めんどくせぇことばかり 『バナナの世界史――歴史を変えた果物の数奇な運命』 ダン・コッペル
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『バナナの世界史――歴史を変えた果物の数奇な運命』 ダン・コッペル

『バナナの世界史――歴史を変えた果物の数奇な運命』 ダン・コッペル『バナナの世界史――歴史を変えた果物の数奇な運命』 ダン・コッペル
(2012/01/19)
ダン・コッペル

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「百年にわたり、米国の消費者はさまざまな地域で育てられるバナナにどんな危険があろうと、それを黙認してきた。―コロンビアの町の広場、コスタリカの鉄道沿いの畑、青い噴霧器からボルドー液が散布されるグアテマラ。私たちの頭にあるのは一つのバナナ、つまり自分の口に入るバナナのことだけだった。・・・・・・しかし、もし私たちがデザート・バナナを食べ続けたいと望むことで起きる問題によって、世界の他の地域の人々が苦しむのなら、そしてその苦しみの一部でも肩代わりするのを拒否するのなら ― それは過去一世紀に及ぶ弱者への軽視と搾取を繰り返していることと同等の行為だ。」
五十二歳の私にとって、“バナナ”というのは衝撃的な食い物だった。幼い頃は、高価で、めったにお目にかかれたものではない。私の故郷は交通事情が悪く、しかもその先はどん詰まり。生鮮食料品の流通は貧弱だった。小学校も、後半の学年に入った頃から、そういった状況が徐々に改善されていった。昭和四十五年くらいからだろうか。それでたまたま帰郷した叔父のおみやげのバナナはを食った記憶くらいしかなかったものが、けっこう町を歩いていてもみかけるようになった。お祭りの時のバナナのたたき売りには、幾重にも人だかりができていた。

流通するバナナの主流が、台湾バナナからフィリピンバナナにかわると、爆発的にバナナが広まった。あっという間に珍しいものでも、ありがたいものでもなくなっていった。ところが中学の後半、あることに気づいた。自分は時々ひどい下痢に襲われる。どうもそれは、バナナを食べたあとに起こる。疑いが確信に変わるまでに時間はかならなかった。フルーツポンチのバナナを食べて下痢をした高校二年[十七才]以来、私はバナナを食べてない。

カバーには、本書についてこんな説明がある。

「果物のうち世界で最も消費され、一番身近なバナナは、いま絶滅の危機に瀕している。ジャガイモを越え、いまや食料としてなん億人もの生活を支えるバナナの裏側には、米大企業による農場労働者の搾取、病気を導く人工的な栽培といった、暗黒の歴史や深刻な農業問題があるのだ。

複雑で謎に満ちた生態、一万年にわたる伝播の経路、グローバリズムが引き起こした多大な犠牲、消えゆく品種がもたらす食糧危機・・・バナナの知られざる生態と歴史、緊迫した現状を鮮やかに描き出す!」

バナナといえば、チキータとドール。デルモンテは?・・・あれはパインの缶詰か。たとえばドール・フード・カンパニーを創業したドール家は、王家からハワイを乗っ取ったアメリカ系白人の中でも中心的な役割を果たした家柄。その後、ハワイ共和国(アメリカへの併合前のハワイ)の大統領を務めたサンフォード・ドールは、創業者ジェームズ・ドールの従兄弟にあたる。ハワイ人を搾取し、ハワイそのものを乗っ取るアメリカらしいやり方は、そのままの形でその後のドール、チキータ、デルモンテに受け継がれていく。その後のバナナの歴史が、本書につづられたような状況になったのは、むしろ当然だ。

最後に作者の心から絞り出したような意見を紹介して終わりにします。

健康で安全なバナナが研究所で育成されたからといって、たちどころに世界が変わる可能性は低い。そのバナナが採用される前には、それがどのような味で、どのように生育し、どのように出荷され、いかに病気に抵抗して生きのびられるのかを知らなくてはならない。そして、私たちが知るべきもう一つのことは、そのバナナによって誰が ― 地球上のどこにいる人が ― 救われるか、だ。


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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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