『日本兵を殺した父』 デール・マハリッジ
最初にこういうことを言うのもおかしいんだけど、この本は悪い本じゃない。面白い本だと思う。だけど、我慢ならないことがあるので、この記事の後半で、ケチをつける。
アメリカでは、これまで、こういった本が出版されてくなかったのか。こういった“戦争”のことも知らずに、アメリカ人は毎日の生活を送っているのか。もしかしたら、朝鮮戦争やベトナム戦争のことも知らないのか。アフガニスタンやイラクで、アメリカ兵が何をやっているか、現地の人達からどう思われているかも知らないのか。かつてアメリカが日本を占領していたことは知っているのか。今もアメリカが、日本に基地を持ってることくらいは知ってるのか。アメリカ兵が日本で犯罪を犯すことは知ってるのか。
どうして、いまさらこのような本が書かれているのか。
どの項目も読み応えがあり、とくに第三部、第四部で語られる戦場での体験は圧巻である。しかし、読み終わった今、私の心に残るのは、第一部の「父の戦後」なのだ。これは、あの戦争に圧倒的な勝利を収めたアメリカの兵士の話なのか。アメリカは、勝ったのではなかったか。
その第一部の終わりに、著者がこの本を書くことになった経緯が、以下のように書かれている。少し長くなるが・・・
感動ではない。そんなことに今更気がついたのかという驚きだ。アメリカは、日本との戦争も含めて、あれだけの戦争を戦っておきながら、なんて戦争から遠いところにいるのか。だからこそ、著者は“あとがき”のなかで、次のような無様を晒す。
イカサマ女ことアイリス・チャンの友人ということで“お里が知れる”(わざと使っているのでお気遣いなく)というところだが、デール・マハリッジという人は、アイリス・チャンみたいな確信犯ではないようだ。褒めているんじゃなくて、その分、質が悪いとも言えるわけだけど、救いがないわけでもない。日本のことを悪く言ったり、著作に悪く書いたりするのなら、その前に、アイリス・チャンをはじめとする質の悪いお友達とは縁を切って、自分で調べろ。自分で調べりゃ、すぐ分かるから、アイリス・チャンがいかにたちの悪い女だったか。
誰か、英語に訳してこの本の著者、デール・マハリッジ氏に伝えてください。







一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
第二次世界大戦が終わり、大勢の男達がアメリカに帰還した。けれども「良い戦争」の名のもとに無数の美談が語られるばかりで、遠い海外で男たちが本当に体験したこと、そして彼らが家に戻ったあとのことは無視されている。 |
![]() | 『日本兵を殺した父』 デール・マハリッジ (2013/06/24) デール マハリッジ 商品詳細を見る ピュリツァー賞作家が見た沖縄戦と元兵士たち |
どうして、いまさらこのような本が書かれているのか。
第一部 父の戦後 第二部 場所と歴史 ― グアムと沖縄 第三部 十二名の海兵隊員 第四部 亡霊の島 ― 沖縄を訪ねて |
どの項目も読み応えがあり、とくに第三部、第四部で語られる戦場での体験は圧巻である。しかし、読み終わった今、私の心に残るのは、第一部の「父の戦後」なのだ。これは、あの戦争に圧倒的な勝利を収めたアメリカの兵士の話なのか。アメリカは、勝ったのではなかったか。
その第一部の終わりに、著者がこの本を書くことになった経緯が、以下のように書かれている。少し長くなるが・・・
人と人との関係では、お互い相手を求める強さが違うことがままある。私も時間がたってやっと分かった。父の人生のなかで母は大きな位置を占めていたが、母にとってはそれほどでもなかった。戦争のあと、父のより処は母だった。四年間の酒びたりの生活から抜け出せたのは、母に出会ったからだ。私たち兄弟も生まれた。父は自らの異常性をひた隠しながら、戦場で受けた脳の損傷と忌まわしい記憶が作り出す怒りの悪魔と戦い続けた。悪魔に屈しないための盾のような役割を、母は(そして私たち子供も)引き受けさせられた。 そのため母が支払った代償は大きかった。母の死後、ひとつだけ私が確信したことがある。それはグアムと沖縄での父の体験を、本気で突き止めねばならないということだ。マリガンの遺骨のありかがわかればそれで終わりではない。あの戦争で父が果たした役割をすべて把握しなくてはいけない。戦争が父母の結婚生活に大きな影を落としてきたことに、私はようやく気づいた。母の人生を変え、この家で育った子どもたちの人生を決めた戦争は、今の私にも続いている。 |
感動ではない。そんなことに今更気がついたのかという驚きだ。アメリカは、日本との戦争も含めて、あれだけの戦争を戦っておきながら、なんて戦争から遠いところにいるのか。だからこそ、著者は“あとがき”のなかで、次のような無様を晒す。
一九三七年に日本軍が行なった南京虐殺はよく知られている。私の友人だった故アイリス・チャンは著書『ザ・レイプ・オブ・南京』のなかで、捕虜が銃剣訓練や首切り競争の的にされたり、「ガソリンをかけられ」生きたまま焼き殺されたと書いている。強姦された女性の数は数万人にのぼり、死体は無残に切り刻まれた。この本では殺された民間人は二十六万以上となっているが、三十五万人超とする資料もある。もちろん、こうした狂気の暴虐が行われたからといって、沖縄で十五万人が犠牲になる必要はどこにもなかった。 |
イカサマ女ことアイリス・チャンの友人ということで“お里が知れる”(わざと使っているのでお気遣いなく)というところだが、デール・マハリッジという人は、アイリス・チャンみたいな確信犯ではないようだ。褒めているんじゃなくて、その分、質が悪いとも言えるわけだけど、救いがないわけでもない。日本のことを悪く言ったり、著作に悪く書いたりするのなら、その前に、アイリス・チャンをはじめとする質の悪いお友達とは縁を切って、自分で調べろ。自分で調べりゃ、すぐ分かるから、アイリス・チャンがいかにたちの悪い女だったか。
誰か、英語に訳してこの本の著者、デール・マハリッジ氏に伝えてください。


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