めんどくせぇことばかり 『カーストから現代インドを知るための30章』 金基淑
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『カーストから現代インドを知るための30章』 金基淑

カーストから現代インドを知るための30章 (エリア・スタディーズ)カーストから現代インドを知るための30章 (エリア・スタディーズ)
(2012/09)
金 基淑

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バラモン・クシャトリア・バイシャ・シュードラの四つのヴァルナからなる階層制度
いやいや、カーストって、限りなく深かった

カースト

世襲によって引き継がれ、上下関係にある諸身分のほとんどが特定の職種と結びついている。ヒンドゥー教徒は生まれながらにして帰属するカーストが定められており、その帰属を自由に変えることはできない。

かつてインド村落社会は、カースト集団間の儀礼的、社会的、経済的、政治的な面における有機的な相互関係によって成り立っていた。今なお、ほとんどのヒンドゥー教徒にとってカーストは、自らのアイデンティティの重要な拠り所であり、またそのアイデンティティにもとづいて様々な関係が成り立っている。

カーストは基本的に職種によって区分された職能集団である。同一のカーストに属する人びとは、同種の仕事を生業とし、また代々その仕事を受け継ぐ。インドの村は様々な職種に従事する複数のカースト集団によって構成されている。大工・鍛冶屋・染物屋といった職人カーストや、床屋・産婆・洗濯屋といったサービスカーストは、農民に生産物やサービスを提供することによって食物を得た。カースト間の経済的相互依存関係が、社会を根底から支えていた。現在は社会的・経済的変動によって自カースト固有の仕事に携わる人は決して多くない。

カーストは基本的に内婚集団である。カーストを超える結婚は、上位カーストから下位カーストへの編入を現す。カースト間に序列が存在する以上、カーストを越えす結婚は現在でも多くはない。

カーストの序列を支える原理は、浄、不浄に対する優劣である。カーストの浄性は相対的なもので、カースト間の序列は食物授受や共食、身体的接触、居住区域、婚姻関係などを通じて可視化する。

各々のカーストは集団内や集団間で起こる様々な葛藤を解決するために、カースト・パンチャーヤトと呼ばれる自治的協議体を有する。内外のトラブル、村落を越えた揉め事が発生した場合、この協議体が解決に当たる。現在では、問題を司法に委ねることが多いが、パンチャーヤトが形態を変化させながら各レベルの地方自治体制度に転化したケースも見られる。


カーストの今

市場経済の普及により、以前のようにカースト固有の職業に従事する人は決して多くない。各種生産物はマーケットで購入され、産婆の手によらず病院で出産する。カースト内婚は根強く守られているが、急激な経済的、社会的変動にともなう意識や価値観の変化は確実に起きており、特に都市部富裕層、中間層に顕著に見られる。

浄、不浄の原理自体は健在だが、その規制は緩くなりつつある。都市部の近代的職場や公共の場では、カースト序列に基づいた距離を保つことはもはや困難である。村落においても、高位カーストの間では共食の規制が緩くなっている。

現在でもバラモンが最高位であり、不可触民が最低意であることに変わりはなく、不可触民の置かれた状況は相変わらず厳しい。カースト内婚は根強く、政治的意見はカーストごとに収斂されていく傾向が強い。しかし、分業体制と序列によって支えられた従来の有機的諸関係はほぼ崩れ、カーストに対する人々の意識も変化している。

インド憲法
15条
国は、宗教、人種、カースト、性別、出身地またはそれらのいずれかのみを理由として公民に対する差別を行なってはならない。
17条
「不可触民制」は廃止され、いかなる形式におけるその慣行も禁止される。「不可触民制」より生ずる無資格を強制することは処罰される犯罪である。

市場経済は、いわば社会を丸裸にする。様々な弊害を言われながらも、カーストは形を変えながらインドの貧しいものたちを救い上げてきたはずだ。市場経済は、そのインドの衣を剥ぎ取り丸裸にする。

インドは深い

それだけに変化には時間がかかる。劇的な変化は、その分だけ傷を深くする。ゆるやかに変化していって欲しい。






   
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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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