言葉って難しいよね 『言えないコトバ』 益田ミリ
![]() | 言えないコトバ (2009/08/26) 益田 ミリ 商品詳細を見る その言えないコトバとは放送禁止用語みたいなものではなくて、日常で、誰もがよく使っているコトバである。 |
自分のみならず、人が使うことまで含めて許せない言葉もあれば、人が使っているのはともかく、自分が使うには不似合いな言葉もある。次から次と生み出される新しい言葉。新しい言葉に飛びつくのはいいけど、古い言葉が捨てられるんだったら可哀想。結構、良く聞く言い回しだけど、場合によっては人を傷つけかねない言葉。
言葉には必ずイメージがともなう。それなのに、人によって抱いているイメージには違いがある。自分がとても恥ずかしいイメージをもっている言葉を平気で使う人を見れば、その人はともかく、自分が顔を赤らめてしまう。
例えば“パンツ”はズボン?下着?「素敵なパンツ」って、どこで見られたの?
「おあいそ・・・」なんて言うほど、飲み歩いちゃいませんよ。
「結婚しないんですか?」って、女性同士ならありえるんですか。男性から女性には当然聞けないし、男性同士で聞いたら、身体的欠陥に言及しているみたいに聞こえる。女性から男性にはあり得るような気がするけど・・・。
“カフェ”なんて使ったら、“喫茶店”が可哀想。でも“フランスパン”は大丈夫。“バゲッ・・・なんとか”って言葉は聞いたことないから。
世間が“孤独死”なんて言葉作って問題視した時には驚きましたね。現代の日本人は、一体どんな死に方がしたいんでしょうね。
たしかにそうだな、って感じさせられたのは「元気だけが取り柄です」って言葉。もし私との会話のなかで、この言葉を使う奴がいたら、二度と合わないな。彼(彼女)の唯一の取り柄さえ与えられない人は、世の中にいっぱいいるんだからね。どこも痛くないことが当たり前なんて、そうでない者にとって、とてつもなく羨ましい。憎たらしくなるくらい羨ましい。
考えこんだら言葉を使うことが怖くなる。考え出したらキリがない。この本の中にも、いくらなんでもこれは考え過ぎって部分は多々ある。たしかにそうなんだけど、それでもできるだけ敏感でいたいですね。で、できるだけ周りの人まで気持ちよくなってもらえるような言葉で生活したいですね。


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