めんどくせぇことばかり 江戸の儒者と華夷思想 『天皇と原爆』 西尾幹二
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江戸の儒者と華夷思想 『天皇と原爆』 西尾幹二

儒学の教えに忠実であろうとした江戸の儒者たちがいちばん困ったのは「華夷」という考え方でした。「中華」を基軸にすれば日本は「東夷」で、どう背伸びしても日本および日本人は 永遠に野蛮であり、浮かばれないことになるからです。と言っても自らを「夷」というわけにはいきません。清王朝は満州族でしたから、中華ではないので、そこで朝鮮は自らを「小中華」と称することでうまく問題を解決しました。しかし日本人はそう主張するだけの儒教文化を自らの内に持っているとは思っていませんでした。

いろんな詭弁奇説が飛び出すことになります。熊沢蕃山は学習することが大切で、古代の聖賢を師とする点では日本人も中国人も条件は同じであり、学習によって日本人が勝ることもあると言いました。雨森芳洲はある国が尊いか卑しいかは地理的条件で決まるのではなく、君子が多く輩出し、風俗が善いという文化的条件のいかんによるのであると考えました。山鹿素行は思い切って中華の「華」は日本のことだと言挙げしました。これは影響の大きい主張でした。『日本書紀』の中に儒教の教えがすでに説かれ、実行されていたというのです。伊藤仁斎は「華夷」という上下の価値の立て方自体を疑問とします。

息子の東涯は古代の聖人はそもそもそんなことを説いていない、華夷などという区別は後世の儒者の偏見にすぎない、と断定しました。

ああでもないこうでもないと議論かまびすしかったのは、いわゆる「鎖国時代」を通じて中国文明に対する抑えがたい拒絶反応があったからだと私は考えます。時間がたち中国に対する知識が増えるにつれ、隣の文明に対する拒絶感情はますます高まり、南蛮で知られる遠い、近づき難い未知のヨーロッパ文明に対する憧れに所を譲っていったのだと考えられます。
天皇と原爆天皇と原爆
(2012/01/31)
西尾 幹二

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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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