めんどくせぇことばかり メモ:日米開戦前夜  『駐日米国大使ジョセフ・グルーの昭和史』 太田尚樹
FC2ブログ

メモ:日米開戦前夜  『駐日米国大使ジョセフ・グルーの昭和史』 太田尚樹

『駐日米国大使ジョセフ・グルーの昭和史』 太田尚樹『駐日米国大使ジョセフ・グルーの昭和史』 太田尚樹
(2013/03/15)
太田 尚樹

商品詳細を見る
日米開戦までの十年間、駐日米国大使を務め、戦争回避に最大限の力を尽くした。それ以上に、戦後の日本のあり方に大きな影響を与えた親日大使。
満州侵攻までの十年
日本政府は一九三一年九月の満州侵攻開始までのほぼ十年間、ワシントン会議の協約文書、ならびにその精神を守ることにきわめて忠実であった。そのことは中国に駐在していた当時の各国外交団全員がひとしく認めている。
在北京米公使ジョン・マクマリーのメモ


ハリマン事件
 日露講和条約が成立すると、アメリカは、鉄道王ハリマンをさっそく日本に送り込んできた。彼は日本がロシアから引き継いだ南満州鉄道の共同管理をもち掛け、桂太郎内閣で閣議決定して仮契約までいってしまったのである。
 この一件は、ポーツマスの講和会議から帰ってきた小村寿太郎外相が、急ぎ仮契約を破棄して日の目を見ずに終わった。
 実現していれば、以後、陸軍はあれほど対ソ戦略に苦慮することもなく、日華事変、さらには太平洋戦争へと進む歴史の行方は、随分と変わったものになっていたはずだった。
本書P51
以前から問題にされるところであるが、やはり著者は、‘アメリカの意思’を見落としていると思う。支那への進出こそアメリカの意志であり、アメリカはそこで日本に後れをとるつもりはなかったろう。ソ連との対立はよりあおられた可能性があるし、日本がアメリカの支那進出のダシに使われた可能性も考えられる。アメリカは日露戦争で傷を追っておらず、ポーツマスにおいてもさほど荷担されたわけではない。虫がよすぎる。

支那を求めるアメリカに対して
心地よい居眠りから、荒々しく揺さぶり起こされた。東京とワシントンに、ものわかりのいい人間がいて、日米の活動領域、つまり西半球と極東に介入することの愚かしさを認識してさえいれば、そもそも戦争の危機など、云々する必要はないのである。
昭和七(一九三二)年六月二一日駐日米大使歓迎昼食会で石井菊次郎元駐米大使の発言
大正十三(一九二四)年、アメリカで排日移民法可決以来の反日、反米感情の上に、この年の四月、太平洋で演習を終えた米大西洋艦隊が、そのままサンディエゴやサンフランシスコに居座っていることに、日本海軍は神経をとがらせた。ワシントン海軍軍縮条約により英:米:日の戦艦保有率が十:十:六に抑えられていたから、なおさらのことであった。石井の発言の背景にはこうした事情があった。

熱河省占領
昭和八(一九三三)年そうそう、関東軍が万里の長城北側熱河省占領。支那と満州の完全分離が目的であったが、背景には「阿片の一大産地である熱河地方を、押さえ阿片を独占する」という本音があった。東京裁判でも問題にされた部分であるが、この問題にイギリスが関わっていたことが明らかになり、沙汰やみとなった。
本書P62
グルー対国務省
[昭和八(一九三三)年、グルーは]スティムスン国務長官の対日経済制裁、スタンレー・ホーンベック極東部長の対日強硬策が、「日本の軍部過激派、右翼勢力を刺激することになり、その結果生じる危険性による合衆国の国益損失は計りしれず」と、国務省に警告を重ねていた。

グルーが日本大使の任を解かれ、ホーンべックの国務省極東部長の地位にあれば、日米関係は違った経路を歩んだことは間違いない。
本書P65・P177
国務省には、あたかも日本による侵略を黙認するかのような希望的観測、妥協策という反発もあった。実際、日本に在任した十年間を通じて、「グルー大使は日本に肩入れしすぎている」という見方や批判が、ワシントンでは強かった。 また、著者はホーンべックがハル国務長官やルーズベルトに影響を与えたように言うが、逆ではないか。ハルやルーズベルトにその意思があるからこそ、ホーンべックが極東部長の地位に就いたと考えるべき。

パナイ号事件
昭和十二(一九三七)年十二月十二日、揚子江の警備に従事していた米海軍の砲艦パナイ号が日本の海軍機から爆撃を受けて撃沈。スタンダード石油の油槽船三隻のうちの一隻も沈没。あわせて三名のと七十五名の負傷者を出した。
斎藤博駐米日本大使は、日本からの訓電を待たずに全米向けのラジオ局の番組を買い取り、「日本大使のヒロシ・サイトウです。今回の事件で私は日本国民を代表して、全米の皆様に対し、ただただ深くお詫びいたします。」と、涙声で繰り返し謝罪した。

海軍次官の山本五十六はアメリカ大使館にジョゼフ・グル―大使を訪ね、「したがって無差別爆撃、故意のいずれでもなく、誤爆だったことをぜひともご理解いただきたい。しかしながら今回の事件発生に対し、日本海軍はただ頭を下げるだけです」と、語った、米側を刺激するような、「何ゆえそこにパナイ号がいたのか」という事件発生の必然性を指摘する発言はなかった。
パナイ号事件に際し、斎藤博駐米日本大使、山本五十六海軍次官の行動
上記のような日本側からの謝罪、および全国から大使館あてに送られる手紙、義捐金、直接訪問しての謝罪等。激昂するアメリカ世論が沈静化していくのに、婦人、子ども、日本国民の誠意が大きな役割を果たした。

日米通商航海条約破棄
昭和十四(一九三九)年七月二十六日、「中国における日本の行動と、米国が日米通商航海条約の‘字句と精神’を守って日本に与えてきた公正な待遇との間に、大きな、しかも拡大しつつある相違」があるとして、条約の破棄を通告。グルーの進言を無視してとられたこの措置は、以後、対日石油輸出全面停止、ハル・ノートの「中国からの全面撤退」へとつながる。

《米英は経済制裁によって、日本が短時日のうちに屈服すると信じているが、その意見に私は同意しない。私は日本人をよく知っている。日本人は長い歴史を通じて災難と不運にならされてきた強壮な人たちであり、どこの国民よりも「やるか死ぬか」の精神を深く叩き込まれている。彼らは下帯をもう一度きつく締めてことを行うだろう。石油、ゴム、その他の軍事物資の供給が止まっても、彼らは米だけあれば戦争できるのだ》(グルーの個人覚書)
アメリカの強硬路線とグルー覚書

宣戦布告
 国際法を専門に扱う外務省条約局でさえ、「通告なしの攻撃も選択肢の一つ」とする見方があった。法的根拠より政治的判断の優先であり、そうなれば攻撃に先立って手交する宣戦布告も、事務的手続きだけであるから、さしたる問題ではないことになる。
 近年対アフガニスタン、イラクにしても、米国は宣戦布告なしに攻撃をしているのだ。では何ゆえ真珠湾攻撃を米側は「スキーニー・アタック」(騙し討ち)と決めつけたのか。これはまだハル・ノートを突きつけた時点で、米国は日本が攻撃してくるとは考えていなかったからであり、交渉続行中という意識だったとみられる。
 そして真珠湾攻撃が現実のものとなり、米国の予想よりはるかに大きな戦果を許したことで、米国世論に参戦を決意させるためにも、「騙し討ち」が不可欠のキーワードとして出てくることになった。
本書P237
この考えには同調できないし、同時に容認できない。残念ながら当時の日本政府は、無線傍受を通してルーズベルトにコントロールされており、近々に日本からの攻撃が行われるであろうことは完全に把握されていた。十二月七日のルーズベルトから天皇にあてた電報も、交渉継続中の‘予期せぬ騙し討ち’であることを装うためのカモフラージュであり、国民に参戦をせまる口実である。宣戦布告の手交が遅れたことにより、‘騙し討ち’が強調されるが、遅れていなくても交渉継続中の‘予期せぬ騙し討ち’であることは変わらなかったろう。

ハル・ノート起草者
モーゲンソー財務長官の信頼厚いハリー・デクスター・ホワイト次官補が、ハル・ノートの起草者である。彼が共産党の秘密工作員であることは、後に明らかになる。ホワイトは非米活動調査委員会に喚問され、その直後に怪死している。
本書P239
ハリー・デクスター・ホワイトは1892年から、リトアニア移民のユダヤ人の息子としてボストンに生まれる。ハーバード大学財務省入りし、ニューディール政策を担当。ヘンリー・モーゲンソー財務長官の信頼を得て、対外政策担当の首席補佐官となる。彼がソ連のスパイであったことは、1996年に機密解除されたCIAの内部資料によっても確認されている。

『なぜアメリカは、対日戦争を仕掛けたのか』 加瀬英明 ヘンリー・S・ストークス『なぜアメリカは、対日戦争を仕掛けたのか』 加瀬英明 ヘンリー・S・ストークス
(2012/08/01)
加瀬 英明、ヘンリー・S・ストークス 他

商品詳細を見る
あの戦争は、フランクリン・デラノ・ルーズベルトが仕掛けた。彼は、世界をぶち壊した。

『誰も教えないこの国の歴史の真実』『誰も教えないこの国の歴史の真実』
(2012/12/08)
菅沼 光弘

商品詳細を見る
日本を侵略国と断じた東京裁判の有罪判決でこの国の伝統文化はことごとく否定され、大東亜戦争をめぐる真実は封印された。

日米開戦の悲劇日米開戦の悲劇
(2012/03/14)
福井 雄三

商品詳細を見る


にほんブログ村 本ブログへ一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
関連記事

テーマ : 歴史関係書籍覚書
ジャンル : 本・雑誌

コメントの投稿

非公開コメント

ありがとうございました



「《めんどくせぇことばかり》は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。」
よくお越し下さいました

イーグルス16

Author:イーグルス16

息も絶え絶えです、ぜひ応援してください


現代とはなぜこんなにも棲みにくいのか。
前近代から近現代へと変貌し続ける世相の本質をつかみ生き方の支柱を示す。
カウンター
カテゴリ
こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
最新記事