めんどくせぇことばかり ウィルソンのマニフェスト・デスティニー 『オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下』
FC2ブログ

ウィルソンのマニフェスト・デスティニー 『オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下』

オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下
(2013/04/04)
オリバー・ストーン、ピーター・カズニック 他

商品詳細を見る
アメリカに付せられた「自由世界の擁護者」というイメージ。しかし、それは真の姿だろうか?
一九二〇年代前半までに、ジェファーソン、リンカーン、ホイットマン、そして若きウィリアム・ジェニングス・ブライアンのアメリカは存在しなくなった。それは、マッキンリー、セオドア・ルーズベルト、J・エドガー・フーバー、そしてウッドロー・ウィルソンの世界に取って代わられたのだ。
ホイットマンは詩人、ジャーナリストにしてヒューマニスト。ウィリアム・ジェニングス・ブライアンは民主党大統領候補に三度選ばれたポピュリスト。

「マッキンリー」以降とオリバー・ストーンは言うが、それ以前にアメリカは“太平洋”に出会っている。彼らは、やがて太平洋に習熟し、盛んに捕鯨船を走らせることになる。日本を開国させるべくペリーが来日したのは十三代大統領フィルモアの時代、一八五三年である。マッキンリーは、先代クリーブランドを悩ませたハワイ問題に一気にけりをつけ、一八九八年に併合している。太平洋を自国の海にすべく、アメリカはそれまでのモンロー大統領の宣言した相互不干渉を身勝手に維持しつつ、海外進出に打って出たのである。

最後に名前を挙げられたウィルソンは、迷惑なまでに道徳心が強く、自分にも、それ以上に他人にもそれを求める性質から、その時代のアメリカを感じ取るのにふさわしい。

「アメリカは世界で唯一の理想主義国家だ」と宣言し、それが真実だと信じているかのように行動した。民主主義を広め、植民地主義を終わらせ、世界を変貌させることを彼は望んだ。彼の業績は、そんな素晴らしい目標にはとても届かなかった。民族自決を支持し、国体としての帝国に反対した一方で、彼はロシア、メキシコ、そして中央アメリカ全域で、他国の内政に繰り返し干渉した。改革を奨励しておきながら、庶民の暮らしを実際に改善するであろう根本的で、ときには革命的でもありうる変化については、深い疑いを抱いたままだった。社会正義を擁護しながら、財産権は極めて神聖で、決して侵害されてはならないと信じていた。人類は皆兄弟だという考え方を支持した一方で、有色人種は劣っているとの思い込みがあり、連邦政府内で人種差別を復活させた。民主主義と方による支配を口では称賛しながら、市民の自由の甚だしい侵害を見過ごした。帝国主義を非難しながら、世界に帝国主義的秩序が維持されるのを認めた。ベルサイユにおけるウィルソンの働きが唖然とするほど無様だったことは、上院で国際連盟加盟も含めたベルサイユ条約の批准が可決されなかった一因となった。ウィルソン大統領


要は、“民主主義を広め、植民地主義を終わらせ、世界を変貌させる”能力も資質も、ウィルソンは持ち合わせていなかったと、オリバー・ストーンは言っているわけだ。インディアンに対する民族浄化と黒人奴隷を使役した西武開拓は、神によって与えられた“アメリカ人”の「明白なる使命」、マニフェスト・デスティニーだった。太平洋に達し、当初の目的を達成した彼らは、太平洋から世界に向けて、新たなマニフェスト・デスティニーのステージへと進んだ。しかし、ウィルソンは力不足だったと。

たしかにそのとおりなのだが、私にはオリバー・ストーンも、マニフェスト・デスティニーの徒でしかないように思える。もちろん、ウィルソンとは目指すものは違っているのだが・・・。



にほんブログ村 本ブログへ一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
読書
記事一覧


関連記事

テーマ : こんな本を読んだ
ジャンル : 本・雑誌

コメントの投稿

非公開コメント

ありがとうございました



「《めんどくせぇことばかり》は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。」
よくお越し下さいました

イーグルス16

Author:イーグルス16

息も絶え絶えです、ぜひ応援してください


現代とはなぜこんなにも棲みにくいのか。
前近代から近現代へと変貌し続ける世相の本質をつかみ生き方の支柱を示す。
カウンター
カテゴリ
こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
最新記事