めんどくせぇことばかり ディープな拓 『教科書では学べない 世界史のディープな人々』
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ディープな拓 『教科書では学べない 世界史のディープな人々』

生き急いだ天才数学者
ガロアエヴァリスト・ガロアは、1811年、パリ南郊に生まれた。王党派のアルトワ伯に押されっぱなしのルイ18世復古王政。アルトワ伯が跡を継ぎ、シャルル10世となってからは反革命の嵐が吹き荒れた。両親のもとに自由な教育を受けたガロアにとっては不遇の時代であった。7月革命によってオルレアン公ルイ・フィリップが王位につくが、まもなく「株屋の王」と呼ばれるようになった。ガロアの学問は、常に政治活動とともにあった。にも関わらず、時代の標準を軽く飛び越えた。加藤文元は『ガロア 天才数学者の生涯』にこう書いている。「ガロアは代数方程式論をつうじてまったく新しい音楽を聴きだしていた。・・・しかし、ガロアの音楽はそれらのどの(古典的な)形式によっても表現できない種類のものだったのである。」・・・彼の理論は、まだだれも理解できなかったのである。

幻視に天国をみた修道女
ヒルデガルトヒルデガルトは1098年生まれ。病弱のため、幼くしてライン川中流のマインツから30kmほど南にある修道院に預けられ、のちに修道院長となった。『スキヴィアス』にある彼女の幻視が始まったのは、1141年であったという。“・・・なにか大きな、鉄色の山のようなものを見たその上に栄光の輝きに目がくらむほど光まばゆいものが君臨していた。この君臨者の両方からくすんだ影のように、幅も長さも驚異的な翼のようなものが生えていた。・・・”彼女自身あまりにも悪魔的な幻に恐れおののいた。カタリ派やアルビジョア派などの活動が活発化し、異端審問も行われた時代、彼女の幻視は危険であった。しかし、教皇エウゲニウス3世はヒルデガルトの幻視力を祝福した。『スキヴィアス』、『自然学』、『病因と治療』などの書籍、また彼女の作曲したおびただしい宗教曲が後世に残された。

場末のワルツ
古い権威に反抗し、古典理論の禁じ手を平然と無視して音楽に新しい地平を開き、その新しい響きは当時の音楽界からは異端視されたというドビュッシー。そのドビュッシーがエリック・サティーにこう言ったそうだ。「君は形式の感覚を持つべきだ」・・・最大限の賛辞としか言いようが無いだろう。場末のキャバレーのピアニスト。彼のめざした音楽は、聞き流しの出来る、周囲の雑音に加わって、その分を計算に入れて作られている家具ような音楽だったという。そう言えばこの“ジュ・トゥ・ヴー”まさしくまわりに溶け込んで・・・

妻の名声に隠れた男の気迫
キュリー夫妻ピエールの父は開業医で、2月革命ではバリケードで戦い、パリ・コミューンにおいてはコミューン側の戦医を務めたという。確かに伝記で読んだのは『キュリー夫人』だった。夫人であるマリー・キュリーの方が有名なのは間違いない。しかし、夫のピエール・キュリーも1度目のノーベル賞受賞の時は夫妻とアンリ・ベクレルの共同受賞だったし、この研究は、それまで最小単位とされていた原子が変化することを突き止めた物理学のパラダイム転換だった。ピエール・キュリーの業績自体偉大なものだ。夫人の2度目の受賞も、ピエールとの共同研究なしにはありえなかっただろう。

封印列車の旅
レーニンウラジーミル・イリイチ・イリヤーノフ・レーニン。確かに孫文よりはマシだ。しかし、人類史に共産主義という大きな汚点を残したことは間違いない。スターリンの独裁は彼の死後のことではあっても、共産党独裁がスターリン独裁を招いたのは必然だった。社会民主労働党のプレハーノフ(メンシェヴィキ)とならぶ理論家であるレーニン(ボリシェヴィキ)。1917年の3月革命当時はスイスのチューリヒで亡命生活を送っていた。同志の努力でドイツの通行許可を得、祖国へに向かうレーニン。ペテログラードの駅で、彼は群衆の「ウラー❢」の声に迎えられた。ちなみに今でも薬漬けで遺体を保存されている奴ら・・・レーニン、孫文、毛沢東、金日成、金正日、ホーチミン


教科書では学べない 世界史のディープな人々教科書では学べない 世界史のディープな人々
(2012/08/01)
鶴岡 聡

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でも、こういう‘人々’を学ばなきゃ、世界史なんて面白くないよなぁ。


 

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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