めんどくせぇことばかり 『100の神話で身につく一般教養』 エリック・コバスト
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『100の神話で身につく一般教養』 エリック・コバスト

『100の神話で身につく一般教養』 エリック・コバスト『100の神話で身につく一般教養』 エリック・コバスト
(2012/10/17)
エリック コバスト

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西洋においては神話が一般教養の基礎となっている。神話は想像力に訴えて、直接的に、効率良く、わかりやすく感性に働きかける。かつて日本もそうだった。
神話が発するメッセージの力は強く、深い。理性に訴える論理の理解を必要としないことから、年齢の長幼を問わない。むしろ、論理的思考をはじめる前のほうが、疑いを挟まず、真正面からその意味するところを血や肉に加えていくことができる。長じては、みずからの意志の力により、論理的思考と批判精神をある程度封じて受け止める必要が出てくる。 
 
この本は、第一章“伝説”では神話が、第二章“寓話”第三章“作中人物”では神格化された人物や物語が、第4章“うわさ”第5章“崇拝”では特殊な歴史的現象やイデオロギーが紹介されている。初めて聞くものも多かったが、馴染みのある神話も多く紹介されていた。こういったごく当たり前の神話が西洋人の一般常識となり、彼らの心に深く刻まれていることが、大変羨ましく感じられた。
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かつて日本にもあった神話世界は、人々に、子どもたちに、多大なる影響を与え、論理によらずに日本人的倫理観を構築することが容易だった。神話や英雄伝説、各種の説話やお伽話は、母や祖父母によって子に聞かせられ、時には能や歌舞伎、講談や浪曲で語られて人々の一般教養となった。童謡、唱歌も直接的に感性に訴えて、日本人的情緒を作り上げた。

敗戦がそれを逆転させてしまった。

西洋では、倫理観や一般教養のみならず、人々の真情、情緒の中に神話は生かされている。音楽、文学、映画、漫画、あらゆる文化活動で神話がモチーフとなり、人々の行動を神聖化している。

日本人が西洋の神話に触れる場合、それは内在化して、我々の行動原理に組み込まれることは少ないだろう。それでも、西洋人の理解にそれは欠かせない。また、西洋の文明を日本人なりに受け入れた以上、私たちは西洋の神話と無関係ではありえないし、その知識はみずからの生み出す文化に深みを与えることにつながる。実際に“Cool Japan”の先頭を走る日本の漫画、アニメ、その中に西洋の神話がどれだけモチーフになっていることか。エヴァンゲリオン、ワンピースなどは非常に多く西洋神話をモチーフを取り入れている。
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いい加減、私たちは、私達の伝説を取り戻そう。明治に入り、むやみに西洋文明を取り入れた日本であったが、今ではその精神的支えであるキリスト教はじめとする神話世界を教養として受け入れ、文化はずいぶん厚みを増した。これで本来私たちのものであるはずの神話世界を取り戻し、日本人的倫理観や情緒を子どもたちに伝えていければ、近い将来に日本文化は重厚な土台の上に、さらに他を魅了する絢爛たる花を開かせることができるのではないか。

ミィ2




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テーマ : 神話と現象
ジャンル : 学問・文化・芸術

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No title

そうですね・・・。
私も是非読んでみたくなりました。
かつて各文明に見られる神話には
ある種の基底構造があるとする
仮説を想起致しました。
考える切欠を下さりありがとうございます☆

ありがとうございました



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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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