めんどくせぇことばかり “約束の地”パレスチナとアメリカ 『世界は宗教で動いてる』 橋爪大三郎
FC2ブログ

“約束の地”パレスチナとアメリカ 『世界は宗教で動いてる』 橋爪大三郎

神は、カナンを“約束の地”としてイスラエルの民に与えた。出エジプト後、長い年月をかけて、彼らはそこに王国を建設した。信仰を失わなければ、神はそれに必ず応えてくれた。

『世界は宗教で動いてる』 橋爪大三郎『世界は宗教で動いてる』 橋爪大三郎
(2013/06/18)
橋爪 大三郎

商品詳細を見る
宗教を理解すれば、グローバル世界を読み解く最大の鍵が手に入る。

カルヴァン派の立場から、イギリス国教会の徹底改革を唱えた人びとは、純化する(Purify)からピューリタンと呼ばれた。もともと彼らは、カトリック教会の権威主義と世俗化、聖職者の腐敗や堕落を批判し続ける立場にあり。イギリスにおいても、国教会の宗教改革は中途半端であり、その改革を徹底するよう要求し続けたのである。

そのため彼らは、国教会によって異端視され弾圧を受けた。イギリス王権は、様々な形で圧力・迫害を加え続けた。やがて彼らの中には、住み慣れた家と土地を離れ、生計のすべてを捨て、イギリスを立ち退くことを選択するものも現れた。迫害から逃れた彼らが向かったのは、宗教的寛容政策を採っていたオランダであった。なれない異国での厳しい生活を送る彼らに、アメリカ植民地への移民話が舞い込んだ。彼らはイギリスの許可を得て、新大陸アメリカへ向かった。

一六二〇年、後に「巡礼の始祖」(ピルグリム・ファーザーズ)と呼ばれるピューリタン四一名を交えた一〇二名(うち二九名が女性)がメイフラワー号に乗って北アメリカのヴァージニア植民地のハドソン川河口あたりを目指して出発した。彼らは船内で、団結と規律、新天地での開拓指針を協議し、「メイフラワー誓約」(「メイフラワーコンパクト」)と云われる契約書を作成した。契約は、互いに協力して公正と平等を重んじ、法に基づいて理想社会を建設する精神を称揚し、使用人と主人、または人民と君主ではなくて同じ目的を持った人々の集団と各個人の間にて結ばれ、神がその立会い者であるとする社会契約説に基づく連判状になっていた。41家族の主がサインをした。

九月十六日に出発した彼らが、現在のプリマス港に到着したのは十二月二十六日。長い船旅と新鮮な食べ物の不足、そして冬の寒さが、多くの命を奪った。春を迎えることができたのは、四十一家族一〇二名いた移民のうち二十三家族五十名に減少していた。
強い宗教的使命感持った彼らは、自らの苦難の旅を“パレスチナに導かれるイスラエル人”に重ね合わせたことだろう。新大陸こそ、神が自分たちに与えてくれるはずの『約束の地』であると。なぜなら、彼らにとってそこは、“誰も住んでいない空き地”だったのだから。

“インディアン”はいた。しかし、聖書でも同じ物語が語られている。彼らがそこにたどり着いた時、 アメリカ人は後に「マニフェスト・デスティニー」という言葉を使った。
6:16 七度目に、祭司が角笛を吹き鳴らすと、ヨシュアは民に命じた。「鬨の声をあげよ。主はあなたたちにこの町を与えられた。6:17 町とその中にあるものは、ことごとく滅ぼし尽くして主にささげよ。ただし、遊女ラハブおよび彼女と一緒に家の中にいる者は皆、生かしておきなさい。我々が遣わした使いをかくまってくれたからである。
6:18 あなたたちはただ滅ぼし尽くすべきものを欲しがらないように気をつけ、滅ぼし尽くすべきものの一部でもかすめ取ってイスラエルの宿営全体を滅ぼすような不幸を招かないようにせよ。6:19 金、銀、銅器、鉄器はすべて主にささげる聖なるものであるから、主の宝物倉に納めよ。」

6:20 角笛が鳴り渡ると、民は鬨の声をあげた。民が角笛の音を聞いて、一斉に鬨の声をあげると、城壁が崩れ落ち、民はそれぞれ、その場から町に突入し、この町を占領した。
6:21 彼らは、男も女も、若者も老人も、また牛、羊、ろばに至るまで町にあるものはことごとく剣にかけて滅ぼし尽くした。

三〇〇年後、またも“約束の地”を目指すものが現れる。彼らもやはり宗教を理由にさまざまな圧力・迫害に苦しみ、“約束の地”を目指した。そしてやはり聖書と同じように、インディアンを発見したアメリカと同じように、“約束の地”にパレスチナ人を発見した。

    

にほんブログ村 本ブログへ一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
読書
記事一覧


関連記事

テーマ : 歴史関係書籍覚書
ジャンル : 本・雑誌

コメントの投稿

非公開コメント

ありがとうございました



「《めんどくせぇことばかり》は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。」
よくお越し下さいました

イーグルス16

Author:イーグルス16

息も絶え絶えです、ぜひ応援してください


現代とはなぜこんなにも棲みにくいのか。
前近代から近現代へと変貌し続ける世相の本質をつかみ生き方の支柱を示す。
カウンター
カテゴリ
こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
最新記事