めんどくせぇことばかり 『本音の沖縄問題』 仲村清司
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『本音の沖縄問題』 仲村清司

本音の沖縄問題 (講談社現代新書)本音の沖縄問題 (講談社現代新書)
(2012/05/18)
仲村 清司

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“本音”って誰の?


第四章「沖縄という土地 - 復帰が問われる時代」15“独立を目指す人々”に、1999年11月24日に97歳で亡くなった大山朝常氏が著者に語った話を含めてこうある。
復帰後のヤマト世は幻滅するばかりの日が続いたという。そして1995年、米兵による少女暴行事件が発生する。
「三度目の過ちです。少女を守ってやることができなかった。痛恨の極みです」

そして、復帰前も復帰後もヤマトは沖縄をアメリカに売り飛ばしたと吐き捨てるようにいい、少女はその犠牲者の一人だと付け加えた。

「本当に祖国なら同胞にそんなまねができるはずがない。こんどこそ沖縄の針路を間違えてはいけない。沖縄の人間は薩摩の琉球侵略までさかのぼってヤマトの正体を見るべきでしょう」
と、宙をにらみながら氏は、「沖縄は独立すべきですよ」と静かにいった。

著者は、“大山朝常氏の思いにまだ応えきれていない”思いを抱きつつ本書を執筆してきたようだ。

ある社会的命題を取り上げて一冊の本を書き上げるのに費やす努力は並大抵のことではない。細かなテーマについても、いちいち様々な見方があり、時には立場によって正反対の見解に至る。だから、ここではそういった一つ一つの著者の見解に触れることは控えておこうと思う。それをしても意味が無いように思われるからだ。

この本はよく書かれていると思う。“反ヤマト”という立場から書かれた本としては、ひとつの完成形と言っていい本ではないだろうか。ただし、本書の題名『本音の沖縄問題』とは、一体誰の“本音”なのだろうか。著者の“本音”か。それは間違いないだろう。だけど、イコール“沖縄の本音”か、と考えれば、到底そうとは思われない。おそらく曖昧に、“わたしたちの本音”と広範囲に、できる限り広く受け取らせることが出来れば大成功というところだろう。

本書は沖縄戦、日本復帰時の裏切り、普天間移設問題での背信を取り上げて、日本は“日本の利益”のために沖縄を切り捨てた。今も“切り捨て続けている”ということを、反ヤマトの根拠とする。そうとしか考えられないのであれば、“反ヤマト”もやむを得ない。そういった考えの人々に、いくら“19世紀以降の世界史的視点”とか、“敗戦後、戦勝国欧米の立場から再構成された近現代史”とか言ってみたところで無駄なのであれば、残念としか言いようがない。

同時に多くの“日本人”が、彼らが反ヤマトの根拠とする問題に対して罪悪感を抱いている。その罪悪感が沖縄への各種補助金となり、沖縄経済の依存体質を生み出していることを考えれば、なんと不幸な関係かと嘆かざるをえない。

著者に同調できる部分が、冒頭“プロローグ”にある。

「いずれにしても、日本も沖縄も、一つの覚悟を要する時期にさしかかっている」

沖縄人とは呼ばず、沖縄県民と日本の将来を心配する立場から考えても、たしかにそう思う。



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テーマ : 沖縄
ジャンル : 政治・経済

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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本






















































































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