めんどくせぇことばかり 『戦後史の正体』 孫﨑享 「戦後再発見」双書①
FC2ブログ

『戦後史の正体』 孫﨑享 「戦後再発見」双書①

『戦後史の正体』 孫﨑享 「戦後再発見」双書①『戦後史の正体』 孫﨑享 「戦後再発見」双書①
(2012/07/24)
孫崎 享

商品詳細を見る
占領期以降、日本社会の中に「自主派」の首相を引きずり降ろし、「対米追随派」にすげかえるためのシステムが埋め込まれている。


孫崎 享さんの本。

孫崎 享は、1943年生まれ。元外交官で、元防衛大学校教授で、評論家。親米派が主流の外務省出身者としては異色の論客である。2009年から2010年にかけての鳩山由紀夫政権時には、普天間基地代替施設移設問題を巡り、数多く登場した自称「鳩山ブレーン」の一人として盛んにメディアに登場した。  ウィキペディア

上記の、ウィキペディアの紹介はともかく、とても勉強になった。私は確かにすぐその気になってしまう性で、映画『ロッキー』を見た後は、家まで5キロの道のりを走って帰った。そんな私の言うことだけど、それでも立場を超えて、この本は読む価値があると思う。孫崎享がこの本の中で言うとおり、日本は戦後、常にアメリカに牛耳られてきたし、その度合いは今が一番ひどいのではないかとさえ思う。その内実を知る意味で、この本には読む価値があると思うのだ。この本の内容が、現在の著者の言動にどうつながっていくのか、よくわからないし、同意できないこともいくつもあるが、そういうところも距離を保って読めば、勉強になることも多い。

「おわりに」にこんな分類がある。読んだ人はどう感じるか。

(1)自主派
重光葵(降伏直後の軍事植民地化政策を阻止。のちに米軍完全撤退案を米国に示す)
石橋湛山(敗戦直後、膨大な米軍駐留費の削減を求める)
芦田均(米軍に対し、米軍の有事駐留案を示す)
岸信介(旧安保を改定。さらに行政協定―地位協定―の見直しをこころみる)
鳩山一郎(対米自主路線を唱え、ソ連との国交回復を実現)
佐藤栄作(基地としての沖縄の価値が高まる中、沖縄返還を実現)
田中角栄(米国の反対を押し切って、日中国交回復を実現)
福田赳夫(ASEAN外交推進。対米自主路線をめざす)
宮沢喜一(クリントン大統領に対しては対等以上の態度で交渉)
細川護煕(日米同盟よりも多角的安全保障を重視)
鳩山由紀夫(普天間基地の県外、国外移設と東アジア共同体を提唱)
kaiken25m[1]
(2)対米追随派
吉田茂(きわめて強い対米従属路線)
池田隼人(安保闘争以降、安保問題を封印し、経済に特化)
三木武夫(米国の嫌がる田中角栄追い落としのため、特異な行動)
中曽根康弘(「日本列島不沈空母」発言、プラザ合意を受け入れ円高基調受け入れ)
小泉純一郎(自衛隊海外派兵。郵政民営化などグローバリズム推進)
他、海部俊樹、小渕恵三、森喜朗、安部晋三、麻生太郎、管直人、野田佳彦
image[5]
(3)一部抵抗派
鈴木善幸(米国からの防衛費増額要求拒否、軍事協力は行わないと明言)
竹下登(金融面では協力。自衛隊の活動を世界に広げることには抵抗)
橋本龍太郎(長野五輪中の米軍の武力行使自粛を要求。「米国債を売りたい」発言)
福田康夫(陸自アフガン大規模派遣を拒否。破綻寸前米金融会社への融資に消極姿勢)
imageCAWH7QRZ.jpg

この本のような理解も必要だ。しかし、だからと言って著者が「鳩山ブレーン」として進めた‘自主路線’はあまりにも稚拙であった。‘あやふやな日本’のままの今、残念ながら私たちは単独航海に出るだけの力がない。ここにきて、あちこちで領土問題が噴出し、「すわ有事」観があおられて、アメリカのいいように誘導されていくことへの警戒感はもちろんだが、対支那問題は実態である。

確かに上記のような側面はあるのだが、人間は一元的ではない。上記のような決めつけが、歴史から学びとろうとする者の理解をある一方の方向に追いやってしまうのではないか。

追随外交と自主外交という視点で戦後日米関係を追いかける方法で、非常に有意義な理解を生み出していると思うのだが、人間を追随派と自主派に色分けすることにより、見失ってしまうことがあるように思われる。たとえば本書では吉田茂にかなりのページを割いている。そのすべてが追随外交への批判となっているが、吉田時代をそれだけで締めくくってしまっていいとは思えない。それを強引に追随派と自主派に色分けしてしまっているところに、著者がすぐれた分析をしていながら、自分を無理矢理でも自主派におかなければならない状況になってしまっているのではないだろうか。・・・考えすぎか?

日本が辿り着かなければならないのは、‘大東亜戦争の敗北’からの脱却。一度負けたくらいがなんだ。その最終局面が、アメリカからの離脱である。あまりにも遠い道のりだ。でも、第二期阿部政権の誕生がそのスタートになると信じる。彼が一時的に‘アメリカのポチ’に甘んずることがあったとしても、‘大東亜戦争の敗北’からの脱却につながる道であるならば、私はそれを支持する。逆に、そのくらいの腹芸が平然とできるようでなければ、日本のひとり立ちはいつまでたってもおぼつかない。


 
関連記事

テーマ : 日本を正常な国に戻したい
ジャンル : 政治・経済

コメントの投稿

非公開コメント

ありがとうございました



「《めんどくせぇことばかり》は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。」
よくお越し下さいました

イーグルス16

Author:イーグルス16

息も絶え絶えです、ぜひ応援してください


現代とはなぜこんなにも棲みにくいのか。
前近代から近現代へと変貌し続ける世相の本質をつかみ生き方の支柱を示す。
カウンター
カテゴリ
こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
最新記事