めんどくせぇことばかり 『戦後史をよみなおす――駿台予備学校「戦後日本史」講義録』 福井紳一
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『戦後史をよみなおす――駿台予備学校「戦後日本史」講義録』 福井紳一

戦後史をよみなおす――駿台予備学校「戦後日本史」講義録戦後史をよみなおす――駿台予備学校「戦後日本史」講義録
(2011/11/11)
福井 紳一

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「駿台予備校の日本史の先生ってどんな戦後史を教えてるんだろう。」そう、ワクワクしながら手にとった本です。

序『なぜ、戦後史を学ぶのか』にあるこの本の入りは、とてもいい。“戦後史を知らないのは、目隠しで高速道路を歩くのと同じ”、“三・一一が起きたいま、歴史の中で自分を確認する”、“戦後史の知識は諸学問の前提”、“ニュースや新聞を読み取るには、戦後史が必要”、“東京大空襲から見えてくるもの”、“「虫の目」と「鳥の目」”。これらの小見出しで始まる内容も、まったく同感。より大きな期待を抱きつつ本編に入ります。

第一部『占領された日本』
第二部『占領終結後の日本』
第三部『現代の世界と日本』

読み始めると、私の期待はすぐに失望に変わりました。有名な方のようですが、もともと私はこの著者を知らなかった。知っていれば期待を抱くこともなかったろうし、そもそもこの本を手にすることもなかったかもしれない。

明治以来の軍国主義国家日本は、アジアへの侵略を強化する中でアメリカ、イギリス等との戦争に突入した。そして、なによりも中国を中心とするアジア諸民族の粘り強い抵抗に国力をすり減らし、ついにはアメリカの圧倒的な物量と非人道的な攻撃の前に徹底的な敗北を喫した。戦後、主力として日本を占領したアメリカは、当初は民政局のニューディーラーによる日本の徹底した民主化を目指した。しかし、アジアに共産主義の脅威が広がると、日本をそのさらなる拡大の防波堤とすべく、対日政策の主力の地位をニューディーラーらから奪い、参謀第二部に託していった。この過程で日本の反動勢力は復活した。敗戦により目覚めた日本人民はこれら反動勢力の伸長を阻止すべく戦ったが、社会主義陣営との対決を前提にした新たな世界戦略を展開しつつあったアメリカの後押しにより、反動勢力の攻勢の前に人民民主戦線は分断され、徐々に撃破されていった。
著者の戦後史の捉え方は、こんなところです。

著者の歴史認識からすれば、日本人が誇りにする戦後の高度経済成長なぞ、日本人が朝鮮人とベトナム人の血肉をすすって成し遂げられたものに過ぎません。同様の、日本と日本人を罵倒するセンテンスなら、全巻を通じてたやすく見つけることができます。その辺は、いびつな反日に固まった一部の韓国における報道を思わせるものがあります。この本の中でも“日韓問題”が語られていますが、やはりどこかで見覚えのあるセンテンスです。

本書は戦後史と言うよりも、戦後社会主義団体衰亡史とでも名付けたほうがふさわしいと、私は思います。しかも、あちらこちらに“日本”に対する呪詛が、ときに何気なく、ときにあからさまに姿を表します。呪詛は、昭和天皇にさえも向けられています。これらの呪詛を探し、数えながら読んでいくのもいいかもしれません。 知らないうちに自虐的快感を感じてしまうと困るので、休み休み読んでください。

結局は、社会に根ざしていなかったことこそが敗因だと悟るべきだ。敗北のルサンチマンから、国民が保守を支持し続けたことさえ“卑劣な日本人の国民性”に原因を求めている状況では、果たして歴史を語る意味があるのだろうか。「これだから日本人は・・・」、「まったくいつも日本人てやつは・・・」、全巻から聞こえてくる著者の心の叫びは、駿台予備校に通った学生たちの心に宿っているのだろうか。

著者と考えを同じくする人はともかく、血圧の高めの人はこの本を読むのはお控えください。また、健康な人も、その日の体調をよく考え、具合の悪い時はやめておいたほうがいいでしょう。


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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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