めんどくせぇことばかり 世界史関係の本を読んでみた
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世界史関係の本を読んでみた

ここのところ、世界史関連の本を三冊読んだけど、それぞれ特色があって、まあまあ良かった。ちょっと特徴をまとめておきます。

世界の歴史は高校世界史で十分 『やりなおし高校世界史: 考えるための入試問題8問』 津野田興一世界の歴史は高校世界史で十分 『やりなおし高校世界史: 考えるための入試問題8問』 津野田興一
(2013/01/09)
津野田 興一

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世界の歴史は「高校世界史」で十分。
現代世界における諸問題を理解するなら、高校時代の世界史の教科書を読めばいい。
有名大学の、入試における世界史の論説問題を紹介。特に、現代世界の諸問題を理解するためには、「高校世界史」の教科書を読み込むことは大変有効であり、その知識で十分対応できるほど、「高校世界史」のレベルが高いことを証明している。

たしかにそのとおり。「高校世界史」のレベルはものすごく高い。ただし、それだけに高校の授業という枠の中で学ぶことがきわめて難しくなっている。よって、数多くの“世界史嫌い”が作り出されるという事態も発生している。この本は、そういった問題には触れない。

当時書いた記事
だけど、『高校世界史』からここまで読み取る事が出来るのはごく一部の学生だけで、大半はとてもそこまで至らない。一般の方も、自分が高校時代に使っていた教科書を読み込んでいけばここまで世界認識が広がるということはご存じなかった方が多いと思う。そして、『高校世界史』にそこまで求めなくてもいいのではないか、と思われるのではないだろうか。

私もそう。なぜここまでやるのか。やる必要があるのか。そう思う。

世界史は、・・・というより、歴史は面白い。それを教えたい。historyは“歴史”と同時に“物語”。「覚えればいい」と、最初からそう思い込んでいる学生の認識を変えたいのだが、これが難しい。だから、歴史をあえて物語りとして伝えたい。物語を伝えないと学生には響かないと思うのだ。

現状で、著者の先生の姿勢は正しい。本書で、「もう一度、高校の時の世界史の教科書を読みなおしてみよう」と考える一般の方があれば、これはとても素晴らしい。


教科書では学べない 世界史のディープな人々教科書では学べない 世界史のディープな人々
(2012/08/01)
鶴岡 聡

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でも、こういう‘人々’を学ばなきゃ、世界史なんて面白くないよなぁ。

その点、この本は面白い。歴史にも名を残す人物のエピソードを綴れば面白いに決まっている。誰をとっても、一本の映画として十分見応えがあるだろう。レオニダスはもう映画になってるし、“デカブリストの妻たち”なんていうのも面白そう。中世のヨーロッパのおどろおどろしい世界が多く取り入れられているのもいい。フランス革命から“戦争と革命の20世紀”も面白い。でも、面白さを感じるためには知識が必要だ。面白さを失わずに基礎知識をつけるにはどうしたら良いか。それが問題なわけだな。

もう一点。著者の歴史観はたいへん常識的であると感じた。常識的という言葉は当を得ていないかな。キリスト教の捉え方や、ロシア革命の捉え方に、なんとなく、“戦後民主主義教育”における良識的歴史観の香りを感じるんだけど・・・。

目からウロコの逆さま世界史目からウロコの逆さま世界史
(2013/01/25)
島崎 晋

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世界史ばなれを食い止める。読みだしたら止まらなくなる世界史。
この本は、できごとの因果関係を重視することにより、単なる記憶ではなく、知識と知識を関連づけることによって、学ぶものの興味を持続させると主張する。確かに面白い。これを続けていくことで、やがて核融合反応が起こり、個別の知識が幾つもの触手を出してつながりあって一つの歴史観へと昇華する。射精時の快感にも似た達成感を感じる瞬間である。もちろんさらに学習を続けることにより、それがいかに底の浅いものであったを知ることになるのだが・・・。この方法なら、面白さを失わずに知識を習得できる。でも、結構言い古されたことが多かったけど、・・・贅沢を言うのはやめよう。

当時書いた記事
17 アヘン戦争の敗北はサツマイモとトウモロコシ、落花生の普及が原因だった
18 フランス革命は火山の噴火が原因で起きた
22 「君臨すれども統治せず」の伝統は国王ジョージ1世の無気力にはじまる
24 スペインの経済破綻はレコンキスタが原因だった

歴史は詰将棋と違って、思わぬところで思わぬ展開を見せる。まさしく‘塞翁が馬’。さらに‘人’が絡んで不規則性を高め、予想外の展開となる。上記の4項目はまさしくそんな展開。教科書の内容と整合性をつけていけば、実際に面白い授業になっていくと思う。もちろん、他にも使える項目は数多いが、すでに真新しさに欠けるものも含まれる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
35 十字軍を生んだ要因は気候変動にあった

前半にも、“17 アヘン戦争の敗北はサツマイモとトウモロコシ、落花生の普及が原因だった”、“ 18 フランス革命は火山の噴火が原因で起きた ”と、 つまり「飯が食えるか」という問題から社会が動いていることに注目した項目があった。やはりこれが一番大きいのだ。飯を求めて人間が動く。それまでの領域を超えて、国境を超えて動く場合もある。“激動する歴史”の一こまである。無軌道に暴力的手段を行使しつつ動くか、ルールを作って秩序だって動くかの違いはあれ、これからもこういうことは起こるはずだ。

いかにルールを作ろうと“動き”には混乱がともなう。だからこそ、「みんな飯が食えているか」に興味を持たなくてはならないのだろう。そして「みんな」というのは、世界中の「みんな」でなければならない。

「高校世界史」は、余りにも充実しすぎている。ここまで細かい知識は、大学に進んで、世界史を専門とするものがやればいいと思えるものがたくさんある。やっぱり大胆に精選すべきだと思う。ただし、宗教に関しては、日本の「高校世界史」は淡白過ぎる。突き詰めていけば宗教に行き当たることは、ほんとうに数多くある。例外を探すほうが難しい。その割に、「高校世界史」における宗教からのアプローチは弱い。この点、きわめて不十分だ。これらの本でも、そのことには触れられていなかった。

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テーマ : 歴史関係書籍覚書
ジャンル : 本・雑誌

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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