めんどくせぇことばかり 逝きし世の面影 (8)
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逝きし世の面影 (8)

逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)
(2005/09)
渡辺 京二

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第13章 信仰と祭り                                                          ギメ                                                                                                       「ここでは神々は恐れさせず、親しみがある」                                                   「すべての見せ物が宗教に関係している」                                                    「感じのよい、心やすい、気むずかしくない、ギリシャ人の宗教に似ていて、煩わしくない、楽しむことを少しも妨げない宗教」                                                                                                                                                                                                                                                        

ドイツ公使ブラント                                                                                                      聞くと、彼女の孫の足が悪いので、天狗様に願をかけているのだという。その子は下の茶屋で待っているとのことだった。ブラントは早速、二人の医師にその子を診察してもらった。少年はこの縁で医学校付属病院で手術を受け完治するに到ったが、婆さんが礼を言いにきたとき、ブラントが「天狗のところに行く代わりに、すぐ医者に行く方がよくはなかったか」と問うと、彼女は「そうかもしれませんけど、天狗様にお参りしませんでしたら、あなた様にもお目にかかれませんでしたろう」と答えた。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                  

ロシア正教日本大主教ニコライ                                                  「純朴な行楽は民衆から取り上げてはならないものだということも知るべきだ。新しい生き生きとした魂が彼らに与えられるものなのだ。ロシアのキリスト教徒にもこれはある」                                                                                                                                                         

第14章 心の垣根                                                                                                       英国第九連隊将校ジェフソン・エルマースト演技が終わって別れを告げ、それぞれの道をたどり始めると、芸人たちは何度も何度も振り返って「さよなら」と叫んだ。ジェフソンたちが道の曲がり角まできたとき、叫び声ときちがいじみた身振りで芸人たちは彼らの歩みをとどめた。立ち止まって振り返ると、彼らのうちの四人が太鼓と笛で別れの曲をやり始めた。みんな手を振っていた。ジェフソンたちも帽子を取ってそれに応えた。                                                                                                                                  ジェフソンたちはこれまで豪華な劇場や応接間で、世界各地の奇術を見たことがあった。「しかし、あの静かな小さな木陰で、柔らかい草堤にもたれて、薫り高い葉巻をふかし、透明な小川の水で渇きを癒しながら、この独楽廻したちと三十分間楽しんだときほど、何かを楽しんだということはこれまでになかった。」                     

                                                                                 フランス海軍士官デュパール                                                                                                     ・・・機関の具合が悪いらしく、そのうち戦隊が真っ二つに折れそうなすさまじい音が続いた。・・・船体はぞっとするほど揺れたが、その拍子に故障が直ったらしく、あとは順調に船は進んだ。                                                                                                                「この騒ぎの間、私は同行者たちの様子をずっと観察していた。特にご婦人や娘さんの表情には注意を怠らなかったが、彼女らは眉一つ動かさなかった。」                                                                                                                                                                                                                                                                                                                  

私は冒頭で、この「逝きし世」の手触りと既視感を述べた。しかし今、あらためてこの本のページをめくりながら、深い悲しみを感じている。やはりこの「逝きし世」は、失われたのだ。                                                                                                                                                                                                            すべて、きれいさっぱり。手触り、既視感を感じるほどに身近ではあっても、悲しいまでにきれいさっぱい失われたのだ。欲して、手の届くものではない。すでに死んだ父や母のように・・・                                                                                                                                                                                                                                                               

私たちには、所詮、今しかない。もし私たちの奥底に、その時代の人々と同じ心が少しでも残っているとしても、私たちは「今」と共に生きていくしかない。心の奥底を見つめながら・・・                                                                                                                                                                                                            

それにしてもこの悲しみは・・・
 
                                                                              
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やられた本












































































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