めんどくせぇことばかり 2018年07月
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にっぽん『古代史から読み解く「日本」のかたち』 倉本一宏 里中満智子

《わ》って呼ばれてたんですよね。

私、ブログの中で、“シナ”っていう名称使ってて、「そのまんまでいいかなぁ」って思ってたんですけど、なんかいろんな本とか読んでても、中国が圧倒的ですね。ついつい弱気が出て、私も最近、“中国”ってしてるんです。ダメですねぇ。

“シナ”の語源は最初の統一王朝である秦ですよね。インドに入って“シナ”、巡り巡って英語で“チャイナ”でしょ。支那の字が悪ければ、カタカナで“シナ”でどうでしょう。悪い字通りのイメージを“シナ”に感じるっていうんなら、やっぱり考える余地があるかと思ったんです。でも、あっちこっちに悪い字を当ててきたのは“シナ”の方ですし。

そうそう、あっちこっちから持ち込まれた音に獣偏とか虫偏とかをあてたわけですけど、《わ》もやはり、こちらからあちらに持ち込んだ音なわけですよね。それに《倭》という字をあてられて、みずからも《倭》と名のったわけです。やがて、《ヤマト》という政権が誕生してからも、自分たちには《わ》の一員であるという意識があるから、“中国”に対しては《倭》と書いて、《ヤマト》と名のったわけです。

その《ヤマト》の音をあらわすのに《大和》という字をあてたのは、やはり《倭》に侮蔑的な意味があることを知ったからなんでしょうね。そして、その時、自分たちの政権をもっとも的確に表す字を選んで、《大和》にしたんじゃないでしょうか。

以前、なんかの本で読んだんだけど、《わ》は“わっか”の《わ》じゃないかって。弥生時代に入ると水稲農業の発展によって人口が増加し、土地を巡って、あるいは富を巡っての戦いが発生し、人々は武装するとともに、自分たちの領域を守るための様々な工夫をしていきます。その中の一つに、集落の周辺に深い堀をめぐらす環濠集落があります。環濠の“わっか”の《わ》じゃないかという説です。

でも、これだと、《わ》が表す領域はとても狭いですよね。敵対する勢力だって環濠集落を形成しただろうし。だから、《わ》という言葉は、弥生よりも古い、縄文の記憶に由来するものじゃないでしょうか。だからこそ、《ヤマト》を漢字表記するとき、その漢字の読みにこだわらず、あえて《わ》という音にこだわって、“和”という字を使ったんじゃないでしょうか。


祥伝社  ¥ 886

古代史歴史学者と、古代を舞台にした作品を多く残してきたマンガ家が語り尽くす
はじめに――古(いにしえ)の時代に刺激を感じて(里中満智子)
第一章 この国の成り立ちを考える
第二章 天皇について考える
第三章 政治と権力闘争を考える
第四章 戦争と外交を考える
おわりに――里中満智子ファンとして(倉本一宏)


大宝2(702)年の遣唐使は、天智天皇8(669)年以来、33年ぶりの派遣です。

天智・鎌足政権は改革抵抗勢力を利用して蘇我入鹿をクーデターによって排除し、その後も改革抵抗勢力を巧妙に利用しながら権力を握ったものと考えています。権力の掌握が目的ですから、その後の政治は改革色を打ち出したとしても、実際に改革を本格化させたのは天武政権だったと考えています。つまり、この時期に、唐に対して、国家の体裁を整えていったということです。

そしてこのとき、唐に対して、初めて《日本》という国号を使ってるんですね。唐とは言っても、この時は則天武后の周になっていたそうですが、先方との間で「なぜ国の名前が変わったか」と問答になって、粟田真人が「倭国は字の意味が良くないので日本に変えた」と説明しているんです。

国内的には、《日本》と書いて《ヤマト》と読むケースも少なくなかったみたいですね。ヤマトは、ムサシやシナノと同じように、本来は地域名でしょう。そこを中心に成立した連合政権を大和政権と読んだんでしょうけど、国家規模が拡大すれば、それに地域名を当てたままにするのは、むしろ不自然でしょう。・・・ローマは地中海を内海とするほど拡大してもローマですけどね。

それを《にほん》と読むか、《にっぽん》と読むかという問題もありますね。この本でもそのことを扱ってました。この本では《にっぽん》としています。ただ、仮名には「っ」や「゜」がなかったから、《にほん》と書いて《にっぽん》と読んだんだそうです。その間に、《にほん》という呼称も広がったんだそうです。

『ニッポン、チャチャチャ』




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『山小屋の灯』 小林百合子 野川かさね

この間読んだ『凍』っていう本も、とても装丁の素敵な本でした。内容ともあっていて、強く印象に残るものでした。でも、この本の装丁もいいですねぇ。『凍』はずい分前の本ですが、この『山小屋の灯』は最近のものです。最近のものの中で、と言っても私が目にしているのはいくらでもないんですけど、その私の目にした本の中では一番です。

『凍』は、ヒマラヤの難峰ギャチュンカンに挑んだ山野井泰史、妙子夫妻の悪戦苦闘を描いた物語で、装丁の中で強調された“凍”という文字は凍てつく寒さ、その痛み、無感覚の苦痛を示すとともに、低酸素の息苦しさ、恐怖との闘いを表す“凍”でもあったわけです。

この本の装丁の表すものは、なんか、そこはかとない懐かしさなんです。橙色っていうんかな。この色も懐かしいですね。写真は、尾瀬の駒の小屋。と言っても会津駒の方ですよね。残念だけど行ったことがないんです。小屋のそばにある池に可愛い三角屋根の小屋が写ってます。きっと、夜明け前の、時が止まったかのような静寂の中の風景でしょう。

現実に、この山小屋は存在します。だけど、この装丁から感じさせられるのは、なんというか、すでに失われてしまったものを懐かしむときの、あの切ない気持ちなんです。なぜなんでしょうね。

もしかしたら、実在することが分かっていても、「私にはもう行くことが出来ない」って、そういう思いがあるからかもしれません。おかしいなぁ。私は足の手術をして、歩けるようになって、近隣の山に登れるようになって、ようやくこれからいろいろな山に登ろうとしているときだって言うのに。なぜ、私は「もう行くことが出来ない」という思いに駆られてるんでしょう。

そんな、とても切ない思いにさせられる装丁の、素敵な本です。・・・大事にしようと思います。

『山小屋の灯』    小林百合子 野川かさね


山と渓谷社  ¥ 1,728

山小屋を愛し、全国の山小屋を訪ね歩いてきた編集者と写真家によるフォトエッセイ集
一年ぶりの山  十文字小屋(奥秩父)
季節の使者  山の鼻小屋(尾瀬)
幽霊の出ない小屋  丸川荘(大菩薩嶺)
入笠山の料理人  マナスル山荘本館(南アルプス前衛)
霧ヶ峰の記憶  ころぼっくるひゅって(霧ヶ峰)
私たちの北ヤツ  蓼科山荘(八ヶ岳)
星さんの天気図  両俣小屋(南アルプス)
山小屋奇譚  雲ノ平山荘(北アルプス)
茶の味  船窪小屋(北アルプス)
自炊小屋の夜  駒の小屋(尾瀬)
峠を渡る鳥  雁坂小屋(奥秩父)
花見の山  城山茶屋(高尾)
山小屋の歌  嘉門次小屋(北アルプス)
富士山  日の出館(富士山)
山と温泉  くろがね小屋(東北)
山小屋の灯  しらびそ小屋(八ヶ岳)


小林百合子さんは《山と渓谷》の編集の方なんですね。ああ、今は独立して、山に関わる本を作ってるんですね。

野川かさねさんは写真家で、この本は二人で巡った山小屋フォトエッセイです。二人は一緒にあちらこちらの山に登って、山小屋に泊まって、人と交わって、それを本にしてという、羨ましい人生を歩いている方なんですね。

私は、山小屋にお金を払って泊まったということがないんです。高校山岳部から山を始めたから、だいたいテントを担いでの登山だったんです。山小屋はお金を稼ぐ対象で、歩荷に行ったり、バイトしたり、・・・ですね。

そうそう、この本に出てくる雁坂小屋は、よく歩荷やらせてもらって、そのまま手伝いして、一泊二日で5000円もらって帰りました。高校の時、二つ上の先輩にコッペさんという方がいて、その方が雁坂小屋に入り浸ってて、私たち一年のペーペーにも山での稼ぎ方を教えてもらいました。

高校卒業したあとコッペさんに頼まれて、バイクのスピード違反の反則金を郵便局に払いに行った記憶があるんだけど、あのときのお金ってどうしたんだっけかな。

「ああ、間に合ってよかった」そんな言葉が、ちょくちょく登場するんです。

《「ああ、間に合ってよかった」という気持ちが先にたった。二人が小屋にいるうちに登れて、よかった》

《だからこそ、昼から骨酒片手に客が囲炉裏を囲む嘉門次小屋の様子を見るたび、「ああ、良かった。まだ間に合った」と救われたような気持ちになった》

そんな感じです。だけど、変わるんですよね。だから、「間に合ってよかった」ってことになるんです。だからこそ、《もし変わってしまうとしても、今しか見られない風景、交わせない言葉、匂いも寒さも眩しさも全部、覚えていたい》ということになるんです。

小林さんの予感は正しいと、思います。それじゃあ、「もう行くことが出来ない」という私の予感はどうでしょうか。




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呉音『漢字のツボ』 円満寺二郎

今の“中国”でも、やっぱり地域によって言葉は違うんでしょう。北京語と広東語の違いはよく言われるところですけど、本来、もっともっとたくさんの言葉がありますよね。北京語への統一の度合いはどの程度まで進んでるんでしょうね。

日本には、古くから“中国”の文化が入って来ていますけど、それなりに大きな流れの起こった時期ってのがありますね。よく歴史の授業で取り扱われる遣隋使とか遣唐使とかってなると、“中国の”文化を取り入れるために公的な使者が派遣されているわけですから、とても大きな流れですね。この頃の隋唐帝国の都は長安、現在の西安ですね。そこで話されていた漢字の発音が日本に大量に入ってきているわけですけど、それを漢音といいます。

隋唐の統一がなされる前の南北朝時代、日本と交流が深かったのは南朝の方なんですね。この頃日本人が学んだ漢字の発音も南朝、“中国”南部のものだったんです。これを呉音といいます。

実は隋唐は北朝の主力となった鮮卑族による国家で、南朝最後の王朝である陳は、同時に最後の漢民族による王朝で、これで漢民族の歴史はとどめを刺されることになるわけです。そして、東アジアは新しい歴史の幕を開けることになるわけですね。

平安時代になると『白紙に戻す遣唐使』になりますけど、鎌倉時代移行になると禅宗の留学僧が様々な知識を持ち帰りますし、貿易も盛んでした。この時代に入った漢字の音を唐音といいます。

それにしても“中国”ってのは、地域による違いの他にも、時代による発音の違いもあるんだから厄介ですね。これじゃあ、知識の受け継ぎが行われないのも当然です。


『漢字のツボ』    円満寺二郎

青春出版社  ¥ 1,285

こんな漢字の本、見たことない!…世界で一番おもしろい漢字講座
Step 1 入門編 大人になると聞きにくい15のツボ
Step 2 基本編 知っているだけで必ず役に立つ20のツボ
Step 3 応用編 漢字がもっとおもしろくなる20のツボ
Step 4 発展編 漢字の奥深さをとことん愉しむ15のツボ


唐音が入る頃には、日本語も確立していますから、唐音は特殊なものとして覚えちゃうほうが早そうですね。就職活動をしている時分、問題集に《行灯》ってのが載ってましたけど、・・・。そうですねぇ。通常では、《あんどん》っていう音は出てきませんよね。これが唐音なんですね。

《椅子》や《蒲団》は新しい文化として漢字とともに“中国”から入ってきたものですね。それ以前の日本にはなかったもので、新たに鎌倉移行取り入れられたものは、唐音のものがあるわけです。

呉音と漢音の違いにおいては、呉音ではナ行のものが、漢音ではザ行・ダ行・バ行のように濁点がつくようです。

男を《なん》と読むのが呉音で、《だん》と読むのが漢音。女を《にょ》と読むのが呉音で、《じょ》と読むのが漢音ということです。男女を《なんにょ》と読めば呉音で、《だんじょ》が漢音です。

あと、呉音でマ行のものが、漢音ではバ行になるようです。

米を《まい》と読むのが呉音で、《ばい》と読むのが漢音。美を《み》と読むのが呉音で、《び》と読むのが漢音。文書を《もんじょ》と読むのが呉音で、《ぶんしょ》と読むのが漢音ですね。

明という字ですけど、これを《みょう》と読むのが呉音、《めい》と読むのが漢音、《みん》と読むのが唐音だそうです。・・・難しいですね。頭痛では、頭を《ず》と読んでますが、これは呉音。頭部では、頭を《とう》と読みますが、これは漢音。饅頭では、頭を《じゅう》と読みますが、これが唐音だそうです。・・・難しいですね。

大山は《だいせん》、これは呉音。・・・本当に難しい。




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『古代史から読み解く「日本」のかたち』 倉本一宏 里中満智子

基本的には、《心ときめく》ような歴史学者の倉本一宏さんの学説を、漫画家の里中満智子さんが引っ張り出して世の古代史ファンに提供しようという本です。

私、里中満智子さんは存じてますし、里中さんの描く男女の顔つきも頭に浮かびます。だけど、正直言って、これという作品を読んだという記憶がないんです。もしかしたら、お医者さんかなんかの待合室においてあるのを読んだ程度なのかもしれません。

里中満智子さんって、東西の歴史ものの漫画を描いていらっしゃるんですよね。私が高校生に時分にそういう作品を読み始めてれば、ある程度のめり込んだに違いありません。だって、古代史の漫画なんて、・・・なかった?手塚治虫の『ブッダ』か、横山光輝の『三国志』、・・・ほかになんかありましたか。

時期的にちょっと遅かったですね。社会人になって以降だと、里中さんの美男美女には、どうも気持ちが反応しませんでした。

里中さんは『天上の虹』って漫画を32年も描いて、2015年に完結させたんだそうです。なんとまあ、“持統天皇物語”が副題だそうで、やはり日本は、女が時代を切り開いていくんだなあってことが、里中さんからもわかりますね。

なにしろこの時代、物語の宝庫。そのレベルは戦国時代や、幕末、明治維新に優るとも劣らないことは間違いありません。にもかかわらず、誰も触れたがらないんですね。もったいない。もったいなさすぎます。

たしかに、正史たる『日本書紀』への挑戦ですからね。勇敢でないと描けるもんじゃありません。そして、まさに里中さんが『天上の虹』を描いたという32年間、『日本書紀』の研究、そして日本古代史の研究は急速に進みました。だから、本当に大変だったと思います。研究が解き明かした事実は、ときに『天上の虹』の物語には沿わない場合もあったかもしれません。・・・、もうやめときます。なにを言おうと、里中さんの描いた持統天皇は、微動だにしないでしょうから。


祥伝社  ¥ 886

古代史歴史学者と、古代を舞台にした作品を多く残してきたマンガ家が語り尽くす
はじめに――古(いにしえ)の時代に刺激を感じて(里中満智子)
第一章 この国の成り立ちを考える
第二章 天皇について考える
第三章 政治と権力闘争を考える
第四章 戦争と外交を考える
おわりに――里中満智子ファンとして(倉本一宏)


面白い本で、参考になることもたくさんありました。正直、読んでよかったと思います。でも、お二人の発言の中に、特に“まとめ”と言っていい文章の中に、気になる言葉がでてくるんです。

《遣唐使や遣新羅使による交流があった時代はお互いの国情を知ることができましたが、これがなくなると「日本国だけが清らかで、その中心が天皇である。外国は穢れた国だ」という発想が出てきます。この発想がその後ずっと、日本人の外国人に対する感覚として流れているとすると、とても怖いと思います。(倉本)》

《日本は、アジアを侵略したひどい国》みたいです。倉本一宏さんのお話を読んでみても、明確にそう思ってらっしゃるわけではないと感じられるんですけど、ところどころに、このような言い方が出てきて、それがとても引っかかります。

たしかに、幕末、攘夷思想が爆発しますけど、それは朱子学が入って濃厚になったもので、日本の地政学的環境のもとに生まれた神国思想は、もっと素朴なものだったと思います。

《第四章 戦争と外交を考える》にお二人の考えがまとめらてますが、どうも、日本に対して否定的、・・・「危ない国」って認識があるのは確かなようです。

私は、里中さんのとらえ方にも、倉本さんのおっしゃることにも賛成できません。

公地制導入の困難さについては、本書の中でも一番最後の方に出てきます。天智天皇や中臣鎌足は、《白村江の戦いで負けても構わないと考えていたのではないか》って倉本さんはおっしゃいます。そして、「攻めてくるぞ」という危機感のもとに国内をまとめ上げて、公地制に持って行くいうお考えが述べられています。いくら何でも、日本を存亡の危機に立たせるってのはいかがなもんでしょう。

おそらくそれよりもずっと以前に、この問題に正面から取り組んだのが蘇我入鹿ではなかったでしょうか。

天智、天武、鎌足、不比等、なにより持統といった人物の設定そのものに、私は大きな問題を感じます。でも、そこは、上にも書いた通り、里中さんの描いた持統天皇は、微動だにしないでしょうけど。

難しいですね、古代史について述べるって。それだけ、どんどん新たな研究が進められているってことなんでしょう。そんな中だからこそ、古代史に触れていくってこと、発言していくってことが必要なんだと思います。だって、日本史の教科書読んでくださいよ。本当につまらないんですよ。

こういう本が、日本古代史にいろいろな刺激を与えてくれれば、少しは変わってくれるかもしれないと思うんです。




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『昭和歌謡の謎』 合田道人

私が小さい頃、まだ叔母が嫁入り前で、一緒に住んでいました。叔母が、「高校三年生」の舟木一夫のファンでね。昭和38年に出た曲のようですが、昔は何年かかけて、あるいは何年にも渡って売れる歌も珍しくなかったですから、おそらくもっとあとの記憶だと思います。昭和38年では、私は3歳ですから。

先天性の股関節脱臼で、胸まで石膏で固めていた時期があって、“かわいそうな子”だった私は、叔母や、近所に住む叔母の友だちから可愛がられました。

でも、この思い出は、可愛がられたというよりも、どっちかと言うとおもちゃにされた思い出です。叔母が、私の髪の毛を舟木一夫カットにして遊んでいたのです。これ、ずーっとです。ずーっと私は舟木一夫の頭をしてました。

誰が見てもわかります。幼稚園に行っても分かるし、豆腐屋さんが来ても分かるし、回覧板が回ってきても分かるし、・・・。なんど、「・・・ちゃん、今日も舟木一夫だね」って言われたことでしょう。

ある日、叔母に連れられて、近所の小川の土手を歩いている舟木一夫頭の5歳児を思い浮かべてください。叔母が私に言いました。「・・・さんは、お嫁に行くからね」って。「もう、あの家を出ていっちゃうんだからね」って言われて、手を引かれたまま、泣きじゃくりながら、土手を歩きました。

そして私は、舟木一夫頭から解放されました。

昭和の歌の力は、恐ろしいほど強かった。


祥伝社  ¥ 929

平成生まれの若者が昭和の歌を熱唱する現在、楽曲に秘められたドラマを解き明かす
贈る言葉瀬戸の花嫁
神田川長崎は今日も雨だった
喝采函館の女
こまっちゃうナ美・サイレント
天城越え帰って来たヨッパライ
あゝモンテンルパの夜は更けて高校三年生
リンゴの唄学生街の喫茶店
上を向いて歩こう琵琶湖周航の歌
南国土佐を後にしてガラスの林檎
償い

じつは、目次には、各曲に対して副題が付けられていて、そのあたりを目安にして、気に入ったものを読んでみるというやり方もいいかもしれないです。そんなわけで、くどい感じはするんですけど、その副題も紹介しておきたいと思います。
贈る言葉「去りゆくあなた」は卒業生ではなかった
瀬戸の花嫁公害が生んだ「わが島」の歌
神田川「洗い髪が冷えるまで恋人をまたせた銭湯」は実在した
長崎は今日も雨だった天気が悪くても歓迎される“ご当地ソング”の港町
喝采本当に「黒い縁取り」が届いたとき、恋の歌は歌えなかった
函館の女「とても我慢ができなかった」のは、なんと・・・
こまっちゃうナ会社が苦しいときに、この一言
美・サイレントあなたの〇〇〇〇が欲しいのです
天城越えあなたの殺していいですかー情念の女のモデルとは?
帰って来たヨッパライ奇跡が奇跡を生んでいった
あゝモンテンルパの夜は更けてひとつの歌が、死刑宣告された日本兵たちを救った
高校三年生東京五輪のために直されたメロディー
リンゴの唄はじめに書かれた歌詞は違うものだった
学生街の喫茶店「君とよく来た店」は、どこにあったのか
上を向いて歩こう日本の名前が世界に轟いた第一号歌手
琵琶湖周航の歌誰が詞を書き、誰が曲をつけたのか
南国土佐を後にして戦地で生まれた民謡入りの歌をジャズ歌手が歌う
ガラスの林檎聖子ちゃん、昭和の売上ナンバーワンの歌の謎
償い彼は許されたのか。彼女は許せたのか

ね。なんだが、いい目印になるでしょ。私なら、一番先に読むのは、断然、《美・サイレント》。「あなたの〇〇〇〇が欲しいのです」ってねぇ。当時、私は獣みたいな年齢ですからね。「そんなん決まってるベー」ってなもんでした。

いやいや、昭和の歌は、力があるね。




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『世界はジョークで出来ている』 早坂隆

《おわりに》に、こうあります。

2018年3月14日に亡くなったスティーヴン・ホーキング博士が、ある時、「地球以外に知的生命体はいるのですか?」という趣旨の質問を受けてこう答えたそうです。「地球上に“知的生命”と呼ぶにあたいするものなど存在するのですか?」

早坂さんのジョークの本を、いつも楽しみに読んでいます。今回の本は、タイトルが『世界はジョークで出来ている』という本です。まったくそのとおりで、じつは、現実世界でこそ信じられないようなことが起こってますよね。

「笑えるのはジョーク?それとも現実?」と、早坂さんは問いかけますが、・・・。
《質問》
クリントンが議会で、野党から次々と質問を受けていた。野党議員が言った。
「では、ルワンダのことについてもお聞きしたい」
すると、クリントンが顔を真赤にして答えた。
「もういい加減にしてくれ。そんな女のことなど知らない!」
これは、ジョークですか?それとも現実?

どうもここのところ、現実に起きていることがジョーク以上にありえない。子どもたちが小さな頃、特に娘ですね。誕生日の子が友達を誕生日会にお招きするんですね。招かれて行くにしても、友達を招くにしても、みんなが表面だけを取り繕っているようでした。まあ、それはいいとして、アメリカの高校生は、妊娠お祝いパーティをするとか。次はあの子の番とかって、言い合うらしい。だったら、次のジョークは、ジョークじゃなくて現実でしょう。
《離婚の理由》
アメリカで「離婚の最大の理由は?」というアンケートが実施された。結果は、以下の通りである。
第三位  暴力
第二位  浮気
第一位  結婚



文春新書  ¥ 896

ときにジョークのような事が起きる国際社会。笑えるのはジョーク? それとも現実?
第1章  中国
第2章  アメリカ
第3章  ロシア
第4章  北朝鮮
第5章  韓国
第6章  中東
終章   日本


今回の本では、目次にある通り、《“中国”、アメリカ、ロシア、北朝鮮、韓国、中東、日本》の関係するジョークが紹介されています。・・・ヨーロッパはどうしたんでしょうね。地盤沈下してしまったんでしょうか。それとも、次にヨーロッパ特集を企画されているんでしょうか。

代わって、昨年から今年上半期にかけて大活躍をしているのが北朝鮮ですね。ここの大活躍は日本にとっては迷惑な状況が続いているということ。もうここんところ、イカを食ってないんです。高いんですよ。原因の一つに北朝鮮の密漁があります。根こそぎさらっていくそうです。おかげで日本の漁獲は500トンも減少し、おまけに資源としても減少してしまっているようです。

これはこの本には載ってないけど、とても有名なジョーク
神が天地を創造された時のこと。
神         「日本という国を作ろう。そこで、世界一素晴らしい文化と世界一素晴らしい気候を、世界一勤勉な人間に与えよう。」
大天使  「父よ。それでは日本だけが恵まれすぎています。」
神         「我が子よ、案ずるな。隣に韓国をつくっておいた。」

隣にあるのは韓国だけじゃなくて、北朝鮮もあって、“中国”があって、ロシアだって隣接してるんですよ。文化は苦労して作り上げたものだし、四季のある素晴らしい気候ではあるけど、地震に津波、台風の通り道で、たかが雨が降っただけでたくさんの人が死んでしまう国です。

日本に来たいという人が“中国”人を中心にたくさんいるようですが、よっぽどお国の状況がひどいんでしょうね。
日本と中国が戦争状態に入った。最初の一週間で日本軍は中国兵を一億人、捕虜にした。次の一週間でさらに一億人、中国兵の捕虜は増えた。

翌週のはじめ、中国から日本に無条件降伏の勧告が来た。
「まだ続けるつもりかね?」
これも、この本に乗ってるジョークじゃないんですけど。



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『日本語のへそ』 金田一秀穂

だから、会話を楽しめればいいのね。

でもなあ。ちょっと無理だなぁ。全然知らない人となら、けっこう歳が離れた若い人とでも話をすることができるんだけど、職場の人とか、知ってる人とだと、こっちが話そうとしても向こうが警戒してるのが分かっちゃうんだもの。だったら、一切話しをしないことにしておいたほうが楽だもの。

全然構えない、昔からの仲間はいますけどね。

その人たちと話すときや、知らない人と話すときは、・・・そうですねぇ。話をしてるってコト自体、その場のリズムを楽しめてるって感じでしょうかねぇ。結局、なにか特別なことを話しているってことじゃないんですよねぇ。

秀穂さんは、・・・あっ、個人的な知り合いというわけじゃありませんけど、なんか、こんな呼び方が似合うような気がするんです。・・・ということで、秀穂さんは、「言葉のむだ遣い」こそが、今は必要だって言ってます。多分、言葉だけじゃないんですよね。なんかさ、♬右を向いても左を見ても♬、効率、コストパフォーマンス、時短。いやんなっちゃいます。

私みたいにむだな人生を歩んできた人間の出番は、もうないです。


『日本語のへそ』    金田一秀穂

青春出版社  ¥ 950

本書は日本語に隠された「むだ」を、金田一先生がさまざまな角度から論じた一冊。
第1章  「言葉」をむだ遣いできているか
第2章  「むだ話」が人生を豊かにする
第3章  言葉も人もへなちょこで、自由がいい


真面目だからなぁ。意味のあることを伝えなきゃって思っちゃうんですよね。意味のあることを伝え合う人間関係の中ではどうしても警戒されちゃうので、いっその事、話なんかしないほうがいいです。苦痛なだけだし、ストレスが蓄積されちゃいますからね。だって結局、その度その度に評価されちゃうじゃないですね。もうね、私、23歳のときに合格した試験の後、二度と他人から評価されるのは嫌だと思ったんですよ。

だけど、その余波で、やはり家族との会話も少なかったみたいです。連れ合いからは、「もうちょっと喋ったほうがいい」って怒られるんです。娘も息子も苦労させちゃったのかなぁ。娘も息子も家を出て、今は連れ合いとふたりだけだけど、ここのところ、私、努力してます。

料理の話や、食材の話なら、ペラペラ出てくるからね。そうだ、昔から料理の話や食材の話をすればよかったんだ。「すごいスイカだねぇ」って言ってりゃいいんですもんね。遅ればせながら、これからでも取り戻します。

昔から言葉遊びみたいなことは好きなので、そういう話題もいいかな。そういや最近出た本で、『ねみみにみみず』というのがありましたね。かなり、得意なパターンです。『うまのみみにとんじる』とかね。・・・だめですか。

秀穂さんは、『ニューオールド』っていう、かつてあったウイスキーの名前にいちゃもんつけてましたよ。そういや、大相撲は終わっちゃいましたけど、『高安』っていう高いのか安いのかはっきりしてほしい関取がいますね。

もう一つ、秀穂さんがひどくいちゃもんつけてたのが、“努力”です。「“努力”は人を裏切らない」なんて嘘を言うなってくらいでしたよ。「努力した成功した人もいる」って子供が主張しても、「たまたまだ」って打ちのめすんですって。ひどい人ですね。

私も、「諦めなければ夢は叶う」って青少年を誤った道に引き込もうとしている大人たちんは呆れています。人間、夢に敗れてからが本当の勝負です。

おお、この感じでどうでしょう。私の周りには若い人たちの夢を育てようとしている人たちがたくさんいるから、まずはアイツラの夢をぶち壊しにしてやろう。

・・・それじゃだめじゃん。




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あゝモンテンルパの夜は更けて『昭和歌謡の謎』 合田道人

フィリピンのマニラ郊外にあるモンテンルパという町にあった刑務所に、150人ほどの元日本兵が戦争犯罪人として収容されていました。当時のフィリピン大統領は、妻と三人の子供を日本兵に殺されたというキリノという男。末の娘は放り上げられて銃剣で刺されたという。パターン化した話ですね。第一次世界大戦のときに、ドイツ兵がベルギーでやったって、イギリスが広めたプロパガンダじゃなかったでしょうか。

それでも大統領は残る戦犯特赦にサインした、元NHK職員の中田整一さんという人は、「だからキリノはいい人だ」という番組を作ったということです。

たしかに日本は市街地を戦場にさせてしまいましたが、無差別の空爆を行ったのはアメリカ。そんなさなかに、日本兵にフィリピンの女子供を狙いをつけて、上に放り投げて指し殺すようなゆとりがあったはずがありません。大半は空爆のはず。だけど、アメリカのせいにしても、一銭にもなりませんからね。

朝鮮戦争がたけなわのころ、フィリピンは日本に八十億ドルの賠償を吹っかけてきました。日韓交渉ですら五億ドルだから、いかにべらぼうな額か分かります。日本が拒否すると大統領のキリノは戦犯十四人を一晩で処刑しました。全員が明らかな冤罪です。まだ六十余人の死刑囚がいます。

のちに韓国の朴正煕もこれを真似て、竹島に近づいて抑留された漁民を人質にして日本から五億ドル脅し取りました。キリノに関しては、これほどあくどい大統領を他に知りませんが、さすがに米国もこれには憂慮したようです。朝鮮戦争のさなかですからね。ダレスが急ぎ飛んでキリノに恐喝処刑をやめさせたそうです。


祥伝社  ¥ 929

平成生まれの若者が昭和の歌を熱唱する現在、楽曲に秘められたドラマを解き明かす
贈る言葉瀬戸の花嫁
神田川長崎は今日も雨だった
喝采函館の女
こまっちゃうナ美・サイレント
天城越え帰って来たヨッパライ
あゝモンテンルパの夜は更けて高校三年生
リンゴの唄学生街の喫茶店
上を向いて歩こう琵琶湖周航の歌
南国土佐を後にしてガラスの林檎
償い

これは帰国を果たしたときの映像でしょうね。教誨師として昭和24年にフィリピンに派遣された加賀尾秀忍さんは、なんとしても彼らを救い出そうという運動を始めるんですね。♬ モンテンルパ ♬の歌の歌詞は死刑囚の一人、代田銀太郎さんの作詞なんですね。加賀尾秀忍さんが代田さんの文才を見込んでお願いしたんだそうです。作曲の伊藤正康さんも死刑囚の一人だそうです。

そして完成した《あゝモンテンルパの夜は更けて》が、渡辺はま子さんのところに届いたんだそうです。レコードはあっという間に日本中を席巻し、映画化されて国民的なヒット作になったそうです。昭和27年のことです。

その年のクリスマス・イブ、渡辺はま子はモンテンルパの刑務所で、慰問コンサートを開いたそうです。

平成28年、加賀尾秀忍さんが、キリノに《あゝモンテンルパの夜は更けて》のオルゴールを届けたんだそうです。ここから先般の恩赦が始まって、結局、全員を日本に送還することにつながってるんですね。

《あゝモンテンルパの夜は更けて》に心を揺さぶられた500万人の日本人が署名をした戦犯釈放嘆願書が、フィリピン外務省に届けられたことも大きいです。日本を敵に回すことが得策でないことは、キリノのような人間だからこそ敏感に感じ取れたところでしょうから。

何れにせよ、歌の力は大きいですね。特に、昭和のこの時期の歌はね。





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『バッグをザックに持ち替えて』 唯川恵

ザックに持ち替える前、バッグを下げている状態の唯川恵さんを、とりあえず私は知りませんでした。今、調べてみたんですが、ずいぶんたくさん書いている方なんですね。amazonの作品一覧を見て見たんですけど、残念ながら読んでませんでした。この本が最初です。

あ、そうそう、『淳子のてっぺん』は、この方の作品なんですね。食指が動いたんですが、ついつい見送ってました。今度、機会があれば、ぜひ読んでみたいと思います。

ある程度の年齢が行ってから山登りを始めるとすれば、この本の著者ほど恵まれた環境にある人は、そうそういないと思います。なんと言っても、一緒に登ってくれる人、しかも相当な経験と技量を持った人が隣にいるってことは、とても恵まれた環境です。

ある意味では、それがすべてかな。登るにふさわしい山が近くにあっても、それが“ふさわしい”と判断できるには経験が必要ですよね。また道具のそろえ方もそうです。どこで何を揃えるべきか。それもやはり経験が必要です。

昨年の夏は天候が定まらなくて、予定した夏山登山を雨で流された方が多かったと思います。私もその一人。奥日光から日光白根山を目指したんですが、雨のため途中で湯元に戻りました。高校生を連れていたので、そのままテントでくすぶらせるのもどうかと思い、雨の中ではありましたけど、戦場ヶ原を歩かせました。

その後、バスでもう一度、湯元に戻ったんですけど、バスの中で60代のご婦人から声をかけられました。ザックカバーの使い方が分からないとのことでした。バスを降りた後で教えてあげたんですが、靴、ウェアー、雨具、ザック、ザックカバーと、いずれをとってもいいものばかりで、ずいぶんお金をかけさせられてる感じでした。

山道具屋さんは、そんないいお客さんなのに、しっかり道具の使い方を教えてあげなかったみたいで、靴の紐はなんだかゆるそうだし、ザックのショルダーのところが伸びっぱなしだし、事実、ザックカバーの使い方が分からなくて声をかけてきたわけですからね。

ザックのショルダーの長さを調節してあげてたら、そのご婦人のお友達の方が、うしろに列を作ってしまいました。雨で、やることもなかったからいいんですけど・・・。その方々は、湯元から戦場ヶ原に向かわれました。



光文社  ¥ 1,296

はじめての登山に懲りて、山なんてやめた――はずだった。それが・・・
1 この私が山登りなんて2 山はすぐには登れない
3 山が読んでいる4 山が繋げてくれたもの
5 稜線に惹かれて6 山は遊びか、冒険か
7 登りたい山 登れない山
  登ってはいけない山
8 山のパートナー
9 山の怖くて不思議な話10 富士山は、登る山か、眺める山か
11 冬山の美しさと厳しさ12 改めて装備と向き合ってみる
13 山で「もしもの時」を考えた
14 山も、そして人も
  いろんな顔を持っている
15 田部井淳子さんの存在16 エベレスト街道を行く


ある程度の年齢が行ってから山登りを始めるとすれば、・・・年齢が行って、年齢が行ってとしつこく言ってごめんなさい。でも、山の始め方って、けっこう難しいと思うんです。それを考えれば、著者のケースは本当に恵まれてます。なにしろパートナーが相当な経験と技量を持った方なんですから。

だからこそ、順調にステップアップしてますよね。新しいことに挑戦して、それまでの自分の限界を超えて、世界が広がって、どんどん登りたい山が増えていって、面白くて面白くて仕方がない様子が伝わってきます。

それとともに、山でのルールみたいなものも、その方からしっかり教えてもらってらっしゃいます。すごく大事なことだと思うんです。山って、ただ登ればいいってものでもないでしょう。人にあったときのマナーとか、礼儀とかね。

私は山岳部で山を始めたので、山岳部でそういう事を教えられました。最近は、どうも、まったく山でのルールみたいなものからフリーな方もいらっしゃるみたいです。一人で登ってるとき、登ってる私が下ってくるおしゃべりしてる女性たちに道を譲ったことが何度かありました。奥武蔵、越生の越上山の山頂に近いあたりで、誰も来ないと思ったらしく、登山道でそのままおしっこしている30代の男性もいました。私が山を再開してからの話ですから、つい最近の話です。

たしかに、かつてはそういうのをめんどくさいと思うこともあったけど、山でのルールって、今思うと、いずれも優しさからきてるものであったり、安全のために考慮されたものです。そういう事をさりげなく教えられる人と山登りの経験を積んでいけたら、やっぱり一番いいですね。

そんなこんなで、著者は順調に経験を積んで、なんとネパールまで行ってしまった。どうぞ、今後も楽しい山登りを続けてください。そしていつかまた、この本みたいに、その体験を・・・、

いや、著者は小説家だった。小説を書きましょう。山岳小説の世界にステップアップしましょう。それがいい。そしたら読ませてもらいますよ。・・・その前に、『淳子のてっぺん』か。




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“中国”『世界はジョークで出来ている』 早坂隆

《三つのボタン》
 習近平政権の主導により、中国が新型のステルス戦闘機を完成させた。その戦闘機は「毛沢東」と名づけられた。
 「毛沢東」のコックピットのパネルには、ボタンが三つしかついていなかった。
 高度三千メートルまで来たとき、尾翼の一つが落下した。その時、コンピューターがこうアナウンスした。
 「すみやかに一番のボタンを押してください」
 パイロットが一番のボタンを押すと、新しい尾翼が現れた。パイロットは胸をなでおろした。
 高度五千メートルまで来たとき、今度はエンジンが火を噴いて落下した。するとコンピューターがこうアナウンスした。
 「すみやかに二番のボタンを押してください」
 パイロットが二番のボタンを押すと、新しいエンジンが現れた。パイロットは胸をなでおろした。
 高度一万メートルまで来たとき、今度は機体がまったく操縦不能になってしまった。どう操縦桿を動かしても、期待を制御することができない。するとコンピューターがこうアナウンスした。
 「すみやかに三番のボタンを押してください」
 パイロットは焦りながらも、ニンマリと笑みを浮かべた。今までもボタンを押せば何とかなった。今度もきっと救ってくれるだろう。
 パイロットは勢いよく三番のボタンを押した。
 すると次の瞬間、「毛沢東語録」の朗読が流れ始めたのである。
本書p44

面白いですね。以前、冗談ともつかない、以下のような話を聞いたことがあります。中越戦争が発生するよりもずっと前、ベトナム戦争当時の話です。

ベトナムの共産化を阻止するために、アメリカは1965年からベトナム戦争に積極的に介入し、南ベトナム軍を支援して北爆を開始しました。懐かしいですね。ドミノ理論ってやつですね。アジアにおける最初のドミノは、アメリカが倒しちゃったんですけどね。

流れの中で中ソが対立するけど、共産主義の兄貴分として、“中国”は北ベトナムを支援する立場にあったわけです。当時、“中国”を訪れたベトナム人は、多くの中国人から励まされたそうです。

なかには、こんなおかしな励まし方もあったとか・・・。

《今度、またアメリカの爆撃機がやってきたら、この毛沢東語録をそれに向かって触れ!必ず、アメリカの爆撃機は落ちるから》

これはジョークとして聞いたものではありません。本当にあったこととして聞いたものです。



文春新書  ¥ 896

ときにジョークのような事が起きる国際社会。笑えるのはジョーク? それとも現実?
第1章  中国
第2章  アメリカ
第3章  ロシア
第4章  北朝鮮
第5章  韓国
第6章  中東
終章   日本


現代“中国”は、ジョークの世界で、かつてとは違う新たな地位を確保したようです。かつて、「成金で傲慢」と言えば日本人をあらわすものでしたが、その地位は完全に“中国”に奪われました。

“中国”はご丁寧に、マナーが悪くて、横暴で、領土的野心さえ隠さないと、どうにもやっかいな存在という、ジョークネタの尽きない対象として扱われてますね。

BSNHKでやってる国際ニュースなんか見てると、“中国”っていうところは、実際に起こってることそのものがジョークのようで面白い。だいたい、彼らが1億を越えようかと言う犠牲を費やして目指した共産主義と言う体制そのものが、今にしてみればほとんどジョークの世界ですからね。
《三つの要素》
 ソ連には、共産主義者と、誠実な人間と、知性的な人間とが共存する。しかし、この三つのすべたを兼ね備えることは、極めて難しい。
 共産主義者で誠実な人間は、知性的ではない。
 共産主義者で知性的な人間は、誠実ではない。
 誠実で知性的な人間は、共産主義者ではない。
本書p104
 
共産主義で、しかも“中国”なんだから、面白くないはずがない。《一帯一路》な“中国”。《不正のはびこる》“中国”。《情報統制》する“中国”。《検閲》する“中国”。《大気汚染》のひどい“中国”。《ニセモノ天国》“中国”。《マナーの悪い》“中国”。この国は、切り口が多すぎる。

《欲望は海水を飲むことに似ています。飲めば飲むだけ、喉が渇くのです》

ダライ・ラマ14世の言葉だそうです。“中国”に向けた、ものすごいジョークですね。




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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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