『国境の島の「反日」教科書キャンペーン』 仲新城 誠
沖縄タイムス 2013・5・1 ▼28日、わが国の「完全」な主権回復を記念するとした式典では万歳三唱が起きた。お祝いにはしない、としていた国側の本音が透けて見える。「沖縄が経てきた辛苦に(略)思いを寄せる」とした首相の言葉もうつろに聞こえる ▼沖縄大会では「がってぃんならん」の叫びがこだまし、いつものガンバローよりも、怒りの深さを感じさせた。時を同じくして行われた二つの集会は、東京と沖縄の埋めがたい溝を照らし出す ▼「差別」「切り捨て」「離縁状を」「独立」などの文字が紙面に並んだ。数々の抗議集会、東京行動…。束になって異議申し立てを繰り返しても一顧だにされない無念の思いが、鋭い言葉の裏側に潜んでいる ▼「沖縄を返せ」の歌詞を「沖縄に返せ」に替えて歌うことが定着し、大会でも合唱された。沖縄のことは沖縄で決めたいという願いに呼応しているのだ。冒頭「民族の怒りに燃える島」の「民族」も別の意味を持って響く ▼ニッポンは母国にあらず島人の心に流す血を見つむのみ(玉城寛子)。28日付本紙歌壇に寄せられた短歌が重い。もしかすると多くの政治家には、その血潮さえも見えていないのかもしれないが。(具志堅学) |
言いにくい言葉だが、“自分たちが一番苦労した”と思い込んでる人は見苦しい。
沖縄タイムスには、真摯に歴史を見る目がまったく感じられない。日本化に関しても、戦中・戦後の出来事に対しても。主張するところは、“被害者”の立場からの要求ばかりだ。なにもかも、引きずり下ろす勢いだ。これら沖縄の新聞が、とんでもないことをやらかしていた。
![]() | 『国境の島の「反日」教科書キャンペーン』 仲新城 誠 (2013/02/28) 仲新城 誠 商品詳細を見る 沖縄と八重山の無法イデオロギー |
八重山地区教科書騒動の顛末
2010年 2月28日 中山義隆石垣市長誕生 16年ぶりの保守市政誕生 10月1日 現職校長の玉津博克が石垣市教育長に就任 2011年 5月 玉津、教科書選定方法の改革に着手。「八重山採択地区協議会」メンバー変更。調査員報告書内の順位付けと一種絞り込み廃止。 6月27日 協議会総会開始。玉津改革の変更点承認 8月23日 協議会総会(8人)で、公民に育鵬社版が採択される 8月27日 竹富町教委が育鵬社版を全会一致で不採択 9月1日 石垣市教育委員長の中本英立が石垣、竹富、与那国3市町の教育委員全員による「八重山教育委員協会」の召集を要請 9月8日 「八重山教育委員協会」臨時総会で、育鵬社版が逆転不採択となり、東京書籍版が採択される 9月13日 文科省が「逆転不採択は無効」との見解 10月26日 文科省が、協議会の答申に従わない竹富町について「無償給付の対象外」と国会答弁。自費購入は容認 2012年 2月22日 竹富町教委、寄付を受けて、東京書籍版を購入することを決定 |
革新の砦沖縄に、八重山の離島のこととはいえ、玉津博克による教育改革で「公民」教科書として育鵬社版が導入されるという決定は、確かに唐突にも思われる。しかしそれは、国境が賑やかになったことが原因で、国境についてしっかり触れられている育鵬社版の選択は、国境の町にすれば当然でもある。そう考えれば、沖縄教育界やマスメディアの反応の方が異常であり、玉津博克の改革は正規の手続きを踏んだものであり、しかも長らく無責任に放置されてきた教科書採択を考えれば、改革の必要性は正当であった。
横槍を入れて、文科省の教科書採択システムを無視したのが「逆転不採択」であり、そのイニシアチブを取ったのは、竹富町教育長の慶田盛安三と沖縄県教育委員会だった。そしてその背景にあるのが、長年において沖縄の世論を操ってきた沖縄タイムス、琉球新報といった、沖縄限定の主要マスメディアという構図である。そして、“独自購入”により教科書採択システムの抜け道を許した文科省の責任も大きい。
沖縄マスメディアの特徴は、イデオロギー色の強さにある。“沖縄人の生存と人権を脅かす米軍基地を前面撤去するため、日米両政府との闘争を続ける”という思想である。日本人の抱える沖縄への罪悪感は、沖縄の特別視を容認することにつながり、沖縄イデオロギーに濃厚な“反日、反米”という姿勢は、日本各地で足場をなくしつつある左翼の格好の隠れ蓑となっている。もちろん、沖縄マスメディアも、それを臆面もなく利用している。今では、県民を炊きつけることなど、いとも簡単にやってのける。
“竹富町教委には「自分たちは違法行為はしていない」という方い信念があった”という。彼らは今もわかっていない。自分たちのゴリ押しが、いかに日本の教科書採択制度を不安定にしたか。沖縄のやり方に一石を投じた玉津博克が悪い、“沖縄”の決定を認めなかった日本政府が悪いと、自らを省みようとはしない。イデオロギーは、全てに優先するのだろう。まだまだ今後も、沖縄は激動するだろう。
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上記のような文脈で書かれた本。しかし、『政府は、予算や基地問題でも、他の都道府県の時と同じような感覚で交渉するが、沖縄は違う。沖縄は政府対自治体の交渉をしているのではない。我々は日本国と外交交渉をしているのですよ。それが全く分かっていない。沖縄の歴史を見ればすぐに理解できるはずだが』という沖縄の在り方が今後も続けられるなら、沖縄が傷つけているものは決して‘本土’だけではなく、切り離すことのできない日本の一部である沖縄そのものなのではないだろうか。この本にはそういう視点がある。
![]() | 『新・沖縄ノート―誰も語れなかった沖縄の真実』 惠隆之介 (2011/12/21) 惠 隆之介 商品詳細を見る |


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