『魔性の女挿絵集』 いい女ばっかり
![]() | 『魔性の女挿絵集』 (2013/03/22) 中村 圭子 商品詳細を見る 大正〜昭和初期の文学に登場した妖艶な悪女たち (らんぷの本) |
「魔性の女」挿絵(イラストレーション)展 -大正~昭和初期の文学に登場した 妖艶な悪女たち 弥生美術館 |
私にとって“魔性の女”って言うと、やっぱり『痴人の愛』のナオミかなぁ。いやいや、ナオミは自分の生き方を考えると非現実的過ぎる。『三四郎』の美禰子か。でも、美禰子からは立ち直れる。泉鏡花に出てくる女はダメだな。そうだ。“お蔦”だ。あれ?なんだか魔性から離れてきた気がしちゃったけど・・・。まっ、いいや。“いい女”ってことで。
いつもは脇役、場合によっては意識もされない「挿絵」。でも、こうやって“絵”を意識してみると、すごく個性があって魅力的ですね。“意識されない”、あるいは、“意識しているつもりはない”と思っていても、これだけの絵に揺さぶられないはずはないな。無意識ではあっても、サブリミナルに物語の中に引きずり込まれていく大きな要因を作っているだろう。だいたい「魔性の女」だ。先へ先へと読み急いでいたも、脳が放おっておくはずがない。
![]() | 泉鏡花や一門の本に多く挿絵を書いた鰭崎英朋・・・「ひれざきえいほう」という人の絵。すごいな。この色っぽさ。「二人と異なり、人の動きを瞬間的にとらえて表現できた躍動感に特徴がある。挿絵でも、小説のここだという点を見抜いて絵にしている。」って感じの人らしい。 |
高畠華宵っていう画家もすごい。“無国籍風な表情と中性的な雰囲気をもつ人物を描く。妖艶さと清楚さを併せ持つ”女を描く画家として活躍した人物らしい。右の絵もとても色っぽい・・・アレッ、バスクリン? | ![]() |
展覧会は六月三十日まで。弥生美術館って、千代田線の根津駅かな。行ってみようかな。それともこの本で、もういいかな。


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