めんどくせぇことばかり 『三種の神器 ---〈玉・鏡・剣〉が示す天皇の起源』
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『三種の神器 ---〈玉・鏡・剣〉が示す天皇の起源』

三種の神器 ---〈玉・鏡・剣〉が示す天皇の起源三種の神器 ---〈玉・鏡・剣〉が示す天皇の起源
(2012/12/04)
戸矢 学

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三種の神器は、本来的に、最高権威者の意義を示すに相応しい道具である。天皇が身につける、すなわち玉体に装着する。それが本来の姿である。

日本書紀、古事記に隠されたなぞを暴き、日本の歴史の真実に迫ることを目的とした本は決して少なくない。私はこれまで、関裕二氏の書いた本を好んで読んできたし、ブログの読者からは石渡信一郎氏の書いた本を強く勧められたことがある。

この本の著者、戸矢学氏は、『卑弥呼の墓』、『ツクヨミ』、『怨霊の古代史』、『ヒルコ』、『ニギハヤヒ』など、多くの関連書籍を発行している。この本の中でもこれら過去の著作に言及して、この『三種の神器』がそれらの集大成であることを思わせる。
    
三種の神器は、本来、天皇とともにあるものであった。にも関わらず、「同床共殿せよ」とアマテラスが言明した〈鏡〉は、伊勢神宮に遠ざけられている。〈剣〉も同様である。なぜそのような取り扱いになったのか。

崇神天皇の代、〈鏡〉はその神威を畏れて宮の外に遠ざけられた。その頃、疫病により民の過半数が死亡し、百姓は流離し、謀反が発生した。その“神威を畏れて”というなら、崇神天皇は“祟られた”ということだ。〈鏡〉は鎮座の地を求めてさまよい、最終的に伊勢、皇大神宮に納まった。

〈勾玉〉は、渟名城入姫に祀らせたが、やせ衰えて祀ることができなくなり、倭の直の長尾市という者に祀らせ、大和神社となったという。

〈剣〉は、おそらく〈鏡〉とともに伊勢神宮に預けられた。後に、伊勢斎宮の倭姫命から授けられたヤマトタケルが東征の後に亡くなる。そして〈剣〉の持つ呪力を抑えるために祀られたのが熱田神宮である。〈剣〉は一時、盗難の果てに宮中に戻るが、天武天皇に祟って熱田神宮に納められたという。
三種の神器1
“神器”というからには、その存在は特別である。だからこそ皇位の証とされ、玉体以上に尊重されてきた。その“神器”が皇統に祟るというなら、それはなぜか。その謎にこそ「天皇の起源」、「日本の起源」の本質が隠されている。それを探り出そうというのが本書である。

“記・紀の謎解き”はいくつも読んだし、不可思議な記述の背景に日本史の真実が隠されているというのは分かる。知的好奇心を高度にかきたてられて興奮するのだが、自分自身にその虚実を判断するだけの知識が完全に不足している。真剣に、記・紀や関連書籍の一言一句に神経をすり減らすだけの気力もない。浅く、広く、研究者の成果をなぞってそれに寄生しながら、取捨選択して理解を深めるしかない。まあ、悲観だけではない。なにしろこの上なくおもしろいのだから。

この本は、研究成果をなんとか現代の社会に活かそうとしている点がいい。“神器”は天皇とともにあるべきだという。『神器は祟らない。伊勢の本体も、熱田の本体も、宮中の本体も、祟ることはない。「祟った」との記録があるのは、その時の人間の受け止め方である。ましてや現今のように手厚く祀られている御霊代が祟る所以がない』と。

著者は最後に、『これらの事実は結論ではない。神器制定以前へのさらなる手がかりでもある。・・・ここまで論じたからには、次の段階では「縄文の神」と「弥生の神」の関係を考究しなければならないだろう』と述べている。次が読める。とても楽しみだ。


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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



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やられた本












































































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