めんどくせぇことばかり 『出雲と大和-古代国家の原像をたずねて』
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『出雲と大和-古代国家の原像をたずねて』

出雲と大和――古代国家の原像をたずねて (岩波新書)出雲と大和――古代国家の原像をたずねて (岩波新書)
(2013/01/23)
村井 康彦

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大黒さんとも呼ばれて民間に親しまれてきた大国主神信仰の背景には・・・

「本書は、写真もふくめて、大国主神(大名持命・大物主命)や出雲系の神々を求めて各地に出かけ現地を訪ねた旅の軌跡であり、その間に思い描いた古代史の原像である」

なぜ、大国主はじめ、大和朝廷以前の神々が、全国の神社に祀られているのか。本拠地大和においてさえそうである。それが、著者の探求の動機だったそうだ。

そう著者が言うとおり、まるで神社を訪ねての“旅の軌跡”。私にはその“古代史の原像”が、著者ほどにははっきりと像を結ばない。神社の格式、性格に関わる知識、それ以上に古代史に関わる知識そのものが足りないんだな。それでもつまらないってわけじゃなくて、興味深く、面白いところもたくさんあった。以下に項目をあげるけど、読み終わってから見なおしてみると、第二章と第三章は、結構興奮したな。 

序章 三輪山幻想

第一章 出雲王国論
  1 大国主神の分身たち
  2 磐座祭祀をたどる
  3 『出雲国風土記』の地政学
  4 四隅突出墓をたずねて

第二章 邪馬台国の終焉
  1 北九州の古代遺跡を歩く
  2 邪馬台国はどこにあったか
  3 邪馬台国と大和朝廷
  4 邪馬台国の終焉
  5 「神武東征」説話

第三章 大和王権の確立
  1 「国譲り」とは何だったのか
  2 伊勢神宮の成立
  3 出雲系諸氏族の動向
  4 出雲系葛城氏の動向
  5 大和王権と吉備

第四章 出雲国造 その栄光と挫折
  1 国造の世界
  2 「神賀詞」奏上
  3 熊野大社
  4 出雲国造の本拠
  5 出雲大社はいつ創建されたか
  6 国造家の歴史に陰り

終章 再び惣社へ 

以下は覚書

出雲王国の領域
四隅突出墓が発見されている出雲から北陸、富山にかけた日本海沿岸。さらに播磨、近江、大和と言った近畿地方から紀伊、美濃、尾張ときて、信濃を東限とする。
四隅突出墓
邪馬台国に向けて日本海ルート
不弥国から「南へ」を「東へ」に置き換えて、水行二十日投馬国。この時、瀬戸内海に入らずに日本海沿いに進んで、出雲あたりを投馬国と考える。さらに水行十日で丹後久美浜湾に上陸し、南に向けて陸路を一ヶ月で、邪馬台国は大和国。このルートは出雲王国の拡大に一致し、こう考えていくと邪馬台国は出雲系の連合王国か。

邪馬台国は大和朝廷とは無縁
ただし、この本では邪馬台国と大和朝廷の連続性はないという。確かに記紀にはヒミコは全く出てこない。大君家の皇統譜にのせることの出来る人物ではなかったということになる。

神武東征
その最後の障壁となった畿内勢力は出雲系で、同時に饒速日にもつながる。饒速日が一方的に神武との戦いを避けた様子は大国主の“国譲り”を連想させる。物部、海部、尾張、和珥、伊福部、鴨、葛城らがそれにあたる。一時は権勢を誇った葛城氏、葛城氏からでた蘇我氏は没落するが、出雲、海部、尾張、物部は衰退するものの長く血統を伝えた。

自分のような門外漢には、読んで著者の狙い通りの理解が得られるわけじゃない。でも、やっぱり面白い。推理小説の比じゃないな。同じような本に接していけば、もっと面白くなるだろうな。

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テーマ : 歴史関係書籍覚書
ジャンル : 本・雑誌

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こんばんは

古代史はよくわからないから面白いのでしょうね。
仮説、仮想、想像力の世界でもあります。記紀も正史なのか稗史なのか、という読み方もあります。歴史学としても、新たに木簡でも発掘されれば、これまでの定説が一日にして覆るかもしれない、という危うさ、我ら読書人としては喜びでもありますが。

ちなみに、私めはこの書を読んではおりません。だども、ご意見など書き込んでしまいましただ。スルーしてください。

うさぎ屋 様

コメントありがとうございます。

神社の格式や、記紀そのものについても、さほど詳しくもありません。
その上、わからないところは読み飛ばしてるもんですから、本来、ブログになにがしかを書くのも恥を承知の上という状態です。
それでも多くの方の書いた異なる考えのものを読んでいると、それなりにその時代に共通する輪郭みたいなものが立ち上がってくるような気がしています。

イデオロギーありきって感じのものもありますけどね。

ありがとうございました



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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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