めんどくせぇことばかり ディープな王たち 『教科書では学べない 世界史のディープな人々』
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ディープな王たち 『教科書では学べない 世界史のディープな人々』

スパルタ王レオニダスの気骨 
レオニダス紀元前480年、テルモピレーの戦いに火ぶたが切って落とされる。クセルクセス率いるペルシャの大軍にレオニダス率いるスパルタ軍が立ち向かう。スパルタ精鋭三百。友軍を加えても数百の小部隊がペルシャの大軍を足止めした。出陣に際し彼は妻に「神託では自分の死は避けられないから、よい夫を見つけて再婚し、子どもをたくさん設けるように」と言い残した。
酒池肉林に明け暮れた少年皇帝
エラガバルスカリグラ、ネロ、ドミティアヌス・・・。アブノーマルで残忍なローマの皇帝のなかでも、エラガバルスの名はあまり知られていない。二一八年に即位したエラガバルス。資料にはこうある。「皇帝は密偵を派遣し、巨根の男を探させて、宮廷につれてこさせ、情事を楽しむことしかしなかった。(宮廷で芝居を演じ)突然、服を足もとに落として全裸になり、片手を胸に片手を陰部に当ててひざまづき、背徳漢に向かって尻を突き出し、腰を前後に動かした」(『ローマ皇帝愚帝列伝』)
赤髭王伝説
バルバロッサ神聖ローマ帝国と呼ばれながらも諸侯の独立性が高く混沌とするドイツ。赤髭王(バルバロッサ)と呼ばれたフリードリヒ一世は、そんな中世ドイツに統一をもたらしてくれる存在と期待された。バルバロッサはイタリアに皇帝の覇権を確立することに力を尽くした。しかし、英仏で王権が確立されていくのとは裏腹に、バルバロッサが留守にする間にドイツの分裂は決定的となってしまった。彼は、一一八九年、十字軍の遠征中に不慮の死を迎える。しかし例外的に民衆に愛された彼は、伝説となる。「やがてバルバロッサは復活し、ドイツを救済する」と。一九四一年六月二二日、ヒトラーによるソ連侵攻作戦は「バルバロッサ作戦」と呼ばれた。
地獄に落とされた教皇
ボニファティウスコンクラーベの駆け引きで、たまたま担ぎあげられた教皇ケレスティヌス五世。ベネディクト十六世の生前退位は七百年ぶりと話題になったが、七百年前の生前退位がこの人。ただし、ケレスティヌス五世の退位は、次のボニファティウス八世に引きづり降ろされたものだった。野心家ボニファティウス八世は精神的に前教皇を追いこんで退位させ、自らが取って代わった。そしてあらゆる権力に優越する教皇の権威を夢見た。しかし、時代は変わり、フランス王フィリップ四世と対立した彼は、アナ―二事件で追い詰められ、二週間後に呪詛の言葉を吐きながら憤死した。
カンタベリー大聖堂の惨劇
トマス・ベケットプランタジネット朝の始祖となったヘンリー二世。二エシダ(プランタジネット)を家紋とするアンジュー家はカペー朝フランス国王の家臣にしてイギリス王となった。王の腹心トマス・ベケットは、やがてイギリス国内のキリスト教世界を管理統制しようとする国王と対立した。ベケットがカンタベリー教会大司教の座につくと、彼は国王の意を体した家臣によって殺される。カンタベリー大聖堂内での惨劇だった。惨劇から三年たった一一七三年、トマス・ベケットは聖人に列せられた。彼の血を拭き取って真っ赤に染まった布は、教会の聖なる旗として祀られた。(写真はベケットの殺された位置を示す槍)
キャロライン王妃事件
キャロライン近代イギリス史上最も法党な国王ジョージ四世。既婚の婦人に手を出して愛人として放蕩三昧。一七九三年、彼の借金は40万ポンドに達し、国王の年間宮廷歳費83万ポンドの半分がその返済に充てられた。いまだ、皇太子時代の話である。彼に嫁いだのがキャロライン王妃である。しかし彼女は夫から疎んぜられ、遠ざけられた。ジョージ四世は即位してからも、キャロラインに‘王妃’を名のることを許さなかった。離婚承認の法案を議会に提出したり、キャロラインの不倫を立証するために証言者に偽証を求めたりした。国民は王妃に同情的であった。ジョージ四世の戴冠式では、国民の「王妃万歳」の声が響いた。ヘンリー八世の時代と違い、産業革命と自由主義の時代、皇室スキャンダルは大衆の耳目を集めた。この時期から皇室にあり方にも変化が表れていく。ダイアナ妃の悲劇を思い出すな。
首はどこへ行った?
アンリ4世フランス革命が終わりルイ十八世の時、ミイラ化したアンリ四世の遺骸から首が亡くなっていることが発覚した。墓を暴くのに立ち会った人物は分かっている。アレクサンドル・ルノワール、革命政府の美術監督だ。革命戦争で弾丸の不足したフランスは、サン・ドニ大聖堂の王室の墓所を暴いた。棺に使われていた鉛を使うためである。遺骨は共同墓地に埋葬された。ルイ十八世が、それをサン・ドニ大聖堂に戻そうとしたところ、アンリ四世の首の紛失が発覚したわけである。一九一九年パリ古美術品競売上にこの首が出た。二〇一〇年、首は鑑定を受け、頸動脈をさされて死んだアンリ四世の刺し傷と一致した。
皇帝になりそびれた男
ブーランジェドイツ統一を最後まで阻んだフランス。ナポレオン三世のフランスをやぶって、ドイツ統一は成し遂げられた。ヴィルヘルム一世の即位式はヴェルサイユ宮殿で行われた。ドイツへの復讐。これ以降、フランスの政治を動かす原動力の一つとして、これが大きな意味を持つようになった。そんな状況を背景にフランス軍隊内で着々と地位をあげていったのが、ジョルジュ・ブーランジェだった。アルジェリア、インドシナ、パリ・コミューン、それぞれの戦場でけがをするたびに、彼は出世した。立ち回りも上手な彼は、国民からの人気を背景に陸軍大臣に就任する。アルザス・ロレーヌをめぐるドイツのいさかい(シュネブレ事件)も、自然と彼の手柄として転がり込んだ。人気ゆえである。グレヴィ政権崩壊後、パリ・コミューン弾圧の張本人フェリーの大統領就任がうわさされると、急激にブーランジェのクーデターへの期待が高まった。しかし、彼はベルギーに逃げた。最愛のボヌマン夫人と共に・・・。「あの方のいらっしゃるところならば、たとえどちらへでも私はお供します。私の命を捧げたのでございますから。あの方はお好きなところへ私を連れていらっしゃれたし、どう私をなさろうがご勝手だったのでございます」

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鶴岡 聡

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でも、こういう‘人々’を学ばなきゃ、世界史なんて面白くないよなぁ。

  

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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