めんどくせぇことばかり 求めて生きるか、与えて生きるか  曽野綾子の本 文句あるか❢❢
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求めて生きるか、与えて生きるか  曽野綾子の本 文句あるか❢❢

ここのところ読んだ曽野綾子さんの本を三冊紹介する。すべて過去に掲載した記事を、加筆修正したものです。

まずは、『魂を養う教育 悪から学ぶ教育』

amazonのカスタマーレビュー
著者のさまざまな随筆から教育にかかわるエッセンスを抜きだし、一冊にまとめたもの。いずれの言葉も端的に確信を鋭くえぐり取った文章の集まりで、一気に読み終えた今、ちょっとゲップが・・・。

失礼しました。でも、正直、何かの片手間にペラペラっとめくったページを読んで、自分の子どもの、孫の顔でも見ながら、あるいはまた、来し方を思いおこしながらじっくり味わった方がよさそう。そして、どんな短い文章でも、その価値があります。

末っ子の子育ても、今まさに最終段階にかかった私など、自分の至らなさを教えられ、かつ恥じ、残された人生をどう生きるかをもって、またどう死ぬかをもって、これまで足りなかったことの幾分かでも伝えられればと、覚悟を決めた次第です。

日本は明治期の近代化、戦後の民主化(?)という、きわめて短い期間に二度にわたって歴史を失った。「父や母がそうしてくれたように、自分も子どもたちに・・・」人間の育成にとってもっとも基本的な、それすらできない状況が存在した。                                                                                                 事態は著者が考える以上に難しいことであるように、私には思える。だからといって放棄していいことではない。それは「日本」の喪失を意味する。すべての親は、また教師は、覚悟を決めてこう言おう。「世のため人のために生きよ」と、そのために「苦難を乗り越える力をつけよ」と。

続いて紹介するのは、『働きたくない者は、食べてはならない』
 
歯に衣を着せない発言で、ときに物議を醸すことがありますが、私は著者の曽野綾子さんの言っていることには大概納得しています。この方の“考え方”と言うよりも、“ものごとの捉え方”が、きわめて“まとも”と感じられるのです。私は「知命」をわずかに越えた若輩ですが、おそらく子供の頃に、著者が家族や周囲からしつけられたのと同じようなことを言われて育っているのではないかと思うのです。また、高齢者の身の処し方に関しても、死んだ祖父母や父母の様子を見てきた私には、著者の言われることはごく当たり前にしか思えないのです。

本書の中でも、「その通り!」と、少々鼻息を荒くしてしまうような幾つもの意見に出会うことができました。改正臓器移植法に関して「他人の命を救うという大事業は、人間としての光栄」、当時の麻生総理の靖国参拝見送りについて「国のために死んだ個人というものは、最大の礼を持って遇されるべき」なんて、まったくその通り。「郵便だけではない。日本の警察、鉄道その他、多くの公共機関とともに日本人が深く尊敬し、誇りにもし、ありがたく思うべき資質」という著者の考え方には、おそらくいろいろな意見が寄せられるところであろうが、こんな当たり前のことさえ分からなくなれば、それこそ日本の基盤が崩壊しかねない。

本書の題名になっている『働きたくない者は、食べてはならない』は、高齢者のことを言っているだけではないのだろうが。本書では他にも、いろいろな形で高齢者のことに触れている。著者が言うのは、「高齢者側にも覚悟が必要」ということで、いよいよ死に近づいているのだからあたり前のことなんだけど、“人間の尊厳を失う無様を晒してまで生きている必要はない”ということだと思う。自分の祖父母や父母のことで考えると、あの人たちには「幸福な人生を送る」という価値観がなかった。それが価値観になったことによって、世間はおかしくなったんじゃないかな。

3・11後の、WILLでの渡部昇一さんとの対談で、「放射線の強いところだって、じいさんばあさんを行かせればいいんですよ。何も若者を危険にさらすことはない。」という発言には、反発が多かったようだが、まったくその通り。国が腹をくくって一声かければ、そう思っていた年寄りはいっぱいいたと思う。

著者自身ご高齢だが、せいぜい養生して、世間に悪態をついてください。これからも楽しみにしている私です。


最後に紹介するのは、『国家の徳』
 
私は得てして“為に考え”、“為に論じ”、自分自身を迷路に追い込んでしまう。姥捨て山へと息子に背負われた老母が、帰りに息子が道に迷うことのないように手折ってくれた小枝のように、私は著者の話を手がかりに、真っ当な世間に帰ろう。

七十三もの話を集めたこの本の中で私が注目したのは、第一章『現実を見ないと「徳」を失う』の中の、「“無限の不足感”に捕らわれ続ける人々」と題する一話である。著者はこの中で“幸福”とは何かをこう語っている。
日本は世界でも有数の幸福な国だ。一日一ドルかそれ以下の収入で暮らす国民も多い中で、豊かな国と言わずにどうするのだ。

その状況を幸福と感じないのは、国民に人間としての一つの姿勢が、完全に欠けているからである。

それは国民の権利として要求する態度は教育で教えたが、同時に人間の尊厳として他人に与えることの大切さも教えなければならなかったのに、それをしなかったからだ。受けている間は人間は、無限の不足感に捕らえられる。しかし少しでも与える側に回れば、不思議なほど成熟し満ち足りた思いを知るようになる。

与えたりしたら損じゃない、と言う若者世代の、それこそ乞食根性を放置する限り、日本人の幸福度は、まちがいなく下がりっぱなしになるだろう。

なぜ私たちは、こうまで足りないものをあげつらうようになったのか。自分でそれを得る努力をするのならばともかく、与えられる権利を声高に叫んではばからない者も少なくない。その「当然の権利」をあなたがたに約束したのは“一体誰?”と聞いてみたい。最近は、国民におもねって、あえて“与えましょう”と約束して人気を得ようとする政党が政権を握る始末。世も末である。

著者は「他人に与えることの大切さを教えなければならなかった」と言うが、その通りである。そして「他人に与える」だけのものを、私達は十分に持っているのである。ないものを数えず、あるものを数えればいい。その“あるもの”を他人に与えることだ。「与えたりしたら損じゃない」と考える人たちを救う方法はない。飢餓感の中に一生をさまよい続けるしかないだろう。私たちは“誰かの役に立てている”という感覚なしに、満たされることなどあり得ないのだ。

「私たちは日本人として生まれた。それは偶然であるが、その偶然こそが私たちの運命であり、負うべき責任なのだ」という著者の考えにも共感できる。もしもその運命が、幸運であったと感じられるのであれば、それは先人たちのお陰であって私たちの問題ではない。私たちの後には、また同じ偶然から“日本人”という運命を背負った者たちが生まれてくる。彼らに対する責任を、私たちも果たさなければならない。大正生まれの多くの方々が、靖国で出会うことを約して、自らの身を戦場に散らしていったように。

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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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