めんどくせぇことばかり 『倒壊する巨塔〈上〉―アルカイダと「9・11」への道』 ローレンス・ライト
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『倒壊する巨塔〈上〉―アルカイダと「9・11」への道』 ローレンス・ライト

倒壊する巨塔〈上〉―アルカイダと「9・11」への道倒壊する巨塔〈上〉―アルカイダと「9・11」への道
(2009/08)
ローレンス ライト

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曽野綾子の『働きたくない者は、食べてはならない』で紹介されていた本。二〇〇九年八月に発行されている。ずいぶん遅ればせながら・・・ということになってしまうが、もし読んでいなければ、是非手にとって欲しい。とにかく面白い。面白いだけではない。これはアラブ、あるいはイスラムから見た現代史としても価値が高い。

この本は、―まだ〈上〉しか読んでいないが―ウサマ・ビンラディンにつながる急進的イスラム主義者の系譜が、まずは一九六六年にナセル・エジプト大統領によって絞首刑に処せられたサイイド・クトゥブから語られる。続いてサダト・エジプト大統領の暗殺に関係したアイマン・ザワヒリ。彼はジハード団の指導者で、アルカイダに合流してからはイデオロギーの面を担当する。そして、サウジ・ビンラディン・グループの創業者で、ウサマ・ビンラディンの父、ムハンマド・ビンラディンを通して、話はウサマ・ビンラディンに行き着く。話は、題名のとおり『9.11への道』が語られていくと思われるが、〈上〉の終わり一九九五年のビンラディンは、サウジ王室と一族から見放されて、スーダンにいる。

ここまでの彼の人生で特筆すべきことは、あのサウジの王室さえ懇意とする大金持ちの家柄に生まれたということだけだ。鷹揚とした性質はさして珍しいものではないし、物おじしない点も家柄ゆえと考えられる。イスラム急進派として注目を集めたことに関しても、この本を読む限りでは、彼が自由に使える“家”の金によるところが大きい。〈上〉を読んだ限りでは、この男には名前は必要ない。“狂気”、“憎悪”、“嫉妬”など、適当な抽象的な概念を当てはめればそれで足りる。彼は“時代”そのものだ。ウサマ・ビンラディンという個人はすでに死んでいるが、彼が“時代”そのものであれば、アメリカは“狂気”、“憎悪”、“嫉妬”といった概念は殺せない。

前に書いたが、この本は現代史としての価値もある。いずれ振り返ることもあろうかと思って、このブログの中にもいくつかまとめたし、この後も幾つかの点をまとめるつもりでいる。前に読まなければならない本があって、すぐに〈下〉にとりかかることができないのだが、今から読むのが楽しみだ。


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テーマ : 最近読んだ本
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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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