めんどくせぇことばかり 『知らないと恥をかく世界の三大宗教』 加藤智見
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『知らないと恥をかく世界の三大宗教』 加藤智見

池上彰が、“知らないと恥をかく・・・”というタイトルの本をたくさん書いている。私は池上氏の、読者の上に立ったような姿勢が好きではないし、この“知らないと恥をかく・・・”というタイトルは、彼のそういった姿勢をよく表していていやらしい。そういう本に書かれていることはたしかに基本的な知識で、知っていれば社会人、あるいは大人としての幅が広がるし、誰でも知識には積み残しがあって、それを補うことができる。だからといって、年端もいかない子供の前で腰に手を当てて立ちはだかるように、“知らないと恥をかく・・・”などとふんぞり返る必要はない。

この本はいい本だと思う。どれもこれもごく基本的な知識で、それなりに宗教に関する勉強をしてきた人には物足りない。でも、新聞やテレビの報道だけでは置き捨てにされてしまう知識、それでいて宗教の本質に関わる大事な要素が律儀に取り上げられていて親切だ。今さら人に聞くわけにはいかないと多くの人が思っていて、本当に知っている人は少ないようなことを的確に取り上げている。文章を読めばわかるが、池上氏の書いたものと違って著者の柔らかい人柄が伝わる。だから、それだけに題名が残念だ。著者本人がつけたわけではないのだろうが、いい本だけに、もしも著者が続けてこの手の本を出すなら、タイトルは変えたほうがいい。


『知らないと恥をかく世界の三大宗教』 加藤智見『知らないと恥をかく世界の三大宗教』 加藤智見
(2012/03/06)
世界博学倶楽部

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「宗教なんて知らない」では済まされない!
キリスト教、仏教、イスラム教-宗教を知れば世界が見えてくる

以下は、なんだかんだと言うよりも、項目を列挙したほうがわかりいいと思うので・・・。
第一部 これだけは知っておきたい!三大宗教の成り立ちと教え
第一章 開祖はどんな人物だったのか
処女マリアはどのようにして神の子を身ごもったのか
なぜ群衆は「イエスの死」を望んだのか
イエスの生涯に深く関わったキーパースンたちとは
仏教はなぜ唯一無二の聖典がないのか
仏陀は以下にして悟りを開いたのか 
仏教教団はなぜ分裂してしまったのか
争いや差別に怒りを覚えたムハンマド
ムハンマドはどうやってメッカを征服したのか
ムハンマドの生涯に深く関わったキーパーソンたちとは
イエスはどんな奇跡を起こしたのか
イエスの死と復活がもたらしたもの

仏陀の教えが文書化されなかった理由
仏陀の教えはこうして広まっていった
ブッダの生涯に深く関わったキーパーソンたちとは
ムハンマドはどうやって天からの啓示を受けたか
ムハンマドが死んだあとはどうなったのか

第二章 聖典にはなにが書かれていたのか
『旧約聖書』と『新約聖書』はどう違うのか
『新約聖書』に書かれている内容とは
仏教にはなぜ唯一無二の聖典がないのか
経典にはどんな教えが書かれているのか
ムハンマドが伝えた神の啓示の内容とは
時代の変化に応じて変わる法「シャリーア」
『旧約聖書』に書かれている内容とは
4つの「福音書」にはなにが書かれているか
仏陀の教えが文書化されなかった理由
仏陀の思想の真髄『般若心経』
『コーラン』と『旧約聖書』の奇妙な共通点とは
イスラム教徒が守るべき慣行が書かれた「ハディース」

第三章 何を信じ、どういきるのか?
「三位一体」説とは何か
キリスト教はなぜ「愛の宗教」と呼ばれるのか
儀式の中で最も大切な「復活祭」
仏教の基本「三法印」とは?
仏教における4つの聖なる真理とは
仏教でいう「慈悲」の心とは
ムスリムが信じるべき6つのことがらとは
アッラーは、キリスト教、ユダヤ教の神とどう違うのか
「神の民」となるために必要な8つの資質
人間が生まれながらにして罪を背負っている理由
カトリックが人生の節目で行う「七つの秘跡」とは
仏陀が菩提樹の下で得た真理とは
仏教信者が守るべきルール「五戒」と「八斎戒」

断食は何のために行われるのか
イスラム教徒が生涯に一度行う「巡礼」とは
 
第四章 世界はどう始まり、どう終わるのか? 
神が世界のすべてを創り出したキリスト教
天国へいける人、地獄へ送られる人
仏教の根本原理「縁起」とは
「冥土の旅」とはどんなものなのか
地獄の恐怖は罪深さを反省させるため
イスラム教とキリスト教の創造神話の違い
イスラム教における「天国」と「地獄」
人は死ぬことで、神と自由に交われるようになる
「新約聖書」に書かれた世界の終わりとは
「輪廻転生」思想は仏陀の教えではない
極楽浄土とはどんなところか
仏教における終末思想の考え方とは
イスラム教ではなぜ土葬しか認めないのか

第二部 もっと知りたい! 三大宗教の素朴な疑問Q&A
第五章 キリスト教の素朴な疑問
*「神父」と「牧師」はどう違うの? *「ローマ教皇」と「ローマ法王」はなにが違う?
*ノアの箱舟伝説って本当にあった話なの? *なぜイスカリオテのユダはイエスを裏切ったのか?
*はたしてイエスは実在の人物だったの? *ユダヤ教とキリスト教はどうして対立しているの?
*キリスト教にも食べ物のタブーはあるの? *讃美歌はいつ誰がうたいだした?

第六章 仏教の素朴な疑問
*インドで仏教とが少ないのはなぜ? *戒名とキリスト教の洗礼名ではどこがちがうの? 
*仏教と密教の違いって? *日本にはオリジナルの仏教がある? *仏像の種類ってどれくらいあるの? 
*神様と仏様ってどう違うの? *仏教由来の行事ってどんなものがあるの? 
*除夜の鐘はどうして一〇八回撞かれるの?

第七章 イスラム教の素朴な疑問
*どんな宗派があるの? *どうして女性はヴェールで顔を覆わないといけないの?
*モスクは教会やお寺とどう違うの? *どうして偶像崇拝を禁止しているの? 
*ムスリムが豚肉を食べてはいけないのはなぜ? *イスラム教が一夫多妻を認めているのはなぜ?
*イスラム原理主義とはどんなものなの? *ジハードっていったい何?
第二部はとても面白いです。「あれっ、これってなんでだったっけ」ってことだけ拾って読めばいい。たとえば、『キリスト教に食べ物のタブーがないのは?』なんて、人に問題出したら面白そうですよね。

ただ、一番最後の『ジハード』の記述は、少し、今の世界に照らして考えていいように思う。たしかに本来のジハードが「神のために奮闘努力すること」であって、歴史の多くの期間、多くの場所でそのように意識されて信仰が受け継がれてきていたとしても、さらに、今もそのように考えて信仰を続けているものたちが多数いるとしても、‘異教徒との戦いこそがジハード’という意識でテロに走る者たちがいる。彼らに‘それはキタールであって、ジハードではない’と言っても無駄。ならば、異教徒である私たちが、‘あれはキタールであってジハード’と認識すれば、テロリストの心情を読み間違えることになる。

最後に意見書いちゃったけど面白い本だった。『知らないと恥』なんて居丈高なのはタイトルだけで、内容はとても優しく、親切に書かれています。かといって、部分的には踏み込んだ記述があって、決して物足りない内容でもありません。あっ、あくまでも、私には・・・、ねっ。


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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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