めんどくせぇことばかり ナセルとイスラム主義 『倒壊する巨塔(上)』 ローレンス・ライト
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ナセルとイスラム主義 『倒壊する巨塔(上)』 ローレンス・ライト

一九五二年一月、[ムスリム同胞団による警察軍宿舎攻撃に端を発する暴動は]ヨーロッパ人居住区へと移動、カイロ中心部にある映画館、カジノ、バー、レストランをことごとく焼き尽くした。翌朝、廃墟の上には、分厚い黒煙がたなびいていた。少なくとも三〇人が殺され、七五〇棟の建物が破壊され、一万五〇〇〇人が職を失い、一万二〇〇〇人が住む家をなくした。「国際都市カイロ」は死んだ。

それでも、新しい何かが生まれようとしていた。その年の七月、カリスマ的な若い陸軍大佐ガマル・ナセルに率いられた軍事暫定政権が国王ファルークをヨットに押しこめ、なんら抵抗することもなく潰れた政府にかわり、国家の実権を掌握したのだった。過去二五〇〇年間で初めて、エジプトはエジプト人によって統治されることになった。
・・・

中東においては何度もくり返されることであるが、抗争はたちまちのっぴきならない二者択一論にいたってしまう。エジプトが今後目ざすべきは、軍事的社会か、はたまた宗教的社会かと。なせるには軍隊があり、同胞団にはモスクがあった。ナセルの政治的な夢は凡アラブ社会主義である。近代的で、平等主義的で、世俗主義的で、工業化された社会。その中で、個人の生活は圧倒的存在感を持つ福祉国家によって支配される。そうしたナセルの夢にとって、クトゥブや同胞団が信奉するイスラム神権政治はほとんどお呼びでなかった。一方、イスラム主義社たちは、社会を完全に作り変えることを要求した。生活のあらゆる側面に有無を言わせず、上からイスラム的価値観を押しつけていく。そうしてこそ、すべてのムスリムはそのもっとも純粋な精神的表現を実現できる。そうした社会は、シャリーア(イスラム法)~コーランと預言者ムハンマドの言行から導き出され、生活全般を律する法規範~の厳密な強制を通じてのみ、実現可能なのだ。それ以下のものはイスラムではない、とイスラム主義者たちは論じた。
倒壊する巨塔〈上〉―アルカイダと「9・11」への道

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人生に必要なもの、一人の女性、一人の親友、一つの思い出、一冊の本。
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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本


















































































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