『猫なんかよんでもこない。』杉作
![]() | 猫なんかよんでもこない。 (コンペイトウ書房) (2012/05/17) 杉作 商品詳細を見る |
漫画です。
七年前、高三の娘が子猫を拾ってきた。学校帰りの娘の自転車の前に、ミィミィと泣きながらヨチヨチと歩み出たらしい。どうやら入れられていた紙袋から這い出したらしい。生まれたばかりの黒猫だった。
娘は幼い頃から色々な生き物を拾ってきた。雀の子や、燕の子、トカゲや昆虫類にミミズ、ダンゴ虫。いつも言っておいた。「猫や犬は絶対拾ってくるな。うちでは飼えない。」子猫を胸に抱いた娘が私に言った。「私が拾おうとしたんじゃない。この子が私に拾われようとしたんだよ。」「・・・」
三日で私は子猫の虜になった。この本の表紙の黒猫は、ミィミィ(うちの猫の名前)の小さい頃にそっくり。そして私は、この本の虜になりました。主人公の杉作の猫に対する態度が、ミィミィがうちにやってきた頃の私にそっくりだったから。その通り、“猫なんかよんでもこない”し、呼ばないのに、かまって欲しかったり、腹が減ったりすると寄ってくる。こちらの都合にはお構いなしに。
朝、明るくなって腹が減っていると、「ちょっと、ちょっと」と私の顔に触ってくる。無視して朝寝を決め込むと、顔にスリスリしてくる。それでも無視していると、ドスンと私の顔に横倒しになって、自分の腹で私の口と鼻をふさぐ。熱帯夜を過ごした夏の不快な朝にこれをやられると、これから始まる一日を台無しにされたような気分になる。
主人公杉作(作者ご本人のようだが)が猫に翻弄されながら、猫の世話をするようになり、「猫なんかよんでもこない。まったく勝手な生き物だ」なんて言う頃には、すっかり猫に支えられている。かつて自分にあった変化を、追体験するようにこの漫画を読んだ。ただ・・・、最後は涙を流した。みなさんも気をつけてお読みください。

人気ブログランキングへ
- 関連記事