めんどくせぇことばかり 『未完のファシズム: 「持たざる国」日本の運命』 片山杜秀(その一)
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『未完のファシズム: 「持たざる国」日本の運命』 片山杜秀(その一)

『未完のファシズム: 「持たざる国」日本の運命』 片山杜秀『未完のファシズム: 「持たざる国」日本の運命』 片山杜秀
(2012/05/25)
片山 杜秀

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時代が下れば下るほど、日本人はなぜ神がかっていったのか。

『未完のファシズム』?たしかに日本は、東條英機体制においてさえ確固たるファシズム体制を構築していたわけじゃないけど・・・。一体何が書かれている本なんだろう。内容に確信が持てないもんだから、ついつい後回しにしてた本。読み始めてビックリ。この本が、こんな切り口から“日本の敗戦”に迫っていったことに、敬意を表する。
第一章 日本人にとって第一次世界大戦とは何だったのか
第二章 物量戦としての青島戦役-日本陸軍の一九一四年体験
第三章 参謀本部の冷静な『観察』
第四章 タンネンベルク信仰の誕生
第五章 「持たざる国」の身の丈に合った戦争-小畑敏四郎の殲滅戦思想
第六章 「持たざる国」を「持てる国」にする計画-石原莞爾の世界最終戦論
第七章 未完のファシズム-明治憲法に阻まれる総力戦体制
第八章 「持たざる国」が「持てる国」に勝つ方法-中柴末純の日本的総力戦思想
第九章 月経・創意・原爆-「持たざる国」の最後
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第一次世界大戦。いまだに日露戦争の負債を抱える日本にとって、それは僥倖と呼ぶに相応しいものであった。貿易統計から言えば、一九一三年に九七〇〇万円の入超であったものが、一九一七年には五億六七〇〇万円の出超。貿易外収支を加えると、一九一五年からの四年間に二七億四七〇〇万円の収入超過。日露戦争の戦費が二〇億円であったことを考えれば、とてつもない収入である。日露戦争の債務を解消し、爆発的産業発展の契機であった。

徳富蘇峰は『大戦後の世界と日本』の中で、列強の中で、「日本だけが学びそこねた」と言う。第一次世界大戦で、列強諸国は高い代価を支払ったからこそ、国家主義であろうが民主主義であろうが国家の総力を上げ、資源の続く限り戦い続ける体制を整えられなければ国が滅ぶことを学んだ。その体制を整えた上で、“持たざる国”は、“持てる国”には勝てないことを学んだ。一人、日本だけは局外にいて、軍需景気の利益を貪り続けたと、徳富蘇峰は嘆く。
大戦後の世界と日本』 
神尾光臣しかし、日本も第一次世界大戦を戦った。“青島要塞攻略戦”、ドイツが支那に得た膠州湾を中心とする租借地の拠点、要塞都市青島を攻略するための戦いである。動員されたのは独立第一八師団。師団長の神尾光臣は、旅順要塞攻略戦の現場を知る適任者であった。神尾は肉弾攻撃によらず、砲撃を第一とした。敵将ワルデック大佐が、「日本軍の長所は大砲の射撃、斥候の明敏、塹壕の穿ち方の巧妙にあり」というように、旅順攻略戦とはまったく違うものであった。神尾師団長は、新しい時代の戦い方を理解していたのであり、その戦い方を実行するだけの産業力が成長していたということである。青島攻略戦

青島攻略戦に見るように、日本は日露戦争に始まる近代戦の特質を理解していた。「参加砲兵の数、火砲威力、射程、精度及び弾薬準備数」によって勝ち負けが決まる。歩兵の突撃前に敵陣地を火力で破壊し尽くしておかなければならない。これは、一九一五年五月 のアルトワの戦いの後にフランス軍が到った結論である。青島戦役において日本軍が実践したことである。実際、第一次世界大戦観戦武官の報告によれば、“肉弾によらず、兵は個人用装甲車に乗り、空には飛行機が飛び交う戦いができるようにならなければならない”と結んでおり、参謀本部も今後の戦争のあり方を理解していた。この時点において理解されていた“総力戦構想”が、なぜ第二次世界大戦における“人間そのものの消耗戦”へとつながっていったのか。それを解き明かすことがこの本の本題である。
明日に続く

  

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本












































































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