めんどくせぇことばかり 『言霊 大伴家持伝』 篠崎紘一
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『言霊 大伴家持伝』 篠崎紘一

『言霊  大伴家持伝』 篠崎紘一『言霊 大伴家持伝』 篠崎紘一
(2013/02/01)
篠崎 紘一

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言葉には宿る霊妙な力を“言霊”という。
『敷島の大和の国は言霊の助くる国ぞ ま幸くありこそ』

万葉集は大伴家持によって編集されたという。

大伴氏。

古代日本有力氏族の一つで、なんとその血筋は天孫降臨の時に先導を行った天忍日命にまでさかのぼる。大伴とは、“大きな伴造”と考えていいのだろうか。だとすれば天皇に奉仕する巨大勢力であったのだろう。物部氏と並んで軍事を司る氏族とされているが、上記の意味では、国軍と言うよりも“近衛師団”に近い氏族。さらに“言霊”とは軍事を担う彼らにとって鉾や盾以上の実力だっただろう。

万葉集にも取り上げられる『海行かば水漬く屍 山行かば草生す屍 大王の辺にこそ死なめ かへり見はせじ』は、もともと大友氏に由来する歌である。もとになる歌は『海行かば水漬く屍 山行かば草生す屍 大王の辺にこそ死なめ のどには死なじ』といったらしい。749年、陸奥カラの黄金の産出を祝って褒章が行われた時、大伴家持が“・・・かえり見はせじ”と変えたものが万葉集に残った。

やはり天皇直属の近衛師団ですね。そう捉えることにより、この物語はうんと理解しやすくなる。

平城京の時代を通して戦われた政争。大伴氏は、常にその渦中にあった。父の旅人は長屋王との関連を問われて大宰府に左遷。奈良麻呂の変では従兄弟の古麻呂が拷問死している。家持自身藤原仲麻呂暗殺計画への関与を問われて左遷され、さらに藤原百川に担がれた桓武が即位すると氷上川継の乱への関与を問われて再び左遷の憂き目に合う。それでも家持は、藤原氏、さらには桓武の抵抗勢力として時代を生き抜いた。称徳天皇も、井上内親王も、他戸皇太子も、早良皇太弟も、家持は守ることは出来なかった。それでも常に、権力者に対する最大の抵抗勢力として存在し続けた。守れなかった者達、怨みを飲んで死んでいった者達の側に身を起き続けた。

万葉集にはそれらの者達の歌が、多く収録されている。天皇、貴族各層はもちろん、庶民、女人の歌までが納められ、さらには罪人の歌までが収録されているのである。その意味では古今東西に唯一の歌集であろうし、明らかに鎮魂の歌集である。歌に通じ、言霊に通じ、あらぬ罪で葬り去られた者の怨みに寄り添ってきた者。やはり、大伴家持以外には考えられない。

   今これが一番良いらしい

  


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アンニョンハセヨ~!

余談ながら・・・・
藤原氏興隆とともに大伴家は滅亡します。大伴一族でも大伴姓を名乗らずに伴と名乗る人が薩摩に野太刀自顕流を伝えました。

「武士道」は大伴、物部氏の時代の「もののふ」までさかのぼるべきだ、と私めは思うにいたりました。弓を持ち、太刀を携え、帝をお護りした人々を。

うさぎ屋 様

つながりますね~。

藤原氏が食いつぶしていった日本を、「もののふ」が立て直していく。

それにしてもタイトルが‘笑韓派’っぽいですね。

ありがとうございました



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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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