めんどくせぇことばかり 国王殺しのパリで・・・ 『小説フランス革命 IX ジャコバン派の独裁』 佐藤賢一
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国王殺しのパリで・・・ 『小説フランス革命 IX ジャコバン派の独裁』 佐藤賢一

国王殺しのパリで・・・ 『小説フランス革命 IX ジャコバン派の独裁』 佐藤賢一国王殺しのパリで・・・ 『小説フランス革命 IX ジャコバン派の独裁』 佐藤賢一
(2012/12/14)
佐藤 賢一
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『人民の友』の発行者ジャン・ポール・マラー、『デュシェーヌ親父』の発行者ジャック・ルネ・エベール。教科書の文字面でしか知らなかった奴らが強烈な臭気とともにパリの熱狂を煽る。そしてロベスピエールは・・・

前巻のラストで、国民の父と呼ばれたブルボン朝ルイ16世は断頭台に消えた。フランス国民、特にパリ市民は自ら“親殺し”となった。“親殺し”の罰か、はたまたパリの空を覆うルイ16世の怨念か、革命は苦難にさらされた。プロイセン、オーストリア同盟は、イギリスの加盟と呼びかけで対フランス大同盟となってフランスを包囲した。さらに王党派・宣誓拒否僧に率いられたヴァンデの農民反乱は、さながら内戦と呼ぶに相応しい状態となった。

国民公会で多数を握るジロンド派は内外の危機に打つ手もなく、食料不足に怒りを強めるサン・キュロットとその代表たるジャコバン派の追い落としばかりに執心する。ジロンド派の無為無策。追い詰めようと逮捕したマラーとエベールを追い詰め切れず、結局自分の首を締めていく。いよいよロベスピエールが動く。一七八九七月十四日のバスティーユ牢獄襲撃、一七九二年八月十日事件に続く三度目の民衆暴動が一七九三年五月三十一日に発生した。ロベスピエールが望み、促した民衆暴動である。

物語の最後でダントンがロベスピエールに言う。

「おまえが言うなと返されるかもしれねえが、あの時とは事情が違う。今回は議会に銃を向けちまったんだよ。七月十四日も八月十日も、相手は専制君主だった。しかし今度の相手は人民の代表なんだ。どれだけ腐っていても、国民公会の神聖な議員なんだ。これを排除しちまったら、もう民主主義の理想もなにも無くなっちまう。」「ところで分かってるんだろうな」「分かっていねえはずはねえよな。ああ、今度のことで出来上がるのは、ジャコバン派の独裁なんだって」

こうしてロベスピエールは、民主主義を求めながら自らそれを押しつぶし、その先にある未知の世界に足を踏み出していく。すでにジャコバン派の派遣委員はフランス各地を飛び回り、革命裁判所、公安委員会と、“恐怖政治”の舞台は完全に準備されていた。

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本当に私はなにもわかってない。マラーもエベールも、教科書の文字面だけの理解しかなかった。こうでなけりゃ、この本のようでなけりゃ、サン・キュロットじゃない。なにしろ私の理解の中にあったマラーやエベールは、この肖像のイメージ。
マラージャン・ポール・マラー1 ジャック・ルネ・エベール1 エベール
「もしか偉そうな顔してたかもしれませんが、何を隠そう、俺っちエベール、今も糞がこびりついたままなんで、けつの穴が強烈に臭くってね」

「そんな糞もしてねえような台詞を吐いたら、サン・キュロットの魂に悖るよ」

「だったら、ケツの穴みたいに皺のよった、この猿面を見てくれや」
股ぐらの縮れ毛よりも薄くなった、この前髪の淋しさを見てくれや。こんなんで俺っち、まだ三十六でしかねえっていうんだぜ。そう一気に捲し立て、要するに自分は苦労人なのだと、貧乏も下の下の出なのだと、それがエベールの言い分だった。
これでこそエベール。汗と埃と垢と糞の匂いが混ざり合った異常な臭気の中に這いずりまわって生きてきたサン・キュロットこそが革命のエンジン。有産階級からは粗暴で無学の徒と侮られるが、彼らには彼らなりの知恵がある。だからこそ、彼らなりの見極め、進退がある。ミラボーもダントンもマラーも、それをよく理解していた。おそらくルイ16世も。

しかしこの後、革命はそれを知らないものの手に委ねられていくことになる。

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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