の記事をご紹介します。
今までに読んだ著者の本の中にも書かれていたんだけど・・・。日本がイタリアやスイスにまで賠償金を払っているって話。本当かよ❢って思ってたら本当だった。スイスは永世中立国だしイタリアに至っては枢軸国仲間だぞ。いったいどうなってんだ。・・・と、思って外務省のデータを調べてみた。
新潮文庫  ¥ 464

「我こそ正義」のアメリカは、平気で日本に原爆を投下し、サダム・フセインも殺してしまう

賠償並びに戦後処理の一環としてなされた経済協力及び支払い等
1 賠償=3,643億4,880万円
フィリピン賠償協定:1956年7月1,980億円
ベトナム賠償協定:1960年1月 140億4,000万円
ビルマ賠償・経済協力協定:1955年4月 720億円
インドネシア賠償協定:1958年4月 803億880万円
2 中間賠償(1945年11月~1950年5月)
  日本国内の資本設備を撤去して、かつて日本が支配した国に移転、譲渡することによる戦争賠償=1億6,515万8,839円
支那54.1%、オランダ(東インド)11.5%、フィリピン19%、イギリス(ビルマ、マライ)15.4%
3 在外資産の放棄=3,794億9,900万円
朝鮮 702億5600万円
台湾 425億4200万円
支那2,386億8,700万円
その他(樺太、南洋、その他南方地域、欧米諸国等)   280億1400万円
4 戦後処理の一環として締結された経済技術協力協定等に基づく経済協力等=2,539億4,170万5,380円
ラオス経済技術協力協定:1959年1月      10億円
カンボジア経済技術協力協定:1959年7月      15億円
マレーシアマレーシアとの協定:1968年5月    29億4,000万3,000円
シンガポールシンガポールとの協定:1968年5月    29億4,000万3,000円
韓国日韓基本条約:1965年12月1,080億円
ミクロネシア米国とのミクロネシア協定:1969年7月      18億円
タイ特別円問題解決協定:1955年12月
上記協定のある規定に代わる協定:1962年5月
      54億円
      96億円
フランスインドシナ銀行名義諸勘定の解決に関する議定書:1957年3月      15億円
        1億7,267万4,360 円
インドネシア旧清算勘定その他の諸勘定の残高請求権処理に関する議定書
:1958年4月
   636億8,902万5,020 円
ビルマ経済技術協力協定:1963年10月   504億円
モンゴル経済協力協定:1977年8月     50億円
5 捕虜に対する償い=45億4,108万5,000円
赤十字国際委員会(受益代表[英国]との交換公文:1955年5月)     45億4,108万5,000円
6 私的請求権問題等の解決のための支払い=85億8,141万4,246円
オランダ私的請求権問題解決に関する議定書:1956年6月
オプテンノール号問題解決に関する取極:1979年3月
36億円
 1億円
イタリア請求権問題解決に関する取極:1972年7月 4億3,200万円
スイス請求権問題解決に関する取極:1955年3月
同取極第2条:在スイス日本財産の処理
10億2,942万5,000円
 2億0,389万0,746円
スペイン請求権問題解決に関する取極:1957年1月19億8,000万円
スウェーデン請求権問題解決に関する取極:1958年5月 5億0,452万7,500円
デンマークグレート・ノーザン・テレグラフ株式会社の請求権解決取極:1955年9月
請求権問題解決に関する取極:1959年5月
 3億0,273万9,000円
 4億2,300万円
オーストリア請求権問題解決に関する取極:1966年11月      601万2,000円
7 戦前債務の支払=6億7,473万4,680円
イギリス請求権解決に関する取極:1960年10月5億0,400万円
カナダ請求権解決に関する取極:1961年9月    630万円
インド請求権解決に関する取極:1963年12月    900万円
ギリシャ請求権解決に関する取極:1966年9月  5,823万4,680円
アルゼンチン請求権解決に関する取極:1977年6月  9,720万円
8 戦後処理の一環として締結された経済開発借款取極等に基づく借款=3,407億7,600万円
ビルマ賠償・経済協力協定:1955年4月
経済開発借款取極:1963年10月
 180億円
 108億円
フィリピン経済開発借款取極:1956年7月 900億円
インドネシア経済開発借款取極:1958年4月1,440億円
ベトナム借款協定:1960年1月
経済開発借款取極:1960年1月
  27億円
  32億7,600万円
韓国請求権・経済協力協定:1965年12月3,407億7,600万円

すごい。こんなにか。ギリシャ、アルゼンチン、イタリア、スイス、スペイン、スウェーデン、デンマーク、オーストリアってなんだよ。在外資産の放棄ってなんだよ。ちなみにイタリア(パドリオ政権)は、1945年7月15日に、日本に対して宣戦布告しているが、同じ敗戦国仲間のくせに賠償をせしめて、ロシア同様の火事場泥棒野郎だな。




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歴史修正主義(覚書)『日本人が知らない最先端の世界史』 福井義高

ロシアがよく言ってるよね。『南クリルは、第2次世界大戦の結果としてロシアに帰属した。』それをロシアの不法占拠のように言い、変換を求める日本は、『第2次世界大戦の結果に疑いを持つ唯一の国』ってね。
テレ朝ニュース 2015/05/20
「日本は第2次世界大戦の結果に疑いを持つ唯一の国」ロシア外相
http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000050795.html
(抜粋)
日本は「第2次大戦の結果に疑いを持つ唯一の国」として「他にそのような国はない」と批判しました。また、「戦勝国が行ったことは揺るがない」と強調し、「日本は何も反論できない」と北方領土の返還を求める日本を強く牽制(けんせい)しました。
・・・盗っ人猛々しいとはこのことだ。この野郎。・・・なんて吠え立てても、どうにもならない。火事場泥棒だろうがなんだろうが、戦争に負けるってことはそういうことだったんだ。

日本は戦争に負けたし、たしかに近代国家として未熟な面をたくさん抱えていた。だけど、戦争ってのは相手のあることで、10-0でどっちがが一方的に正義で、どっちかが悪なんてことはない。日本の場合だって、どっちかって言えば、圧倒的に責任は外部にある。

「相手の責任を追求するより、自らの未熟を見つめ直したほうが・・・」なんて声が聞こえてきそうだけど、戦争に負けたことで、相手はその戦争が始まった原因のすべてを敗戦国にかぶせるように、その前後の歴史の辻褄を書き改めちゃってるから、反省すべき某(なにがし)かなんて、まったく見に覚えのないことばかり。

「そりゃあないだろう」って詰め寄っても、あとは相手の面の皮の厚さに驚くばかりだ。

祥伝社  ¥ 1,728

本書が目指すものは、歴史認識の鎖国状態の打破 敗戦のもたらした恐怖の克服

そう、彼らの面の皮は厚いのだ。そして、面の皮が厚いことは、日本人ならそう言われれば“恥”と感じて改めるべきところだけど、罪でもなんでもないということだ。場合によっては、「面の皮が厚い」という罵りの言葉は、その知恵に対する賞賛の言葉と受け取られることさえ・・・。

戦争責任と言えば、唯一の例外がナチス・ドイツのホロコーストね。ナチス・ドイツを断罪することで、絶対悪とすることで、戦後のドイツの贖罪が成った。さっきの例で言えば、10-0の絶対悪ね。だけどそれって、あくまでもナチス・ドイツなんだよね。だから、一般のドイツ人って、戦争犯罪に関して二次的加担者って位置づけになっていて、それだけに率先してナチス・ドイツのあげつらうんだよね。その分だけ、日本も含めて、その他の戦争悪を、ナチス・ドイツのそれと相対化することを受け付けないんだよね。

第二次世界大戦の原因っていうのはいろいろあるけど、ドイツにしてみれば、第一次世界大戦に加えての第二次世界大戦だからね。真っ当に責任を引き受けることになれば、国家の存立そのものが問われたはず。だからこそ、ドイツ人が率先してナチス・ドイツを攻撃した。ナチス・ドイツの悪をいろいろな国の戦争悪と相対化しちゃうと、一般ドイツ人が本来引き受けるべき責任に焦点が当てられることになるもんね。

だから、一般ドイツ人て、戦後体制になかで、大きな利益を得た人たちであるわけだよね。・・・日本人とは違う。

日本は、・・・最近の日本人のなかには、もう一度、戦争に関わる歴史を問い直そうと考える人が増えてきている。国際社会においては、安倍晋三首相がそういった国民の意識を代表して、“歴史修正主義者”と呼ばれている。

“修正主義者”への拒否感っていうのが、ヨーロッパではとにかく強いんだよね。ソ連の悪を摘発したソルジェニーツィンさえ、それによってホロコーストを相対化しようとする修正主義者にされちゃうんだって。ソルジェニーツィンでさえ“蟻の一穴”になりかねないってんだからもう大変。

東京裁判で捻じ曲げられた歴史を問い直そうとすれば、それによって成立した世界において利益を得たものたちのすべてを敵に回さなければならない。いろいろなやつが利益を得ているからね。そうそう、たとえば、日本から戦争の賠償金を取った国。いろいろな国があって、そん中に、イタリアが含まれるんだよね。・・・イタリア。そう、三国同盟のお友達のイタリア。・・・前に調べて書いた記事があるはずなんだけど、明日あたり使いまわそ。

利益を得ているいろいろなやつの中でも、特にたちの悪いのが3つあって、1つがシナ。自分は負け続けなのに、勝ちが転がり込んだシナね。それから韓国。当時は日本で、負け組なのに、なぜか戦勝国顔をしている韓国。それからもっとも厄介なのが、日本国内の利得勢力ね。“修正主義”に世界が過敏な反応することが分かって、国内ではなくて、外で、たとえば国連に働きかけたりする運動を始めている。




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『逆説の日本史 22 明治維新編』 井沢元彦

ようやく明治に入りました。ほぼ、年1冊のペースで22巻。書き始めは1992年だそうだから24年が経っているわけだ。最初にワクワクしながら読んだのは、・・・ウワッ❢・・・32歳のときだ。

前巻までは、「死ぬまでに書き終わるのかよ」とかって思ってたけど、今は違う。井沢さんじゃなくて、自分が駄目だろう。・・・、あれ? 私はなんで、そんな弱気になってるんだろう?

まあ、いい。行けるところまで行こう。井沢さんも、とにかく長生きしてネ。
次作23巻がどういう構成になるのか分からないけど、《民生》という角度からの“明治維新”も期待したいな。やはり、現在の私たちの生活のある意味でのスタートラインは明治維新にあるもんね。

もちろん、そこで滅亡したわけじゃないけど、やはりその前の日本とは大きく変わったからね。でも、22巻を読んで納得したんだけど、“江戸時代の日本”は、長い歴史の中ではけっこう特殊な時代だったって。

私は、明治維新で日本は多くのものを失ったって思ってるんだけど、《民生》っていうレベルで考えたら、どうだったんだろうってね。その辺、井沢さんの考えを教えてもらいたいな。


小学館  ¥ 1,944

西南戦争と大久保利通暗殺のなぞ
第一章  新生国家建設への道Ⅰ 明治維新編ー近代国家へと踏み出す「廃藩置県」の断行
第二章  新生国家建設への道Ⅱ 明治政府のグランドデザイン編ー日本の骨格づくりと留守政府の奮闘
第三章  新生国家建設への道Ⅲ 明治六年の政変編ー「征韓論」とは何だったのか
第四章  新生国家建設への道Ⅳ サムライたちの反抗編Ⅰー陰謀に散った不運の男・江藤新平
第五章  新生国家建設への道Ⅴ サムライたちの反抗編Ⅱー“最強”の西郷軍はなぜ敗れたのか
第六章  補遺編

まったく、腹の立つ時代だよね。想いを寄せられるのは、結局みんな負け組だからな。それでいて勝ち組に回るのが、井上馨や山県有朋っていうんだからさ。・・・だけど、敗者と勝者が入れ替わっていたら、・・・たしかに、そりゃまずいよな。

そのあたりのことがじっくり書かれてますので、どうぞ、気をしっかり持って、我を失うことなく、穏やかな気持で読んでみてください。

これまでと少し趣が違うのが、第六章の《補遺編》。執筆をはじめて足掛け25年ということで、新資料の発見もあり、過去の記述を振り返ったもの。その後半では、《穢思想》《言霊信仰》《怨霊信仰》といった日本の歴史の特殊性への振り返りが行われている。

正直なところね。この振り返りは、それだけである視点から見た“日本史”を、完全に語っている。これを読みながら、「もしかしたら井沢さんは、日本通史を最後まで書き上げることを諦めて、この振り返りでお茶を濁そうとしているんじゃないか」って疑いを持ってしまうほどの内容のあるものでした。どうぞ、《補遺編》を“おまけ”のつもりで読み飛ばしたりしないようにね。
 銅鐸って、謎だらけなんだって。形状から、音を鳴らしたものらしいって話は読んだことがあるけどね。だいたい、“鐸”ってのも、シナで発見された遺物に似たものがあるってだけで、本当の呼び名さえわからないんだそうだ。

これが、ビックリなんだ。今に技術でも、これを作るのは難しいんだって。最大のものは高さ134cm、45kg。その厚さが3~5mmなんだって。これだけの鋳造技術、現代でも復元できないくらいの技術力だそうだ。

そして、銅鐸は、突然歴史から姿を消した。だからこそ、製造技術も、用途も、呼び名さえも伝わってない。・・・滅ぼされたものたちの、信仰の中核をなすもんだからだそうだ。それだけ重要なものだから、徹底して破壊した。痕跡を消した。

それが、平成27年、淡路島で新たな発見があった。新たに世に知られた銅鐸は、中に吊り下げて音を鳴らすための棒がついた状態で発見されたんだそうだ。この棒を舌(ぜつ)と呼ぶんだそうだ。征服者の見落としたものらしい。そう。コンキスタドールは、滅ぼされたものの信仰を、舌を抜くことで、殺した上で葬っていたということだ。
井沢さんは、銅鐸は、おそらく《振音》と呼ばれていただろうと言ってる。その理由は、・・・。そのあたり面白いよ。それに、彼らは文字も持っていたって。




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『新 怖い絵』 中野京子

その絵に隠された歴史的、社会的、そして文化的背景。画家はどんな思いを、その絵にかけたのか。発注者はどんな思いを、画家に託したのか。人の心を動かすのは、生きること、そして死ぬことをめぐる葛藤。当然、絵が描かれた背景にもそれが関連していることが多い。

しかし、多くの場合、表立って訴えられないだけに巧妙に隠されている。

そうでなくても、かつての切実な事情は、時間とともに忘れ去られる。そんな状況では、切実な事情が分かるからこそ鑑賞された絵は、訴える力を失ってしまう。

この本の中には、かつて何処かで、何かの機会に見たものも少なくない。でも、私は事情も知らず、絵柄の斬新さと研ぎ澄まされた筆致に感嘆のため息を漏らすだけで、わずかに記憶にとどめたに過ぎない。
さて、『怖い絵』のシリーズも4冊目。表紙のオフィーリアから、胸のドキドキが止まらない。

『新 怖い絵』    中野京子
角川書店  ¥ 1,944

コンセプトは「絵を読む」こと そして作品のはらむ怖さに気づいたとき
ヴァイオリン弾き
眠るエンディミオン
ブナの森の修道院
オフィーリア
ローマのペスト
落穂拾い
鰯の埋葬
折れた背骨
自画像
思いがけなく
パウルス三世と孫たち
ダンテとウェルギリウス
懐かしい我が家での最後の日
テルモピュライのレオニダス
あなたの子供を受け取ってください旦那さま
世の栄光の終わり
ルシファー
ぶらんこ
死の床のカミーユ
洗礼者ヨハネの斬首
 
ba.jpgシャガールの『ヴァイオリン弾き』

不気味でね。顔が緑で。とりあえずは屋根の上のヴァイオリン弾きか。シャガールはロシア。圧政に耐える不屈の魂、それとも不安定はユダヤ人の立場そのものを現すか。

・・・屋根の上のヴァイオリン弾きでロシア。・・・なんだ、この絵の衝動は“ポグロム”か。そう言えば、向こうの方にいる人は、明らかに何かから逃げてる。この絵のなかで殺戮が行われていたんだ。

この人の緑色の顔。この人、死人なんじゃないかな。

殺した相手と一緒に写真を取ったというポグロム。昨日まで挨拶を交わした隣人が、今日は棍棒や鋤鍬で襲い掛かってくるポグロム。雪の上に残る足跡は、ユダヤ人の家から出てくると、血の赤い色に変わる。

やはり、二・三の背景を教えてもらっただけで、絵の見方が変わる。・・・さて、ルシファーは、・・・オフィーリアは・・・



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『死者は生きている』 町田宗鳳

題名が衝撃的ですよね。・・・『死者は生きている』・・・もう、私はどうしたらいいんでしょう。
ほんとうに出会った者に別れはこない
あなたはまだそこにいる
目をみはり私をみつめ くり返し私に語りかける
あなたとの思い出が私を生かす
初めてあなたを見た日からこんなに時が過ぎた今も
『あなたはそこにいる』谷川俊太郎
こんな言葉が紹介されているけど、著者の言いたいのはこういうこと?・・・もっともっと、踏み込んでいるように感じられるんだけど。

《愛し、そして喪ったということは、いちども愛したことがないよりも、よいことなのだ。 『イン・メモリアム』アルフレッド・テスニン》

《悲しみに声を立てなさい。口に出さない悲しいは、荷の勝ち過ぎた心臓にささやいて、それを破裂させるのだ。『マクベス』シェイクスピア》

著者の町田宗鳳さんはお坊さま。臨済宗だって。14歳で出家して20年間修業。34歳で寺を離れて、アメリカで比較宗教、比較文明の分野で学究の生活を送ったそうです。《寺を離れ・・・》というのは、還俗も意味するのかな。書いていることを見ると、仏教を離れているようにも感じる部分があるんだけど。


筑摩書房  ¥ 1,728

「見えざるもの」と私たちの幸福
第1章  死は最高の幸せである
第2章  昔の人は知っていた「死者の力」
第3章  「見えざるもの」に導かれて
第4章  人はなぜ生まれ変わるのか
第5章  「見えざるもの」と人間の幸せ
第6章  生と死の「縁結び」

私の兄の友人で、山岳部の先輩にコッペさんという方がいて、この人、とても頭のいい人で、東大をめざして一年浪人していたんだけど、受験シーズンを目前にして出家してしまった。兄が同じ浪人仲間で仲も良かったこともあって、ある日の夜中に、その決意を告げに来た。

春を待たずに建長寺に入ったから、町田さんと宗派は同じ。あれから、もう38年になろうとしている。コッペさんは、いろいろな誘いがありながらも、結局、寺も世帯も持たなかった。兄の話では、“一僧侶”として生きているとのこと。その生き方は、著者の町田さんとは違うみたいだな。

とても興味深く読みました。《死》をどう認識するかによって、生き方はまるきり違ってくる。そして、その認識には、当然さまざまなものがあっていい。地域によって特殊性を持つだろうし、時代によっても移り変わるもののはず。多くの宗教は死後を直接語っているし、それをもとに“生”をとらえている人も多い。

日本人は、自分を無宗教のように認識している人が多いが、“信仰心”という言葉に置き換えてみれば、結構、宗教的生活を送っている人が多い。自然に畏れ入るその生活態度自体が宗教的だが、同時にその多くは父母、祖父母、ご先祖様を仏様に供養し、死者とのつながりの中で自分を認識している。

じつは私、その程度のことで十分だと思ってましてね。というのは、それ以上のことを求めようとすれば、どうしたって人間は、確認することができない領域に思いを馳せなければならなくなる。古今東西の言葉に関連を求める人もいる。でも、古今東西の言葉はとてつもなくたくさんある。その中から、自分の思いに叶う言葉を見つけたとしても、必ず正反対の言葉が存在する。臨死体験をした人の話もよく出てくる。でもその人、結局は死んでない。なのに無理をすると、・・・
生まれ変わりの最有力の証拠になるのは、子どもたちが記憶する前世の肉体と同じ場所に現れるアザ、ほくろ、傷あとなどですが、ほかにも仕草や嗜好にも継承されます。昔、酒、たばこ、セックスなどが好きな大人なら、早熟な子どもとして同じものに強い興味を示します。ごく稀に、前世で使っていた言語を憶えている子供もいます。最近、ようやく市民権を得るようになってきた性同一性障害も、過去において異なったジェンダーだったことに起因しているケースもあるように思います。
本書P128

ここまで言ったら、もはや私には、危うい話にしか聞こえなくなります。もちろん著者は、より良く生きるために、すぐ隣に寄り添う死者、迎え入れるべき死について語っているわけでしょう。参考になる場面も多々あって、それを悪意に取るつもりは毛頭ないんだけど、著者は明らかに、立証不可能な領域に踏み込んでいます。

私には、「死者も、私と同じような生を生きた。みんなが歩んだ道を、自分も歩んでいる」。それで十分。

“一僧侶”として生きているというコッペさん。いつか逢えるかな。「出家する」って兄に話しに来た夜。コッペさんから預かったものがあって、スピード違反の切符。出家する直前にバイクでスピード違反して、その罰金、私が払ったんだよな~。・・・逢いたいなあ。




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西郷の征韓論(覚書)『逆説の日本史 22 明治維新編』 井沢元彦

井上馨の汚職
幕末のどさくさの中、秋田県鹿角市にある尾去沢銅山の採掘権を豪商村井茂兵衛が手に入れた。この銅山はもともと南部藩のもので、戊辰戦争で朝敵となった南部藩は新政府に命じられた多額の賠償金の支払いのために村井茂兵衛に借金した。銅山の採掘権は、言わば借金のかたである。

ところが、その借金証文には、村井茂兵衛の方が《拝借奉る》となっていた。武士の顔を立てるためのこと。朱子学の影響である。これに目をつけたのが井上馨で、それと分かっていながら、「借りたなら返せ」と押し通した。銅山を接収した井上馨は政商岡田平蔵に実勢価格の3分の1で払い下げ、3万7千円を自分のものにした。

山県有朋の汚職
政商は山城屋和助は、もとは奇兵隊。軍人をやめ、軍需品を扱う御用商人となって稼いだ。

山県とくっついて陸軍の国家予算から15万ドルを借り受け、生糸相場に投資した。15万ドルは、当時の国家予算の1%にあたり、今の国家予算(約96兆円)になぞらえてみれば、およそ1兆円になる。

こんな奴らが近代日本を作ったんだと思うと、本当に情けなくなる。だけど、井沢さんも書いているんだけど、《だけど、有能だった》。新しい時代を、朱子学に凝り固まった会津藩に任せるわけにはいかなかった。井沢さん、そのことについて面白い言い方をしている。鳥居耀蔵や島津久光を朱子学の権化とするならば、朝鮮王朝には鳥居耀蔵や島津久光しかいなかった。シナも同様だ。それは、科挙を実施して朱子学的教養だけを問い、その高い者に政治を任せていたからだ。

それでも、日本においても黒船到来の1853年から明治維新の1868年まで足掛け16年。これは、朱子学の枠をやぶるのにかかった時間である。鳥居耀蔵や島津久光しかいなかった朝鮮やシナでは、朱子学の枠をやぶることすらできなかった。
小学館  ¥ 1,944

西南戦争と大久保利通暗殺のなぞ

明治6年の政変。その火種となったといわれる征韓論。岩倉具視、大久保利通、木戸孝允ら洋行組対西郷隆盛、板垣退助、大隈重信、江藤新平、副島種臣ら留守政府組。征韓論が火種と言われるけど、誰か征韓派でなかったものがいるかと言えば、そんな奴いない。大久保利通もそうだ。それでも彼は、西郷を使者として朝鮮に行かせることを阻止した。その理由は何か。

西郷が板垣に送った手紙では、使者である自分が殺されれば、軍を差し向ける理由づけになると。朝鮮国王は清の皇帝に柵封を受ける立場。その自分が“天皇”を名のる人物との交流を開けば、それは皇帝をないがしろにすることになる。しかも、天皇を長とする明治政権とは朝鮮を苦しめた豊臣を滅ぼしてくれた徳川を滅ぼして成立した政権。

明治4年、日本は日清修好条規を結んだ。外務卿は副島種臣である。これで清王朝皇帝と日本国天皇は対等となった。だから、日本からの死者を門前払いする朝鮮の対応は、完全に間違っていることになる。にもかかわらず、明治6年の朝鮮では大院君指揮下に反日機運が高まっていた。西郷が使者として訪朝した場合、殺される可能性がまったくないとは言えない。無礼を受けての自決でも同様の意味を持つなら、その可能性は高い。さらに、西郷は病んでいた。毎日下剤を服用する状況にあった。

留守政府組よりも洋行組に西郷の旧来の盟友が多い。留守政府組よりも洋行組の方が、より西郷のことを深く知っている。たとえば、死にたがり癖だ。月照を失って以降のことと言われる。その西郷が病んでいる。さらに、最初に上げたように、井上馨や山県有朋の汚職。こういうのが一番嫌いな西郷が、その尻拭い。井沢さんも、司法卿の江藤新平に対してそれができるのは西郷隆盛しかいないと言っている。多くの盟友を失って成し遂げた明治維新。そうして成立した明治政府で自分がやってるのは、長州閥お得意の汚職の尻拭い。西郷さんだったら死にたくなって当然。訪朝特使はまたとない死にどころ。大久保利通が、「なにがなんでも・・・」と西郷を止めた、・・・それが理由。

「どっちが大きな理由」とは、考えること自体、おそらく無意味。想像以上に留守政府組は有能だった。地租改正、太陽暦の採用、徴兵制の施行、紙幣の発行、鉄道事業の開始、学制改革、日朝修好条規の締結。これでは、洋行組に戻る席がなくなりかねない。三条実美太政大臣の前で決められたことが天皇によって拒否されれば、参議が不信任を受けたも同様である。こうして西郷以下、板垣、江藤、副島らが辞表を提出することになった。




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『日本、遥かなり エルトゥールル号の「奇跡」と邦人救出の「迷走」』 門田隆将

ちょっと前に書いた記事なんですが、北朝鮮の拉致問題に関して、使いまわしすることにしました。

日本にも大きな被害をもたらした台風10号。どうも、北朝鮮が受けた被害は、日本がやられた程度では済まなかったようです。9月18日の朝鮮日報の報道では、《台風10号がもたらした洪水で、死者が138名にも上り、さらに行方不明者は400名を超える》とか。とんでもない事態になっていたようです。

にも関わらず金正恩は、ミサイル発射実験、核実験を強行して周辺国に脅威を与え、なんとか交渉の舞台に引きずり出したいみたい。逆に、自らが追い込まれている様子が透けて見える。朝日新聞はじめ、おかしな左翼勢力までが、口を出すのをためらうほどの暴挙。日本世論は頑なになるばかり。

だけど、そんな状況においても、拉致の事実は変わらないわけで、拉致された日本人はあの国にいる。それこそ、台風10号のさなかも、その猛威に振るえていたかもしれない。

そんな中、アントニオ猪木が北朝鮮を訪問した。
産経ニュース 2016/09/13
【北朝鮮核実験】
菅義偉官房長官「極めて不適切」 アントニオ猪木参院議員の訪朝を非難

http://www.sankei.com/politics/news/160913/plt1609130035-n1.html
(抜粋)
菅義偉官房長官は13日の記者会見で、アントニオ猪木参院議員が5回目の核実験を強行した北朝鮮を訪問していたことについて「極めて不適切だったと思わざるを得ない」と批判した。

本当のところ、政府がこれをどう受け止めているかは分からない。でも、もしも、アントニオ猪木の北朝鮮訪問に対して、“跳ねっ返り”なんて捉え方をしている人がいるとしたら、過去の事実に照らして考えて、それは大きな間違いだ。イラクがクエートに進行した1990年、猪木はイラクに留め置かれていた日本人を実際に救ったし、その時外務省はただ手をこまねくばかりだった。あまつさえ外務省は、猪木の成果が国民の目にそのまんま届かないように姑息な手を使った。

政府のとらえ方が、本当のところどこにあるかは分からない。でも、菅官房長官の言う言葉を、そのとおりにとらえている人がいるなら、どうぞこの本を読んでほしい。

この本は、エルトゥールル号遭難事件をきっかけとする、トルコと日本の友情を描いた物語ではありません。海外で活躍する多くの日本人がなにがしかの困難に巻き込まれても、それをなんとしても救いだそうという気概を持たない日本という国に対する告発の本です。

私は、あの話を、いわゆる“美談”と受け止めていたくらいですから、・・・もう、話になりませんね。せいぜい、「全日空は何やってんだよ。そんなだから潰れるんだよ」ってくらいしかなかったもんね。でも、・・・そんな些細な問題じゃなかった。日本という国を、日本国民そのものに突きつけられた、強烈な問いかけ。


PHP研究所  ¥1,863

「自国民の命を救う」・・・それって拉致問題そのものでもあるよね
第一部  海と空の恩義
第一章 エルトゥールル号遭
第三章 出張者たちの混乱
第五章 脱出は不可能なのか
第七章 首相を動かした男
第九章 四半世紀後の「対面」
第二章  テヘラン空爆
第四章  緊急事態の大使館
第六章  フセインの衝撃宣言
第八章  緊迫のテヘラン空港      
第二部  「命」は守られるのか
第十章  人間の盾
第十二章  平和の祭典
第十四章  大使の執念と教訓
第十六章  決死の脱出行
第十一章 長期化する人質生活
第十三章 イエメンからの脱出
第十五章 リビア動乱の恐怖
第十七章 見殺しにされる「命」と「今後」

第一部が紹介するのは、一九八五年、イランの制空権を奪ったイラクのサダム・フセインがイラン全土の上空を戦争空域に指定しあらゆる航空機の安全を保証しないと宣言した期限切れ直前に、邦人二一五名がトルコ航空機によって救出されたできごと。エルトゥールル号遭難事件と絡めて、日本とトルコの間の友情物語と受け止められることもあるが、先に書いたように、この本での扱いはそうじゃない。日本という国に対する強烈な告発だ。

さらに第二部でも、同様のできごとが紹介されている。一九九〇年、イラクのクェート侵攻が行われた時、クェート在留日本人がイラクに移送され、“人間の盾”として人質にされた。紆余曲折を経ながらも、最後は猪木の持ちかけた“平和の祭典”が大きなきっかけとなり人質全員が開放された。

一九九四年、イエメンで内乱が勃発。在イエメン日本大使個人の性質からくると思われる献身的な交渉により、大多数の在留日本人がドイツ機やフランス艦船などでイエメンを脱出。

二〇一一年、ジャスミン革命がリビアに波及し、首都トリポリで銃撃戦に発展。ちぐはぐな大使館の対応もさることながら、一部邦人が脱出する前に駐リビア日本大使館が閉鎖。その後、邦人脱出完了。

第二部では、以上のような三つのできごとが紹介されている。イエメン内乱の時の伊藤進イエメン大使の奮闘には正直ほっとさせられるのだが、もちろんそんなことでは何の解決にはならない。

巻末に関連年表があるが、それを見ると他にもある。一九九六年の中央アフリカの暴動では在留邦人二名がフランス軍機で脱出している。一九九七年のアルバニアの混乱では無政府状態のなか、邦人一四名がドイツ軍機で、二名が米軍機で脱出した。同年、ザイールで内戦激化。邦人一九名がフランス軍機で脱出。一九九八年、エチオピア・エリトリア国境紛争で在留邦人三名が米軍機で脱出。この間、安全が確保された状態で政府チャーター機が邦人を救出したケースはあるが、ここに紹介した幾つかのケースでは、外国軍機によって日本人が救出されている。 

二〇一五年九月に成立した平和安全法制でも、邦人救出問題は改正された。自衛隊法改正で第八十四条の三として〈在外邦人等の保護措置〉が新設された。これで、自衛隊の部隊が〈「邦人の警護、救出その他の当該邦人の生命又は身体の保護のための措置」〉を行わせることができるようになった。危機に陥った邦人の「輸送」だけでなく、「救出・保護」を、自衛隊が行えるようになった。・・・ただし、その要件として、以下の三点が同時に定められた。
  1. 保護措置を行う場所において領域国の権限ある当局が現に公共の安全と秩序の維持に当たっており、かつ、戦闘行為が行われていないこと
  2. 当該領域国の同意があること
  3. 予想される危険に対応して保護措置をできる限り円滑・安全に行うための自衛隊部隊等と領域国当局との連携・協力の確保が見込まれること
・・・本当に笑っちゃうよね。そんな状態なら、はなっから〈領域国の権限ある当局〉が守ってくれるだろうし、自衛隊が行く必要はハナっからないじゃないか。

《救出を待つ在留邦人と、助けに行きたくても行けない自衛隊員。その「壁」になっているのは、いったい何なのか。

どうにも、なにがなんでも、日本が嫌いらしいな。




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『世界の城塞都市』 千田嘉博監修

この本は、ヨーロッパを中心とした城塞都市を紹介した写真集。基本的には中世に起源を持ち、近代に向けて整備されたものが多いですね。幾つかの例外を除けば、いずれもこぢんまりとしている様子は、中世ヨーロッパの力の限界を感じさせる。しかし、ここから始まったヨーロッパの拡大は、やがて城郭を飛び出して広域都市を発展させていく。

城塞都市が完全に無意味化されるのは、戦いの大規模化により戦いの質が変わったことかな。中央集権化が進むと共に、都市攻防戦のような戦いから軍団決戦型への戦いかたの変化。ヨーロッパの城塞都市の成立年代を見るとやはり中央集権化とそれに合わせた戦術、兵器の変化とともに、城塞都市はその役割を終えていったんじゃないかな。

そして現代、城塞都市は、どうやら新たな役割を与えられることになったようだ。ドイツのネルトリンゲン。クロアチアのドゥブロブニク。スウェーデンのヴィズビー。モンサンミッシェルは有名だけど、ルクセンブルクってこんなに綺麗だったっけ。ここは行ったはずなんだけど、いい思い出がない。いずれも、新しい役割は《世界遺産》。

『世界の城郭都市』    千田嘉博監修
開発社  ¥ 1,728

戦争、文化、宗教が集まり、対立したところで、その国の姿が伺える建造物
城壁に囲まれた城塞都市
海、崖、丘を利用した城塞都市
世界の要塞


最近、佐々木譲さんの歴史ものの本を読んでないような気がする。書いてないのかな。残念。安土城のことを書いた『天下城』は面白かったな。さらにその次の話、『獅子の城塞』では、穴太衆の若者次郎左が天正遣欧少年使節団に同行してヨーロッパに渡るんだよね。で、近代を迎えつつあったヨーロッパにおいて石積みを学ぶんだよね。

ローマでサン・ピエトルの円蓋にも関わったりしてさ。でも、すでに中央集権化が進んでいる段階だから、中世の都市国家は中央集権国家に吸収されちゃって、それまでの城塞都市を言うのは役割を終えていくんだよね。

そんななかで次郎左は、いまだに都市単位でスペインの強力な武力に対抗するオランダに仕事を見つけるんだよね。そんななか、次郎左はオランダの“ブレダ”で王冠堡の城塞を手掛ける。そのままブレダ攻防戦に巻き込まれ、オランダはスペインに降伏。

結局、ヨーロッパでの長年の石積み修行に励んだ次郎左は、徳川の天下が確定したことで日本に帰る目的を失い、ヨーロッパに永住することを決意する。・・・そういう話だった。
この本の最後に紹介されている要塞が、オランダのフローニンゲンにあるブールタング要塞なんだけど、これがとても素晴らしい星形要塞、いわば五稜郭なんだよね。次郎左はブレダで王冠堡を作っているけど、王冠堡ってのは、五稜郭のことだよね。ブレダはすぐ近くのはずで、なんかドキッとしてしまった。・・・次郎左の生きた証をみせられたようでさ。




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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本












































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