めんどくせぇことばかり ここまで多様?『イスラエルとは何か』 ヤコヴ・M・ラブキン
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ここまで多様?『イスラエルとは何か』 ヤコヴ・M・ラブキン

イスラエルとは何か (平凡社新書)イスラエルとは何か (平凡社新書)
(2012/06/17)
ヤコヴ・M.ラブキン

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この頃、シオニズムの陣営内における議論は、それが窮地におかれたユダヤ人の救助を意図した現実的な活動である前に、まずもって民族自決を目的とするイデオロギー運動であることをはっきりと示していました。たとえば、ロシア出身で、のちのイスラエルの初代大統領となるハイーム・ヴァイツマンに帰せられている発言に次のようなものがあります。「ロシア・ユダヤ人の苦しみがシオニズムの根源に位置しているなどという見方ほど、皮相的にして不正確なものはない。シオニズムの基本的な動機づけは、今も昔も毫も変わらず、民族的な本拠地の取得に向けた揺るぎなき意志である。」
シオニズム運動とは、常にポグロムやホロコーストに苦しむユダヤ人の救済に端を発し、同時に究極の目的であるというのが私の理解であり、異論の入る余地のないものと疑いもしなかったのだが・・・
批判が集中したのは、いうまでもなく、シオニスト指導者たちが、ヨーロッパのユダヤ人、ユダヤ教徒が耐え忍んでいる苦境よりも、将来の国家建設の方をはるかに多く気にかけていたのではないなという点です。実際、ハンガリー、その他の国で何度か行われたユダヤ人、ユダヤ教徒の救出の試みは、シオニズム指導部からの抵抗によって遮られたと言われています。戦前にも、とりわけ一九三八年のエヴィアン会議に際し、シオニストたちは、ユダヤ人、ユダヤ教徒の難民のために避難先を確保してやろうとする国際外交の努力に横槍を入れたことが指摘されています。・・・シオニズム指導者は、第二次大戦後に国家を樹立することの重要性を強調して、次のように述べたといいます。「われわれの側でかなりの犠牲者を出さなければ、国家を要求する権利などまったく認めてもらえないだろう。…よって、敵に資金まで差し出して、われわれの側の流血を押しとどめようとすることはまったくもって馬鹿げた行いなのだ。われわれは、もっぱら血によって国家を手にすることになるのだから。」そして、こうした理想の実現のための犠牲というヴィジョンをもっとも早い時期に打ち出していたのが、先述のとおり、キリスト教シオニストにして、ヘルツルにとっての預言者的な御意見番となったウィリアム・ヘクラーだったのです。すでに一九三一年の時点で、ヘクラーはあるユダヤ人シオニストに、「ヨーロッパ・ユダヤ世界の一部が、あなたがたの聖書に記されている祖国のため、生贄にされることになるでしょう」と打ち明けているのです。
ユダヤ戦争後、二〇〇〇年にも及ぼうとする歴史のなかで、ユダヤ人を含むヨーロッパ社会は内在するユダヤ人問題を解決することができなかった。そしてシオニズム運動は、未解決の問題に、さらに新たな問題をつけ加えたに過ぎないということになるのだろうか。しかも、時代は中東の資源が新たに注目を浴びる時期と重なる。欧米の資源政策が、常にユダヤ人問題、パレスティナ問題に絡んでくる。私たちや、将来の人々が解きほぐさなければならない糸の絡まりは、あまりにも複雑である。今、中東に吹いている動乱も、決してそれと無関係ではないだろう。

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本












































































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