めんどくせぇことばかり 『チャーチル 不屈のリーダーシップ』 ポール・ジョンソン
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『チャーチル 不屈のリーダーシップ』 ポール・ジョンソン

三期に渡りイギリスの首相を務めたスタンリー・ボールドウィンは、チャーチルについてこう語っている。
ウィンストンが生まれた時、たくさんの妖精が揺りかごに降り立って贈り物を届けた。想像力、表現力、勤勉さ、才能という贈り物だ。そこに降り立ったある妖精が、こんなに贈り物をもらってはいけないといい、赤ん坊を抱きかかえて揺さぶったものだから、これだけの贈り物をもらいながら、判断力と知恵を持てなくなった。だから、下院ではみなウィンストンの演説を喜んで聞くが、助言は受け入れないのだ。
それでもチャーチルがこれだけの仕事ができたのは、努力を届けた妖精が二人いたからに違いない。

『チャーチル 不屈のリーダーシップ』 ポール・ジョンソン『チャーチル 不屈のリーダーシップ』 ポール・ジョンソン
(2013/04/25)
ポール・ジョンソン

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チャーチルには戦場での実戦経験と、歴史に対する深い関心と洞察力があった

一九四〇年五月、チェンバレン首相の辞任を受け首相に就任。国防大臣を兼任してバトル・オブ・ブリテンを指揮する。在任期間は一九四五年七月まで及ぶ。本書から、この間のチャーチルの置かれた状況を十項目抜き出しておく。
  1. 政治家と軍人に対する国民の意識の変化が追い風になった。この頃、軍に対する国民の評価は低下し、それを背景にして軍を掌握できた。
  2. 権力がチャーチル一人に集中し、全党からの支持を受けていた。さらに国王ジョージ六世は、「チャーチル以上の首相はいない」と述べるほど信頼が厚かった。
  3. 宥和派のチェンバレン首相と対立しながらも、それまでナチスの脅威について警告してきた。就任の時点で、その警告の正しさが明らかになっていた。
  4. 健康であった。六十五歳という年齢にもかかわらず、精力の塊であるかのように働いた。一日十六時間働き、他人にもそれを求めた。
  5. 我々は決してひるまないし、屈しない。フランスで戦い、海で戦い、高まる自信と強まる力をもって空で戦う。いかなる犠牲を払おうともこの島を守る。我々は水際で戦い、上陸地点で戦い、野で戦い、町で戦い、丘で戦う。我々は決して降伏しない。                                   一九四〇年六月四日 ダンケルク撤退戦
  6. ヒトラーを叩くことよりもムッソリーニに打撃を与えることを優先した。
  7. 東アフリカと中東を制することでペルシャ湾岸の原油政策を確保した。この地でのイタリアへの勝利はイギリスが勝ちに転じたことを国民に印象づけた。
  8. 国力の大小にかかわらず、常に同盟国を求めた。
  9. 優先順位を正しくつかむ得意な能力があった。戦時の政治指導者として、最も重要な長所である。ヒトラーを叩くためにスターリンとも組んだ。ドイツ粉砕を最優先するようルーズベルトとその側近を説得した。

 ルーズベルトとの関係 
ルーズベルトは、チャーチルが明らかに植民地の維持を望んでいる点に強く反対していた。チャーチルがあくまで戦争の勝利を望んでいる時に、ルーズベルトは背後に帝国維持の動機があるのではないかと疑った。

ルーズベルトはチャーチルに警戒感を持ちすぎていたのに対して、スターリンには警戒感を欠き過ぎていた。ルーズベルトはチャーチルと違い、共産主義と直接対峙したことがなく、共産主義を嫌ってもいなかった。一九四一年のカイロ会談に際して、チャーチルは英米の連携を重視したが、英米の連携重視がソ連の警戒を招くという危惧をルーズベルトは優先した。




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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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