めんどくせぇことばかり ホメイニとイラン・イスラム革命 『倒壊する巨塔』 ローレンス・ライト
FC2ブログ

ホメイニとイラン・イスラム革命 『倒壊する巨塔』 ローレンス・ライト

[一九七九年は政治的激震が相次いだ]激震の中にはソ連のアフガン侵攻だけでなく、アヤトラ・ルトラ・ホメイニのイラン帰国と、パーレビ王朝の崩壊も含まれていた。イランを逃れた国王(シャー)、モハメッド・レザー・パーレビがアメリカでの癌治療を求めると、ホメイニ師は学生たちを扇動し、テヘランのアメリカ大使館を襲撃させた。サダトはホメイニ師のことを「イスラムを物笑いの種にした…常軌を逸した人物」と見なしていた。サダトは衰弱著しいパーレビ元国王をエジプトに受け入れてやった。彼は翌年この地で生涯を終えた。

全世界のムスリムにとって、ホメイニ師とは、西洋との関係をめぐる議論に新たな見直しを迫る存在だった。イスラムの未来を世俗主義の、民主化モデルに託すかわりに、目を見張るような逆行をやってのけたからだ。聞くものに陶酔をもたらすその説教によって、彼は栄光の時代の無敵イスラム軍の再現を求めた。その言葉遣いは、まさにビンラディンによる革命的西洋非難の先駆けといってよいだろう。ホメイニ師が怒りの標的として具体的に挙げたのは“自由”だった。「そのかわり、われわれは反動派であり、きみらは啓蒙された知識人だ。きみら知識人はわれわれが一四〇〇年も前の時代に遡ることを願ってはいない」。政権を掌握した直後、ホメイニ師はそう語っている。「きみらは自由を求める。ありとあらゆる自由を。結党の自由。すべての自由を欲するのだ、きみら知識人は。われわれの若者を腐らせる自由を。抑圧者のため露払いをする自由を。われわれの国をどん底まで引きずり下ろす自由を」。ホメイニ師は早くも一九四〇年代に、イスラムの敵と思しきものにしかるべき軽蔑を与えるため、テロを用いる用意があると仄めかしている。物理的な支援だけでなく、神学的な庇護を与えると。「イスラムは言う。どれほど良きものであろうと、そこには剣への感謝、剣という庇護が存在するのだ!剣なくして、人々を従わせることはできない!剣は天国に至るカギであり、そこに至る道は聖戦士によってのみ開くことができるのだと!」

ホメイニ師は、イスラム世界で多数派を占めるスンニー派を背景にして登場したのではない。彼がシーア派の聖職者であるという事実は、スンニー派に属する過激派のあいだで、その扱い方を難しくした。それでも、ザワヒリ率いるジハード団はイラン革命に支持を表明し、ビラやカセットテープを用いて、エジプトのすべてのイスラム・グループに対して「イランに続け!」と呼びかけた。イランのように比較的豊かで力のある近代国家でも、ほとんど一夜にして厳格な神権政治の国に変貌させることは可能なのである。自分たちの夢がにわかに現実性を帯びてきたことで、イスラム主義者は行動への欲求を高めていった。

イスラム主義は今や相当に幅の広い様々な勢力からなる一大運動と化していた。


人気ブログランキングへ
関連記事

テーマ : 最近読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

コメントの投稿

非公開コメント

ありがとうございました



「《めんどくせぇことばかり》は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。」
よくお越し下さいました

イーグルス16

Author:イーグルス16

息も絶え絶えです、ぜひ応援してください


現代とはなぜこんなにも棲みにくいのか。
前近代から近現代へと変貌し続ける世相の本質をつかみ生き方の支柱を示す。
カウンター
カテゴリ
こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
最新記事