三本の矢 『名将言行録 現代語訳』 岡谷繁実
隆景が進みでて「なにごとも欲から生ずることです。欲を捨てて義を守れば、兄弟親族に不和ということはありません」と言ったので、元就は大変喜び「隆景の言ったことを忘れるなよ」と戒めた。
輝元(元就の長男隆元の遺児)は、さらに参考となるべき教えを請うた。
元就は、「お前は二人の叔父(隆元の弟吉川元春と小早川隆景)に対しては、祖父のわしに対するのと同じようにせよ。かならずそれを守れば、わしの業を守り続けることができるであろう」と言って息を引き取った。
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大内義興が、かつて元就を褒めて言うには、「彼は楠木正成級のすぐれた武将である。きっと正成の生まれ変わりであろう」と。
また山本勘助は「上古のことはさておき、近き代では、足利尊氏、新田義貞より以後では、ただ元就だけである」と称賛した。
関ヶ原で苦汁をなめ、長きにわたって徳川家の前に屈することになるが、結局、家を長らえる。幕末においては、吉田松陰、高杉晋作、木戸孝允らを排出し、明治維新の主力となる。 サッカーJ1、サンフレッチェ広島は、三本の矢が語源。 | ![]() |


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