めんどくせぇことばかり ディープな戦 『教科書では学べない 世界史のディープな人々』
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ディープな戦 『教科書では学べない 世界史のディープな人々』

ローマを撃破した完璧な一戦
ハンニバル前264年、シチリアの領有をめぐってカルタゴとローマは激突した。ポエニ戦争の開始である。第1次ポエニ戦争に敗れたカルタゴが敗戦の恥辱に耐え雌伏している頃、カルタゴ将軍ハミルカル・バルカの長男としてハンニバル・バルカ(前246~前183)が生まれた。前218年、ハンニバルは5万の兵士を率いてピレネー山脈を越えた。第2次ポエニ戦争の開始である。前216年、ハンニバルはカンネーの戦いで数的優勢を誇るローマ軍を撃破した。騎兵を有効に使った見事な戦術だった。結局、ポエニ戦争はローマの勝利に帰結する。ローマは地中海を「われらの海」とし、帝国への道を一気に突き進む。そんなローマ人にとってもハンニバルの名は畏敬と恐怖の対象であり続けた。親たちは言うことを聞かない子供たちを行為って脅すのだ。「悪いことをするとハンニバルに連れて行かれちゃうよ」

ジェントルマンの国も千年前は無法地帯
ノルマン・コンクエストノルマンディー公ウィリアムによるノルマン・コンクエスト。それを決定づけた戦いがヘースディングスの戦いであった。それまで、イングランドは民族移動に翻弄され続けた。先住ケルト人を征服しつつアングロ・サクソン人が移動してきたのが5世紀前半。その後の7王国時代を統一したウェセックス王エグモントがイングランド王国を建てたのが9世紀。今度はノルマン人ヴァイキングが荒らしまわる。アルフレッド王はデンマークを本拠とするデーン人を撃退し、カトリックに改宗させて大王と呼ばれる。しかし、1016年には結局デーン朝が成立する。サクソン人はエドワードを王としてイングランドを復興する。そしてノルマン・コンクエストである。

ムッソリーニに敗北した詩人
ダヌンツィオガブリエーレ・ダヌンツィオは、第一次大戦後の混迷するイタリアに現れ、イタリア人の国家意識を高揚させた。南チロルとアドリア海沿岸の、いわゆる「未回収のイタリア」を餌に、第一次大戦に引きこまれたイタリアは、結局お預けを食わされた。ダヌンツィオのパフォーマンスはイタリア国民を熱狂させた。「もしことならずば、イタリアとフィウメの間に、血に染んだわが屍が永久に立ちふさがるであろう❢」・・・彼はどこまで言っても詩人だった。1924年、ムッソリーニはやすやすとフィウメを併合した。

ワールシュタットの戦い
ワールシュタットバトゥ遠征軍が1236年に遠征開始。ワールシュタットの戦いが1241年。“ワールシュタット”とは「死体の山」の意味である。
モンゴル軍はそんなにも残虐だったか。交易はもとより、文化交流への貢献ははかり知れないモンゴル人は、遠征に関しても慎重に事を運んだ。謀略工作はもちろん、兵站の確保や諸部族の調整には神経を使った。出来る限り戦う前に敵が崩れるか、自然になびいてくるよう仕向けたという。キリスト教を信仰しない異教徒に支配される彼らは、その悔しさをモンゴル人は残忍だと決め付けることによって、紛らわしたのだ。
 

戦争にまで発展したサッカー試合
サッカー戦争1969年7月、中米のエルサルバドルとホンジュラスの間で実際に戦争が勃発した。「おろかな戦争」の代名詞のように“サッカー戦争”と呼ばれるが、背景にはスペイン時代からの負の遺産があった。「アシエンダ」と呼ばれる大農園経営がそれである。極少数の者が大農園を経営し、現地農民は小作、あるいは農奴と呼ばれるに相応しい境遇に甘んじた。農地の狭いエルサルバドルの農民が比較的余裕のあるホンジェラスに不法移民として流れ込み、両国の懸案となっていた。W杯予選の試合は対決のきっかけになったに過ぎない。双方合わせて2000名の死者。両国の規模からすれば、驚くべき数字である。

ヒトラーの師
エッカートディートリヒ・エッカート。ヒトラーが“悪魔”のように言われるその多くは、エッカートから引き継がれたものだった。「・・・復讐の雷鳴の中で激しく、激しく荒れ狂わねばならぬ。鐘打ち鳴らして死者たちを墓穴から呼び起こせ❢ドイツよ目覚めよ、目覚めよ❢」ナチスの標語として利用されたこの言葉こそ、エッカートのものである。「奴ら(=ユダヤ人、共産主義者)が国を乗っ取りに来る」という強迫観念に突き動かされて書いたものだ。エッカートの人脈と政治的直観は、全てヒトラーに預けられた。エッカートこそがヒトラーという怪物を怪物たらしめた真の怪物であった。


教科書では学べない 世界史のディープな人々教科書では学べない 世界史のディープな人々
(2012/08/01)
鶴岡 聡

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でも、こういう‘人々’を学ばなきゃ、世界史なんて面白くないよなぁ。

 

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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