『誰も書かなかった「反日」地方紙の正体』 日下公人責任編集 本当に知らなければならないことは?
![]() | 『誰も書かなかった「反日」地方紙の正体』 日下公人責任編集 (2011/07/27) 日下公人 商品詳細を見る |
日本新聞協会加盟二十紙の総発行部数は、朝夕刊セット販売も一部とすれば約五千万分とされるが、うち半分以上は、中央ニュースを共同通信に頼る地方紙が占める。「地方紙はやがて、事実上の巨大『共同新聞』となる。」地方紙関係者からは、そんな自嘲とも本音ともつかないつぶやきが聞こえてくる。
「新聞の社説は、占領時代から形成された戦後的価値観を守ろうとする朝日・毎日型と、そうした戦後パラダイムを改めようとする読売・産経方に分かれます。共同通信の論説資料は厳密な意味合いで社説ではありませんが、その傾向は朝日・毎日型に近いといえます」
こういった状況を考えれば、新聞によって日本人に伝えられている論調は、圧倒的に‘占領時代から形成された戦後的価値観’が優勢であるということになる。地方紙の‘思想傾向’が、共同通信の支配下にあることは、本書第一章[地方紙を操る共同通信]に明らか。それにしても、全国津々浦々、本当にごくわずかな例外紙を除いて、地方紙がここまで共同通信の「資料版論説」に頼って社説を形成しているとは思わなかった。しかも共同通信の偏りは、ある意味では朝日・毎日よりもひどい。本書の中に、東京都立中高一貫校で「新しい歴史教科書をつくる会」が主導した歴史教科書(扶桑社刊)が採択されたことに関して、各紙の論調を比較した部分があった。まともな感覚で読めば、誰でも驚く。共同通信の論調は突出しているのだ。朝日よりひどい。事実を述べた部分を除き、両社の記事を紹介してみる。
《朝日》扶桑社版教科書をめぐっては「戦争を美化している」などの批判もあり、全国的にはほとんど使われていないが、都立の普通高校での採択は初めて
《共同通信》扶桑社版は「戦争賛美」「国粋主義的」との指摘があり、中国や韓国が「歴史を歪曲している」と反発、外交問題になった
朝日の論調でも目をシバシバさせるほどひどいのだが、共同通信の論調に至ってはただただ‘唖然’である。こういった「恨み」「憎しみ」というものが、同じ日本国民の間から、どのようにして湧いて出てくるものなのか。「それを解き明かすことができれば、人間の精神構造の研究に大きな足跡を残すことになるのではないか」とさえ思えるの。その共同通信が地方紙の大半に支配的影響力を持つならば、朝・毎・共同といった偏った「戦後的価値観」を基調とする情報に支配された割合が、なんと高いことか。特に、他に情報源の少ない地方においては、より事態は深刻である。

本書の中で、日下公人氏が書いているが、地方紙は郷土の情報を伝えることを第一義にするべきで、国政に必要以上に言及することは分をわきまえない行いである。しかも情報源を共同通信にたよるのであれば、お笑い種でさえある。
“日本に右翼思想が台頭している”と彼らはいう。北朝鮮は核開発をあきらめない。韓国は、いまだに反日を国家運営の重要な基軸に据えている。経済力をつけるに従って周囲への圧力を強める新興ヤクザ、いや支那の覇権主義。北方領土を餌に、ときに人質に、ときに手籠にしながら日本の経済協力を求めるロシア。それに国内から呼応する民主党を始めとする左翼勢力。中道をもとめる善男善女が危機感を強めるのは当然のことだ。

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