めんどくせぇことばかり 分かりやすさ優先 『目からウロコの逆さま世界史』 島崎晋(その2)
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分かりやすさ優先 『目からウロコの逆さま世界史』 島崎晋(その2)

目からウロコの逆さま世界史目からウロコの逆さま世界史
(2013/01/25)
島崎 晋

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世界史ばなれを食い止める。読みだしたら止まらなくなる世界史。

本書は現代から徐々に過去にさかのぼる形式。第3章まで‘大航海時代’までさかのぼったので、第4章以降はそれ以前。一体化する前、一体化に向かう時代の世界史。
第4章 一体化する世界
33 英仏百年戦争の原因はノルマンの征服にあった
1337年、英仏百年戦争開始→1066年、ヘイスティングスの戦いによりノルマン・コンクエスト
34 フランスのカペー朝は棚から牡丹餅式に誕生した
1214年、カペー朝フィリップ2世がプランタジネット朝ジョン王をやぶる
→987年、権力争いのはざまにいたユーグ・カペーにフランス王位が転がり込む
35 十字軍を生んだ要因は気候変動にあった
1096年、第1回十字軍→11世紀中ごろ、気温上昇、農業生産力高まる。人口の爆発的増加
36 カノッサの屈辱は教皇グレゴリウス7世の心の傷に端を発していた
1077年、カノッサの屈辱→1046年、グレゴリウス7世の師6世は、ハインリヒ3世に退位を強制された
37 ムスリムの回族が中国全土にいるのはモンゴル帝国に起因する
2012年、支那少数民族駐最大の回族
→1271年に始まる元朝は漢字儒教文化に対向するためにムスリムを用いた
38 現在の中国文化のほとんどは宋王朝にはじまる
2008年、北京オリンピック→1200年、朱熹死去。朱子学、羅針盤、印刷術、火薬
39 東西教会分裂はローマ帝国の東西二分にあった
1054年、ローマ、コンスタンティノープル両教会首長が互いを波紋→395年、ローマ帝国東西分裂
40 ロシアに東方聖教が根づかせたのは、ヴァイキングの末裔である
988年、ノブゴロド国王ウラジミール、聖教に改宗→862年、ヴァイキングの一部族ノブゴロド国建国
41 中央アジアがトルキスタンと呼ばれるのはウイグル王国の滅亡をきっかけとする
940年、中央アジア最初のトルコ系国家カラ・ハン朝建国→840年、トルコ系ウイグル王国滅亡
42 アラビア科学隆盛の理由はササン朝にあった
1005年、カイロにダール・アル・イルム(知恵の館)解説
→531年、ホスロー1世学問奨励。ギリシャ、インド語からの翻訳

第5章 世界宗教の始まり
43 安史の乱の原因は権力者の保身にあった
755年、安史の乱→734年、皇帝遠縁の李林甫が科挙出身官僚を遠ざけたためソグド系安禄山登場
44 中国史上唯一の女帝は名君の後継者争いから生まれた
690年、則天武后即位→636年、太宗李世民皇后長孫死去から後継争い激化
45 コルドバの栄光は西ゴート王の好色が原因だった
756年、後ウマイヤ朝成立
→712年、イスラム軍本体ヨーロッパ上陸の背景にロドリーゴ王に娘を犯された守備隊長
46 シーア派の誕生はムハンマドの死をきっかけとする
680年、ムアウイヤから息子に世襲。アリーを支持するシーア派誕生
→632年、ムハンマド、後継者を決めずに死去
47 ゲルマン民族は375年以前にもローマ帝国領内に入っていた
375年、ゲルマン民族の大移動→166年、ゲルマン民族の一部が帝国領に侵攻。農奴、傭兵も。
48 三宗教の聖地エルサレムの歴史はイエスの処刑に始まる
661年に始まるウマイヤ朝が独自の聖地にエルサレム選択→30年頃、イエス処刑
49 市民による皇帝選出は初代ローマ皇帝に始まる
527年、ユスティニアヌス帝もプリンケプスを演出→前29年、プリンケプス・アウグストゥス誕生
50 コンスタンティヌス1世はキリスト教徒でもないのに公会議を主催した
337年、コンスタンティヌス帝、臨終間際に受洗
→325年、ニケーヤの公会議アタナシウス派。でもアリウス派でもどっちでもいい
51 三国志の動乱は宦官の跋扈に端を発する
220年、漢王朝滅亡→184年、外戚への切り札、宦官の跋扈で黄巾の乱勃発
52 紙の歴史は漢の文帝にまでさかのぼる
1023年、北宋で紙幣登場→前179年、蔡倫以前、前漢文帝墳墓から粗悪な紙発見

第6章 最初の支配者たち
53 内乱の1世紀の原因はポエニ戦争にあった
前132年、ティベリウス・グラックス殺害から内乱へ→前264年、第1次ポエニ戦争始まる
54 中国天下統一の基礎は始皇帝の6代前に築かれていた
前221年、始皇帝による中国統一→前359年、25代孝公に重用された商鞅が変法令公布
55 仏像はアレクサンドロスの東征によって生まれた
1世紀末、ギリシャ人支配層から成るバクトリア、北西インド支配→前334年、東方遠征始まる
56 アケメネス朝の衰退は後継者の反乱より始まった
前336年、ダリウス3世即位。時すでに遅し
→前600年頃、殺されるはずだったキュロス2世。衰退はダリウス2世后の子への偏愛 
57 ユダヤ人の離散はイスラエル王国の滅亡に始まる
135年、反乱鎮圧、エルサレムへの立入禁止→前722年、イスラエル王国滅亡
58 仏教の普及を後押ししたのは鉄器の普及だった
前232年頃、仏教を保護したアショーカ王死去→前800年頃、鉄器の使用、やがて鉄製農具として
59 ヒクソスによる支配がエジプトを世界帝国にした
前1479年頃、ヒクソスを撃退した18王朝にトトメス3世即位
→前1663年頃、アジア系ヒクソスによる第15王朝成立 
60 牛への崇拝はインダス文明にまでさかのぼる
2008年、ニューデリーで市内を徘徊する牛2万頭捕獲→前2000年代、印章の遺物から牛神聖視
61 アルファベットはヒエログリフから生まれた
前814年頃、フェニキア文字を駆使するフェニキア人がカルタゴ建設→前3200年頃、ヒエログリフ成立
62 バビロン繁栄のもとは最古の文明にさかのぼる
前604年、新バビロニア、ネブカドネザル2世即位→前3200年頃、メソポタミア文明成立

“35 十字軍を生んだ要因は気候変動にあった”

前半にも、“17 アヘン戦争の敗北はサツマイモとトウモロコシ、落花生の普及が原因だった”、“ 18 フランス革命は火山の噴火が原因で起きた ”と、 つまり「飯が食えるか」という問題から社会が動いていることに注目した項目があった。やはりこれが一番大きいのだ。飯を求めて人間が動く。それまでの領域を超えて、国境を超えて動く場合もある。“激動する歴史”の一こまである。無軌道に暴力的手段を行使しつつ動くか、ルールを作って秩序だって動くかの違いはあれ、これからもこういうことは起こるはずだ。

いかにルールを作ろうと“動き”には混乱がともなう。だからこそ、「みんな飯が食えているか」に興味を持たなくてはならないのだろう。そして「みんな」というのは、世界中の「みんな」でなければならない。

“面白いな”と思ったもの・・・。

41 中央アジアがトルキスタンと呼ばれるのはウイグル王国の滅亡をきっかけとする
42 アラビア科学隆盛の理由はササン朝にあった
48 三宗教の聖地エルサレムの歴史はイエスの処刑に始まる
50 コンスタンティヌス1世はキリスト教徒でもないのに公会議を主催した

41,42のように、大陸の東から西へ、アジアには力がある。“陸から海へ、海から空へ”というが、人間が生きるのは“陸”だ。“陸”の力をもう一度活用すべきだ。

48,50にあるように、宗教ってったって、そん時そん時の都合で動いてきたんだ。今には今の都合がある。それら以前の宗教だって、その時その時の“今の都合”に懐を開けなかったからこそ取って代わられたんだ。

58 仏教の普及を後押ししたのは鉄器の普及だった

ブッダ、孔子、老子、ソクラテス、プラトン、アリストテレス・・・。なぜ似かよった時代に、後の世界に大きな影響を与える新思想家が登場したのか。・・・つきつめれば、やっぱりこれも“メシ”ってことになるよね。

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おはようございます。一匹狼・リョウタです。確かに、十字軍の背景は、大学か何かで、聞いたことがあります。なるほど、と思いました。確かに、耕す土地、とれる作物以上の人が増えたら、新しい土地が必要になりますからね。そして。そこで、必要とされるのが、大義名分(エルサレムを取り戻す)ということだと。久しぶりに、世界史関連の書物、読んでみたくなりました。

ありがとうございました



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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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